~妊娠中のトラブル~常位胎盤早期剥離とは?症状や前兆、その原因について

妊娠中には様々なトラブルがつきものですが、中には母子ともに危険な状態に陥るような重大なトラブルもあります。そのひとつが常位胎盤早期剥離です。難しい病名ではじめて耳にするという方が多いかもしれませんが、妊婦さんならぜひ知っておきたい知識です。

常位胎盤早期剥離とは

分娩前に胎盤が剥がれ落ちてしまう病気

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)は、赤ちゃんが生まれる前に子宮から胎盤が剥がれ落ちてしまう病気のことです。妊娠中に起きることもありますし、分娩の最中に赤ちゃんが出てくる前に胎盤が剥がれ落ちるというケースも該当します。

胎児だけでなく母体にも危険が及ぶ

そもそも、胎盤とは赤ちゃんとママをつなぎ、酸素や栄養、老廃物などをやり取りしているいわば命綱です。そのため、赤ちゃんが産まれる前に胎盤が剥がれ落ちてしまうと、酸素が不足し、赤ちゃんに障害が残ったりする危険性があります。
同時に、ママの体にも大きな危険が及ぶ場合があり、常位胎盤早期剥離で母体が死亡する例は10%、60~80%の高確率で胎児が死亡するという非常に危険な疾患なのです。

日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科医局-情報-常位胎盤早期剥離
*こちらのサイトを参考とさせていただきました



常位胎盤早期剥離の症状

急な腹痛が大きなサイン

妊娠中はささいなことでもお腹が張ることがあり、お腹の張りとともに腹痛を感じる方もいます。
常位胎盤早期剥離の場合は、それに加えて急激な腹痛や持続的な痛みが大きな特徴です。
腹痛の程度に関しては、個人差があり、必ずしも強い腹痛というわけではないため、妊婦さん自身が分かりにくいのがこの疾患の難点でもあります。

出血は?

常位胎盤早期剥離の場合、はじめは少量の出血という場合がほとんどです。場合によっては妊婦さん自身が出血を感じないこともあります。これは子宮内に出血が留まることが原因で、実際には大量に出血しているため、急性貧血を起こすことも。

また、腹痛や出血以外にも、胎動の減少や腰痛を感じることもあると言われています。

前兆という前兆が見られないのも大きな特徴

常位胎盤早期剥離は急激な腹痛が大きな特徴であるように、前兆が少ない疾患です。そのため、予知が難しく、症状が認められたら即受診し、診断を受ける必要があります。少しでも異常を感じたら、かかりつけの産婦人科を受診するようにしましょう。

常位胎盤早期剥離の原因は?5つの危険因子について

常位胎盤早期剥離は予知が難しいだけでなく、直接的な原因が分かっていないことから完全に予防するのは現代医学をもってしても困難と言われています。一方で、その危険因子を避けることで少なからず予防することは可能です。常位胎盤早期剥離の危険因子を5つご紹介しましょう。

危険因子1 常位胎盤早期剥離の経験がある場合

これまでの妊娠で常位胎盤早期剥離になったことがあるという方は、繰り返す傾向があるため、他の妊婦さんよりも常位胎盤早期剥離になる可能性が高いと言われています。前回の妊娠で経験があるという方は事前にかかりつけ医に報告し、共有しておくことが大切です。

危険因子2 妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群もまた、必ずしもそうであるというわけではないものの、常位胎盤早期剥離を引き起こす危険性があると言われています。
妊娠高血圧症候群はそのほかにも早産のリスクを高めるなどママと赤ちゃんにとってトラブルを引き起こしやすくするもの。塩分摂取量に気を配り、十分な休養をとるように心がけましょう。

危険因子3 切迫早産

早産の危険性があるという「切迫早産」もまた、常位胎盤早期剥離の危険因子のひとつです。切迫早産と診断された場合、基本的には安静生活となります。加えて、子宮収縮剤などの投薬治療を受けるのが一般的です。必ず医師の指示を守り、さらに異変が感じられた場合はクリニックに相談するようにしましょう。

危険因子4 腹部に何らかの衝撃を受けた場合

常位胎盤早期剥離の危険因子としては腹部の外傷も挙げられます。大きなお腹を抱えての生活は思った以上に不便です。気を付けているつもりでもぶつけてしまうことがあるかもしれません。

危険因子5 喫煙

妊娠中の喫煙も常位胎盤早期剥離を起こしやすくします。また、喫煙は胎児の発育を遅らせることにもなるため、妊娠が分かった時点で禁煙するのが望ましいもの。できればパパにも協力してもらえると心強いですよね。

その他にも、子宮筋腫がある場合・母体に腎炎やバセドー病などの持病ある場合にも常位胎盤早期剥離の危険性があると言われています。もちろん、こうした持病や先述した危険因子がない場合でも起こりうる病気です。

妊産婦の皆様へ 常位胎盤早期剥離ってなに?
*こちらのサイトを参考とさせていただきました



妊婦健診を正しく受けましょう!

お腹の赤ちゃんを守るためにも、また自分の体を守るためにも常位胎盤早期剥離は防ぎたいものです。そのめには、先述した危険因子と縁遠い生活をすることがベター。禁煙はもちろんのこと、塩分量にも配慮して妊娠中毒症にならないように注意しましょう。

また、妊婦さん自身が気づきにくいことでも専門家である産婦人科の先生であればいち早く異変に気づくことができます。妊娠中は週数に応じて妊婦健診が一定期間ごとに設定されています。4週間~2週間~1週間と次第に間隔が短くなりますが、決してサボらず、適切に妊婦健診を受診しましょう。それがママと赤ちゃんを守る第一歩ですよ。