日本脳炎とは?予防接種や副作用について詳しく解説

夏になるとニュースなどで「日本脳炎」という病気を耳にすることがあると思います。子供の予防接種の予定表をみると、この病気の予防接種が確認できるはずです。日本脳炎とはよく聞く名前の割に、身近に感染した人は少ないですよね。一体どのような病気なのでしょうか。予防接種や副反応についても詳しく解説します。

日本脳炎とは?

日本脳炎とはどのような病気なのでしょうか?症状や感染経路、治療方法など日本脳炎を詳しくご紹介します。

症状

日本脳炎という字面を見るだけで、脳に影響のある病気であることがわかると思います。日本脳炎は具体的にどんな症状の病気なのでしょうか。

<症状>
・38度から40度の高熱
・頭痛
・嘔吐
・下痢
・腹痛
・手足の痙攣
・斜視
・意識障害

日本脳炎はウィルスに感染すると6日から16日ほどの潜伏期間を経て、高熱や頭痛、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器官の不具合が起こります。そして高熱に浮かされているうちに手足の痙攣や斜視などの症状、そして意識障害が起こるなど脳炎としての症状が見られるようになります。

数日で熱は下がり、症状も落ち着きやがて治まりますが、日本脳炎が重症の場合に手足の硬直や健忘症、そして表情がなくなってしまうなどの精神面での障害が残ってしまう事があります。更に日本脳炎の怖い所は、大人はやがて回復できるのですが子供の回復は難しいということです。

また、致死率が約20~40%と非常に高く、治ったとしても後遺症が残る場合があります。

感染経路

次に感染経路についてもご紹介しましょう。感染経路は「蚊」です。蚊が日本脳炎のウィルスを媒介することによって日本脳炎に感染します。

日本脳炎のウィルスを媒介する蚊の種類は「コダカアカイエカ」と呼ばれる種類で、体長は約4.5mm程度の暗い赤褐色をしております。このコダカアカイエカが日本脳炎に感染している豚を吸血し、更に人に吸血することで人へ感染するのです。
コダカアカイエカは水田などの近くでよくみられる種類で、4月から発生しピークは7月あ~8月といわれています。この期間は特に気を付けたいですね。

治療方法

日本脳炎に感染し発症をしたら、特別な治療法はありません。対症療法を行い、様々な症状の中でも高熱と痙攣の管理が重要視されます。また、日本脳炎は発症した時点でウィルスが脳を侵している状態なので、将来もし日本脳炎に対抗できる薬が開発されたとしても破壊された脳細胞の修復は困難となります。こうした理由から日本脳炎に感染した場合、完治は困難となります。ですので、日本脳炎に関しては予防が最も大切なのです。

発生する地域

日本脳炎がいかに恐ろしい病気であるかをご紹介しました。どんなエリアで発生するのかが気になるところですよね。発生する地域についてもご紹介しましょう。

日本脳炎は東南アジアから南アジアにかけて広く分布しています。日本国内では、毎年夏にブタの日本脳炎のウィルス保有状況を確認し、日本脳炎ウィルスの蔓延状況を調査・発表しています。

蚊が媒介するウィルスなので、水(ため池や水田など)の多い土地で、豚が近くにいる場合には注意が必要でしょう。日本脳炎は例えウィルスを保有した蚊が刺したとしても、人から人へは感染せずに、豚を刺したその次に人を刺した場合のみ感染をします。ですので、水場が近く豚も比較的近くにいるようなエリアに住んでいる場合には注意が必要だと考えられるというわけです。

予防する方法

予防する方法は二つです。「蚊に刺されないようにする」ことと、「予防接種を受けること」です。蚊に刺されない為に、肌の露出を避けたり虫除けスプレーや蚊の禁忌品を使用するなどの予防策が挙げられます。蚊に刺されないようにすることの他に、予防接種を受けることも重要な日本脳炎の予防法です。

日本脳炎の予防接種は、ワクチンの接種によって日本脳炎を発症するリスクが75%から95%程度に減らすことができるそうです。ワクチンを摂取した上で蚊に刺されない工夫を心がけることで日本脳炎の発症を回避できる可能性が高まります。



予防接種はいつ受けるの?

日本脳炎のことについてご紹介してきました。日本脳炎は非常にやっかいな病気で、発症してしまうと死亡率も高く、治った場合も高い確率で何らかの障害が残ると言われています。こんな恐ろしい病気に感染・発症したくありませんよね。自分の子供であればなおのことだと思います。

日本脳炎を発症しないためは、予防接種がとても大切になります。ここからは日本脳炎の予防接種についてご紹介していきましょう。

接種スケジュール

最初に予防接種のスケジュールについてご紹介しましょう。
日本脳炎のワクチンはⅠ期とⅡ期に分けて摂取します。Ⅰ期は6ヵ月から7歳6ヵ月までの間に摂取します。Ⅰ期のワクチンを接種する回数は全部で3回です。2回目の摂取から1年後に追加で1回ワクチンを接種します。理想的なⅠ期のワクチンの接種する年齢は、3歳のうちに2回、そして4歳で1回と言われています。
Ⅱ期は9歳~12歳の間に1回摂取します。

初回接種(2回)の間隔は?

