ノロウイルスに感染してしまったら?注意すべき症状と5つの予防法

冬をピークに猛威をふるうノロウイルス感染症。共働きのご家庭が増えている今、家族全員がノロウイルスに感染して、一家でダウン…なんて辛いことも。そんな悲劇から家族を守るためには、ノロウイルスを知り、正しく予防することが大切!そこでこちらではノロウイルスに感染してしまったときの症状や予防法をご紹介します。

まずはノロウイルスの基礎知識から

1.ノロウイルスは感染性胃腸炎や食中毒の原因ウイルス

感染性胃腸炎とはいわゆる「おなかの風邪」です。
ウイルスに感染し、12~48時間後に嘔吐や下痢、腹痛、発熱などの症状があらわれます。
だいたい数日で症状は良くなっていきます。

2.冬季に流行します

ノロウイルス感染症は1年を通してみられますが、最も多いのは冬の寒い時期。
11月ごろから徐々に増えはじめ、12月から2月がピークです。

3.ノロウイルスは口から感染

ノロウイルスの感染ルートは主に経口感染で、大きく分けると「(感染している)人からの感染」と「飲食物からの感染」2つに分けられます。

【人からの感染】
・感染した人の便や嘔吐物に触れた手や指を介してノロウイルスが口に入って感染
・感染した人の弁や嘔吐物が、乾燥して細かい塵と一緒に舞い上がり、その塵と一緒にウイルスを体内に取り込んで感染
・感染した人が十分に手を洗わずに調理などをして汚染された食品を食べて感染

【飲食物からの感染】
・ノロウイルスを内臓にとりこんだ牡蠣やシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理をして食べた場合
・ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取して感染

4.感染力が強く、あっという間に広がる

感染した人の便1gの中にはノロウイルスは1億個以上、嘔吐物であれば100万個以上含まれています。
このうち100個以下のウイルスが体の中に入ると、ノロウイルスに感染してしまいます。
このことからもわかるように、ノロウイルスは感染力・伝播性ともに非常に強いウイルスなのです。

5.赤ちゃんからお年寄りまで年齢に関係なく発症します

ノロウイルスは乳幼児やお年寄りだけの病気ではなく、体力のある若者やパパママ世代の大人も感染します。
保育園でノロウイルスが流行して子どもか感染し、子どもの看病をしていたママやパパも感染する、なんてこともよくあります。
子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐いた物を気道に詰まらせて死亡することがあります。

6.ノロウイルスは熱と塩素に弱い

ノロウイルスは「アルコールに対する耐性はあるものの、熱や塩素には弱い」という特徴があります。
この弱点がノロウイルスの感染対策の鍵になります。

7.ノロウイルスは一度感染しても免疫はつかない

体の中に細菌やウイルスが入ると、それを攻撃して体を守ろうとする自己防衛システム、それが「免疫」。
はしかなど一度かかったら免疫がついて再び感染することはありませんが、ノロウイルスに感染しても、そのシステムは機能しません。
一回ノロウイルスに感染しても、二度三度と感染を繰り返すこともあります。



ノロウイルスに感染したら?気になる症状について

感染して、潜伏期間の12~48時間を過ぎると下痢や嘔吐、腹痛、発熱などの胃腸炎の症状が出てきます。
通常は1~2日症状が続いたあとに軽快し、後遺症もみられません。
気を付けなければならないのは、嘔吐や下痢による脱水です。

下痢~程度や回数もいろいろ~

便はちょっと柔らかめの便から水みたいにさらさらした便だったりと程度や回数はさまざまです。
通常、便が真っ赤に染まるような血便は見られません。
症状が落ち着いてからも数週間はウイルスは便に排出されるため、おむつ交換時は要注意です。

嘔吐~1日10回以上嘔吐することも~

嘔吐の回数や量などはさまざまですが、乳幼児では特に嘔吐が目立ちます。
残念ながら吐いた後にすっきりすることは少ないようです。
嘔吐するまでもなく、吐き気のみのこともあります。
また他の症状はなく、嘔吐のみの症状で終わることもあります。

37~38℃の軽い発熱

高熱がでることは少なく、37~38℃台の発熱でとどまることがほとんどです。
頭痛や倦怠感などの症状がみられることもあります。

脱水~脱水になりやすい赤ちゃんは要注意!~

ノロウイルスに感染して、一番怖いのは脱水。

嘔吐や下痢が続くと体から水分や電解質が奪われ、脱水症状を起こしやすくなります。
乳幼児は大人と比べると、体重あたりの必要な水分量が多く、嘔吐や下痢などで水分が急激に奪われると脱水になりやすいので要注意です!

