止まらない咳に麻杏甘石湯が効く!効能や副作用、使用上の注意点も

麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)は、慢性的な咳や、風邪の後の強い咳などの症状に効果のある漢方薬です。今回はその麻杏甘石湯について、効能や注意点なども含めて紹介します。

麻杏甘石湯とは?

主に咳や喘息に使われる漢方薬です


麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)は、4種の生薬名の一字をとって、麻杏甘石湯と名付けられました。

漢方には数千年の歴史がありますが、古くから喘息の治療に用いられる代表的な漢方薬です。
漢時代の漢方の古典「傷寒論」でも紹介されています。

含まれる成分


麻杏甘石湯には自然の草や木から作られている4種類の生薬(ショウヤク)が組み合わされています。

*麻黄(マオウ)
有効成分であるエフェドリンが抗炎症作用、気管支の拡張作用をもち咳や喘息・気管支炎などの症状を緩和する

*杏仁(キョウニン)
咳を鎮める効果や去痰作用、整腸作用

*甘草(カンゾウ)
活性酸素を除去する、肝機能を高める、アレルギーを抑制する、免疫力を高める

*石膏(セッコウ)
熱を下げる・腫れを抑えるなどの消炎効果、利尿作用、口の渇きなどを抑える

このようにこれらが4種類が一緒に働く事で、よりよい効果が期待されます。



麻杏甘石湯の効能

気管支ぜんそくなどの治療に用いられます


麻杏甘石湯は、予防薬としてではなく、咳が出始めてから飲んで効果を表す漢方薬です。そのため、気管支ぜんそくや気管支炎、百日咳などの咳症状の治療に用いられています。

また、大人だけでなく小児ぜんそくの治療にも用いられます。
長期的な利用だけでなく、気管支ぜんそくの頓服薬としても古くから用いられているそうです。
体力が虚弱な方には不向きで、体力が充実している方に向いていると言われています。

麻杏甘石湯の飲み方

1日2〜3回を食前に服用します


通常、漢方薬の服用は食前または食間が基本です。
医師の判断となりますが、1日2〜3回にわけて経口服用します。

漢方薬は作用が穏やかであり、水溶性の特徴があるため食前服用が吸収率がよいと考えられています。

厳密には食前は30分前、食間は食後2〜3時間のことを示します。吸収をよくするためと考えられていますが、飲み忘れてしまうような事があれば医師に相談するようにしましょう。

お湯に溶いて飲むと効果的


漢方薬の名前の最後の文字が『湯』とあるものは、白湯で溶かして飲むと吸収も早くなり効果的だと言われています。
しかし麻杏甘石湯は『清熱剤』なのでお湯に溶かした後、冷やしてから服用するとより効果が期待できます。

病院では、服用が簡単なエキス剤が広く使われており、煎じ薬を濃縮乾燥させてあるのでそのままお湯に溶くことが出来るようになっています。
専門外来では、生薬のまま調合するところもあるので、医師・薬剤師に確認してみてくださいね。

※清熱…熱証(炎症・充血・のぼせ・ほてり・口渇など)を改善すること。

子どもも服用が出来るお薬です


小児ぜんそくに用いられることが多い麻杏甘石湯。
漢方薬は幼児が大人の1/4、小学生は大人の1/3、中学生は大人の半分を目安に服用するといいといわれています。
また、生後3ヵ月未満の乳児は服用することができません。

身体の大きさや体力などによって処方量は変わってくるので、同じ症状だからといって大人の薬をわけないようにしましょう。

飲み合わせに注意しましょう


エフェドリンやテオフィリンなどの交感神経刺激作用のある薬との併用は慎重投与とされていますので、注意が必要です。
その他、甲状腺製剤、テコールアミン製剤を服用している場合も注意が必要です。

また、生薬の甘草は多量摂取をすると副作用がでる可能性があるため、甘草が含まれている他の漢方薬の服用や、グリチルリチン酸を長期で服用する場合も注意してください。



授乳中、妊娠中でも飲んで良い?赤ちゃんへの影響は?

