大黄甘草湯は便秘薬の代表!その効能や用法、副作用とは

便秘薬の中でも、比較的人を選ばず使用されてきた漢方薬「大黄甘草湯」。便秘で苦しむ方を救世主のごとく改善させてきた漢方薬で長く使用されてきました。漢方薬だから「副作用は少ないだろう」というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、服用の仕方1つで明暗がわかれてしまいます。ここでは、正しく安全に服用するために「大黄甘草湯」の効能や服用上の注意点などを解説していきます。

大黄甘草湯とは?

主に便秘の解消に使われる漢方薬です


大黄甘草湯は、漢方の原典である「金匱要略」という古典書にも載っている処方で古くから用いられてきた漢方薬です。昔から便秘のつらい症状を解消するために用いられ、この大黄甘草湯は服用すると大腸の運動を活発にして便通をつけてくれます。

特に「常習性便秘」に用いられます。漢方は体力の有無によって向き不向きがあると言われますが、この薬は使用者をあまり限定しないとされています。

含まれる成分

1.ぜん動と便意を誘発する「大黄」


中国原産の「ダイオウ」というタデ科の植物の根と茎を乾燥させたものです。「大黄」のもっとも重要な薬効は下剤として用いることです。「大腸刺激性下剤成分」を含んでおり、大腸の運動が活発になって便を押し出そうとするぜん動を促し便意を誘発します。

便通と同時に抗菌、止血、抗腫瘍などの働きもあると考えられています。この生薬は、薬効が強く単体服用すると激しい下痢と腹痛が引きおこされる可能性があるので気を付けなければなりません。

「大黄」は子宮収縮を促進する作用があるので用いてはいけません。また、産後や月経中、授乳中の方は避ける必要があるようです。

2.痛みを和らげる「甘草」


甘草は、マメ科の「カンゾウ」の根と茎を乾燥させたものです。甘草は息苦しさの防止、解毒、喉の痛み止め、去痰、消炎、鎮痛などに効き目があります。この甘草が、「大黄」の強力な下痢作用を緩和してくれ、便秘に伴う腹痛や排便時の痛みを和らげてくれます。

甘草から作られる甘草エキスには胃液分泌抑制、消化器潰瘍の治癒促進、鎮痙、鎮咳などの薬理作用が認められています。また、甘草には抗アレルギー作用がありますが甘草を長期間大量に使用すると、脱力感や四肢痙攣麻痺などの副作用が生じる場合がありますので、長期大量使用は避けなければならないようです。



大黄甘草湯の効能

便秘、頭重、湿疹、食欲不振などの改善に


前述したように「大黄甘草湯」は、「常習性便秘」によく用いられる漢方です。大黄の効能により大腸を刺激して、腸の働きを活発にさせ便通をつけます。便秘のみならず便秘に伴う頭重、湿疹、皮膚炎、ふきでもの(にきび)、腹部膨満感、腸内異常発酵、痔の症状を緩和させ、さらに食欲不振改善する効果もあるようです。

大黄甘草湯の飲み方

1日2回(1回1包)を食前か食間に服用する


成人の場合で、1日7.5gを2~3回に分割して飲みます。1日2回(1回1包)を食前か食間に服用します。服用するときはお湯に溶かして飲むようにすると飲みやすいでしょう。

効果があったらその時点で服用を控える


飲み始めて効果があったらその時点で服用を控えましょう。5日間服用しても効果がない場合には服用を控えるようにしましょう。

使用上での注意点


次にあげるような方は、症状の悪化や副作用のリスクが高まる可能性もありますので、注意が必要になるでしょう。

・下痢、軟便の症状がある方は、症状を悪化させてしまう可能性があります。
・胃腸の虚弱な方は、食欲不振、腹痛、下痢などが症状があらわれる可能性があります。
・著しく体力の衰えている方は、副作用があらわれやすくなり症状が増強される可能性があります。

他の漢方薬を服用している場合には、重複服用にならないよう注意を


他の漢方薬と併用する場合には、「大黄」の重複に注意が必要です。大黄は強力な大腸刺激性下剤成分を含んでいます。そのため、これを含む漢方薬と「大黄甘草湯」を併用してしまうと大量の大腸刺激性下剤成分の摂取となってしまい、激しい下痢と腹痛が起こることがあるのです。

また、「芍薬甘草湯」など甘草を含む漢方薬と一緒に飲むと甘草の大量摂取となり、「偽アルドステロン症」が引き起こされる可能性があります。

他の漢方薬を服用している場合には、重複服用にならないように気を付けましょう。



授乳中、妊娠中でも飲んで良い?赤ちゃんへの影響は?

