「胎動が少なかったり弱かったりするとダウン症の疑いがある」こんな噂を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、胎動とダウン症の関係を見ていきながら胎動の多さやしゃっくりで見分けることができるのか、ダウン症かどうかを調べるにはどんな方法があるのかについて見ていきたいと思います。
胎動が少ないとダウン症の疑いがある?
胎動の少なさだけでダウン症の疑いをかけられることはありません
胎動の強弱や多い少ないによって”ダウン症の可能性があるかも”と心配される方が最近増えていると言われていますが、基本的に胎動だけでダウン症を疑うことはほとんどないと言われています。
それではより詳しくダウン症と胎動の関係について見ていきましょう。
胎動とダウン症の関係
胎動とダウン症との関連性は医学的に証明されていない
「しゃっくりが多いとダウン症の可能性がある」
「胎動が少ないとダウン症の疑いがかけられる」
「胎動が弱いとダウン症による影響が考えられる」
こうして胎動とダウン症に、はっきりとした関係があるような噂を目や耳にすることがありますが、医学的には胎動とダウン症の関連性は認められていないというのが現状です。
しゃっくりは生まれてからの呼吸の練習とも言われていますし、胎動の強弱や多少は赤ちゃんの性格の影響もあるのではないかと考えられています。しゃっくりが多くても胎動が少なくても何の障害のない赤ちゃんが産まれることがほとんどであるとされていますので、あまり心配しすぎないようにしてくださいね。
ダウン症児に筋肉の発達が遅い傾向があることは事実
ただダウン症児は全体的に筋肉の発達が遅い傾向があるというのは事実だと言われています。こうした筋肉の発達の遅れは、寝返りやお座り、ハイハイといった出生後の運動への影響が出ることはわかっていますが、ママのお腹にいるときから胎動の弱さとしてあらわれるかどうかについてはまだよくわかっていないようです。
実際にダウン症児を出産した経験のあるママの中にも「胎動は確かに弱かった」という人もいれば「胎動はかなり激しかった」という人もいるようです。
ダウン症を調べる方法
非確定診断(可能性を知るための検査)
1.エコー
2.血清マーカー
こちらの2つの検査は、あくまでダウン症などの染色体異常の可能性を知ることができる検査です。「可能性だけでも知りたい」「確定診断を受けるかどうかの判断材料にしたい」などと言う場合に実施されることが多いようです。
1.エコー
【方法】
普段の妊婦健診で行うエコー(超音波検査)で『心臓の状態』『首の後ろのむくみ』『手足の短さ』など、ダウン症児にあらわれやすい体の特徴の有無について確認する方法です。
【実施される時期】
妊娠11週以降
【正確性】
約50~75%
【赤ちゃんへの影響】
特に赤ちゃんへの影響はないとされています。
2.血清マーカー
【方法】
ママの腕から血液を採取して成分を分析することで、胎児のダウン症などの染色体異常の可能性を調べる方法です。
【実施される時期】
妊娠15~20週頃
【正確性】
約80%
【赤ちゃんへの影響】
特に赤ちゃんへの影響はないとされています。
確定診断(ほぼ100%に近い確率での診断が受けられる検査)
3.羊水検査
4.絨毛検査
5.臍帯血検査
こちらの3つの検査は、染色体異常かどうかをはっきりと知りたい場合に実施されることが多いようです。ただ検査において流産や胎児死亡のリスクがあるため、次のような条件を満たす場合に行うことが望ましいとされています。
(1)夫婦の強い希望がある
(2)染色体異常にかかった赤ちゃんを妊娠・出産した経験がある
(3)高齢妊娠である
(4)夫婦のどちらかが遺伝子異常を持っている
(5)非確定診断で可能性が指摘されたなど、医師が必要と判断した場合
3.羊水検査
【方法】
ママのお腹側から子宮に針を刺し、羊水を抜き取って赤ちゃんの染色体を調べる方法です。痛みを伴うため麻酔を用いられることも多いようです。
【実施される時期】
妊娠15~18週頃
【正確性】
ほぼ100%
【赤ちゃんへの影響】
0.3~0.5%の確率で流産に繋がることがあると言われています。
4.絨毛検査
【方法】
胎盤付近にある絨毛を採取して、赤ちゃんの染色体を調べる方法です。胎盤の位置によって以下の2つの手段があるとされています。
・お腹側から針を刺して絨毛を採取する手段
・膣側から器具を挿入して絨毛を採取する手段
お腹側から針を刺して行う場合には、局所麻酔が用いられることが多いようです。
【実施される時期】
妊娠11週以降
【正確性】
ほぼ100%
【赤ちゃんへの影響】
高い技術を要するとされており、約1%の確率で流産に繋がることがあると言われています。
5.臍帯血検査
【方法】
臍帯・胎盤・胎児など比較的胎児に近い部分の血液を採取し、染色体を調べる方法です。
【実施される時期】
妊娠18週以降
【正確性】
ほぼ100%
【赤ちゃんへの影響】
高い技術を要するとされており、約1.4%の確率で流産に繋がることがあると言われています。
胎動とダウン症の関係を気にしすぎないことも大切
胎動はあくまでママの感じ方の問題なので、本当は激しく動いていても「赤ちゃんって今よりもっと激しく動くんだよね~」というママのイメージがあると『弱い』と感じることもあると言われています。また「パンチやキック」「回転や手足を伸ばす動き」など、胎動の種類によって感じ方が異なる場合もあるようなので、胎動とダウン症との関係を気にしすぎないことも大切です。
もし心配なことがあれば、受診の際にお医者さんに相談するようにしましょう。少し時間をかけてエコーを見てくれたり、以降気にかけてくれたりして、一緒に不安と向き合ってくれるはずです。