また適切に対処されずにそのままにしておくとけいれんなどを起こして、脳の障害を起こしたり生命を脅かす危険性もあります。

脱水のサインがみられましたら、夜間でも救急外来を受診するようにしましょう。
脱水のサインや受診の目安ついては次に詳しく解説しますのでそちらをご覧くださいね。

感染したかも!?病院どうする?受診の目安について

「結構吐いてるけど、救急で病院いったほうがいいかな?」「下痢してるけど病院どうしよう」
意外と受診のタイミングって難しいですよね。

こちらでは、急いで病院行ったほうが良いと思われる症状と診察時間内での受診が必要な症状についてまとめてみました。

ただし代表的なもののみを記載しましたので、ママやパパが「様子が変だな?」「いつもと違うな」と思われるときには、こちらの症状に限らず必要に応じて病院受診や医療機関に相談などするようにしてくださいね。

こんなときは急いで病院へ!

こんな症状がみられるときは、夜間でも至急救急外来を受診するようにしましょう。

1.水分を全く受けつけず、顔色が悪く、唇も渇いている。
2.泣いても涙が出ない。目が落ち込んでいる。
3.尿が半日以上出ていないとき
4.一日に6回以上、おむつからあふれるくらいの下痢が出て、嘔吐が止まらないとき
5.機嫌が悪く、トロトロと眠りがちなとき
6.皮膚が冷たく、皮膚の色も白っぽいとき
7.定期的に激しく泣くとき。
8.腹痛が持続し、血便が続くとき

こんなときは日中の診療時間内に受診しましょう

1.食べるたびに嘔吐はするものの、元気があって水やお茶などの水分がとれているとき
2.一日5回程度の下痢が出ているとき
3.尿の回数や量が少ないものの半日に2回以上は出ているとき
4.痛みがあるものの遊んだり、まあまあ機嫌がよいとき

赤ちゃんは症状が急変しやすく、すぐに重症化する傾向があります。
その点では、油断は禁物です。
一度受診していても、やっぱりなんだかおかしいな、と思ったら受診しましょう。



感染しちゃった!お家でできるケアや気をつけること

嘔吐下痢のために病院受診すると、「ノロウイルスによる胃腸炎でしょう。」とのこと。
嘔吐下痢で苦しんでいるわが子をみて、辛い症状を少しでも取り除いてあげたい!早く治してあげたい!と感じるのが親心ですよね。
でもどんなことをしてあげたらいいの?と新米ママパパであれば皆戸惑います。
そこでこちらでは、おうちでできるケア方法についてご紹介します。

脱水症対策~コツは少量頻回の水分補給~

嘔吐や下痢が続くと、体から水分が奪われ脱水を起こしやすくなります。
下痢が続くときは、無理に食べ物を食べ物を与えずに、水分中心に飲ませましょう。
コツは一気に飲ませようとするのではなく、一回量を少なくして回数を増やして飲ませること。

水分はおっぱいやミルク、白湯、麦茶などお子さんが飲めるものを与えましょう。
ただし、嘔吐下痢が激しいときや続くときは、電解質と糖質がバランスよく入っている経口補水液を与えましょう。

突然の嘔吐下痢でおうちに経口補水液がない場合はおうちで作ることができます。
作り方はこちら!

 飲料水 1000ml
 砂糖 40g(ブドウ糖で作るときは20g)
 塩 3g

こちらを混ぜるだけ!
意外とお家であるもので簡単にできちゃいますね。

経口補水液 オーエスワン(OS-1) 200ml×30本

吐き気が続くときは無理に食べさせない・飲ませない

吐き気があるときには、無理に水分や食べ物を与えずに胃腸を休ませてあげることが大事です。
吐き気がおさまる前に食事や水分を与えると、ますます気持ち悪くなってしまいます。

吐き気がおさまって少し様子を見たのち、湯冷しや麦茶などの水分をあげましょう。
まずはお茶をスプーンに一匙(幼児期後期の子どもであればコップで一口)から与えてみて、また5分前後の時間をあけて一匙(一口)…というように少量を回数を多く与えるようにしましょう。

嘔吐が治まり、下痢だけになったら食事をはじめよう

吐き気や嘔吐が治まったらまずは水分を中心に与えて、その後問題なく飲めるようでしたら食事をはじめましょう。
食事の内容は、刺激がなく消化が良いもの(おかゆ・うどん・野菜スープ・豆腐・白身魚など)が向いています。

