★12/11放映★NICUに赤ちゃんが入るのはどんな時?費用は?【人気産科医療マンガ『コウノドリ』特集➆】

10月16日(金)よりTBS系にてドラマ放送中の「コウノドリ」に関する解説記事、第7回は「NICU」に関するお話のご紹介です。漫画ではまるごと1冊を使用して語られた、とても考えさせられる内容のお話。ドラマではどのように語られるのでしょう。

今回の登場人物は?

新生児科医:新井 恵美(あらい えみ)

赤ちゃんに対する思いがとても強いNICUの女性新生児科医。ドラマでは山口紗弥加さんが演じます。

まっすぐで真面目な性格は、時として周りに厳しくあたりがちですが赤ちゃんへの思いは人一倍。技術面でもとても優れた新生児科医です。

新生児科部長:今橋 貴之(いまはし たかゆき)

時に厳しく時に優しい、みんなを包み込むお父さんのような新生児科医部長。ドラマでは大森南朋さんが演じています。

原作では「よくしゃべる大人と子供」が大嫌いという設定もあったりして、優しい微笑みの裏側がちょっと気になる所です。

新米新生児科医:白川 領(しらかわ りょう)

産科医の下屋と同期の新米新生児科医。自分に自信があり思ったことはすぐに言葉にしてしまうタイプですが、他のスタッフや患者と接していくうちに少しずつ人を思いやることを覚えていきます。

ドラマでは坂口健太郎さんが演じていて、今後の下屋との関係も気になるところです。



コウノドリ第22話「NICU」あらすじ

胎児発育不全(FGR)の大原さんと新生児科メンバーを中心に繰り広げられる第22話

お腹の中での成長が通常よりも小さめなため、NICUのある聖ペルソナ総合病院に転院してきた大原さん。

「妊娠したら当然、赤ちゃんが普通に生まれてくるものだと信じていました」

という言葉通り、NICUの存在すら知らなかった大原さん。我が子の発育が良くないことすらどう受け入れていいかわからない状態のまま入院生活がはじまります。

そんな大原さんに鴻鳥は「NICUを見学してみませんか?」と声をかけます。

保育器の中で静かに燃える命を見ながら、不安になる大原さんですが、

「NICUは赤ちゃんの病気を治す場所ではありません…赤ちゃんを育てる場所なんです」

という鴻鳥の言葉に、深く考えこむのでした。

815gで生まれた男の子は、NICUへ…

帝王切開で無事に男の子を出産した大原さん。赤ちゃんは815gだったため、NICUで保育器に入ることになります。そのあまりの小ささに、現実を受け止めることのできないご主人。

「なんでこの子はこんな目にあわなきゃいけないんでしょう…」

答えのない思いをつぶやきます。

一方奥さんはNICUで保育器がおとなりの西山さんに出会います。彼女もまた25週570gで子どもを出産したママでした。

「泣いたり悩んだりする時間は無駄、もったいないし意味が無い」

という西山さん。

「そんなことより搾乳がんばりましょう」と明るく言う彼女に、大原さんも少し前向きになるのでした。

そんなある日、23週の赤ちゃんの受け入れ要請が!しかし保育器はいっぱいで…

西山さんという話し相手ができて、少し明るくなる大原さん。西山さんの一生懸命に赤ちゃんを育てる姿を見て、自分も頑張らなければと気合をいれます。

そんなある日、ペルソナ総合病院に一本の電話が。それは23週・切迫早産妊婦の搬送依頼でした。

しかしNICUの保育器にあきはありません。受け入れたい…けれど物理的に厳しい状況を、ペルソナ総合病院のスタッフはどう乗り切るのでしょう。そして女性新生児科医・新井の葛藤とは!?

続きは是非、ドラマや原作で!

NICU(新生児集中治療室)ってどんなところ?

新生児に特化した集中治療室のこと

NICUとは、新生児(Neonatal)集中(Intensive)治療室(Care Unit)の略です。ICUは集中治療室を意味しますが、NICUは更に新生児に特化して一般のICU以上に細菌感染防止措置などが取られています。

赤ちゃんはひとりずつ保育器と呼ばれる専用のベッドに入り、その中で酸素や栄養をもらいならが治療をうけます。



NICUに入る必要があるのはどんなとき?

近年では、33人に1人の赤ちゃんが入院しているという統計があるほど他人事ではない「NICU」。では実際にどんな状態の場合、入院が必要なのでしょうか。

早産(妊娠22週0日から36週6日)で生まれた場合

早産で生まれた赤ちゃんは、まだ外の世界で生きていくための準備が不完全です。そのためNICUの保育器内で可能な限り胎内と同じ環境を整え、赤ちゃんの成長の手助けします。

早産では無いが、何らかの治療が必要な場合

正産期に生まれたものの何らかのトラブル(仮死状態であったり、羊水を吸い込んでしまったりなど)があった場合にもNICUで経過を観察する必要があります。

この場合も保育器内で胎内に近い環境を整え、赤ちゃんが徐々に外の世界に適応できるように治療をしていきます。

NICUのある病院は?

