セラミック矯正と他の矯正との違いは何?矯正についてのまとめ

歯は「食べ物を噛む」という本来の働きだけでなく、「話す」時に目が行く重要なポイントです。歯に自信がないと大きな笑顔が少なかったり、恥ずかしさで何事にも消極的だったりとその人の人生をも左右しかねるパーツです。歯の矯正には様々な種類がありますが、今回は特に「セラミック矯正」を重点的に紹介したいと思います。他の治療法などとの違いや金額の違いなども合わせてご紹介します。

セラミック矯正とは?

高い審美性で前歯の治療に最適。一般的な矯正よりも短期間で歯並びを改善できる


一般的な矯正よりも早く歯並びが改善できることから「クイック矯正」とも呼ばれています。簡単に言うと、全体がセラミック(陶器)でできた被せ物で、「差し歯」の事です。高い審美性が特長で、前歯の治療には最も適しているようです。

ただし、歯の根(歯根)自体は移動しないので厳密にはブラケットとワイヤーを使う一般的な矯正治療とは異なるものです。厳密に分けると、セラミック矯正は、「補綴矯正・ほてつきょうせい」という種類になります。

※この「セラミック矯正」は歯並びや、噛み合わせの状態によって対応できない場合があるようです。



歯並びが悪くなる原因

先天的による要因


◆原因1…口唇裂・口蓋裂などによる歯の形や大きさ、顎の大きさ、形の変形

◆原因2…生まれつき歯の数が足りない場合(先天欠如・せんてんけつじょ)、多い場合(過剰歯)

後天的による要因


◆原因1…幼少期からの舌と唇の動かし方が悪い事による原因

◆原因2…口呼吸による原因

◆原因3…頬杖や横向き寝、爪噛み、指しゃぶりによる生活習慣によるもの

◆原因4…顎の発育不良による原因

◆原因5…歯周病による原因

◆原因6…その他の様々な原因
・乳歯がいつまでも抜けない、虫歯などが原因で早く抜けてしまった為
・上下唇小帯(前歯の中央にあるスジ)の異常
・歯の形・数の異常(多い場合と少ない場合)
・永久歯の早期喪失・虫歯・萠出遅延
・不適切な詰め物や被せ物
・歯の治療を不完全な状態で放置した場合
・親知らず(第三第臼歯)

検査方法

写真撮影


顔や歯、口の中の歯が見える状態を把握するために写真撮影をします。治療を開始した後も、歯の動きや顔の全体的なバランスなどを観察するために、定期的に撮影を行う場合もあります。

X線


頭がい骨、顔の骨全体が撮影できるX線撮影装置で、レントゲン撮影をしたあと、顔を横から撮影した側頭部の写真をもとに、矯正歯科医が分析をするようです。この分析を「セファロ分析」と言います。

セファロ分析からは、顎の骨と歯、頭がい骨と顔面のバランス、顔のタイプの判定など総合的な症状の分析ができます。

歯列模型(歯並びの模型)の採取


歯型を採取し、歯列模型を作製します。作成した歯列模型から、一人一人の歯並びや上下の噛み合わせ、奥歯の噛み合わせの状態やズレなどを分析します。

その他の検査


必要な方のみの場合が多いですが、上記以外で歯周病や虫歯の検査、顎関節診査、CT検査等をすることもあるようです。



治療方法

セラミック矯正


セラミック矯正とは、まず出っ歯やでこぼこの歯並びの原因となっている歯の形そのものを削って整えます。次にその歯の上にきれいな歯並びになるように形を整えたセラミック製の人工の歯(クラウン)をかぶせることで歯並びを綺麗にする治療法です。

歯を移動しない為、矯正治療独特の「後戻り」がなく、通常の矯正治療よりも短い期間で対象の歯並びの改善が期待できると言われています。また被せ物の人工歯の色が選べるので、希望の白い歯にすることができます。

歯のサイズも選べる為、歯が大きなことを悩まれている方にもお薦めの治療方法です。人口の歯(クラウン)にはオールセラミックのほかに以下の種類があります。

ハイブリッドセラミック

保険適用のレジン(プラスチックの成分が含まれた材料)と保険適用外のセラミック(陶器)の中間の材料です。現在、保険診療で行えるのは平成27年8月の時点で小臼歯の冠の治療のみです。

メタルボンド

金属フレームにセラミックスを焼き付けたクラウンです。丈夫で耐久性に優れ、長期間きれいな白い歯を保てるだけでなく、ブリッジにも利用できるよです。
金属アレルギー対策として、ゴールド含有のバイオメタルフレームを使用することもできるようです。

ジルコニアクラウン

ジルコニアセラミックスクラウンはジルコニアのフレームにセラミックスを焼き付けたクラウンです。フレームのジルコニアはセラミックスの一種です。また体との馴染みが良く体が異物として認識しない為、体内の人工関節にも利用される素材のようです。

常態が白色の個体であることもあり、強度と審美性、安全性をも兼ね備えた最良の歯科材として歯科医院でよく用いられています。

ゴールドクラウン

金合金や白金加金などの科学的に安定した貴金属を歯科修復材としたクラウンです。しなやか(軟らかい)な金属で歯との相性は抜群です。

金属色にはなりますが、歯科修復材として高く評価されており、奥歯(臼歯)など目立たないところに良く使われるようです。ちなみに筆者は、このゴールドクラウンを奥歯に使用しています。軽く30年くらいは使用していますが、不具合は今の所なしです。

ラミネートベニヤ

歯面を薄く削り、シェル状の薄いセラミックスを貼り付ける治療です。ホワイトニングでは改善できないテトラサイクリンによる歯の変色や歯の隙間(すきっ歯)の改善などに用いられるようです。

