流産や死産の危険性も。妊娠中に注意したい「リステリア菌」の症状と予防策

あまりなじみのないリステリア菌。妊婦は感染しやすく、胎児にも影響してしまう怖い病気です。特徴を知って予防できるようにしましょう。

妊娠中は要注意!リステリア菌とは

「リステリア菌」って聞いたことがあるでしょうか?
河の水や動物の腸管内など私たちの身の回りに広く存在する、食中毒菌の1つです。

健康な成人なら、大抵は発症しても軽症で自然に治るとされていますが、妊婦さんが感染すると流産する可能性や、最悪の場合は胎児を死に至らしめるケースもあります。
妊婦さんにとって、このリステリア菌は十分に注意しなければならない存在なのです。

妊娠中は20倍もリステリア菌に感染しやすい!

妊娠中はリステリア菌に感染しやすく、
そのリスクは健康な成人と比べておよそ20倍と言われています。

健康な成人ならば感染しても、食中毒を発症することはあまりないのですが、免疫力の弱い妊婦さんや高齢者の方は感染すると、症状も重症化しやすい傾向があります。
リステリア菌は母体はもちろん、大切なお腹の赤ちゃんにも影響を与えてしまうのです。

リステリア菌で胎児が死亡してしまうケースも

妊婦さんが感染すると、胎盤を通過して胎児にも菌が移ってしまいます。
お腹の赤ちゃんの早産や流産、また新生児が髄膜炎・敗血症になってしまう可能性があり、最悪なケースになると胎児の死亡・死産の原因にもつながります。

リステリア菌に感染するとどうなる?

リステリア菌の潜伏期間は3週間程度といわれています。
感染の初期には、胃腸炎症状よりもインフルエンザに感染した時のような以下の症状が出ます。

・倦怠感
・悪寒
・38~39℃の発熱
・筋肉痛
・頭痛
・吐き気
・下痢

風邪かな?と思ってしまうような症状ですよね。
重症化すると、敗血症や髄膜炎、意識障害、けいれんが起こることもあります。

治療方法は?

治療方法は、抗生物質が使われます。妊娠中にリステリア症に感染した場合、早期の段階で抗生物質を使用すれば、胎児への感染を防ぐことができます。



リステリア菌の感染原因は?妊娠後期は要注意

リステリア菌は自然界に広く分泌し、野菜や肉など私たちの身近な食品からも検出されています。
感染しやすい妊婦や高齢者などは、過去にリステリア食中毒の原因となった食品の飲食には特に注意が必要です。
ここでは感染源として報告されている主な食品を紹介します。

●食肉加工品
生ハム、サラミソーセージ、コンビーフ、ミートパテ、加熱不足のチキンなど

●乳、乳製品
未殺菌乳、ナチュラルチーズなどの乳製品(加熱処理されていないもの)など

●魚介類加工品
スモークサーモン、スモークした貝類、えびなど

●野菜、サラダ
コールスロー、コーンサラダ、ポテトサラダなど

どれも美味しそうなものばかりですが、妊娠後期(26週〜30週)は特に注意!
この時期はリステリア菌などに対する細胞性免疫が下がってしまうため、上記の食品には注意が必要なのです。

家庭でできるリステリア菌の予防策6つ

食中毒菌であるリステリア菌を予防するには免疫力をつけておくこと、そして調理方法と食品の保存方法が予防のポイントです。
では改めて、注意したいリステリア菌の予防策をみていきましょう。

1.食品は十分に加熱し、生ものは避ける

リステリア菌は熱に弱い性質があり、加熱により死滅します。ですので、調理をする際はしっかりと加熱をしましょう!特に生の肉など加熱が必要な食品は中心まで十分に加熱しましょうね。

またリステリア菌は生ものの食品からの感染が多く報告されています。火の通っていないものは食べないようにしましょう。

2.冷蔵庫に食品を長期保存しない

リステリア菌は熱に弱い反面、0〜4度の低温でも増殖が可能といわれています。
冷蔵庫に長期保存されて、加熱せずに食べられる食品は原因となりうるので注意が必要です!

またリステリア菌は冷蔵庫の中でもゆっくりと増殖するので肉類などに限らず、すべての食品を冷蔵庫内で長期間保存しないようにしましょう。

3.調理器具は清潔に保つ

包丁やまな板を使うときは、先に生野菜などの加熱しない食品を切り、生の肉は後で切りましょう。

また生の肉に使った包丁やまな板と調理済みの食品がふれないようにし、使い終わったらすぐに洗いましょう。洗った後、熱湯をかけると消毒効果があります。

4.手はしっかり洗う

もちろん調理器具と同じく、手も清潔に保つ必要があります。生の肉にさわったり、食べ物を食べる前はしっかりと手を洗いましょう。

5.肉の汁を他の食品に触れさせない

肉の汁が、生で食べるものや調理済みの食品にかからないようにしましょう。



赤ちゃんをリステリア菌から守るために

健康な成人なら軽症ですむとされているリステリア菌ですが、妊婦さんが感染すると重症化しやすく、
重症化した20~30%は亡くなる恐ろしい菌です。
食中毒といえども、お腹の赤ちゃんにまで危険が及ぶとなれば確実にリスクは避けたいところ。

しかし予防法は簡単です!
食品を取り扱う時には、清潔な手でよく洗い、必ず加熱をするという基本的なことを今いちど、しっかり気をつけて守ればいいのです。

お腹の赤ちゃんのためにも妊婦さんは調理方法に注意し、食べてよいか悩む食品があったら、必ずお医者さんに確認しましょうね。