フリースクールとは?入学資格や卒業資格など気になる疑問を解説

政府がフリースクールへの公的支援を打ち出したこともあり、フリースクールという言葉はよく知られるようになってきました。しかし、フリースクールがどんなところで、何をしているのか、その内容まで知っている人はまだまだ少ないです。フリースクールってどんなところ?メリット・デメリットは?などフリースクールについて解説していきます。

フリースクールとは?


クラスでいじめられている、先生が苦手、勉強についていけない…など様々な理由で学校には自分の居場所がないと感じ、学校に通うことが辛くなってしまった子どもたちが通うのがフリースクールです。

フリースクールという言葉は有名になりましたが、実際どんなところなのか、何をしているのかはあまり知られていません。ここでは、フリースクールとは何かを説明していきます。

既存の学校の代わりとなる教育施設


フリースクールは、様々な理由から既存の学校へ行くことができない、行かないという子どもたちが、学校の代わりに別の選択肢として学習をする場所であり、社会と関わる場所です。不登校や引きこもりだけでなく、発達障害などの事情を抱える子どもたちも受け入れています。

異なる年齢・年代の子どもが同じ場所に通い、特別に決まったプログラムやカリキュラムが存在しないというのが大きな特徴です。

学習塾や習い事と同様に無認可施設として扱われていて、個人やNPO法人やボランティア団体などが運営する民間の教育施設なので、それぞれの教育方針によって形態や規模、かかる費用も様々です。

フリースクールとはなにか―子どもが創る・子どもと創る
※2016年5月23日現在の価格です。 フリースクールのことをあまりよく知らない人にも「フリースクールとはなにか」がわかる入門書のような本です。
東京シューレというフリースクールでの実際の活動や子どもたちの様子についても書かれており、成長する子どもたちの姿に感動します。

いろいろあるフリースクールのタイプ


フリースクールには、特徴や教育方針の違いによって色々なタイプがあります。

・子どもたちの居場所を作ることに重点がおかれているもの

・復学を目標とする子どもたちに、学校の授業の進度に合わせた学習指導を行ったり、進学のサポートを行うもの

・発達障害がある子どもや、心身に疾患を持つ子どもを対象に、専門家や医療機関と連携を取りながらサポートを行うもの

・寮などで共同生活を送りながら、生活全般をサポートするもの

子どもが抱えている問題は様々です。それを解決するためのサポート体制が整っているところを吟味して選びたいものです。



フリースクールに通うメリットとデメリット

フリースクールに通うメリット

1. 社会とのつながりを持てる


不登校になって他人との接触が減ると、社会から取り残されたような感覚に陥りがちです。そうなるとますます家から出られず、引きこもりがちになってしまうことが考えられます。

フリースクールに登校することで、自宅以外で家族以外の人と接触する機会を得ることができます。社会と繋がっているという実感は、不安や焦りを和らげ、心の負担を取り除いてくれるでしょう。

2. 自由に学習ができる


フリースクールのもう一つのメリットは、法律やカリキュラムに縛られずに自由に学習、活動できるところです。

フリースクールは、学校のように先生一人が学生数十人に一斉に授業を行うのではなく、マンツーマンの指導が行われているところが多いです。ある子どもは中学校の勉強をしていて、またある子どもは大学受験のための勉強をしている、なんて光景はよく見られます。自分のやりたいことや興味関心があることを自由に学習できる点は、フリースクールの大きなメリットと言えるでしょう。

学習以外にも自然との触れ合い、農業体験、調理実習、陶芸、スポーツなど様々な活動を行っているところが多く、社会で生きる楽しみを見出したり、居場所を作ったりするのにも一役かっています。

また、フリースクールは制服や厳しい校則もなく、スタッフも生徒もみんな対等な立場のところがほとんどです。抑圧されず、自分の学習や活動内容は自分で決めるため、自主性も育ちます。

フリースクールに通うデメリット

1. 正規の学校ではない

ほとんどのフリースクールは、民間の無認可施設という位置づけになっており、義務教育期間は、もともと通っていた学校に籍をおいたままフリースクールに通うことになります。そのため、進学のためなどにもともと通っていた学校と連携をとる必要がありますが、それが十分に行われていないフリースクールもあります。

また、法的な拘束力がなく、届け出なども必要ないため、ごく一部ですが、営利目的で素人同然の人が経営しているところや、暴力で子どもを押さえつけたりするところが含まれています。そんなフリースクールでは、精神的に傷ついた子どもをさらに追い詰めてしまうことになりかねないため、注意が必要です。

2. 費用が高い

フリースクールは公的な機関ではないため、運営資金を得るために、学費・授業料や入学金を徴収しているところがほとんどです。

その金額は規模の大小やタイプによって差がありますが、入学金も月々の学費・授業料も万単位のお金が必要になることが多く、家計への負担が大きくなってしまうことがあります。

誰でもフリースクールに通えるの?


フリースクールは、入学試験などもなく、入会も随時受け付けているところが多く、見学や面談などを経て入会を決めます。

対象としている年代はフリースクール毎に違い、小学生から高校生までの幅広い年代を受け入れているところもあれば、小学生のみ、など対象としている年代が決まっているところもあります。

フリースクールによって、対象としている年代は異なるので、ネットで調べたり問い合わせたりする必要があります。



卒業資格は得られるの?

在籍校の出席扱いになることもある

小・中学生については1992年から、高校生については2009年から、在籍校の校長が認めた場合にはフリースクールへの通学が在籍校の出席扱いになる制度が実施されています。2015年の調査ではフリースクールに通う小・中学生の6割弱が出席扱いとなっているというデータがあります。

しかし、高校生については、フリースクールが公的な教育機関でないため、ほとんど出席扱いとはなりません。

小・中学校は卒業できる

フリースクールは公的な学校と認められていないため、通っても卒業資格は得られません。

ですが、小・中学校の場合は法律上、出席日数は進級・卒業認定の要件と定められておらず、1日も出席しなくても校長の裁量によって、進級・卒業を認めることができますので、フリースクールに通っていても、在籍している学校を卒業することになります。

高校の場合は、高校卒業程度認定試験(旧大検)をとる、フリースクールと定時制高校や通信制高校を併用するなどの方法で卒業資格を取ることができます。

子どもにとってより良い選択を


子どもが不登校や引きこもりなどの問題を抱えると、親もプレッシャーや不安に押しつぶされそうになったり焦ったりしてしまうものです。でも、そんなときこそ子どもの一番の理解者となり子どもを支えていけるようになりたいものですね。そして、子どもにとって何が必要なのか、子どもは何を求めているのかをよく話し合い、受け入れることが大切です。

不登校や引きこもりなどの様々な悩みを抱えた子どもたちにとって、フリースクールは社会と繋がっているという安心感を持つことができ、色々な活動を通して自分を見つめることができる大切な居場所となりうるところだと思います。

フリースクールのメリット・デメリットをよく理解し、情報を収集し、子どもにとってより良い選択をしていきましょう。