新生児黄疸の症状・原因と治療法は?注意すべき点と受診の目安

赤ちゃんの肌や白目が黄色くなる新生児黄疸は、生後まもない赤ちゃんに現れる症状のひとつ。新生児黄疸は心配のいらないものから、治療が必要なものまで症状はさまざまです。黄疸とはどのような症状なのでしょうか。また「治療が必要な場合はどんなとき?」などの疑問にお答えします。

生まれた赤ちゃんが新生児黄疸と診断されたら

やっと出会えた赤ちゃん。ママは出産を終えてほっと一安心ですね。
「これから赤ちゃんとの新しい生活がスタート!」

そんな矢先、生まれた赤ちゃんに黄疸の症状が出たら…。ママはとても心配になりますよね。
私の長男にも少し黄疸の症状がでていて「大丈夫かな…」と心配になったことを覚えています。

新生児の黄疸は、心配のない「生理的な黄疸」から「病気による黄疸」などさまざまです。

赤ちゃんだけ退院が延びることも

通常、自然分娩の場合は生後5日ほど、帝王切開の場合は生後10日ほどで退院しますが、黄疸の数値によっては赤ちゃんだけ退院が延びることも。
その場合はママだけが先に退院して後日赤ちゃんを迎えに行きます。病院にいるとはいえ、離れると心配になりますよね。
でも「黄疸がでて赤ちゃんだけ一日退院が延びた」というのはそれほど珍しいことではありません。



新生児黄疸の原因

白目や肌が黄色くなる黄疸症状の原因。どうして黄色くなるの?

黄疸の症状として多いのが、白目や肌が黄色くなることです。赤ちゃんの白目は、通常は透き通るような白色で、やや青みがかっています。
しかし黄疸の症状が出ると、白目がくすんで黄色みがかって見えます。

赤ちゃんは、ママのお腹の中にいるときには、胎盤を通して酸素を体内に供給しています。でもその方法は、肺呼吸で酸素を体内に取り入れるよりも効率が悪いため、赤ちゃんは血液中の赤血球を多くしてそれを補っています。
そのため、赤ちゃんは赤血球が多い状態で生まれてきますが、生まれると肺呼吸になるため赤血球をたくさん分解します。そして赤血球を分解するときに、黄色い色素である「ビリルビン」が出ます。そのため、肌や白目が黄色く見えるのです。

ビリルビンは、肝臓を通しておしっこなどといっしょに体外へ排出されますが、生まれたばかりの赤ちゃんの肝臓は未発達のためうまく処理することができません。そのため、ビリルビンが体内に蓄積され、高ビリルビン血症という状態になります。

低出生体重児の赤ちゃんほどビリルビン値が高くなる傾向に

低出生体重児の赤ちゃんほどビリルビン値が高くなる傾向にあります。それはまだ内臓などの機能が未発達の状態で生まれてくるためです。赤ちゃんの体重によって、治療が必要なビリルビン値はかわってきます。

新生児黄疸の種類と症状

多くの新生児におこる「生理的な黄疸」

新生児の「生理的な黄疸」は、生後2,3日からはじまり生後10日頃落ち着く場合が多いです。症状としては、赤ちゃんの白目や肌が黄色くなります。
これは新生児の9割以上におこる症状で、ほとんどの場合心配いりません。

完全母乳の赤ちゃんに多い「母乳性黄疸」

完全母乳の赤ちゃんの場合、生理的な黄疸が落ち着く生後10日頃を過ぎても黄疸症状が続く場合があります。これは母乳性黄疸とよばれ、血液からできた母乳を飲んでいるためです。
生後、3週間から1ヶ月ほど続きます。
母乳をよく飲み、おしっこやうんちの色に問題なければほとんどの場合心配いりません。

ママと赤ちゃんの血液型が違うことで起こる「新生児溶血性黄疸」

ママと赤ちゃんのABO式血液型やRh式血液型が異なることが原因で起こる黄疸です。ママと赤ちゃんの血液型が違うことで、赤ちゃんの赤血球に対する抗体がママの体内で発生してしまい、この抗体が赤ちゃんの赤血球を分解してしまうことでビリルビンが増加してしまいます。

生まれてすぐから黄疸の症状がある場合や貧血状態になっている場合には、この新生児溶血性黄疸の可能性があります。
新生児溶血性黄疸の場合は治療が必要です。生まれてすぐに症状が出ることから、産院で見つけてもらえる場合が多いです。

ビリルビンによって脳の神経細胞が破壊される「核黄疸」

新生児黄疸でビリルビン値の高い状態が続き、ビリルビンが脳に蓄積してしまうことで起こる核黄疸。重症の場合には脳性マヒなどの後遺症が残ることもあります。
生後3,4日頃から「元気がない」「ほ乳力の低下」などの症状が現れます。入院中であることから産院で気づいてもらえる場合が多いです。
核黄疸になってしまうと治療することは難しく、予防が大切です。

「胆道閉鎖症」という病気からでる黄疸症状

肝臓と十二指腸を結ぶ胆道が閉鎖していることから、肝臓で作られたビリルビンを含む胆汁がうまく十二指腸へ流れず黄疸が進行する病気。
生理的な黄疸が落ち着く生後10日頃を過ぎても黄疸の症状があり、白っぽいうんちが出る場合はこの胆道閉鎖症である可能性があります。血液検査や腹部エコーによってこの胆道閉鎖症かどうかがわかります。
胆道閉鎖症と診断されれば手術が必要です。



治療が必要な新生児黄疸とは?