「周産期母子医療センター」と呼ばれます

ドラマ「コウノドリ」ではよく耳にする「周産期母子医療センター」という言葉。簡単な説明はなされているものの、聞き流している方が多いのではないでしょうか?

これは周産期、つまり出産の前後の時期(具体的には妊娠22週から生後7日未満)のお母さんと赤ちゃんを診ることができる病院であるということです。

周産期母子医療センターには2種類…「総合」と「地域」があります

周産期母子医療センターは、施設の状況などにより「総合周産期母子医療センター」と「地域周産期母子医療センター」にわけられます。

地域周産期母子医療センターは、ある程度の施設は整っていて総合周産期母子医療センターに近い医療体制を持っているものの、定められた基準を満たしていない周産期母子医療センターを指します。

その基準の中には、MFICU(母体胎児集中治療室)やNICUの病床数の規定や、ドクターカーを有することなど多くの指定があります。

※詳しい規定についてはこちら

総合周産期母子医療センター基準

日本全国で396施設、東京都内で27施設

周産期母子医療センターの数は全国で396施設あり、東京都内では27施設設置されています。

ただしこれは、地域・総合両方の周産期母子医療センターの数をあわせたもので、総合のみでは日本全国で104施設、東京都内では13施設と半数以下になってしまいます。

佐賀県・高知県では、総合周産期母子医療センターが1施設のみ(地域周産期母子医療センターは0)という状況です。

需要が増加傾向にあるNICUですが、運営面・人材面などで充分な数をそろえることがなかなか難しいようです。

NICUの費用はどのぐらい?

未熟児養育医療制度でまかなえる

NICUへ入院することになると、実際は数百万単位の医療費が必要となります。通常の保険を適応したとしても何百万の3割を負担ということになりますから、一般的な家庭にとっては莫大な金額です。

しかし実際は「未熟児養育医療制度」というものが存在し、NICUにかかる医療費をほぼ支援してもらうことができます。

この未熟児養育医療制度が適用になるのは、

1.2000g以下で出生した場合
2.生活力が薄弱で、医師が入院養育を必要と認めた場合

です。

▼未熟児養育医療制度について詳しくはこちら 日本には生まれてくる赤ちゃんを支援する制度がたくさんありますが、その中の1つに未熟児養育医療制度があります。未熟児養育医療制度の助成内容や対象となる乳幼児の基準など、どのような制度か詳しく紹介していきます。

NICUに入った赤ちゃんのママはどうしたらいい?

まずは自分を責めず、前向きに

「元気に産んであげられなかった…」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。けれどママが悲しんでいるそのときも、赤ちゃんは必死で生きようと頑張っています。やっと会えたママと過ごす日々を夢見て、一歩一歩前に進もうとしています。

「つらい」「悲しい」と思ってしまうことがあって当然です。けれどそこで足踏みしてしまわないで、赤ちゃんとともに一歩を踏み出して行きましょう。

先生や看護師さんの話をよく聞く

面会方法や赤ちゃんのケア方法など、赤ちゃんを守るために大切なことはたくさんあります。NICUスタッフの指導をしっかりと聞いてそれを守ることが、赤ちゃんの命を守ることにつながります。

自分が出来ることからはじめましょう

赤ちゃんに届ける母乳を搾乳することももちろんですが、自分の身体を休めることも忘れないで下さい。産後の弱った身体をしっかりと安め、赤ちゃんとの生活を力いっぱい楽しめるように、しっかりと体調を整えておきましょう。

経験者の声

ドラマ「コウノドリ」で昔の経験を思い出す方も多いようです。 これからお世話になる可能性のある方も。
事前に見学できたりすると、安心感が増しますね。
やはり「赤ちゃんと一緒にいられない」ことがママとしては一番つらいのかもしれませんね…。

他人事ではない現実

NICUという場所について

現在、妊婦の33人に1人の赤ちゃんがNICUに入院していると言われています。さらに軽症な場合も含めるとその数は10人に1人とも言われるほど多く、すでに他人事ではない数になっています。

このためNICUの保育器は常に不足している状態といっても過言ではありません。またNICUを運営するために必要なスタッフも充分ではないようです。

赤ちゃんが外の世界で生きていくために必要な力をつける手助けをする場所であるNICU。今後も医療が発達し助けられる命が増えれば、その需要は今よりも更に高くなることが予想されます。
少しでも多くの命を救うため、医療体制が整っていってくれることを祈ります。そしてそれを利用する私たちも、しっかりと正しい知識を身につけていかなければいけませんね。

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cuta.jp
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