生理痛はなぜ起こる?生理痛の原因や症状。受診のタイミングは?

毎月やってくる生理は出血だけでなく、辛い生理痛を伴うという場合がほとんど。実に7割近い人が生理中の腹痛に悩んでいるそうです。こうした生理痛はなぜ起こるのでしょうか。実は生理痛はある病気のサインであることもあるのです。詳しい症状やクリニックを受診するタイミングについてお話します。

まずは生理のメカニズムから

平均28日周期でやってくる生理

生理は毎月やってくる厄介なもの、という認識の女性も多いかもしれませんね。
生理は医学的には「月経」と呼ばれるもので、生理と生理の間隔(生理周期)は25~30日程度という方が多いでしょう。生理周期を28日とするのは、あくまでも平均的な話。多少短かったり、長かったりと個人差があります。

通常、生理期間は3~7日。生理痛のピークは生理初日から2日目と言われています。出血量にも個人差がありますが、3日目を過ぎたころから徐々に量が減ってくるという方が多いようです。

知っておきたい生理のしくみ

生理痛についてお話する前に、まずは生理のしくみについて触れておきましょう。

生理中に血液として体の外に出てくるもの(経血)は、子宮の内側を覆う「子宮内膜」です。「膜」というと、一枚のひらひらした布を思い浮かべるかもしれませんが、子宮内膜は細胞や毛細血管などが集まった組織です。その組織が血液に溶けて、経血として排出されるのです。

子宮内膜は、いわば赤ちゃんのベッド。毎月の排卵に合わせていつ受精卵を迎えてもいいように、子宮内膜も厚くなり、生理前になると約1cm程の厚みにまで成長します。
しかし、受精卵が着床せず、妊娠に至らなかった場合は子宮内膜は子宮から剥がれ落ち、排出されることに。それが生理です。

毎月赤ちゃんを迎えるために、新品のベッドを用意するのが女性の体の仕組みなのです。

生理痛の原因は?

厚生労働省の調査によると、「生理痛がない」という方はおよそ1割というデータがあります。つまり、ほとんどの人が多かれ少なかれ何らかの症状を抱えているということ。では、なぜ生理痛が起こるのか。生理痛の原因についてみていきましょう。

プロスタグランジン(PG)の量が関係

子宮から剥がれ落ちた子宮内膜を体外に排出する際に、子宮が収縮します。歯磨き粉のようにチューブから絞り出すようなイメージがいいかもしれませんね。その子宮収縮による痛みが生理痛です。子宮収縮が強くなればなるほど、下腹部痛や腰痛を強く感じることになります。

生理痛の程度には、子宮内膜から出る「プロスタグランジン」という物質が関係していると言われています。強い下腹部痛や腰痛を訴える女性の場合、このプロスタグランジンの分泌量が多いという報告があるのです。
プロスタグランジンは経血の排出に必要な物質ではあるものの、多量に分泌されることで、過度に子宮が収縮しているため強い痛みを生じさせていると言われています。

子宮の出口が狭いために起こる痛み

子宮から経血が排出される際に、チューブを絞るように子宮が収縮します。というのも、子宮の出口(子宮口)はとても狭いもの。この狭い出口を押し広げながら経血が通ることで生理痛が起こるとも言われています。この子宮口の狭さに起因する生理痛は、比較的若い世代に多い症状です。

心理的要因も

生理痛は、女性の精神面を反映することもあります。
たとえば、生理がきたことで衣服を汚してしまったりしないか…というような緊張感や不安感は特に若い世代ほど多いかもしれません。そうした心理的な緊張・不安も生理痛に影響するとされています。

若い世代だけでなく、仕事のストレスや育児の疲れは、自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れにつながります。その結果、血液の流れが悪くなるなどし、生理痛が起こりやすい状況ができてしまうこともあるのです。

[厚生労働省]生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会報告書について
*こちらのサイトを参考とさせていただきました

公益社団法人日本産科婦人科学会 月経困難症
*こちらのサイトを参考とさせていただきました

腹痛だけじゃない!生理痛の場所やからだの変化

代表的なのは下腹部痛や腰痛

生理痛といえば、下腹部の痛みや腰の痛みが一般的ですよね。先述したように、子宮が収縮することで下腹部や腰に痛みを感じることがあります。
厚生労働省のある調査によると、生理中に下腹部痛を感じる人はおよそ67%、腰痛を感じる人はおよそ46%。実に半数以上、あるいは半数近い方の生理痛の症状が下腹部や腰などお腹周りに集中しています。

頭痛を訴える人も

生理痛の痛みはお腹周りに限ったことではありません。胃痛を感じる人もいれば、子宮から遠く離れた頭に痛みを覚えるという方もいます。生理中の頭痛は、主にホルモンバランスの変化からきていると言われています。

