熱や発疹は川崎病の可能性も!症状、治療、入院期間について

川崎病は近年増加傾向で毎年1万人以上の子ども罹っていること、特有の症状を知っておけば早期発見できることより、ママが覚えておきたい病気のひとつです。ここでは特有の症状、治療、入院期間、退院後の生活の注意点について詳しくお伝えしていきます。

乳幼児に多い川崎病、その原因とは?

川崎病は発見者の川崎博士から名づけられた病気

川崎病は、1961年川崎富作先生がある特有の症状を持つ2人の幼児を診察したことがきっかけで研究が重ねられ、1967年「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」として世に初めて発表されました。未だに誤解があるようですが病名は博士にちなんだもので、過去に公害で知られていた川崎市とは全くの無関係です。

簡単にいうと全身の血管に炎症が起こる病気で、急性期の冠動脈障害から後遺症が残ったり、再発する可能性もまれにあります。特に4歳未満の乳幼児の罹患率が高く、大変注意すべき病気のひとつです。

川崎病はいまだ原因不明、研究段階の病気

川崎病は発見されてからまだ50年も経っておらず、原因不明の病気として扱われています。

○ウィルスや細菌感染に感染したことをきっかけに免疫反応が起こり、炎症が生じる
○中国北東部を発生源とする物質(カンジダが多い)が気流にのって、日本に伝播している

などがここ数年、主な原因として取り上げられていますが特定には至っていません。しかし何らかの免疫機能障害があるとされ、現在も原因特定に向けた研究がすすめられています。

川崎病は遺伝子的な要因も示唆されている

川崎病はいわゆる遺伝子病ではありませんがガイドラインによると、

○川崎病は西欧諸国より日本で10~20倍高く発症している
○川崎病に罹患した患児のきょうだいの発症率は一般より約10倍高い
○両親が川崎病の場合、発症頻度が一般より約2倍高い

などの報告があり、何らかの遺伝子的な背景があるのではないかと言われています。こちらに関しても今後更なる遺伝子レベルでの解析が期待されています。

川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関する ガイドライン
*2008年版



川崎病の特徴的な症状とは?

川崎病は全身性の血管炎、主な症状は6つ

主要症状は以下6つあります。

○5日以上続く原因不明の熱:39度~40度の高熱が続く
○からだに赤い発疹がでる:発熱の数日後に出ることが多く、水泡はない
○手のひら・足の裏が赤くなってむくみ、硬くなる:回復期には手足の指先の皮膚がむける
○唇が赤くはれイチゴ舌になる:舌が苺のように赤くブツブツが出る、唇も発赤する
○両眼が充血する:熱の数日後、白眼が充血して赤くなる
○首のリンパ節がはれる:首にぐりぐり触れるしこりができる、痛みを伴うこともある

以上6つの症状のうち、5つ以上を満たすものを川崎病と診断します。個人差がありますが、BCGの跡が赤くはれあがるのも特徴的で診断の手がかりとなります。5つに満たない「不全型」もあり、また数日かけて徐々に症状が出揃うことから、さまざまな検査を行い経過をみながらの診断となります。

川崎病における受診、入院までの流れ

川崎病の初期症状として発熱やリンパの腫れがみられますが、風邪と似ているため自宅で様子をみる場合もあり、熱に加え特有の症状が出た時点で「なんだかおかしい」と受診するケースもあるようです。

受診時に川崎病の診断項目を満たした場合、「5日以上の発熱」を待たず治療を開始します。それは急性期の炎症を早期に抑えることが、川崎病でもっとも怖い冠動脈瘤(りゅう)の形成を予防するからです。

遅くとも発症7日以内、早期での治療開始が望ましいので、おかしいと思ったら5日を待たず早めに受診しましょう。川崎病が診断された場合は即入院・治療となるので、心エコー(心臓の超音波検査)が可能な入院施設のある小児科受診をお勧めします。

川崎病、入院中の治療について

主な治療は、免疫グロブリン療法とアスピリン療法

川崎病は免疫機能に何らかの障害が起こっているとして、初期では次の2つの治療を併用して行います。

○γ(ガンマ)グロブリン療法:血液製剤の一種である免疫グロブリンを点滴で大量投与し、血管の炎症を抑える
○アスピリン療法:血液をサラサラにし、血液が固まったり血管が詰まりやすくなる「血栓」を防ぐ

