歯並びが悪いと体への影響だけでなく、自分の笑顔に自身が持てずにコンプレックスにもなりますよね。矯正したいけど痛そうだし、見た目が気になるし、やり方がいろいろあってわからない、時間もお金もかかりそう…「自力で何とか治せないかな」と思ったことはありませんか?今回は自力で歯列矯正できる方法があるのかどうか、実際にやってみた人の体験談も併せてご紹介します!
歯列矯正とは?
歯並び・噛み合わせを良くする
普段の何気ない仕草でも、歯並びが悪くなる原因になります。頬杖・口呼吸・歯ぎしり・指しゃぶり・食事の際、片方の歯ばかりで噛むクセがあるなど…。指しゃぶりは3歳から遅くても5歳までには止めさせた方が良いとされ、放置すると出っ歯の原因にもなるといわれています。
自分の歯は一生付き合っていくものです。歯並びが悪いまま放置しておくと噛み合わせが悪くなり、姿勢も悪くなってしまいます。
乳歯の虫歯をきちんと治療していない事や乳歯の歯並びが、永久歯の歯並びに影響する場合もあり、早い時期からケアする必要があります。
歯並びが良くなるとしっかり噛むことができ、唾液の分泌を促したり、脳の働きも良くなるのです。また、発音も綺麗になり、虫歯や歯周病になりにくくなります。
歯科医院ではレントゲンを撮って、個人に合わせた矯正(ワイヤー矯正・ブラケット矯正など)を行い、歯に弱い力を継続的にかけていくことで、綺麗な歯並びへと矯正していきます。
もちろん、歯科医院で矯正できれば一番いいのですが、時間・お金のかかることなので自力でも出来る方法はないのでしょうか?
自力で歯列矯正は可能?
基本的には医師の処置を受けるようにしましょう
自力で歯の矯正を完璧に行うのは不可能に近いといえます。費用が高く、期間もかかりますが、子どもの綺麗な歯並びを考える場合は専門医の診断をいただいた方がよいでしょう。
自己流であれこれと試すがあまりに、逆に歯並びに悪影響が出てしまう……という可能性はゼロではありません。あくまでも自己責任の範囲で試してみるにとどめておきましょう。
矯正を始める時期はいつが良い?
骨も成長途中の小学生頃が一番矯正しやすいといわれています
人間は約20歳で顔の骨が成長して出来上がります。上あごの骨は10歳、下あごの骨は男の子で18歳、女の子で15歳で骨が固まります。
小学生で歯は生え変わり、骨も成長途中なので矯正がしやすいのです。力を加えるだけの矯正なら、自力でもできる可能性はあります。大人になってからの矯正は出来ない訳ではないですが、20歳を過ぎてからは特に自力では難しいです。
年齢を重ねるごとに自然と歯並びは悪くなってしまいます。
自力で矯正してみることができる歯並びとは?
歯の間に隙間があるタイプなら試してみる価値はあるかもしれません
あごが小さくて、歯が正しい位置に並んでいない場合は自力での矯正は難しいです。歯を動かすにはスペースが必要なので、歯科医院では抜歯をすることもあります。
その為、抜歯をしなくても歯と歯の間に隙間があり、自力でも正しい位置に戻せる場合は矯正が可能です。
矯正したい歯の本数が多かったり、抜歯しないとガタガタに並んだ歯を矯正できない場合は、歯科医院へ行かれることをおすすめします。
歯は前後に継続的な力を加えられることに弱いので、出っ歯や受け口など、歯を前後に動かせば正常な位置に戻る場合も、前から押し続ければ矯正できるかもしれません。
自力で歯列矯正をする方法
矯正が必要となる前に、そもそも歯並びが悪くなる原因も様々なものがあります。その歯並びを悪くしないためにも行っておくといいトレーニングや方法がありますので、ご紹介していきます。
あくまでも自己流ですので、矯正ができるとはいえません。心配な場合は専門医の診断を受けることをおすすめします。
1.べろ回しトレーニング
1.口を閉じて、舌を歯の表面に沿って左回しにゆっくりと20回回す。
2.1と同じ要領で右回しに20回回す。
1と2をセットで、1日3セットを目安に行うと効果的です。
簡単そうに思えますが、意識しないとなかなか使わない筋肉なので、最初は20回もできないかもしれません。慣れてくると回数も増やせると思うので、少しずつ無理のない程度でやってみましょう!