痛み以外にも、吐き気・めまい・倦怠感などは生理中に現れる女性の不調として多いもの。特に全身の倦怠感は、厚生労働省の調査で実に36%の人が申告しています。

生理痛以外に起こる心の変化

体だけでなく、心にも不調が現れるのが生理のやっかいなところ。

生理中は、イライラする・怒りっぽい・気分が落ち込みやすいといったメンタル面の乱調に悩む方が多いものです。これもまたホルモンバランスなどが関係しているのですが、コントロールが難しいのが悩みの種かもしれません。できるだけリラックスできる環境を作ることで改善できることもあります。

月経前症候群(PMS)による悩みも

不快な症状が起こるのは生理中だけではありません。生理前に起こる様々な症状「月経前症候群」(PMS)という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

生理の1~2週間前から、生理痛に似た腹痛や頭痛、またイライラ・気分の落ち込み・眠気などの症状が現れることがあります。それが月経前症候群(PMS)です。PMSには排卵後のホルモンバランスが大きく関係していると言われていて、生理が始まると症状が落ち着くケースがほとんどです。
とはいえ、PMSから解放されると次は生理痛に悩まされる…という女性も多く、月の半分は体調がイマイチという人も多いかもしれません。

[厚生労働省]生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会報告書について
*こちらのサイトを参考とさせていただきました

重い生理痛は病気のサイン?生理痛から考えられる疾患

生活に支障をきたすものは月経困難症

生理痛と一口に言っても、「不快ではあるがやりすごせる」という人・「市販の鎮痛剤を服用する」という人・「痛くて寝込んでしまう」という人まで痛みの程度に大きな差があります。

下腹部や腰がひどく痛み、学校や仕事に行けずに寝込むような場合は「月経困難症」というひとつの病気としてとらえられます。年齢や出産回数によって次第に症状が改善していくケースも多く、若い世代に比較的多くみられる症状です。
「月経困難症」は下腹部痛や腰痛だけでなく、頭痛や吐き気を伴うことが。これは、先述したプロスタグランジンという物資が痛みを伝える物質であるというのも大きく関係しています。プロスタグランジンが多量に出ると、子宮の収縮が強まるだけでなく痛みを強く感じてしまうのです。

生理痛に潜む「子宮内膜症」

生理痛があまりにひどい場合、子宮内膜症の可能性もあります。

子宮の内側にできる子宮内膜は、妊娠しなかった場合に剥がれ落ちて、出血という形で排出されます。それが生理。この、子宮内膜が子宮以外の場所(たとえば子宮の外側や卵巣の中)にできてしまう病気が子宮内膜症です。

子宮以外の場所にできた子宮内膜は、出血として出ていくところがないために体の中に留まり続けます。その結果、炎症を起こし、子宮や腸といった臓器とくっつく「癒着」を引き起こしてしまうのです。癒着すると排便時や性交時に痛みを感じたり、不妊の原因になることもあるので見過ごすことはできません。

この子宮内膜症の症状のひとつが重い生理痛。実際に、生理痛がひどいということで受診し、発見される例が多数あります。

「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」の疑いも

子宮内膜症と同じような組織が子宮の内側にでき、それが原因で子宮の壁が分厚くなってしまう「子宮腺筋症」という病気もあります。この場合も生理痛がひどくなりやすいので、子宮内膜症と同様に警戒が必要です。

そのほか、子宮の内側に「筋腫」と呼ばれる良性の腫瘍がある場合も、生理の際に子宮が収縮することで痛みを生じやすくなります。子宮筋腫は必ずしもすぐに手術が必要、というものではありませんが、経過を観察していく必要がある病気です。

横浜 婦人科 ポートサイド女性総合クリニック ~ビバリータ~
*こちらのサイトを参考とさせていただきました

クリニック受診のタイミングは?

痛みの感じ方には個人差があるため、「ひどい生理痛」と一口に言っても受診するタイミングは難しいかもしれませんね。
一般に、以下のような場合は受診が推奨されています。

*毎回の生理で痛み止めが必要なほど生理痛がひどい
*生理痛で寝込むことがある
*痛み止めを飲んでも効かない・改善されない
*痛みが年々ひどくなっている気がする
*生理痛以外にも、頭痛や出血量の多さなど、気になる症状がある

まずは、あなた自身が「生理痛がつらい」「毎月の生理がしんどい」と思っているということも大切なポイントです。我慢する必要はありません。そのまま医師に相談してみてもいいでしょう。
特に疾患が確認されない場合でも、鎮痛剤の処方や低用量ピルの処方など、症状の軽減に向けて処方してもらえることがあります。

婦人科で検査を受けましょう

たかが生理痛、されど生理痛。婦人科系疾患が隠れていることもあるため、生理や生理痛でお悩みの方は早い段階で一度検査を受けておくに越したことはありません。

婦人科の検査というと、なんだかいやーな感じがするかもしれませんが、健康な体でいるためには欠かせないものです。個人差があるものの、経膣エコー検査で痛みを感じることはほとんどないと言われています。恐怖心がある場合は事前に申告しておくと配慮してもらえることも。
また、ビル内のクリニックなど入りやすい婦人科も増えていますし、どうしても抵抗のある方は女性の先生を選ぶという方法もあります。

何より、検査を受けることで安心できますし、毎月の辛い生理痛から解放されるかもしれませんよ!