桂枝加芍薬湯は下痢や便秘の漢方!副作用や飲み方をまとめて解説

桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)は繰り返す下痢や便秘などのお腹の不調に適した漢方薬で、過敏性腸症候群に処方されることもあります。今回は桂枝加芍薬湯の効能や飲み方、気になる副作用の有無や、妊娠中の注意事項などについてご紹介します。

桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)とは

主に「繰り返す下痢や便秘」に使われる漢方薬です


桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)は漢方薬の一種で、お腹が張って腹痛があるときや、便秘や下痢を繰り返すときなどに用いられます。

香りはシナモンと生姜のような香りで、味は少しの甘みと苦みがあります。

含まれる成分は5種類


桂枝加芍薬湯には5種類の生薬が配合されています。それぞれ以下のような効能が期待されています。

 ・桂皮(ケイヒ):おだやかな発汗・発散作用
 ・芍薬(シャクヤク):痛みをやわらげる
 ・生姜(ショウキョウ):体をあたためる
 ・大棗(タイソウ) :胃腸をあたためる
 ・甘草(カンゾウ):炎症や痛みを鎮める

よく似た名前の漢方薬もあるので注意


漢方薬にはよく似た名前のものが多くあります。生薬の種類や配合が変わっただけでも効能が異なるので、購入の際などはよく確認しましょう。

▼桂枝湯(ケイシトウ)
桂枝湯は主に頭痛や発熱などの初期の風邪の症状に用いられます。桂枝加芍薬湯と桂枝湯は含まれる生薬の種類は同じですが、桂枝加芍薬湯は芍薬の量が増やされています。

▼桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)
桂枝加芍薬大黄湯は桂枝加芍薬湯と近い効能が期待できる漢方薬ですが、桂枝加芍薬湯に下剤効果の期待できる大黄を加えた処方で、より便秘症状が強い場合によく用いられます。



桂枝加芍薬湯の効能

1.冷え体質の人の腹痛、便秘、下痢


桂枝加芍薬湯は下記のような症状に効果的とされ、特に冷え体質でお腹に張りがある人、体力のない人に向いているとされます。

 ・しぶり腹(便意があるのに出ない腹痛)
 ・腹痛
 ・排便異常(下痢、便秘)

2.過敏性腸症候群や、自立神経失調症に伴う腹痛


ストレスなどによって自律神経系のバランスが崩れると、腸の運動が乱れて腹痛や下痢などを起こすことがあります。桂枝加芍薬湯には胃腸の働きを整える作用があるとされ、過敏性腸症候群や、自立神経失調症や更年期に伴う腹痛や下痢・便秘に対して処方されることもあります。

四物湯との併用でフラッシュバックにも


精神科や心療内科で桂枝加芍薬湯と四物湯(シモツトウ)を組み合わせて処方されることがあります。この組み合わせはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状の1つのフラッシュバックに効果があるという見解があり、桂枝加芍薬湯が腸内でのセロトニン代謝に影響し、精神面での改善効果があるといわれています。

桂枝加芍薬湯の飲み方

食前または食間に飲みましょう


成人では1日2~3回、食前または食間に服用します。食前は食事の30分くらい前、食間は食事と食事の間で前の食事から2~3時間後のことを指します。

服用の間隔は2時間以上空けましょう


桂枝加芍薬湯をうっかり飲み忘れた場合は、いつ飲むのか心配になる方もいると思いますが、食前や食間に飲み忘れた場合は食後に飲むこともできます。
ただし次の服用時間が約2時間以内の場合は、飲まずに次回の服用時間を待ちます。また2回分をまとめて飲むなどは止め、用量を守りましょう。

白湯と一緒に飲むと効果的


漢方薬は原則として水または白湯で飲みます。中でも、漢方薬はもともと煎じ薬であることから白湯で飲むと効果がより期待できるとされ、錠剤の場合はそのまま白湯で飲んだり、顆粒の場合は白湯で溶かして飲むとよいとされます。

漢方薬の香りが気になる場合は、白湯で溶いたものを少し冷まして飲むと飲みやすくなることがあります。

慢性的な症状なら2~3ヵ月服用することもあります


「漢方薬は長期間飲む」というイメージから、いつまで飲むのかが気になる方もいるかもしれません。服用期間は症状によって異なり、数日の服用で効果が出ることもありますが、慢性的な症状を改善するには2~3ヶ月以上服用することもあります。処方された薬は独断で中断せずに、医師の指示通りに服用するようにしましょう。



授乳中、妊娠中でも飲んで良い?赤ちゃんへの影響は?