川崎病でもっとも心配な合併症は、心臓に栄養を送る冠動脈に炎症が起こりこぶができてしまう「冠動脈瘤」です。まれに血栓(血の塊)ができて血管がつまったり、血管の壁が厚くなって血管が狭くなるなどし、心筋梗塞や狭心症といった命に関わる病気になる可能性もあるため、これを防ぐための治療が行われます。

川崎病のはなし | 小児の心臓病 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス
*国立循環器病研究センターの循環器病情報サービスサイト



川崎病の入院期間について

入院期間は最低でも5~10日、合併症の有無によって個人差が大きい

川崎病の入院期間は、症状や治療の効き具合によって個人差があります。免疫グロブリン製剤を投与する期間は、病状によって違いますが平均5日間ほど。しかし症状によっては1日で大量に投与する場合もあり、一概には言えないようです。

冠動脈瘤は、川崎病の発症からだいたい7日目くらいで大きくなり始め、2~3週間でピークになります。熱は2週間くらいで下がることが多く、解熱とともに手足の指の先から皮膚がむけてきます。

心エコーで冠動脈瘤がないことが確認され、特徴的な症状がおさまり、血液の炎症所見がなくなると退院の運びとなります。ただし、中には免疫グロブリン製剤の効果がなく炎症が続き、ステロイド療法を追加したり巨大瘤ができてしまうこともあります。よって入院期間も症状によって個人差が大きく、最短で5日、合併症がある場合は1ヶ月以上かかる場合もあるようです。

川崎病、退院後に気をつけたいこと

幼稚園や保育園、学校での過ごし方

通常後遺症がなければ、運動制限は一切必要ないことが多いようです。ただ最近は、園や学校側で子どもを心配するあまり制限を強めてしまう傾向があるようです。

そんなときは主治医の許可が下りていることを伝え、不必要に制限することがないよう正しく理解してもらうことが大切です。仮に冠動脈に後遺症が残った場合も主治医に確認し、できることとできないことを担任の先生に伝え、子どもを見守っていただくよう理解を求めましょう。

予防接種の受け方

基本的に予防接種は、急性期にガンマグロブリンを投与した場合は効力が切れる6ヵ月後以降、投与しなかった場合は2ヵ月後に受けても問題ないとされています。ただし念のため、退院時に主治医に確認してみることをお勧めします。 

川崎病急性期カードについて

このカードは日本川崎病研究会が作ったもので、

○急性期の状態
○治療法
○退院時とその後1~2ヶ月のエコー
○後遺症

などを記載します。川崎病は発表されてからまだ50余年。子どもたちが今後どのような経過をたどっていくのか、まだまだ未知な部分もあります。幼い頃の記憶として残っても、当時の細かい情報まで子どもたちにはわかりません。将来何かあった時のためにも急性期の情報はとっておくほうが懸命です。

カードは退院時に病院からもらうこともありますが、基本的には任意のものなので、こちらからお願いして受け取ることが多いようです。親御さんがこのように急性期の情報を残してあげることは、いつかお子さんの役に立つことと思います。

川崎病急性期カード
川崎病学会のHp。川崎病に罹患したことを風化させないために、川崎病急性期の臨床症状、治療、心臓合併症などの医療情報をカードに記載して患児の保護者に渡すことは、罹患児のその後の健康管理に役立つと判断し、日本川崎病研究会が監修してこのカードを作っています。

川崎病は定期的な検査が大切です

川崎病の原因はまだはっきりわかっていませんが、治療方法や合併症に対する予防・検査方法は確立されているので、昔のように怖い病気ではなくなってきています。退院後も定期的に検査フォローを受けることは早期発見につながりますし、体力増進に努めることは免疫力アップにつながり子どもの未来に役立ちます。

入院期間中は点滴が続き、幼い子どもにはつらくストレスがたまると思います。そんな子どもの心のケアを一番に考えてあげられるのはやっぱりママ。そのためにもまずはママが落ち着いて、しっかり眠りしっかり食べてご自身の体を大事にしてくださいね。