妊娠検診でお母さんと赤ちゃんの健康を守ろう!

妊娠がわかり、エコーで小さな胎嚢をみたり心音を聞くと、お腹に赤ちゃんがいるんだという実感が一層わいてきますね。今回は、小さい命を10か月の間お腹で守っていくために大切な妊娠検診についてまとめました。

妊娠検診とは?

妊娠検診の回数は14回ほど

病院や人によって差はありますが、妊娠検診は平均すると出産までに14回くらいあります。妊娠は病気ではないのに、どうしてこんなに検診が必要なのでしょうか?
妊娠によってお母さんの体はどんどん変化し、赤ちゃんも成長していくので、気を付けるポイントも変わっていきます。ですから、その時期にあわせた検査が必要となってくるのです。

ハイリスクに備えて、安心して出産に臨むための検診です

逆子や子宮外妊娠などハイリスクな妊娠は検査薬だけではわかりません。
もし赤ちゃんに感染の恐れがある病気があったとしても、妊娠検診でわかっていれば、感染を防いだり出産後すぐに対処できますし、自覚症状のでにくい合併症の予防、早期発見にもつながります。
それらをふまえて大きい病院に転院したり、お母さんと赤ちゃんに適した分娩方法を選択することになりますので、今、健康に問題がなくても必要なのです。



妊娠検診の基本的なスケジュールと内容

毎回行うこと

初回から出産まで、検診のたびに毎回必ず行うのは、体重測定、血圧測定、尿検査、問診です。
さらに、時期によって次のような検査をします。
 
・内診…妊娠15週までと、36週以降
・経膣超音波検査…妊娠11週まで
・経腹超音波検査…妊娠12週以降
・腹囲、子宮底長測定…妊娠12週以降
・浮腫検査…妊娠12週以降
・貧血検査…妊娠12週以降

初診から11週まで…2週間に1回

まず初診で、最終月経日や胎嚢の様子を確認して、妊娠週数を診断します。
またお母さんの基礎疾患の有無や、過去に妊娠出産経験があるか、その時は異常はなかったかなどを確認します。
初期に追加される検査は以下の通りです。
 
・子宮癌検査(細胞診)
・クラミジア検査
・血液検査…血液型(AOB、Rh)、血算、血糖、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体など
 
ただし、血液検査のうち、抗体検査などは12週頃に行う病院もあります。

12週から23週まで…4週間に1回

辛いつわりも収まってきて、安定期を迎えます。
お母さんの健康状況、赤ちゃんの発育状況と異常がないかを調べるとともに、胎盤の位置を確認します。
前置胎盤などの場合、帝王切開での出産も必要になるからです。
また、この時期から母親学級やマタニティヨガなどが始まる病院も多いです。

24週から35週まで…2週間に1回

14回を標準として、この期間は6回通うことになります。羊水量の確認、子宮頸管の長さを測ったりします。子宮頚管が短いと早産の危険が増えるため、大切な検査です。

また、おりものからB群溶血性連鎖球菌(GBS)の感染を調べます。
GBS自体は珍しいことではありませんが、お産の時に産道で感染すると、髄膜炎や敗血症、肺炎など危険な病気を引き起こすので、抗生物質の点滴によって赤ちゃんへの感染を防ぐ必要があります。

36週以降…1週間に1回(予定日以降は2回にも)

いよいよ出産に向けて準備が進められます。
この時期に行うのが、ノンストレステスト(NST)です。横になったりリクライニングシートに座って、リラックスした状態でお腹にモニターをつけ、赤ちゃんの心拍と子宮の収縮を調べます。

他にも、お母さんが小柄だったり赤ちゃんが大きい場合は、骨盤のレントゲンをとって、経膣分娩が可能かを調べます。予定日が近付くと、子宮口の状態や赤ちゃんが下に降りてきているかなども確認します。

“妊婦健診”を受けましょう(リーフレット)|厚生労働省
出典:厚生労働省

妊娠検診は不安解消のチャンス

聞いておきたいことをまとめておきましょう

妊娠中には疑問に思ったり不安になることも多いと思います。知り合いに聞いて解決できることならいいのですが、妊娠中の症状は人によって全く違うものです。
検診の時間は限られているので、つい聞きそびれてしまうことのないように、母子手帳にメモをしておいたり、待っている間に聞きたいことをまとめておきましょう。

助産師検診も増えています

最近では、経過が順調な妊婦さんを対象に、助産師検診を行う病院も増えています。病院によって検診の内容は異なりますが、医師による検診と変わらない内容の所がほとんどです。

助産師検診のメリットは、医師には相談しづらかったちょっとした不安を時間をかけて聞いてもらえたり、母乳育児のためのおっぱいのお手入れなどの指導を受けられることです。もちろん助産師検診を選んでいても、必要に応じて医師の診察も受けられますので安心して下さい。

服装も気を付けるとスムーズに受けられます

よく、妊娠検診には下着を脱ぐだけのワンピースがいいと言われますが、実際にはそうとは限りません。
内診や経膣超音波検査の時は確かに下着を脱ぐのですが、消毒や処置の後には腰のほうまで濡れることもあります。
また、経腹超音波検査はお腹だけを出します。ワンピースですと上まで捲り上げなくてはいけないので、上下に分かれている服のほうが楽です。
服装に決まりはありませんが、周りのお母さんを参考にするのもいいかもしれません。



妊娠検診の費用が心配?お金と補助の話

自治体から補助券が交付されます

自治体に妊娠届を出した時に、母子手帳と一緒に妊娠検診の受給券(補助券)が発行されます。
補助の内容や回数は自治体によって違いますが、厚生労働省では標準的な妊婦健康診査として14回を例示しています。
助産院も対象になっている自治体が多いですが、ご自分の希望する産院が対象かどうかは必ず確認してください。

あまった補助券は捨てないで!お金が戻ってくることも

ご主人の転勤などで妊娠中に住所が変わる場合は、転入先で新しい補助券を交付してもらえますが、里帰り出産では補助券は使えなくなります。

しかし自治体によっては、申請することによって未使用のぶんだけお金が戻ってくる場合があります。
ただし申請期間が短く、提出書類なども自治体によってまちまちなので、里帰り出産を予定している方は、あらかじめ確認しておきましょう。

安心して出産するためにも、妊娠検診は必ず受けて!

妊娠中に検診を受けずに、陣痛が始まってから救急車で運ばれるお母さんも現実にはいます。
ですが、これまでの経過もどんなリスクがあるかもわからない人を受け入れてくれる病院は少なく、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても非常に危険なお産となります。

何ヵ月もかけて行ってきた妊娠検診は、単にその時々の健康状態を知るだけではなく、安心して出産に臨むために必要な準備なのです。
次回の検診まで間がある時でも、出血や初期中期のお腹の張り、胎動が弱いなど、気になることがあった場合は遠慮せずに病院に連絡しましょう。