黄疸症状のある赤ちゃんの何割ぐらいに治療が必要か?

赤ちゃんの9割以上に現れる黄疸の症状ですが、そのうち2割程度の赤ちゃんに治療が必要といわれています。
入院中の赤ちゃんは、毎日黄疸計でビリルビン濃度を測定します。これは、赤ちゃんの額や胸に計測器をあて、皮膚に光りをあてることでビリルビン値を測定します。この黄疸計での結果に異常が現れた場合には、赤ちゃんのかかとなどから採血を行い血液検査が行われます。

治療が必要な場合とは?

赤ちゃんは生後4~7日頃をピークに、血液中のビリルビン値が上昇します。これは生理的な黄疸によるもので、ほとんどの赤ちゃんに見られる症状です。その後徐々に新生児の正常値まで下がってきますが、ビリルビン値が高い状態から下がらない場合などには、治療が必要になります。また、生まれてすぐからビリルビン値が高い場合や、急激に値が上昇した場合などにも治療が必要になります。
ちなみに、治療が必要なビリルビン値の基準は、赤ちゃんの出生週数や体重、生後日数によって大きく異なります。

高ビリルビン血症: 新生児における代謝,電解質,および中毒性障害
※参考

新生児黄疸の治療法について

黄疸計や採血の結果から、治療が必要と判断された場合には次のような方法で治療を行います。

光線療法

赤ちゃんに光りをあてることでビリルビンを水に溶けやすい状態にし、体外へ排出しやすくします。

赤ちゃんはおむつ一枚になり、アイマスクをつけて保育器の中に入り24時間過ごします。おむつ替えや授乳のとき以外はこの保育器の中で過ごすことになります。保育器の中に入っている間はずっと光をあてられています。

光線療法後に再度ビリルビン値を計測し、結果がよければ光線療法は終わりです。もし、ビリルビン値があまり下がっていない場合には、あと12~24時間、光線療法を続けることもあります。

光線療法後の検査結果に異常がなかった場合でも、ビリルビン値がまた上がっていないかを翌日に再度検査します。この翌日の検査で問題なければその後はほぼ心配ないといわれています。

交換輸血

赤ちゃんの血液中のビリルビン値がとても高い場合や、急激に値が上昇した場合など、早く値を下げる必要があると判断される場合には交換輸血が行われます。これは、赤ちゃんの血液を輸血によって入れ替える処置です。

こんな場合は要注意!心配な黄疸症状・受診の目安

白目や肌の黄色みが生後1ヶ月を過ぎても落ち着かない

完全母乳の赤ちゃんの場合は生後1ヶ月頃まで黄疸症状が続く場合がありますが、生後1ヶ月を過ぎても白目や肌が黄色いと感じるときには、不安を取り除くためにも小児科を受診しましょう。
白目や肌の色をチェックするときには明るいところ、なるべく自然光で確認しましょう。
黄疸の症状が心配なママは生後1ヶ月の健診のときに相談するようにしましょう。

紅茶のような色のおしっこが出る

赤ちゃんのおしっこは大人とは違い、無色透明に近い色をしています。もし、おしっこが赤い場合は注意が必要です。おむつに色が付くほどおしっこが赤い場合は、そのおしっこが出たおむつを持ってすぐに小児科を受診しましょう。

白っぽいうんちが出る

新生児のうんちは緑色や黄色ですが、白っぽいうんちが出たときにはその便が出たおむつを持ってすぐに小児科を受診しましょう。
うんちの色については母子手帳についている「便カラーカード」を参考にしてくださいね。 平成23年12月28日厚生労働省令第158号で、母子手帳への便カラーカードの掲載が義務づけられました。

黄疸と診断された赤ちゃんのママの体験談

やっと対面できた赤ちゃんが、黄疸と診断されたらママは誰でも不安になりますよね。
黄疸と診断された赤ちゃんのママたちの声を聞いてみましょう。

ママの心のケアも大切

もし赤ちゃんが黄疸と診断されて、光線療法を受けることになったら…。
裸でアイマスクをして保育器に入れられる赤ちゃんを見て、動揺しないママはほとんどいないと思います。みんな不安な気持ちがあると思いますが医師と赤ちゃんを信じて、見守りましょう。

不安な気持ちが大きいときは、助産師さんなどに相談してください。出産後のママの精神状態は不安定な状態です。そんなときに赤ちゃんに心配ごとが起こると、ママの心身に影響がでることも。

退院してからは赤ちゃんの変化に注意して

入院中は病院で毎日黄疸の値をはかってもらえますが、退院してからはママが毎日の変化を観察しなければいけません。
だんだん肌がくすんで黄色くなってきていないか?白目が黄色くないか?よく観察してください。
もし心配なことがあれば、ひとりで抱え込まずにすぐに誰かに相談してください。
どうすればいいかわからないときは、まず出産した産院に電話で相談しましょう!
しばらく様子を見た方がよいか、小児科を受診すべきかアドバイスをくれるはずです。

黄疸はどの赤ちゃんにも起こりうることですが、重症化するケースもある難しい病気。
よく注意して赤ちゃんを見ていきたいですね。