妊娠中は出来る限り控えましょう


漢方薬は比較的妊娠中でも処方される事が多いようですが、麻杏甘石湯に至っては麻黄に含まれている有効成分のエフェドリンが末梢循環を損ない、胎盤への血流を損なうといわれています。

また、エフェドリンは胎盤を通過すると考えられ、胎児心拍は増加する可能性が示唆されていることから、妊娠中は服用しないことが望ましいといわれています。

普段から服用している方や、どうしても咳が止まらない方などは、医師に相談してみてくださいね。

授乳中も慎重投与といわれています


授乳中のお母さんが薬を飲めば、薬の成分が極少量ですが母乳に移行するといわれています。

服用しているものですから、すべてのお薬に移行する可能性はあるのですが、麻杏甘石湯に含まれている麻黄の成分には注意が必要です。
赤ちゃんの顔のほてりや頻脈がでる可能性があるともいわれており、授乳期には慎重投与とされていますので、自己判断で服用しないようにしましょう。

麻杏甘石湯の副作用はある?

皮膚や消化器に症状が現れる事があります


副作用の少ないといわれている漢方薬ですが、体質によっては副作用が起こる場合もあります。

胃の不快感や食欲不振、吐き気などの消化器症状、発疹・発赤、かゆみなどの皮膚症状が現れた場合はすぐに使用を中止し、医師に相談するようにしましょう。

偽アルドステロン症


麻杏甘石湯煮含まれている生薬のひとつ、甘草(カンゾウ)の副作用として『偽アルドステロン症』の症状が稀にでることがあります。

アルドステロンとはホルモンの一種で、過剰分泌されることにより起こる病気のことを『アルドステロン症』といわれています。『偽アルドステロン症』は、アルドステロンが多くないにも関わらず同じような症状が出る事からそう呼ばれています。

甘草の過剰服用や甘草が含まれている薬の長期服用によって発症しやすいといわれており、主な症状としては、手足の力が抜ける、高血圧などの初期症状があります。
続いて、筋肉痛や倦怠感、頭痛、顔や手足のむくみ・しびれ、吐き気、嘔吐、動悸、こむら返りなどの症状が現れます。

甘草は他の薬剤にも含まれていることが多いので、併用する事がないよう、もし服用中の薬がある場合は医師に確認してみてください。

症状が進むと低カリウム血症やミオパシーの症状が現れることも


『偽アルドステロン症』の症状があるにも関わらず服用を続けてしまうと、血液中のカリウム濃度が非常に低くなり、『低カリウム血症』を引き起こす可能性があります。

カリウム濃度が低下すると、筋力の低下や筋肉の収縮、けいれん、不整脈、麻痺が起こる場合も。
意識がなくなる、息苦しい、多尿になる、筋肉が萎縮し機能しなくなるミオパシーなど、深刻な障害をもたらす可能性もあります。

麻杏甘石湯の値段

処方された方が低価格で購入出来ます


漢方薬は薬局やドラッグストアで購入することができますが、まずは医師や専門医に自分にあった漢方かどうか相談してからの方がいいでしょう。
通常、店頭で購入すると保険は適応されないため、病院処方よりも高くなります。

また、近年ネット通販でも漢方薬を購入することが出来るようになりました。

ツムラ顆粒

【第2類医薬品】ツムラ漢方麻杏甘石湯エキス顆粒 24包
※価格は2016年7月15日現在のものです。

トーア顆粒

【第2類医薬品】麻杏甘石湯エキス顆粒「トーア」 12包
※価格は2016年7月15日現在のものです。

細粒タイプ

【第2類医薬品】麻杏甘石湯 エキス細粒60 2.0g×30包
※価格は2016年7月15日現在のものです。

一度、専門医に相談を


漢方医学は西洋医学に比べ、細かな専門的知識が必要となり、医師も専門医でないと的確な処方が難しい場合があります。

漢方の特徴は、身体全体の調子を整え病気を治していくことであり、西洋医学の臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的になります。

普段の薬で快方に向かわない、症状が変わらないなどがあれば、一度漢方の専門医に相談してみてはいかがでしょうか。自分の体質、症状に合ったお薬が見つかることでしょう。

また、薬だけに頼ることなく、合わせて自身の生活習慣を見直し、健康な身体を手に入れましょう。