道具も何もいらないので、ちょっとした空き時間や、気が付いた時にどこででも行うようにするといいと思います。
口の中で歯は、舌で外側へ押される力と頬・唇によって内側に押される力によって、正しい位置に保たれています。
どちらかの筋肉が弱っているとバランスを失い、歯並びは悪くなってしまいます。その為、このべろ回しトレーニングは舌の筋肉と口周りの筋肉を鍛えるのに有効です。
歯並びを良くする為だけでなくても、唾液の分泌を良くしたり、表情筋を鍛えるのでほうれい線やしわを消したり、小顔効果も期待できるのでママにもぜひやって欲しいトレーニングです!
起床時と就寝時に行うとより効果的なようです。
2.「パタカラ」を使ったトレーニング
メディカル パタカラ S 幼児用
※価格は2016年6月17日現在のものです 「パタカラ」というのは、口輪筋を鍛えるために歯科医が開発した医療用器具で、口腔機能を正すことが出来ます。
これを一日3~4回上唇と下唇でしっかり挟み込み、3分間口を閉じておくだけです。歯で噛むのではなく、唇で挟むことで口輪筋・表情筋が鍛えられます。表情が豊かになって、二重あごも解消できますよ!
口呼吸は歯並びを悪くする原因にもなります。ボーっとしたり、集中している時に口が開いたままになっていませんか?
先ほども説明したように、舌の筋肉と口周りの筋肉のバランスにより、正しい歯並びを保てます。口輪筋の筋力が弱って常に口が開いた状態が続いていると、舌が歯を押し続けることになり、歯並び・体の歪みにも影響してくるのです。
その為、口の筋肉を鍛えれば自然と鼻呼吸になります。鼻呼吸はイビキの軽減にもつながり、口臭の改善、風邪の予防にも効果的だと言われています。
特別な器具を使わなくても、口をすぼめることで口輪筋は鍛えられるので、意識的にやってみましょう。普段使わない筋肉を鍛えることで、最初は思った以上に疲れます。しかし、それはトレーニングが効いている証拠なので、諦めずに継続して下さい。
3.マウスピースを使った矯正
歯医者さんでもマウスピースを使った矯正はあります。しかし費用は、上下どちらかでも30~40万円程度、上下両方だとその倍の費用、抜歯を伴う場合は100万円以上する場合もあります。
自力で行う場合は全ての歯列矯正したい人が出来る訳ではないですが、マウスピースは市販の物もあり、小さな凹凸やすきっ歯であればマウスピースで矯正できるかもしれません。
ただし、マウスピースの場合は装着している間だけ、歯が正しい位置に動かされているので、一日18時間~22時間程度は装着する必要があります。
市販の物は歯医者さんのようにレントゲンを撮って、その人に合わせたマウスピースではありません。個人によってあごの形や歯並びは違う為、劇的な変化は期待できないかもしれません。しかし、日頃の何気ない仕草や、加齢でも歯並びが悪くなることはあるので、やり続ければ効果が出てくるでしょう。
4.歯を押したり、ガムを噛むのもいいかも!?
「時間があればずっと押し続けて、出っ歯や受け口が気が付くと治っていた。」という人もいるようです。
歯は前後左右に押される力には弱いので、動くことは確かですが、力を入れすぎると歯が折れたり、欠けたり、歯茎から出血する事もあるので十分注意して下さい。
日本人で歯並びが悪い人に多いのは、小さなあごの中に歯が綺麗に入りきれず、ガタガタになっている人が多いそうです。昔より柔らかい物を食べて、噛む習慣が少なくなり、あごが成長しきれていないことが原因と考えられます。
昔から「よく噛んで食べなさい」と言われています。ガムを噛むことであごを発達させ、唾液の分泌を促すことも出来ます。シュガーレスでキシリトール入りのガムなら、食後に噛んで虫歯予防にもいいですね。
注意してほしいのが、噛む時に片方だけではなく、意識的に左右均等にガムを移動させ噛むようにして下さい。30分~1時間適度噛み続けることで、噛み合わせのズレも軽減され、顔の歪み解消に繋がることも。
5.日頃から歯並びに悪いクセを治す
歯列矯正をしていても、歯並びを悪くする習慣を止めていなければ、いつまで経っても歯並びは良くなりません。せっかく治療を終えても、すぐにまた悪くなってしまいます。
頬杖をつくだけでも、片方だけのあごに力が加わって歪んでしまいます。他にも食事の姿勢が悪い・前歯で噛み切れない・清涼飲料水ばかり飲む・唇を噛む・爪を噛む・いつも横向きで寝る…などは歯並びと噛み合わせに悪影響を及ぼします。
歯並びは遺伝的な要因もある為、小さい頃から歯並びに悪いクセや習慣があれば、治した方が良いでしょう。
6.割りばしを使って歪みを確認する
自分では噛み合わせも気にならず、歯並びが悪くないと思っていても顔が歪んでいることはあります。
鏡の前に立って、割りばしを横にして左右とも奥歯から2番目の所で噛んでみましょう。口を閉じてみて割りばしが平行でなく、どちらかに傾いていたらあごが歪んでいます。
そのままにしておくと、歪みはどんどんひどくなってくるので、これ以上歪まないように対処しましょう。
矯正するにはどれくらい時間がかかるの?