矯正する程でない軽度のすきっ歯であればラミネートで改善する場合もありますが、状態によっては矯正治療を勧められることもあるようです。

メタルブラケット


一般的に昔からある矯正方法です。歯の表側に「ブラケット」という歯の一つ一つに接着させた小さな装置に通されたワイヤーと歯列を連結させて、歯並びを整えていく装置です。

ブラケット矯正は一つ一つの歯に矯正装置をつけ動かすために、0.1mm単位で歯の位置を決めることができます。最も歯並びや噛み合わせをきれいにできる方法と言われています。

審美ブラケット


白や透明色の目立ちにくい色のブラケットを「審美ブラケット」といいます。製品によって材料が異なり、樹脂製(プラスチック)やセラミック製などがあります。

メタルブラケットと同様に多くの種類の不正咬合に対応することができるようです。非金属製のブラケットは金属アレルギーの方でも治療が可能です。

リンガルブラケット(舌側矯正装置・裏側矯正装置)


歯の裏側に装着するブラケットです。表側からは矯正装置が見えづらいので、周囲の人から比較的、気付かれずに矯正治療を行うことができるようです。奥歯が前に動きにくい為、出っ歯の治療により合っているといったメリットもあるようです。

マウスピース矯正


ワイヤーやブラケットを使わず、透明で薄いマウスピース型の装置を用いて歯を動かします。装置は自分で取り外し可能です。ワイヤーやブラケットを装着しないので、違和感や不快感が少ないのが特長です。装着時間を守らないと効果がなかなか出ない場合もあります。

※治療の効果は、治療する医療機関、装置のメーカー・製品によっても個人差があります。

治療期間


これからご紹介する矯正の期間はあくまでも「矯正装置を付けている期間」ですので、そこにプラスして保定期間があります。矯正が終わり装置を外した後、歯はもとの場所に戻ろうとするため、しっかり定着させることが必要です。

この期間を「保定期間」と言いますが、これが意外と長く、2~3年専用の装置をつけなければいけない場合もあります。 ◆セラミック矯正
一般的にブラケットは年単位での治療期間ですが、セラミック矯正は歯の状態にもよりますが、月単位の治療期間で済む傾向があり、比較的時間のかからない矯正のようです。

◆メタルブラケット
期間は2年半から3年程度かかります。

◆審美ブラケット
審美ブラケットは力が弱いため、金属ブラケットよりも治療期間が少し長くなる傾向があります。早く矯正したい場合は金属ブラケットを選んだ方が良いかもしれません。

◆リンガルブラケット
期間は3年程度かかります。

◆マウスピース矯正
期間は1年から2年程度、使い方によっては長く時間がかかることもあります。

※症状などで矯正期間は個人差があります。

治療費

セラミック矯正(1本のおおよその金額)

◆ハイブリッドセラミック…保険適応約9000円(3割負担)保険外約4万〜12万
◆メタルボンド…約7〜15万円
◆ジルコニアクラウン…約10〜20万円
◆ゴールドクラウン…約5〜7万円
◆オールセラミック…約8〜15万円
◆ラミネートベニヤ…約8万円

メタルブラケット

他の装置に比べて安価なため、治療費を抑えることができます。費用は80万円程度と毎月の処置料が5千円程度です。

審美ブラケット

メタルブラケットに比べ、審美ブラケットは1割程度高くなることが多いようです。

リンガルブラケット

舌側に装置を装着する技術が必要なため、表側矯正より費用がかかります。通常のブラケット矯正よりも費用は1.5倍程度になります。費用は120万円程度と毎月の処置料1万円程度です。

マウスピース矯正

費用は上下で80万円程度、上だけ下だけの治療をすることもあります。

※歯並びや咬み合わせを整えて綺麗する矯正治療は「自費診療」となり保険が適用されません。

セラミック矯正の治療上の注意

歯を削る量が多く、実際に被せてみないと完成のイメージが沸きづらい。しっかり相談できる歯科を


セラミック矯正にもデメリットはあります。他のクラウンに比べると歯を削る量が多いということです。なぜなら金属のクラウンは比較的薄く製作できるのに対して、セラミッククラウンはある程度の厚みがないと十分な強度が得られないため、その分多く歯を削らなくてはなりません。

またセラミッククラウンの治療は実際に削って被せてみないと、はっきり完成のイメージがつかみにくいと言われています。完成までのシミュレーションができたり、仮歯の状態になった時に、しっかり歯の形の希望を相談できる歯科をお勧めします。

予後、リハビリについて

治療が終了しても歯科で定期的なメンテナンスが必要


セラミックの表面に汚れが付きっぱなしになるとセラミックが変色してしまう原因になるので、治療が終了しても歯科で定期的なメンテナンスが必要です。また一旦ついてしまった汚れは通常の超音波などの器具を使用して磨く事ができません。

セラミックの表面に傷が付いてしまうとさらに汚れがつきやすくなってしまう為です。その為、セラミック専用の研磨剤を使用して汚れを落とすようです。日常のケアとしては、セラミックの歯は天然の歯より汚れが付きにくいので力任せに磨かなくても大丈夫だと言われています。

セラミックの歯を歯磨きする時はやわらかい毛の歯ブラシを使用して(専用の歯ブラシもあるようです)、鉛筆を持つ感じでそっと磨くことが大切です。くれぐれも磨きすぎて歯茎を傷めないように注意して下さい。

それぞれの治療方法や特徴は異なります


セラミッククラウンは審美性がよく、一番目立つ前歯の治療にはとても適しています。虫歯や、歯が大きく欠けてしまった場合などは、不意に高額な出費となってしまいますが、それぞれのライフスタイルによっても治療の選択肢は変わってくるでしょう。

長い期間自分の体の一部になるものなので、じっくり検討されてみてはいかがでしょうか?