【授乳の基礎知識】授乳の流れ、間隔、ミルクと混合、母乳に良い食べ物など

授乳は出産後まもなく始まる赤ちゃんの大切なお世話です。今回は、母乳とミルクの違いや、授乳の間隔、混合ですすめていく場合はどうしたらいいのかなど、ママが知っておきたい授乳の基礎知識を解説します。はじめて赤ちゃんのお世話をするママも、2人目以降のママも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

母乳栄養と人工栄養の特徴

出産後は、授乳・おむつ替え・沐浴など、赤ちゃんのお世話がたくさんあり、体が思うように動かないときからママは大忙し。そして、赤ちゃんのお世話の中でも大仕事なのが、授乳です。

母乳をあげるママ、ミルクをあげるママ、混合で授乳するママと人それぞれですが、そもそも母乳栄養と人工栄養にはどんな違い・特徴があるのでしょうか。

母乳栄養の特徴

赤ちゃんがママのおっぱいに吸い付くと、「プロラクチン」というホルモンが分泌され、母乳が作られるようになります。このプロラクチンは特に夜に多く分泌され、(ママは大変ですが)産後1~3ヶ月の間に夜中に頻回授乳をすると母乳の分泌は増加しやすいのだそうです。

産後3ヶ月を過ぎると、赤ちゃんの成長とともにプロラクチンと母乳の量は落ち着き、赤ちゃんが飲みたい量、必要な量に調節されていきます。

ミルクの特徴

生まれてすぐから飲める赤ちゃんのミルクは、牛乳のタンパク質や乳糖、ビタミン、ミネラルなどを原料としています。どのメーカーも、母乳の成分にできるだけ近いミルクを目指しており、栄養素だけでなく、香りや味もほとんど母乳と変わりません。

また、母乳では不足しがちな鉄分やビタミンKを補ってくれるミルクもあるようです。

母乳とミルクの栄養の違い

母乳にはママからの免疫が含まれており、栄養も満点。こう聞くと母乳栄養の方が勝っているように思われるかもしれません。

けれど、近年は母乳の成分の研究も進み、ミルクの栄養は母乳と変わらなくなってきているのです。ですから、母乳であってもミルクであっても、赤ちゃんの成長に必要な栄養分を与えるに大きな差はないと考えていいでしょう。



母乳とミルクそれぞれのメリット

母乳のメリット

◆消化がいい
母乳は消化に時間がかからず、飲みたいだけ飲むことができます。

◆ママの免疫をあげられる
赤ちゃんが病気にかかりにくくなるそうです。

◆お出かけが身軽
ママのおっぱいがあればいいので、調乳器具を持ち歩く必要はありません。

◆搾乳すれば他の人でも授乳できる
ママが外出したいときも、搾乳すればママ以外の人も母乳を飲ませることができます。
(手絞りでも構いませんが、搾乳器が便利です。)

ミルクのメリット

◆どこでもあげられる
公園のベンチでも、フードコートでも気兼ねなく授乳ができます。

◆誰でもあげられる
パパやおばあちゃんなど、ママ以外の人も飲ませられます。授乳をしてみたいと思っているパパにはうれしいですね。

◆飲んだ量がわかりやすい
哺乳瓶のメモリを見れば、赤ちゃんのミルクの飲み具合を確認できます。

◆ママの食事制限がない
母乳だと避けた方がいいとされる食べ物もありますが、ミルクであれば、そういった制限はありません。

授乳の流れ

母乳の場合:左右それぞれ5分ずつ、2セットが目安

1.赤ちゃんを左右どちらかの腕に横抱きにする
ママのひじの内側に赤ちゃんの頭をのせ、赤ちゃんの口元がママの乳首のあたりにくるように抱いてください。特に赤ちゃんが小さいころは、授乳クッションがあると便利です。
こちらでご紹介しているのは横抱きのみですが、このほかにもフットボール飲み、縦抱き飲みなどがあります。

2.乳首を赤ちゃんの口に含ませる
赤ちゃんの下が上顎ではなく、下あご側にくっついており、アヒルの口のような形になっていることを確認して、深く咥え込ませます。
(赤ちゃんがまだ上手におっぱいを飲めず、お洋服がびしょびしょになってしまうときは、赤ちゃんの顎の下にガーゼや薄手のタオルハンカチを挟んでおくと良いですよ。)

3.赤ちゃんの口のわきに指を入れ、乳首を外す
乳首が傷ついてしまうおそれがあるため、赤ちゃんの口から無理やり乳首を引っ張って離さないようにしましょう。

4.げっぷをさせる
タオルをかけたママの肩に赤ちゃんのお腹をあて、赤ちゃんの身を乗り出させるように縦抱きをしながら、下から上にやさしく背中をさすってください。

5.反対側のおっぱいを飲ませる
おっぱいをあげる時間は、左右それぞれ5分ずつ、2セットが目安です。もちろんこれはあくまでも目安なので、1セットで赤ちゃんが寝てしまうこともあります。そんなときは赤ちゃんの足の裏をくすぐってみて起こしてあげましょう。それでも起きない場合は、おっぱいをあげる回数を増やすことをおすすめします。