水分補給だけの状態がずっと続くと、かえって下痢が長引くことがあるため、お子さんの状態を見ながら食事をすすめていきましょう。

シャワーや座浴でお尻をきれいにしましょう

下痢が頻回に出ているときは、腸液がお尻についてお尻の皮膚のバリア機能が低下し、スキントラブルを起こしやすくなります。
市販のお尻ふきでごしごしとお尻を拭くと刺激になってしまい、それもスキントラブルンの原因となります。

うんちが出たときはシャワーなどぬるま湯で優しく流して、ワセリンなどで保護しましょう。
またシャワーや座浴ができないときには、大判のコットンにたっぷりとぬるま湯を含ませて軽く搾り、ぽんぽんと優しくたたいて汚れを落とす方法もおすすめです。

ベビーコットン ワイド 200枚

医師の指導のもと正しく薬を使いましょう

下痢によって崩れた腸内細菌のバランスを整えるために整腸剤や場合によっては吐き気止めが処方されることがあります。
お薬は医師や薬剤師の指導のもと、正しく使いましょう。

登園の目安は嘔吐下痢の症状が治まってから

保育園や幼稚園に通っているお子さんがご家庭にいらっしゃるママやパパでしたら、いつから幼稚園や保育園にいってもよいのか気になるところです。

ノロウイルスやロタウイルスによるウイルス性胃腸炎の場合、学校保健法による明確な登校停止基準はなく、それぞれの園によって基準がかわってきますが、目安としては「嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれるようになったら」です。

園によっては登園の基準がことなったり、また登園許可証が必要だったりするので、事前に確認しておきましょう。

こんな合併症にご注意!

ノロウイルスに感染すると、先ほどにもお話しましたように、重症になると脱水症状が現れます。
そのほかにもまれではありますが、けいれんや腸重積を発症することもあります。

けいれん~5分以上続くときは救急車の手配を~

嘔吐や下痢などの症状を繰り返していた子どもが、急に何度もけいれんを起こすことがあります。
詳しい原因は不明ですが、ノロやロタウイルスの胃腸炎に感染し、嘔吐下痢を繰り返す1歳代の子どもに多く見られるようです。
熱性けいれんとは違い、発熱をともなわないことも多いようです。

けいれんが長く続いたり、繰り返して起きるようなときは入院して治療が必要になります。

腸重積~早期発見が重要~

腸が腸の中にもぐりこみ、腸が締めつけられて激しい痛みがあったり、ひどい場合には腸の血液循環が悪くなり、腸が壊死してしまうこともあります。

症状は以下の3つ
・間欠的に泣く
・嘔吐
・血便

発症して48時間以内であれば高圧浣腸という方法で治ることが多いのですが、高圧浣腸でも治らない場合や時間が48時間以上経過してしまったときには手術になります。

病院での検査や治療について

嘔吐下痢があったため病院受診し、ウイルス性の胃腸炎との診断。
原因はノロかな?ロタかな?どんな治療をするのかな?
こちらでは病院で行われる検査や治療についてお話します。

検査は必要に応じてやったりやらなかったり

胃腸炎を引き起こすウイルスは、ノロウイルスだけでなく、ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスとさまざまです。
ウイルスによって症状の出方や程度は多少ちがいますが、治療やケアは同じです。
そのためウイルスを特定する検査を必ずしも行うわけではなく、医師が検査が必要と認めた場合は検査を行います。

検査方法もいくつかありますが、良く行われているのが「ノロウイルス抗原検査」です。
便を綿棒で採取し、便を薬品に溶かします。それを専用キットに滴加して判定結果を待ちます。
だいたい15~20分で検査結果がわかります。

特効薬はなく、治療の基本は対症療法

今のところ、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス薬はありません。
そのため基本的には対症療法がおこなわれます。

嘔吐や下痢は、悪さをしている病原体を体の外に出して自分の体を守ろうとする反応です。
安静にして、脱水にならないよう十分に水分をとり、消化のよい食事をとることで徐々に回復していきます。

お薬はさきほどもご説明しましたが、整腸剤や吐き気止めが処方されることがあります。
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎では、下痢止めは基本的には使用しません。
薬で下痢を止めてしまうことによって、悪さをしているウイルスを体の外に出すことができず、病気からの快復を遅らせることがあるようです。

吐き続けるときや脱水が強いときは入院になることも

脱水症状がひどいときには、病院で点滴を受けたりする必要があります。
口から飲めなかったり、脱水のサインがみられたときには早めに病院受診するようにしましょう。

ノロウイルスからの感染を予防する5つのポイント

ノロウイルスは現在のところ、有効なワクチンがないためワクチンでの予防はできず、感染しても効果的なお薬もないため予防がとっても大切です。

ノロウイルスはアルコール消毒はあまり効果がありませんが、「熱や塩素には弱い!」という特徴があります。
85度以上の熱で1分以上加熱、または次亜塩素酸ナトリウムでの消毒でノロウイルスをやっつけることが可能です。