授乳中、妊娠中の服用は医師に相談しましょう


妊娠中に漢方薬を服用したときの安全性が確認されていないので、妊婦が服用する場合は注意が必要です。独断での使用は避け、医師や薬剤師に相談しましょう。

一方で妊娠中に便秘に悩む人は多く、医師が必要と判断した場合に桂枝加芍薬湯が処方されることがあります。もしも心配なことがある場合は医師・薬剤師に相談するようにしましょう。授乳中の場合も同様です。

医師の判断で子どもに処方されることも


生後3ヵ月から服用が可能ですが、赤ちゃんや子どもへの処方については「使用経験が少ないため安全性は確立していない」とされているので、専門家の判断なく服用させることは控えた方が望ましいです。病院では、医師の判断によって子どもの胃腸風邪などに処方されることもあります。

桂枝加芍薬湯の副作用はある?

発疹やかゆみ、胃の不快感がでることがあります


体質によっては、発疹や皮膚の赤み、かゆみが出る場合があります。また胃の不快感や食欲不振、吐き気が出る場合もあります。副作用かな?と思ったりいつもと違う症状が出たら、すぐに服用を中止し医療機関を受診しましょう。

血圧上昇や体の脱力は特に注意が必要


桂枝加芍薬湯に含まれる甘草は、多量摂取や長期摂取により「偽アルドステロン症」という副作用を引き起こすことがあります。「偽アルドステロン症」では体内のナトリウム濃度の上昇やカリウム濃度の減少が引き起こされ、血圧上昇、顔や手足のむくみ、吐き気や嘔吐などの症状が現れます。また、低カリウム血症に伴い手足のけいれんや脱力感(ミオパシー)を引き起こす可能性があります。

初めて服用する際はこれらの症状に特に注意し、異変を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。

副作用を避けるために、飲み合わせに注意しましょう


副作用の「偽アルドステロン症」は、甘草あるいはその主成分のグリチルリチン酸によるものとされており、これらの過剰摂取を防ぐために他の薬や漢方薬との併用に注意する必要があります。受診や市販薬の購入の際は、医師や薬剤師に服用している他の薬について申し出るようにしましょう。

【併用注意】
(1) 芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬
(2) グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

桂枝加芍薬湯の値段

漢方薬局で処方してもらうと、1日200~500円程度が目安


桂枝加芍薬湯を購入するには3つの方法があります。
1)病院を受診して処方してもらう
2)漢方薬局で調合してもらう
3)ドラッグストアなどで購入する

一般的には保険適用で処方された医療用漢方薬が安くなりますが、病院を受診して医師による処方箋をもらう必要があります。ジェネリック薬を選択することでさらに薬価が下がることもあります。

薬局や用量にもよりますが、漢方薬局で調合してもらう場合、粉薬(エキス剤)1日分で200円~500円程度が目安になるようです。煎じ薬になるともう少し値段が高くなることが多いようです。

市販薬は1日100~200円程度から


桂枝加芍薬湯はツムラやクラシエなどから市販もされており、ドラッグストアやインターネットでも購入することができます。細粒、顆粒、錠剤タイプがあるので、飲みやすさに応じて選ぶことができます。1日分で100~200円程度の値段から販売されています。

顆粒タイプ

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方桂枝加芍薬湯エキス顆粒 45包
※販売価格は2016年7月20日現在のものです。

錠剤タイプ

【第2類医薬品】JPS桂枝加芍薬湯エキス錠N 260錠
※販売価格は2016年7月20日現在のものです。

桂枝加芍薬湯を上手に使って快適なお通じを


桂枝加芍薬湯はお腹の不調に比較的よく用いられる漢方薬で、繰り返す下痢や便秘に悩んでいる方の味方になってくれます。上手に使って快適なお通じを目指しましょう。

しかし漢方薬にはあまり馴染みがなく、病院で処方されたけれど疑問や不安があるという人もいるかもしれません。なにか気になることがある場合は、納得できるまで医師や薬剤師にアドバイスを求めましょう。