酸棗仁湯で安眠を!気になる効能や副作用をご紹介

酸棗仁湯という漢方薬をご存知ですか?夜よく眠れなくて疲れがとれない、でも睡眠薬は効果が強すぎたり依存症にならないか心配…という人にぴったりな漢方薬です。今回は酸棗仁湯の気になる効能や副作用についてまとめました。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)とは?

主に不眠症に使われる漢方薬です


ストレスや過労は不眠を引き起こし、うつ病や神経症、自律神経失調症の原因にもなります。これらの精神的な疾患に対して使用されるのが酸棗仁湯(さんそうにんとう)です。

酸棗仁湯には神経の働きを鎮める作用があり、疲れも取り除いて体を丈夫にし、精神疾患を改善してくれます。一般的には、主に不眠症患者に処方される代表的な漢方薬です。

含まれる成分


酸棗仁湯には、精神の働きを穏やかにするため以下の5種類の生薬が配合されています。

▼サンソウニン
酸棗仁湯の主成分です。疲れをとって精神を鎮め、眠りを促す作用があります。滋養強壮効果のある精神安定剤のような働きをしてくれます。

▼チモ
熱を抑えて炎症を鎮め、口の乾燥を和らげる作用があります。サンソウニン同様、精神安定剤の働きをしてくれます。

▼ブクリョウ
精神を安定させる作用があります。センキュウと組み合わせると利尿作用、サンソウニンと組合わせると鎮静作用が高まり、胃腸を丈夫にしてくれます。

▼センキュウ
血行を改善して頭痛やのぼせを解消し、精神を安定させてくれます。

▼カンゾウ
チモと同様、熱を冷ます作用と、口の乾燥を和らげる作用があります。また、漢方薬全体の調和を保つ働きもあります。



酸棗仁湯の効能

不眠症の改善


酸棗仁湯は主に、心身の疲れからくる不眠症の治療に処方される漢方薬です。疲れにより高ぶった神経を鎮めて安定させ、ぐっすり深く眠れるようにサポートしてくれます。

漢方薬には西洋薬よりも体に穏やかに作用するため副作用も少なく、依存性も低いとされるので安心して服用することができます。

その他の精神症状の改善


酸棗仁湯は、体力低下しが弱っている人、心身が疲れている人、不安感やイライラがある人に有効な漢方薬です。

不眠症のほかに、うつ病、神経症、自律神経失調症などの症状にも効果が期待できます。主な適応は不眠症ですが、うつ病など良く眠れず疲れがとれないような精神症状も緩和してくれます。

酸棗仁湯の飲み方

1日3回に分けて食前または食間に服用する


酸棗仁湯は水またはぬるま湯に溶いたものを、朝・夕・就寝前の1日3回に分けて、食前または食間に服用します。
食間というと食事中と勘違いをしてしまう人も多いのですが、食事の最中ではなく食事と食事の間のことを指します。前回の食事から2~3時間が経過し、胃の中が空になったときに薬を飲みます。

酸棗仁湯は不眠症を解消する漢方薬なので、服用することで日中に眠気が出るのではないかが気になるところですが、朝に飲んでも眠気が出ることはありません。朝・夕の服用で全身の疲労を取り除き、就寝前の服用でスムーズに入眠できるようサポートしてくれる薬なので、安心して服用することができます。

自己判断で服用を止めず、医師の指示があるまで飲み続けることが大切


酸棗仁湯を服用しているうちに症状が軽快して良く眠れるようになり、体が楽になってくる場合も多いでしょう。しかし、このときに治ったからといって自己判断で勝手に服用を止めてはいけません。

どの薬も医師の指示があるまではしっかり飲み続ける必要があります。完治していないのに服薬を中止してしまうと、症状がぶり返しかえって治療が長引くことになりかねません。

乳幼児の服用は慎重に行う


酸棗仁湯は子どもでも服用することができる漢方薬ですが、この場合は大人と同量を飲ませてはいけません。年齢や体格ごとに薬の量が変わるので、既定の量を守るよう注意します。

特に1歳未満の乳児の場合は体も小さく未発達なので、保護者の自己判断で薬を飲ませることは極力避ける必要があります。あくまでも医師による診察と治療を優先とし、そのうえで必要と判断された場合のみ服用させましょう。



授乳中、妊娠中でも飲んで良い?赤ちゃんへの影響は?

