BCG接種後の経過や様子を教えて!コッホ現象についても知りたい!

結核を予防するワクチン「BCG」。この予防接種は少し独特で、接種後長期間に渡り接種痕が変化し、その経過により免疫獲得の有無を判断するのです。しかし、接種痕の変化が激しいことがあり、しばしばママやパパたちを不安にさせる予防接種でもあります。今回は、一般的にBCGの接種痕はどのように変化するのかを説明し、BCG接種後の経過観察で特に注意すべき「コッホ現象」についても、詳しく解説します。

BCG接種直後の注意点

まずは、予防接種直後に気を付けるべきことを解説します。注意点を守り、より確実に免疫が得られるよう、心がけてくださいね。

接種後は日陰で乾燥させよう

BCGを接種した後は、日陰で10分程度乾かしましょう。BCGのワクチンとは、牛型結核菌を弱毒化したもので、この菌は直射日光に弱く、直射日光に当たると活性を失う特徴があります。つまり、陽の光で乾かすと、ワクチンとしての効果を失ってしまう可能性があるのです。
接種を受けてから接種部分が十分に乾くまで、病院の待合室で待たせてもらうと良いでしょう。洋服はしっかり乾いてから着させてください。また、乾き切らないワクチンが接種部分以外の肌に付着すると、ケロイドといったような激しい反応を起こすこともありますので、十分気を付けてください。

引っかかないように注意して

BCGは、赤ちゃんの肌に傷をつけて、そこに塗られたワクチンを感染させる接種方法をとっています。傷ですから、引っかけば当然治りは悪くなります。
これは接種直後に限ったことではありませんが、赤ちゃんが痒がるようであれば、ねんねの時にミトンを付けたり、おもちゃで気を引いたりして、引っかかないように気遣ってあげましょう。また、この時期はママの爪も短くしておいたほうが良いでしょう。ママの爪や、抱っこひもの肩ベルトなどで、予期せず引っかいてしまうことがあります。気を付けてくださいね。

お風呂はOK!ただし自然乾燥を心がけ清潔に保とう

予防接種当日からお風呂に入ることができます。オムツかぶれや汗疹を予防するためにも、お風呂で体を清潔に保つことは大切です。しかし入浴後は、パジャマを着る前にしっかりと自然乾燥させましょう。水分が残ったままパジャマを着せると、患部がふやけた状態で衣服にこすれ、傷口への刺激となってしまいます。接種部分をゴシゴシ洗うのもNGです。石鹸の泡も刺激になりますので、接種部分に付かないように気を付けましょう。
保湿クリームは、接種部分を避けて塗るようにしてください。特にステロイドなどの塗り薬を常用している場合、いつから接種部分にも塗布して良いか、予防接種時に医師へ確認するようにしましょう。



BCG接種翌日について

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針の痕が赤くなることがあります

BCG接種当日または翌日に、針の痕やスタンプの縁の跡が赤く浮き出ることがあります。また、接種部分の皮膚が赤く腫れることもあります。予防接種直後の赤みや腫れの多くは、皮膚に傷をつけたことによるものです。しかし、後述する「コッホ現象」と見分けるためにも、この時期の変化をしっかり観察する必要があります。

赤みや腫れは薄くなれば大丈夫

赤みや腫れが接種後2~3日で薄くなって来たら、心配すべき反応ではないと考えて大丈夫でしょう。接種後3日以内に完全に赤みが消えていなくても、薄くなっているのであれば心配はいりません。
BCGでよく見られる反応として、接種直後に一度赤くスタンプの痕が浮き上がり、一旦消えてから、接種後10日程度で再び赤くなることがあります。その流れの一部と考えて大丈夫でしょう。

BCG接種10日後について

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発疹や膿が出ることも

接種後10日頃から、針の痕と同じ場所に赤い点が浮き出しはじめます。そして、その点は日が経つにつれて大きくなることがあります。なかには発疹に膿が溜まることもあります。



BCG接種1ヶ月後について

最も強い反応が出やすい時期

接種後1ヵ月頃は、BCGの反応が最も激しく出やすい時期です。中にはぷっくりと針の痕が盛り上がり、膿がたっぷり溜まって、ママを不安にさせるかもしれません。しかし、正常な反応なので、安心してくださいね。
むしろこの時期に強い反応が出ないほうが心配です。もしこの時期に反応が認められない場合は、後述する「BCG接種後に赤みや化膿が見られない場合」を参考に、医師に相談する必要があるでしょう。もし腫れが破れて膿が流れ出てしまっても、ガーゼで拭き取ったりせず、さっとシャワーで流したら自然乾燥させましょう。薬を塗ったり絆創膏で覆わないようにしてください。

BCG接種1ヵ月以上経過したころ

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次第にかさぶたになります

赤く腫れたり膿が溜まった後は、次第にかさぶたになり、接種後3ヶ月頃を目安に治っていきます。かさぶたを無理に剥がすことがないよう、注意してください。
接種後に上述のような一連の反応を経たことは、結核に対しての抵抗力、免疫力を身に付けた証となるのです。接種痕の変化に驚くことが多いかもしれませんが、必要なことですので、落ち着いて受け入れてくださいね。また、BCG接種後の反応が収まるまでの数か月間、継続して接種部分を清潔に保つよう心がけてください。

受診すべきケース

反応が激しい時期は、膿でジクジクすることがあります。しかし、数ヵ月に渡りジクジクしている場合や、針の痕が互いに癒着して、大きな潰瘍となった場合は、病院で治療したほうが良いこともあります。一度医師に相談してみましょう。 【参考リンク】