反対に、2セットあげ終わってもまだ欲しがるならば、赤ちゃんが飲みたいだけあげてくださいね。

また、母乳を飲む赤ちゃんは空気を飲み込むことが少なく、げっぷをしないこともよくあります。
ですから、もし2~3分たってもげっぷを出さない場合は、反対側のおっぱいをあげてもOKですよ。(授乳後に寝かせる場合は、吐き戻しで窒息しないように赤ちゃんのお顔を横に向けるなど気を配りましょう。)

ミルクの場合:70度以上のお湯で、月齢、体重にあった量で

1.哺乳瓶を消毒する
調乳の前に、哺乳瓶と乳首を必ず消毒しましょう。消毒の方法は、煮沸・薬液・スチーム・電子レンジなどがあります。

2.調乳する
70度以上のお湯で、赤ちゃんの月齢、体重にあった量のミルクを作ります。ミルクを作る場所や、作る人の手は清潔に保ってください。
ミルクは人肌の温度まで冷まします。

3.赤ちゃんの頭が安定するように抱きかかえ、ミルクを飲ませる
授乳クッションを使い、ママのひじの内側に赤ちゃんの頭をのせるように横抱きにすると、飲ませやすいようです。

4.げっぷをさせる
吐き戻しで汚れないように、ママの肩にタオルをかけます。その肩に赤ちゃんのお腹をあて、赤ちゃんの身を乗り出させるように縦抱きをしながら、下から上にやさしく背中をさすってください。
ミルクとともに空気を飲み込みやすいので、げっぷは念入りに。

衛生のため、ミルクを作ったら、なるべく早く飲ませてあげましょう。
また、もしミルクを飲み残したとしても、次回には持ち越さず、授乳の度に新しく調乳してください。



授乳の間隔

母乳の場合は1~2時間ごとが目安

◆新生児~生後3ヶ月ごろ
母乳は消化がとても良く、赤ちゃんはすぐにお腹が空いてしまいがちなので、生後3ヶ月までは1~2時間ごとに飲ませましょう。
特に新生児の間は四六時中赤ちゃんが泣いているので、「もしかして母乳が足りてないのかしら?」と心配になるかもしれませんが、体重がきちんと増えていれば問題ありません。
母乳をより多く分泌させるためには、とにかく赤ちゃんにおっぱいに吸い付いてどんどん飲んでもらうこと。この時期の頻回授乳は、母乳育児を続ける上でとても重要なポイントです。

◆生後3~5ヶ月ごろ
赤ちゃんが生後3ヶ月を過ぎると満腹中枢が機能するため、授乳間隔があいてくると言われています。けれど個人差は大きく、1~3ヶ月のころと同じように1時間ごとに授乳をしているという方も決して珍しくはありません。

◆混合の場合も母乳をあげるタイミングは同じ
母乳とミルクの両方を与えている場合も、母乳の間隔は1~2時間です。
ミルクを補足する場合は、前回ミルクを与えた時間から3時間経過しているかどうか確認しましょう。
(混合の場合の間隔や量は、下の項目でも詳しく解説しているので、そちらもご覧くださいね。)

離乳食をすすめる生後6ヶ月~11ヶ月は授乳回数が減ってくることも

離乳食をはじめた直後はまだ栄養分を母乳やミルクから摂取する必要があるので、すぐに授乳の間隔があかないこともありますが、離乳食が2回食、3回食と進んでいくにつれて、だんだんと授乳の回数は減っていきます。
とはいえ、やはりこちらも個人差が大きいため、相変わらず2時間とあけずにおっぱいを欲しがる赤ちゃんも少なくないようです。

母乳とミルクの「混合育児」で進める場合

どのような場合に混合育児になるの?

いわゆる「混合育児」とは、母乳とミルクの両方で授乳することです。

・母乳だけでは足りない
・ママ以外の人が授乳する機会がある

といった理由で、母乳の後にミルクを補足したり、ミルクと母乳を交互に飲ませます。

「混合育児」母乳・ミルクの間隔と量は?

