妊娠中期の出血はなぜ起こる?原因と出血時の注意点

妊娠中におきる身体の変化は、赤ちゃんからの何かしらのサインです。不正出血は珍しいことではなく、体験された方も多いかと思います。今回は妊娠中期の出血についてみてみたいと思います。

妊娠中期の出血の主な原因4つ

妊娠中期(16〜27週)になると、出血が起きる事は少なくなります。まず、妊娠中期の出血の原因をみてみましょう。難しい言葉が並びますが、ひとつずつ説明していきますね。

1.  子宮膣部びらん

びらん、というのはすりむけたような状態のことをいいます。妊娠中はいろいろな部分がデリケートになりますが、膣の中も例外ではありません。妊娠中は膣の中が充血していて、セックスや内診などの少しの刺激で出血することがあります。この出血は心配はいりません。おりものに少し血がまざったような出血で一時的なものです。半分くらいの妊婦さんが経験すると言われています。

2. 子宮頸管(けいかん)ポリープからの出血

子宮頸管というのは子宮の入り口のあたりのこと、ポリープというのは小さなできものなので、つまり子宮の入り口あたりにできた小さなできものからの出血です。このポリープは自然にとれてしまうこともあり、癌になることもないので心配はないのですが、内診やセックスなどの少しの刺激で出血してしまうことがあります。

3. 切迫流産・切迫早産

切迫流産・切迫早産は流産・早産とは違います。流産・早産しそうだけれども、妊娠が維持できている状態のことです。

●切迫流産の特徴は?
切迫流産の時の特徴として、出血があります。赤ちゃんの心音がはっきりしていればあまり心配はいりませんが、出血が多いのは危険な兆候です。早めに診察をうけ、安静にしてすごしましょう。
切迫流産、と診断をうけると、ちょっと怖い印象をもちますが、妊娠中の出血は切迫流産と診断がつくことがほとんです。その場合は無理をせず、のんびりとすごすようにしましょう。

●切迫早産とは?
切迫早産は、正期産より早い、22週以降、37週未満に産まれて来てしまいそうな状態のことです。この時期に出血し、定期的なお腹の痛みやはりを伴うときは切迫早産の可能性があります。やはり出来るだけ早い診察が必要です。

4. 前置胎盤(ぜんちたいばん)

16週くらいには通常胎盤は完成してきますが、通常子宮の上の方についているはずの胎盤が、下の方、子宮の入り口付近にあり、子宮口にふたをしたような形になっている状態を前置胎盤といいます。
こうなると、大変出血しやすく、痛みもなく大量の出血をする場合があります。あまりに出血が多いと妊娠が継続できない場合もあります。前置胎盤は超音波検査で早期に診断がつきますので、お医者さんの指示に従って安静にするようにしましょう。
胎盤は妊娠がすすむにつれて、上の方に移動していく場合もあります。

5. 子宮頸管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)

子宮頚管無力症は、赤ちゃんが産まれるときまで閉じているはずの子宮口が早い時期から開いてしまう病気です。妊娠中期に起きやすい病気で、20週前後で起きる場合が多いようです。
これは出血やお腹のはり・痛みなどの自覚症状が出る事が少ないのですが、まれに、不正出血がみられることがあります。内診・超音波検査で診断がつきますので、定期的な検診は必須です。
気がつかずにそのままにしておくと、早産や流産になってしまうので、子宮の口を縛る処置をします。

6. 常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

胎盤は通常分娩後15〜30分後に後産として自然に剥がれてでてきます。常位胎盤早期剥離は、この胎盤が何らかの原因で、赤ちゃんがお腹の中にいる間に剥がれて来てしまう病気です。

胎盤が剥がれると、子宮の壁から出血が起こります。そして、子宮の壁と胎盤の間に血の塊ができてしまいます。赤ちゃんは胎盤を通じてお母さんから栄養や酸素を受け取っているので、これが剥がれてしまうと栄養や酸素が赤ちゃんに届かなくなり、大変危険な状態になります。
一方、母体にも影響を及ぼす事があり、母子ともに命をおびやかす危険な状態であるといえます。

しかし、不正出血の量もそれほど多くなく、自覚症状はほとんどない場合もあります。診断は超音波検査と胎児モニターで診断します。素早い対応が必要とされますので、妊婦検診は定期的に受け、それ以外でも出血等の症状があれば軽症でもすぐに受診するようにしましょう。



妊娠中期の出血時に注意するポイント3つ

出血しているな、と思ったら慌てずに対応しましょう。問題のない出血のほうが多いですが、上に説明したように命を脅かす場合もありますので注意が必要です。
出血したときに気をつけていただきたいポイントをまとめました。

1. まず落ち着く

初めての妊娠で出血してしまった場合などは特に、びっくりしてしまうと思いますが、まずは落ち着きましょう。ほとんどの出血は問題がないものです。

2. 出血状況をメモする

落ち着かないとできないことですが、いつ、どのような出血だったか、(色や量など)をメモし、病院で伝えられるようにしましょう。出血のついたナプキンを持参したり、もし、血の塊がでたような場合にはそれも持参するようにしましょう。

3. 中期以降の出血は即受診

出血をしているときに急に動くと、それが刺激になってしまう場合もあります。まずは病院に連絡をして指示をあおぎますが、妊娠中期以降の出血は心配のないものも含め、何かしらのトラブルが原因となりますので速やかに受診することが必要です。出血も多く、痛みも強い場合には救急車で病院に向かう事もあるかもしれません。

病院やタクシーの電話番号、ご主人、ご両親などの連絡先は、すぐにわかるように張り出すなどしておくと便利です。
病院へ出向くときにはさらなる出血の可能性もありますので、ナプキンをあて、タオルなども持参すると安心かもしれません。

妊娠中期の出血で安静にするように言われたら

安静=トイレ以外は動かない

妊娠中期の出血で、医師に安静を言い渡された場合、大げさなようですが、トイレ以外は動かずに横になっているようにしてください。
上のお子さんがいたりすると、入院も難しいですし、家で安静に、というのもなかなか難しいことだと思います。でもここはお兄さん、お姉さんになる第一歩。しっかり話をしてあげてください。きちんと説明をしてあげると、小さな子でもわかるものです。
横になって、本を読んであげたり、一緒に寝転がって話をしたりスキンシップをとったりするのもいいですね。
ご主人やご家族など、協力してくださる方には上手に甘えて休みましょう。



妊娠中期の出血、赤ちゃんからのサインかも?

自覚症状がなく、危険な状態になってしまうこともありますので、妊婦検診は必ず受け、少量でも出血があれば必ず病院に相談するようにしましょう。

妊娠中期、安定期にはいり、母子ともに落ち着いてくる時期であまりお腹もおおきくなく快適に過ごす事も可能な時期でもあります。しかし、お腹に赤ちゃんがいることを忘れずに、過度な運動やストレスは避けるようにしましょう。赤ちゃんに影響のない出血でも、それは赤ちゃんからの「ママちょっと休んで〜」のサインかもしれません。赤ちゃんの声に耳を傾けてみませんか?