妊娠中は控えましょう


配合生薬の「大黄」には、子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用が認められています。それが原因となって流産や早産になることが考えられるので、妊娠中はできるだけ使用を控えましょう。

やむを得ず必要になった場合、大量でなければ問題はありませんが医師とよく相談をしてください。妊娠中、授乳中の便秘薬の服用は自己判断せずにかかりつけの産婦人科医に相談してくださいね。

授乳中も注意が必要です


授乳中も妊娠中同様、多量に服用すると大黄に含まれる成分が母乳に移行して赤ちゃんが下痢をおこす可能性がありますので、服用を控えるか授乳を避けるようにしてくださいね。

自己判断せずかかりつけの産婦人科医に相談を


妊娠中や授乳中は、そうでないときよりも黄体ホルモン増加による影響やストレスなどにより便秘になりやすいようです。自然なお通じを促すことが理想ではあります。

妊娠中は羊水や胎児の血液を作るために、授乳中は母乳に水分が必要となっているせいで、体内が水分不足になり便秘を引きおこしているかもしれません。こまめに水分補給をして便秘にならないように心がけましょう。

それでもひどい便秘に悩むようであれば、かかりつけの産婦人科医に相談してみてください。決して自己判断で漢方薬を服用しないようにしましょう。

大黄甘草湯の副作用はある?

多少の副作用があります


漢方薬には多少の副作用が出ることがあります。個人差はありますが、次のようなことがみられることがあります。
・胃の不快感
・食欲不振
・吐き気
・腹痛(症状がひどければ早めの受診を)
・下痢(症状がひどければ早めの受診を)

ごく稀にみられる重い副作用


ごく稀ですが、手足のしびれ、だるさ、つっぱり感やこわばりに加え、脱力感、筋肉痛が現れるようになって徐々に強くなる症状で、「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」があります。「偽アルドステロン症」も「ミオパチー」も筋力低下などの筋肉に異常が現れる疾患です。

その他にも、だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足の痺れや痛み、力が入らない、低カリウム症などがみられることがあるようです。いずれにせよ、いつもと違う感じがして不安なときは医師に相談してみましょう。

大黄甘草湯の価格

漢方薬局での処方で1日400円程度から購入可能


大黄甘草湯の価格がどのくらいなのか、どこで購入できるのか調べてみました。大黄甘草湯を購入するには次の方法があります。
・漢方薬局で調合してもらう。
・漢方薬を処方する病院で処方箋を出してもらう。
・市販薬を使う。

価格は、これらのどこで購入するかによって違ってきます。一般的に漢方薬局で処方してもらうと、粉薬1日分400円くらいからになるようです。患者1人1人の症状に合わせてその場で調合してくれます。漢方薬を処方してくれる病院の場合は、医師の処方箋があれば保険適用されるので3割負担で購入できます。

市販 顆粒タイプ

【第2類医薬品】ツムラ漢方大黄甘草湯エキス顆粒 12包
2016年7月20日の価格です ドラッグストアやネットで販売されているもので、「ツムラの漢方大黄甘草湯エキス顆粒」です。「大黄甘草湯」から抽出したエキスより製した服用しやすい顆粒になっています。価格的には漢方薬局と比べると安くなっているようです。

医師の指示に従って使用するのが安全です


「お通じがなくお腹がすっきりしないと気分まで優れない」など、便秘によって引きおこされる不快感は嫌ですね。そんな便秘解消になる大黄甘草湯は、使用者をあまり限定しない使いやすい漢方薬です。しかしだからといって、そこは薬ですから体調によっては副作用が出る可能性があります。

特に妊娠中や授乳中の方、持病があってほかの薬を服用されている方、便秘がつらさから簡単に手に入る市販薬を購入したい気持ちもあるでしょうが、一度漢方薬に詳しい医師や漢方薬局で相談してみましょう。そして、自分がこの「大黄甘草湯」を服用しても大丈夫かどうかを見極めていただきましょう。