1年半~2年半かけてゆっくり矯正する
子どもの歯で生え変わり途中であれば、弱い力をずっと加えると、最低3ヵ月~半年で正しい位置に移動させることは可能です。
歯医者さんで行う矯正でも、1年半~2年半かけて行うのが一般的なので、それぐらいの期間を念頭に置き根気強く続ける必要があります。
大人になってからの矯正は、始める時期が早ければ早い方がいいです。骨はどんどん固くなるので、「矯正したいな」と思ったらすぐに行う方がよいでしょう。
ただし、自力で何年も矯正のための試みを続けるのは非常に難しいことです。そのため、まずは専門医の診断を受け、歯並びの現状について確認してもらうことがおすすめです。
自力で歯列矯正した人の体験談
早速その日の夜、寝る前に付けて寝てみました。
朝、起きてマウスピースを外すと…ぐぐっと押された感じがしばらく残ります。鏡で見てみると何となく、でっぱりがマシになってる感じがしたのですが、
そんな1回でまさか~と思いながらも、期待が膨らんだので、
続けて次の日も試したのですが、次の日の朝も鏡で見てみると、
でっぱっていない方の前歯とやっぱり近づいてる!と思いかなり嬉しくなりました。
このまま、続けて行こうと思います!
出典:
現在、7歳の娘に使用しています。
取り外しが可能で、他の治療法に比べると虫歯や歯周病のリスクも少なく、金額もリーズナブルですし、
いつでもやめることができるのでマウスピース矯正をやってみることにしました。成長期のうちに上下のあごのバランスを整えておくことで、将来的にかみ合わせも良くなり、発音の改善も期待できるそうです。
はじめは嫌がっていましたが、ちょっとずつ最近では慣れてきて、自分からつけると言うようになりました。
痛みもほとんどないみたいで良かったです。
出典:
www.amazon.co.jp
自力でいろいろチャレンジしている方も多いようです。上記の感想は、マウスピース実際に購入して使用している方の体験談です。他には指で歯を押したり、口呼吸をしないようにトレーニングをするなど、こちらでも紹介したものがほとんどです。
また、子どもの頃からやっていると「成長したころには歯並びが良くなっていた」という声が多いので、成長過程の子どもの歯には、自力でもやってみる価値はありそうです。お子さんの歯並びが気になる方は、ぜひ早めに対処してあげて下さい。
指などで押す場合は、やり過ぎると「歯が痛くなった」「歯がグラグラしてきた」という方もいます。歯科医での矯正は、舌で歯を押す程度の力を加えているので、強く押せばいいという物ではありません。あくまで、“歯列矯正は時間をかけてゆっくりと行う”ことを忘れないで下さい!
自己流に頼らず、専門医に相談することが一番の近道
自力で矯正する場合も、まずは自分の歯がどんな状態にあるのか把握することが大切です。自力ではどうにもならない状態なら、いくら頑張っても時間の無駄になってしまいます。
早い時期から矯正した方が、結果的には良い場合もあるので、不安な方は歯科医で相談だけでもしてみるといいかもしれません。
自力で矯正するしないに関わらず、歯並びを悪くする習慣(頬杖・口呼吸など)を意識的にしない事で、悪化することは防げます。
歯は全身にも影響する重要な物なので、綺麗な歯並びを保てるように心掛けましょう!!