これがノロウイルスをやっつけるための対策において、とても重要なことになります。
そこでこちらではノロウイルスから体を守る効果的な予防法についてご説明しますね。

(1)十分な手洗いが基本

ノロウイルスは経口感染が主な感染ルート。

予防の基本は十分な手洗いです!
外出から帰ったあとや調理前、食事前、トイレの後やおむつ交換後などは特に丁寧に手洗いするようにしましょう。

そして家族がノロウイルスに感染してしまった場合は、手洗い後に使用するタオルは共用せず、個人で専用のものにするか、使い捨てのペーパータオルなどにするようにしましょう。

(2)吐物や便の処理を正しく行いましょう~ノロは熱と塩素で撃退~

まず床などに飛び散った吐物や便を処理するときや汚染された衣類を片付けるとき、おむつ交換を行う時には、使い捨てのエプロン、マスクと手袋を着用して、二次感染を予防しましょう。

【床に飛び散った吐物を片付けるとき】
1.汚物中のウイルスが飛び散らないように、便や吐物をペーパータオル等で拭き取る。
2.拭き取った後は、0.02%次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床を拭き取り、その後水拭き。
3.拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に入れて、口をしっかりと閉じて捨てる。(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の0.1%次亜塩素酸ナトリウムを入れるとなおよい。)

ノロウイルスは乾燥すると空中に舞って、それが口に入って感染することがあります。
乾燥する前に速やかに処理し、部屋の換気も十分に行いましょう。

【感染者の便や吐物が服についたら消毒してお洗濯】
1.吐物や便で汚染された衣類は85℃で1分以上、熱湯消毒をするか、0.02%次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
2.消毒後はほかの洗濯物と分けて、最後に洗濯をしましょう。

(3)頻繁に手が触れるところは常に清潔に

家庭内感染を防ぐために、トイレやドアノブ、手すり、子どもごよく触るおもちゃなの日常的に手がよく触れる場所などは、こまめに洗浄・除菌を行い、感染を予防しましょう。

念入りな洗浄・清拭に後、0.02%次亜塩素酸ナトリウムで消毒を行いましょう。

ただし金属など次亜塩素酸ナトリウムでは消毒できない箇所もあるため、用法や用量を守って使用しましょう。

4.食品からの感染を予防するには、85℃以上で90秒以上の加熱

牡蠣などのノロウイルスに汚染されている可能性のある食品は、85~90℃で90秒以上加熱しましょう。

5.嘔吐下痢処理グッズを用意しておこう!

流行のピークを迎える冬に向けて、嘔吐下痢の処理のときに使うアイテムをそろえて一つにまとめておくことがおすすめです。

1.使い捨てマスク
2.使い捨てエプロン
3.キッチンペーパーやぼろ布、新聞紙
4.ビニール袋
5.次亜塩素酸ナトリウム液と500mlのペットボトル

【次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度6%)の希釈方法】
■0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウムを作るには
水1リットルに次亜塩素酸ナトリウム20ml(ペットボトルのキャップ4杯分)

■0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナトリウムを作るには
水1リットルに次亜塩素酸4ml(ペットボトルのキャップ約1杯)

ピューラックスS 1800ml

ノロキラーS (瞬間消臭・強力除菌) 400mL

感染したら一番は脱水予防!正しい予防法で二次感染を防ぎましょう

ノロウイルスは、感染力・伝播性ともに非常に強いウイルスであっという間に広がってしまいます。
保育園や幼稚園で感染したお子さんのウイルスが、看病していたママやパパに感染して一家全員胃腸炎で共倒れになることも多くあります。
どんなに予防してもうつるときにはうつってしまう…それがノロウイルスです。

もし、うつってしまったときには、とにかく脱水予防が重要です。
脱水にならないように水分補給をこまめに行い、安静に過ごすことが一番の回復への道です。
口から飲めなかったり、脱水のサインが出ているときには迷いなく病院にいきましょう。

そして、ママやパパもお子さんがノロウイルスに感染した場合、とにかくウイルスをもらわないようしっかりと予防することが大切です。
お子さんの看病やお世話も大切ですが、ママやパパが倒れるともっと大変です。

ママやパパが嘔吐下痢になりながら、嘔吐下痢の子どものお世話をすることは想像以上につらいものです。
とにかく休めるときにはしっかりと休んで、体調を整えましょうね。

ノロウイルスに関するQ&A |厚生労働省
こちらを参考にさせていただきました。