発見率の高い子宮頸がん検診を受けよう!検診のタイミングと方法は?

日本は子宮頸がん検診の受診率が先進国の中で最も低いです。子宮頸がん検診は高い確率でがんを発見できることが知られていますが、それを知らない人も多いですね。子宮頸がんは早期発見ができれば助かるので、積極的に検診を受けるべきなんです。今回は子宮頸がん検診の受けるタイミングと検査方法についてご紹介します。

子宮頸がんとは?

子宮頚部の粘膜にできる「がん」。不正出血やおりものの異常も

子宮の形は洋ナシを逆さまにしたような形をしており、中は空洞になっています。
子宮頚部とは、膣の奥にある子宮の入り口の部分です。子宮はにわとりの卵くらいの大きさで、子宮頚部は直径2cmほどしかありません。

子宮頚がんは子宮頚部の粘膜にできるがんのことで、はじめは上皮にがんがとどまっていますが、徐々に増殖し、転移していきます。子宮頸がんは初期の場合はほとんど症状が出ないため、子宮頸がん検診を受けなければ発見するのがなかなか難しいのです。
がんが進むにつれて、月経時以外の出血が起こります。特に、性交時に出血しやすくなるため、そこで異変に気付く方も多いです。他にもおりものが増えるなどの自覚症状も出てきます。更に進行していくと、下腹部痛や腰痛、血尿、血便などの症状がでてきます。

子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因であることがわかっています。
ヒトパピローマウイルスは性交渉を経験したことのある女性の焼く80%が感染すると言われている、ありふれたウイルスです。

しかし、ヒトパピローマウイルスに感染したからといって、すべての人が子宮頸がんになるわけではありません。多くの人はウイルスに感染しても免疫によって、体から排除されます。しかし、免疫力が低くなっていたりすると、ウイルスが排出されず子宮頚部に残ってしまいます。その状態が長く続くと、ウイルスが付着している部分の細胞が徐々に異形成していくのです。異形成は前がん状態で、一部が子宮頸がんになると言われています。

現在でもヒトパピローマウイルスを完全に除去することはできません。そのため、普段から免疫力を上げるように心がけたり、定期的に検診を受けることが大切なのです。

子宮頸がん検診のタイミング

20歳を過ぎたら2年に1回は検診を受けよう

子宮頸がんは、異形成(前がん状態)から進行がんになるまで、2~3年かかると言われています。
しかし、長い場合だとなんと10年もかけてがんへ進行することもあるのです。
検診を受けることで、がんが初期の段階で発見しやすくなるだけでなく、異形成があった場合も経過観察をすることができます。

異形成のうちに発見できれば、子宮頸がんを防ぐこともできるので、2年に1回は必ず検診を受けましょう。

性交渉開始から3年経っていたら、10代でも検診を受けて

日本でも性交渉の低年齢化が進んでいます。そのため、10代で性交渉をしたという方がとても多くなってきています。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染から3年ほどで、がんになることもあるので、年齢にかかわらず検査することをおすすめします。
実際に10代で子宮頸がんになった例もあるため、性交渉を開始してから3年経っていたら10代でも検診を受けましょう。

子宮頸がん検診を受ける前に

検診を受ける病院を探そう

子宮頸がん検診だけでなく、女性特有の病気を診てもらうので、いい病院を探したいですよね。
やはり検診と言えども、男性医師よりは女性医師のほうがいいと考える方も多く、女性医師のいる病院は人気です。
女性医師がいるだけなく、仕事をしているから土曜日もやっているところ、混雑を避けたいから完全予約制のところなど、これからも長くお付き合いできる病院を探してみましょう。

生理がかぶらない日に検査予約

生理中でも検査自体はできますが、病院によっては断られる場合もあります。
細胞診をする際に、生理中でも血液を拭き取ってから細胞をとりますが、出血の多い日は避けるべきです。
細胞を正確にとれる日に検査したいので、できれば生理ととぶらない日に予約しましょう。

検査当日はスカートがおすすめ

内診台に上がる前に下着を脱ぐので、ズボンだとちょっと恥ずかしいかもしれません。
スカートや丈の長いチュニックだと、下着を脱いでも見えないので安心ですね。内診台に上がるときはスカートをまくって座れば、問題なく検査ができるのでおすすめです。

