妊娠中に子宮頸がん…妊娠継続しながら治療はできる?

妊娠中、子宮頸がんの検査を受けたら異常が出てしまった…これから私どうなるの?子宮は残せる?赤ちゃんは産める?不安でいっぱいのあなたへその治療法についてご説明します。子宮頸がんの検査についての記事もぜひあわせて読んでくださいね。

妊娠中、子宮頸がん検査で異常を指摘されたら

子宮頸がんの発症年齢は若年化してきています。20~30歳代での発症率が増えてきているため、妊娠して初期に行う子宮頸がんの検査「細胞診」にて異常が見つかることも増えています。
細胞診の結果、異常があった方は詳細な検査に進みます。その結果次第で、治療方法が異なってきます。

一般的に、早期であれば妊娠を優先して継続させます。進行したがんであった場合、お医者さんや配偶者、家族とも相談の上、どんな治療をするか話し合うことになります。



検査結果で「異形成」だった場合、妊娠は継続できる?

妊娠を継続しながら、経過観察を行うケースが多い

子宮頸がん検診(細胞診)を行った結果「異形成」と診断されることがあります。
これは「がんとは診断できないが、正常とも言えない状態」のことを言います。いわゆるがんの前段階の状態です。さらに、異形成も軽度異形成、中等度異形成、高度異形成と程度の重さで分けられています。

一般的に、細胞診を受けた人の95%は陰性です。5%は疑陽性または陽性ですが、このうちの20%が異形成、さらにそのうちの10分の1か半数ぐらいが子宮頸がんと診断されます。

また詳しくは後から延べますが、結果からみると「異形成」の段階では妊娠を継続しながら経過観察を行うことが多いようです。 子宮頸がんの詳しい説明や検査についてはこちらを参考にしてください。

子宮頸がんの治療方針を決める進行期分類とは

子宮頸がんはその検査により、以下のような分類に分けられ、治療方針を決めることになります。

0期…非常に早期のがん。病変が上皮(浅い粘膜)内にとどまっている。
Ⅰa1期…がんが筋層にまで広がっており、深さが3ミリ以内、広がりが7ミリ以内。
Ⅰa2期…がんが筋層にまで広がっており、深さが3ミリを越え5ミリ以内、広がりが7ミリ以内。
Ⅰb1期…がんは子宮頸部にとどまっており、4センチを越えない。
Ⅰb2期…がんは子宮頸部にとどまっており、4センチを越える。
Ⅱa期…がんが膣内に広がっているが、子宮頸部の周辺の組織には広がっていない。
Ⅱb期…がんが子宮頸部周辺の組織に広がっているが、骨盤壁または膣壁下方部分1/3を越えていない。
Ⅲa期…膣壁下部分1/3を越えているが、骨盤壁には達していない。
Ⅲb期…骨盤壁にまで達している、または尿管が潰れ腎臓の機能に影響を認める。
Ⅳa期…膀胱や直腸の粘膜へがんが広がっている。
Ⅳb期…遠隔臓器に転移をしている。



子宮頸がんの治療法

異形成の段階であればそのまま妊娠を継続するケースが多い

子宮頸がんの治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤による治療)、があり、進行度や年齢、妊娠希望の有無などによって決められます。

妊娠中であれば、それも考慮し治療方針が決められますが、異形成の段階であればそのまま妊娠を継続することが多いようです。しかし、妊娠中にも細胞診の検査は定期的に行い、進行していないかチェックは必要です。
出産後、詳しい検査を行いそれに応じて手術を行う場合もあります。

子宮頸がんで行われる手術について

円錐切除術

【おもに0期~Ⅰa期で適応】

組織診の結果、前がん病変や初期の子宮頸がんであれば円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ)が行われます。これは、子宮の入り口をレーザーや電気メスで円錐状に切り取る手術で、子宮を残せるためその後も妊娠・出産は可能です。
しかし、子宮の入り口は赤ちゃんがお腹の中にいるときの「栓」の役目をしている部分なので、手術の後は、若干流産のリスクが上がります。

またこちらで切り取った病変を検査し、進行したがんが見つかった場合、子宮を摘出する手術など勧められることがあります。

単純子宮全摘出術

【おもに0期~Ⅰa期で適応】

がんが子宮の入り口にとどまらず、子宮体にまで広がっている場合は子宮を摘出する手術が行われます。
お腹は切らず膣から摘出する場合と、お腹を切って摘出する場合があります。
その病変の広がりによっては、卵巣や卵管も同時に切除されることがあります。

広汎子宮全摘出術

【おもにⅠa2期~Ⅱb期で適応】

子宮と膣の一部を含め、骨盤壁近くから広い範囲で切除する方法です。子宮頸がんに関連するリンパ節も一緒に切除します。これは進行したがんではリンパ節が経路となって他の臓器へ転移するからです。

手術以外の子宮頸がんの治療法

放射線療法

【おもにⅢ期~Ⅳ期で適応】

放射線をがんに当てて照射することでがんを小さく、消滅させる方法です。
放射線治療には、外部から放射線を当てる方法と、直接腫瘍のある部位にプラスチックのチューブを通して体内に放射性物質を入れる方法があります。
前者は子宮がんと子宮がんが転移を起こしやすい骨盤内のリンパ節に対して行われます。後者は、体内から病変に集中的に放射線を当てる方法です。

放射線治療のメリットは、日常生活が比較的保たれた状態で治療が受けられること、手術などによる神経障害などの身体への負担が少なく、高齢者や持病があって手術できない方にも治療が受けられること、子宮が残せることなどがあります。
デメリットは、治療中の副作用として下痢や膀胱炎などが起こり、治療後には血便や血尿があること、若い女性では卵巣機能が低下し性交障害なども起こることがあります。

化学療法(抗がん剤)

【おもにⅢ期~Ⅳ期で適応】

子宮頸がんに対しての化学療法は、子宮から離れた場所に転移している場合、がんが再発した場合に行われることが多いです。
最近は放射線療法と併用することで、効果が見られることが分かってきました。これを「同時化学放射線療法」と言います。
抗がん剤の副作用としては吐き気、食欲低下、脱毛などが挙げられます。

早期発見であれば子宮温存手術が可能です

妊娠中であっても、検査の結果必要と判断されれば円錐切除術が行われることがあります。
それは以下のような場合です。
○Ⅰa1期と診断された場合
○14週~15週に手術が行えること
手術が行われた際には術後の流産や早産のリスクを避けるため、子宮の入り口を縛る手術をすることもあります。

一般的に、0期であれば出産まで細胞診の検査を受けながら経過観察をすることが多いようです。
Ⅰa2期以降になるとリンパ節などの転移も考えられるので、発見時期により対応が異なってきます。

子宮頸がんの治療にはいずれもメリットとデメリットがあります。お医者さんから十分な説明を受け、家族の方とも相談しながら納得のいく治療法を見つけることが大切です。お医者さんによっても判断は異なるので、悩むようであればセカンドオピニオンを利用するのもよいでしょう。