基本的には服用を避ける


酸棗仁湯は、妊娠中や授乳中に服用した場合の安全性が確立されていません。
お母さんの血液や母乳を通して赤ちゃんにも漢方薬の成分が作用してしまう恐れがあるため、基本的には服用を控えた方が良いとされています。

酸棗仁湯は体が弱っている人向けの漢方薬なので副作用の心配も少ないとされていますが、赤ちゃんへのリスクがゼロとは言い切れない以上、慎重に服用する必要があります。
どうしても服用したい場合は決して自己判断はせず、かかりつけの医師に必ず相談して支持を仰ぐようにして下さい。

酸棗仁湯の副作用はある?

胃腸症状が出ることがある


体質によっては、胸のむかつき、食欲減退、吐き気、下痢など、胃腸に関わる副作用が出ることがあります。服用を続けるうちに体が慣れてくることがほとんどですが、あまりに症状がつらいときは医師に相談するようにしましょう。

体調によっては服用できないことも


持病やアレルギーがある人や、他に常用している内服薬がある場合は、飲み合わせに注意する必要があります。医師に必ずその旨を伝えてから処方を受けましょう。

また、胃腸が弱っている人や食欲不振や嘔吐などの症状がある人は、酸棗仁湯で症状が悪化する可能性があるため、医師の判断によっては処方を受けられないことがあります。

偽アルドステロン症に注意


酸棗仁湯に含まれるカンゾウの副作用として、まれに偽アルドステロン症が起こることがあります。
偽アルドステロン症を発症すると、血液中のナトリウムイオンが増加とカリウムイオンの減少が起こり、体内のミネラルバランスが崩れてしまいます。

偽アルドステロン症の主な症状は、体がだるい、顔や手足がむくむ、血圧が上がるなどの初期症状のほか、筋肉痛、筋肉の痙攣、手足のしびれ、こむら返り、頭痛、体重増加、尿量の減少、喉の渇き、動悸、吐き気、嘔吐などがあります。

これらの症状が現れた場合は速やかに服用を中止し、必ず医師の診察を受けて下さい。

副作用を放置すると深刻な障害の可能性も


副作用を無視して服用を続けると、血液中のカリウム濃度が異常に低下し、低カリウム血症に陥る可能性があります。
カリウムは細胞や筋肉が正常に働くために欠かせない物質です。これが不足すると筋力の低下、収縮、痙攣、麻痺などが生じます。そのほかに不整脈を起こす場合もあります。

さらに症状が進むと、意識を失う、糖尿病の悪化、筋肉が萎縮し動かなくなるミオパシーなど、重度の障害が引き起こされることもあります。

副作用に気付いてからすぐに服用を中止すれば、このような重症化は防ぐことができます。かなりまれな症状ではありますが、服用中は体調には十分注意するようにして下さい。

酸棗仁湯の値段

市販だと1日200~300円、漢方薬局だと1日500円程度


製品により価格には差がありますが、薬局で購入できる市販薬の場合は、1日あたりおよそ200~300円程度が相場です。
病院で医師の処方を受ければ、同じような内容のものを健康保険を適用した価格で購入することができます。

漢方薬局などで処方される煎じ薬は1日あたり500円程度と少し割高ですが、通常のエキス剤よりも薬効に優れているとされます。

【第2類医薬品】酸棗仁湯 エキス細粒 12包

【第2類医薬品】酸棗仁湯 エキス細粒 12包
販売価格は2016年7月25日現在のものです。

【第2類医薬品】漢方ナイトミン 72錠

【第2類医薬品】漢方ナイトミン 72錠
販売価格は2016年7月25日現在のものです。

生活スタイルの改善も一緒に考える


酸棗仁湯は不眠症の人には非常に役立つ薬ですが、漢方薬はあくまでもサポートと考え、生活スタイルを改善することも大切です。

体のリズムを整えてくれる成分を多く含む大豆食品や緑黄色野菜、果物などを積極的に取り入れる、午後のカフェイン摂取は控えるなど、食生活を見直すこともおすすめです。

そのほか、頭部を冷やし足元は温める「頭寒足熱」を意識する、適度な運動をして心身のメリハリを作る、リラックスする香りを寝室に取り入れるなど、日常生活の中でも工夫できることはたくさんあります。

医師と協力して薬で治療をしながら、少しでも質の良い眠りを得られるよう、あなたに合った方法を考えてみて下さいね。