子宮頸がん検診の検査方法

そもそも子宮頸がん検診って何するの?と不安になることもありますよね。
検査自体は5~10分ほどの検査なので、心配しなくても大丈夫!子宮頸がん検診の検査方法をおさらいしておきましょう。

【1】問診 ~初潮年齢、月経の状況などの確認

病院で受付を済ませたら問診票の記入をします。問診票をもとに医師から質問をされるので、間違いのないようにしてくださいね。
問診票には初潮年齢、妊娠の有無、月経の状況、その他の異常がないかなどを記入していきます。
その際に「おりものがいつもと違う気がするけど、大したことないかな」などと自己判断せずに、記入してくださいね。問診票をもとに判断するのは医師なので、変わったことがあれば書いておきましょう。

流産、中絶、性交渉の経験などの答えにくい質問をされることもあります。しかし、自分の体のことなので、正直に話してくださいね。

【2】内診 ~目で見て、手で触って子宮の状態をチェック

内診台に上がって、実際に目で見て、手で触って検診してもらいます。
まず子宮頚部を見るため、器具を挿入して確認します。
次に実際に手で触って、子宮の形、位置、大きさ、表面の状態に異常がないか、炎症を起こしていないかなどを確認していきます。無理にぐいぐいすることはないので怖がらないでくださいね。

子宮頚部を検査する際に挿入する「クスコ」という器具で痛みを感じることもあります。
痛みがあったら、ゆっくり息を吐きながら力を抜きましょう。
力が入っているとどうしても痛みが出てしまうこともあるので、リラックスしてくださいね。
以前検査したときに痛みがあった方は、そのことを医師に伝えるとクスコを小さいものに変えてくれる場合もあるので、伝えてみるといいかもしれませんね。

【3】細胞診 ~子宮頚部の表面の細胞をとって検査

子宮頚部の粘膜をやわらかいヘラやブラシのようなものを使ってこすり取ります。
膣に挿入して行うので、まれにほんの少し出血することもありますが、痛みはほとんどないので安心してくださいね。
とった細胞は、顕微鏡でみて検査していきます。ヒトパピローマウイルスに感染すると現れる異常な細胞がないか、がん細胞がないかなどを調べます。

【4】検査結果は病院で直接もらうか、郵送でも

検査結果は検査後10日~1カ月ほどで通知されます。
結果は郵送で届くことが多いですが、病院の窓口で報告書をもらうこともあります。
「検査結果を聞きに2週間後にもう1度病院に来てください」と言われることもあるので、検査結果の通知については病院に確認してくださいね。

子宮頸がん検診の費用は?

自費で検診を受けるなら3500円~6000円くらい

病院によっても違いますが、子宮頸がん検診の費用は3500円~6000円くらいが相場です。
お金はかかりますが、自分の体の状態を知るためにもできるだけ受けてくださいね。
中には、会社の健康診断を利用すると検診費用が補助されることもあるので、一度聞いてみるといいかもしれませんね。

クーポンで無料検査できることも!自治体に確認してみよう

厚生労働省の女性特有のがん検診推進事業で検診の対象者に無料クーポンが配布されています。
クーポンを使うときは、保健所や自治体が指定した医療機関で受診しなければいけません。
また、対象の年齢が決まっているため、対象外の場合は自費になります。無料で検診を受けられるので、ぜひ利用ましょう。

がん検診推進事業について|厚生労働省
参考リンク

子宮頸がんの結果の見方

検診の結果は郵送だったり、病院の窓口でもらうこともあるため、結果を見ただけでは理解できないこともありますね。
検査結果は細胞診のものなので、検診でとった細胞にがん細胞やヒトパピローマウイルスに感染した細胞がないかがわかります。検査結果は大きくクラス1~クラス5の5つに分類され、その中でもクラス3はクラス3aとクラス3bに分けられます。
クラスごとに何が違うのか見ていきましょう。

クラス1 ~正常な細胞

細胞に全く異常が見られず、軽度の炎症等もない状態。
つまり、異常なしということですね。

クラス2 ~異形成の可能性がある

クラス2も異常なしと考えてもいいですが、クラス1と違うのが、炎症が見つかったということです。
他にもホルモンの影響と考えられる異常所見がある場合にもクラス2となります。

クラス3a ~ヒトパピローマウイルスの感染、軽度の異形成

クラス3以上は精密検査が必要になってきます。

クラス3は「がん」を疑うものというよりは、異形成があるかどうかを疑うものです。
クラス3aは3bと違い、比較的軽度のものとされています。また、ヒトパピローマウイルスに感染した細胞があった場合にもクラス3aと判定されます。