▼BCGの基本的な説明や必要性、接種痕についてまとめられています。 力いっぱい赤ちゃんの腕に押されたBCGの予防接種。跡が段々赤くなり膿が出てくると心配になってしまうママも多いかもしれません。BCGの効果や接種跡の経過等、詳しく説明します。 ▼BCG予防接種におけるママたちの体験談のまとめです。BCG接種後の反応やトラブルについてまとめられています。
BCGの予防接種について先輩ママの体験談・口コミをまとめました。先輩ママたちの状況や気持ちをぜひ参考にしてみてください。

BCG接種後に赤みや化膿が見られない場合

心配ならツベルクリン検査を

上述したBCGの反応は一般的なもので、もちろん反応が薄い赤ちゃんもいれば、より激しい反応を示す赤ちゃんもいます。接種痕が長く残ることもあれば、赤みと共に跡形もなく消えてしまうこともあるでしょう。BCG接種後の反応が一般的な流れと少し違うからといって、直ちに効果を疑う必要はないでしょう。
しかし、BCG接種後1ヵ月程度経過しても接種痕が全く見られない場合、免疫が獲得できていない可能性があります。接種後半年から1年後に、ツベルクリン検査で予防接種の効果を確認することができますので、医師に相談してみましょう。必要に応じて、BCGの追加接種を受けることもできます。

コッホ現象について

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BCG接種後、約1ヵ月経過した頃に最も強い反応が出ることは前述したとおりです。しかし、もともと結核に感染している赤ちゃんがBCGを接種すると、10日以内(多くの場合は3日以内)の早い段階で、同じような症状が見られることがあります。これは一種のアレルギー反応と考えられており、「コッホ現象」と呼ばれています。

※コッホ現象は結核菌に似た菌に感染した場合でも発生することがあるので、必ずしも結核に感染していると結論づけられるものではありません。

これはコッホ現象なの?判断は3日目?

コッホ現象の多くは、接種後すぐに接種痕が赤く腫れ、次第に膿を伴う強い反応を見せます。一般的な接種後の反応と違って、接種後3日経過しても反応が薄まらない場合は、コッホ現象の疑いがあります。

【コッホ現象の疑いがある反応】
◇接種後すぐに接種痕が腫れあがり、接種後3日目になっても薄くならない。
◇接種後10日以内に膿が出る。
◇接種後10日以内に何らかの強い反応が出る。
◇接種痕があっという間にかさぶたになる。

コッホ現象の可能性が出たら速やかに受診しましょう!

コッホ現象の疑いがある場合、速やかに医師の診察を受けましょう。
医療機関では、速やかにツベルクリン反応による結核感染の検査を行います。またコッホ現象が激しい場合、ツベルクリン検査を省略して、感染と診断することもあります。結核感染が確認されると、胸部X線検査などを経て、結核治療が開始されます。
また、乳児の結核は、家族が感染源である可能性が高いため、家族や濃厚接触者の検査も併せて行い、感染源を特定する必要があります。

どこで受診すればよい?

コッホ現象の疑いがある場合は、接種を受けた医療機関で受診するべきでしょう。ただし、接種を受けた医療機関が居住している市町村外にある場合、ひとまず市町村の担当課へ相談すると良いでしょう。というのも、検査の結果、真にコッホ現象が認められた場合、医療機関は患者の居住区域を管轄する市町村長宛てに報告書を提出しなければならず、市町村外からは報告できないと断られてしまうことがあるからです。
集団接種を受けた場合も、市町村の担当者へ連絡をし、医療機関を紹介してもらうと良いでしょう。また、救急車を呼んだり、夜間救急にかかる必要はありません。小児科や役所が開いている時間に、診察や相談をするようにしましょう。

偽コッホ現象の可能性もある

赤ちゃんの肌が弱かったり、別の細菌が傷から入り込んだりすると、BCG接種後に通常よりも早く腫れや膿が出ることがあります。こういった反応を「偽コッホ現象」と呼び、医師の診察やツベルクリン検査により見分けることができます。
コッホ現象の疑いがあると、ママやパパは心の底から心配だと思います。しかし、落ち着いて症状を観察するとともに速やかに受診し、しっかりと医師に経過を説明してくださいね。「接種部分に刺激を与えなかったか」「清潔に保っていたか」というようなことを、もう一度思い出してみましょう。

接種後は経過の観察が大切です

写真を撮ってしっかりと経過を記録しよう

免疫獲得の成功や結核感染の有無を確認するという意味において、BCGは接種後の経過観察が非常に重要な予防接種です。というのも、日本は潜在的なものも含め、結核菌キャリアが他の先進国に比べて高く(米国の5.2倍、オーストラリアの2.8倍)、本人も知らないうちに感染していることも珍しくないからです。そして、赤ちゃんが結核に感染している場合、BCG接種後の経過観察こそが、その事実を発症前に知る最大のチャンスと言えます。

しっかり経過を記録して、もしもの時に備えてくださいね。記録は写真がおすすめです。メモをとるより確実に、症状を医師へ伝えることができます。
コッホ現象と一般的な反応の違いは、素人にはなかなか分かりづらいこともあると思います。結核はもはや命に関わる病気ではないと言っても、早期発見・早期治療が大切です。もし少しでも心配なことがあれば、速やかに医師に相談してくださいね。