母乳とミルクの混合の場合は、母乳をメインにするか、半分半分にするか、ミルクをメインにするかによって、授乳の間隔とミルクの量は異なります。

◆母乳をメインにしたい場合
赤ちゃんがお腹が空いたら母乳をあげてみて、足りないようならミルクを足す、というやり方です。授乳の間隔は、母乳をあげるのは赤ちゃんが泣いたタイミングでいいのですが、ミルクは必ず3時間の間隔をあけてください。

母乳の量を増やしたいならば、食事を母乳に良いとされる和食中心にしたり、母乳をあげる回数を増やしたり、できるだけ夜中も母乳をあげるようにするといいでしょう。

また、ミルクの量は、赤ちゃんの月齢や体重増加量などによって決まるので、自己判断せず、こまめに(母乳育児に理解のある)医師や助産師に判断してもらうことをおすすめします。

◆ミルクと母乳を半々であげる場合
今回はミルク、今回は母乳というように、交互で授乳する方が多いようです。この場合のミルクの量は、赤ちゃんの月齢に合わせます。
また、ミルクの間隔は1度飲ませたらやはり3時間はあけなければならないので、その間は泣いたら母乳を飲ませましょう。

◆ミルクをメインにする場合
3時間ごとに月齢に合わせた量のミルクを飲ませます。ミルクだけでは足りなかったり、次のミルクの時間になる前にぐずったりするときは、母乳を飲ませてあげてください。

「完全ミルク育児」で進める場合

どのような場合に完全ミルク育児になるの?

「完全ミルク」、「ミルク育児」とは、授乳の際にミルクのみを赤ちゃんに飲ませることです。
完全ミルクにするのには、主に以下のような理由が挙げられます。

・ママがお仕事で長時間保育園に預けなければならない
・母乳が出にくく、体重増加に問題がある
・服薬の影響で母乳をあげられない

「完全ミルク育児」ミルクの間隔と量は?

上の項目でもご紹介したように、ミルクは消化に時間がかかるため、生後3か月までは3時間以上、それ以降は4時間以上の間隔で飲ませます。

以下は1回分のミルクの量の目安です。

・生後2週間まで…80~100ml
・2週間~1ヶ月…120ml
・1~2ヶ月…140~160ml
・2~3ヶ月…160~180ml
・3~4ヶ月…200~220ml
・4~5ヶ月…220ml
・5~6ヶ月…220~240ml
・6~12ヶ月…200~240ml

同じ月齢の赤ちゃんであっても、体重などによって飲める量は変わります。その際は、赤ちゃんの様子に合わせて、少しずつ増やしたり減らしたりして調節してみてください。
もし、これでいいのかな?と不安なときは、医師に相談しましょう。

授乳中に摂り入れてはいけない物

アルコール

母乳はママの血液から作られるため、ママがお酒を飲むと、母乳を介して赤ちゃんがアルコールを摂取してしまうおそれがあります。
よって、基本的に授乳中の飲酒は控えることをおすすめします。

もしお酒を飲むならば、ビールの350ml缶本分程度、さらに最短でも飲酒してから2時間は母乳をあげてはいけないと言われています。

また、最近はたくさんの種類のノンアルコール飲料があるので、ぜひ試してみてくださいね。

一部の薬

産後のママの体はとってもデリケートで、風邪をひきやすくなったり、持病が悪化したりと、健康上のマイナートラブル発生しがちです。そんなときにお薬を飲めないのはとてもつらいですよね。

授乳中はつらい症状でも我慢しなければならないと思うかもしれませんが、ママが授乳中に摂取して赤ちゃんに影響を及ぼしてしまう薬は、実はそれほど多くありません。もちろん自己判断は禁物ですので、お薬が必要な時は薬剤師や医師に相談してくださいね。

脂肪分が多い食べ物

人によってはチョコレートや生クリームといったお菓子類や、揚げ物などの脂肪分の多い食べ物が乳腺炎を引き起こすことがあります。
食べ物によって乳房トラブルが起きるかどうかは個人差が大きいため、もし乳腺が細いと言われたことがあるなどおっぱいが詰まりやすい体質だと感じているならば、できるだけこういった食べ物は避けた方が良さそうです。

ママと赤ちゃんに合った方法で授乳ライフを楽しもう

母乳はママの食べ物に制限があって大変、授乳の場所を選んで大変、ミルクはお出かけの荷物が増えて大変、夜中にミルクを作るなんて大変…と、母乳であってもミルクであっても授乳はなにかしら苦労があるものです。

その反面、どちらも素晴らしい長所がたくさんあります。

母乳もミルクも赤ちゃんにとっては必要な栄養素。ことさら母乳とミルクに関してはついつい周りと比べてしまいがちになりますが、ママがつらい思いをする必要はありません。だって、母乳でもミルクでも、ママが赤ちゃんに大きくなってもらおうと一生懸命なことに変わりはないのですから。

完全母乳を目指すもよし!母乳とミルクのいいとこどりをするのもよし!赤ちゃんにたっぷりミルクを飲んでもらうのもよし!
どれもあなたと赤ちゃんにとっては正解です。いろいろと試しながら、ママと赤ちゃんにぴったりの授乳スタイルを見つけ、あっというまの授乳ライフを楽しんでくださいね♪