クラス3b ~中等度・高度の異形成がある

クラス3bより、程度が悪い状態です。
精密検査をした後、場合によっては円錐切除の手術で病変を取り除くこともあります。
クラス3aよりも高度の異形成がある場合に判定されます。

クラス4 ~上皮内がんの可能性が高い

子宮頚部の高度の異形成や上皮内がんがある可能性が高いとクラス4と判定されます。
円錐切除の手術、もしくは子宮摘出になることもあります。

クラス5 ~上皮内、浸潤がんがある

上皮内だけでなく、浸潤しているがんがある状態です。精密検査では、転移していないかをよく調べられます。

クラス分類からベセスダシステムへ

最近では、クラス分類から国際分類である「ベセスダシステム」に基づいた分類に変更することが推奨されています。そのため、クラス分類でなくNILMなどと結果に書かれていることもあります。
ベセスダシステムは少し複雑で、クラス分類とはちょっと違うので注意してくださいね。

・NILM(クラス1、2)     正常な細胞のみ
・ASC-US(クラス2、3a)   異形成とは言えないが細胞に変化がある
・ASC-H(クラス3a、3b)   高度な細胞異型の可能性があるが確定できない
・LSIL(クラス3a)      HPV感染や軽度異形成と考えられる
・HSIL(クラス3a、3b、4)  中等度異形成・高度異形成・上皮内癌と考えられる
・SCC(クラス4、5)     明らかな扁平上皮癌と考えられる

子宮頸がん検診で異常が発見されたら

精密検査を受けて、更に詳しく調べる

子宮頸がん検診を受けた方の約95%は陰性、残りの5%が陽性と診断されます。その5%にはいったからといって慌てることはありません。
その5%の中でも20%が異形成とされ、さらにその10%くらいが子宮頸がんと診断されます。
そのため、陽性になったからと言って「子宮頸がんです」ということではないのです。
精密検査はどのようなことを行うのか見ていきましょう。

コルポ診 ~コルポスコープで粘膜をチェック

コルポスコープと呼ばれる器具を膣に挿入し、食用のお酢とほぼ同じような、3%の酢酸を粘膜部分に塗布した後に観察をします。酢酸を塗布することで、病変の部分が白く浮き出してくるため発見しやすくなります。コルポスコープでは、肉眼で見ることができない異形成、初期がんなどを見つけることができます。

組織診 ~組織を少しとって細胞を再度チェック

コルポ診で異常があった場合、その部分の組織を少しとって詳しく調べます。
数ミリとって調べるので、病変がどのくらいの深さまで及んでいるか確認することができます。組織を取ると言うと痛みを伴いそうですが、実際は痛みもほとんどないので心配しないでくださいね。
少し出血することもありますが、問題ありません。

ベセスダシステムの分類別処置

ベセスダシステムはクラス分類に比べると難しそうに見えますが、それぞれの結果によってその後の処置が明確なため、患者さんにとってわかりやすいとも言えます。

・NILM
正常な細胞のみで「異常なし」なので、このまま定期検診を続けるだけでOK。

・ASC-US
ヒトパピローマウイルスに感染していないか検査をして、陰性ならNILMと同じように定期検診を続けます。陽性の場合は組織診を行います。

・ASC-H・LSIL
組織診を行って、異常がないか調べます。

・HISL
コルポ診と子宮頚部組織の検査、または円錐切除手術を行います。

・SCC
上皮がんと診断されるので、円錐切除またはそれ以上の手術が必要になります。

このように結果が出てからの精密検査や処置などがわかりやすいというメリットもあります。
検査結果についてわからなければ、病院に確認することもできるので、不安を抱えたままにせずきちんと向き合いましょう。

自分の体は自分で守ろう!検診を受けて早期発見

女性でも自分の体のことを理解していない方がとても多いです。大切な体のことなので、ぜひ知っておいてくださいね。子宮頸がんは婦人科系のがんで一番多いがんです。性交渉を経験した女性であれば、すべての女性が子宮頸がんになるリスクを抱えています。

そのため、定期的に検診を受けて自分の体の状態を知ることがとても大切なんです。
早期発見できれば、転移する前に取り除くことができます。手術になっても負担が少ないので、妊娠することが可能な場合もあります。
2年に1度は必ず定期検診を受けて、体に異常がないかチェックしましょう。