Ⅰ期の初回ワクチンの接種から2回目の摂取はどのくらいの間隔で受ければ良いのでしょうか。
この間隔についても紹介しましょう。初回を摂取してから2回目のワクチン接種の間隔は1週間から4週間です。接種後、中6日開ければ他の予防接種を受けることが可能です。

回数も多く、Ⅰ期が特に混乱するスケジュールですよね。忙しいママの為に、日本脳炎ワクチンのスケジュールをまとめました。

◆日本脳炎ワクチン 摂取スケジュール

【Ⅰ期 ※全3回】(生後6ヵ月から7歳6ヵ月まで)
(1)1回目摂取。
(2)1週間から4週間あけて2回目摂取。
(3)2回目摂取から1年後に3回目を追加摂取。
※日本脳炎のワクチンの接種は、Ⅰ期で2回分の摂取を3歳で、Ⅰ期最後の摂取を4歳に受けることが理想とされています。

【Ⅱ期 ※全1回】
9歳~12歳の間で1回摂取。

副反応はあるの?

ワクチン接種後、2日以内に現れる副反応をご紹介します。

発熱

ワクチン接種後、37.5度以上の発熱が起こる場合があります。また、1~2%程度の人に接種後の発熱がみられるそうです。

注射部位が腫れる

摂取後、注射したところが赤く腫れあがる場合があります。他の予防接種でも見られる副反応ですが、自然に治まる物ですので擦ったり刺激を与えないようにします。

アレルギー反応

摂取後、30分以内にアレルギー反応(発熱したり顔色が悪くなる、咳や蕁麻疹、ぐったりしているなどの症状)が見られた場合は直ちに摂取した病院を連絡・受診してください。日本脳炎に限らず様々なワクチンで言えることなのですが、日本脳炎の予防接種を受けた後にアレルギー反応がないかどうか、注意してください。

重大な副反応も

ご紹介した副反応の他にも、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という重い病気が起こる場合があります。

■急性散在性脳脊髄炎
急性散在性脳脊髄炎は脳の病気で、別名ADEM(アデム)とも呼ばれています。予防接種を受けたり、感染症にかかった後、1週間から2週間ほど経過してから頭痛や発熱、全身のだるさ、吐き気や嘔吐などの症状から始まります。その後様々な神経症状が起こりますが、重症化すると大声をあげるなどの不穏行動、痙攣や意識障害が起こります。
そして脳の一部まで影響が及ぶと半身不随、言語障害が起こり、小脳や脊髄に影響があると手足のしびれ、歩行困難、排泄が困難になり失禁の症状が起こる場合があります。数週間で治まることが多いと言われていますが、再発の可能性のある病気です。

発症する原因は、予防接種のワクチンや、感染症に対してのアレルギー反応として起こるといわれていますが、原因が不明の場合もあります。

少し前は日本脳炎の予防接種により、この急性散在性脳脊髄炎の発症が報告され、日本脳炎の予防接種は推奨されなくなりました。ですが、現在は新しいワクチンを使用しており、再度摂取の推奨がされるようになりました。



予防接種の費用は?

日本脳炎の予防接種は、国が摂取を推奨している「定期接種」と呼ばれるワクチンです。定期接種のワクチンは日本脳炎の他にも、ヒブワクチンや肺炎球菌、麻疹風疹子雲合、4種混合等がありますね。

この定期接種とは受けるべき年齢が定められており、その定められた年齢であれば無償で受けることができます。ですが指定された期間を1日でも経過してしまった場合は有償となり、全額負担となります。他の予防接種のスケジュールもあってなんだか混乱してしまいますね。日本脳炎のワクチンの定期接種の指定年齢をまとめました。母子手帳にメモをしておくと良いですね。

■Ⅰ期
生後6ヵ月から7歳6ヵ月までの間に3回摂取。
※理想的な摂取年齢は、3歳に2回を摂取し、2回目から一年後の4歳で1回を摂取。

■Ⅱ期
9歳から12歳の間に1回摂取。

この年齢を1日でも過ぎてしまうと、有償化となり全額実費となりますので注意してください。

日本脳炎のワクチンは先ほどご紹介した急性散在性脳脊髄炎の問題により、一時接種を控えるように言われていた期間がありました。その時の摂取対象年齢であった平成7年から18年に生まれた人は、20歳までの接種期間の延長が救済措置としてとられているようです。該当する方がいましたら接種をするようにしましょう。

予防接種の上手なスケジュールの立て方

子供が受けなければならない予防接種は本当に数が多くてママは忘れてしまわないか不安になりますよね。予防接種は摂取してから何年も後に追加で接種をするなど長期で忘れてはならない物です。頭の中だけで管理するのは難しいですよね。そんな時にとっても焼くに立つ、予防接種の上手なスケジュール管理をご紹介します。

予防接種スケジューラー:アプリで簡単管理!

小児科医がお勧めしている定番の予防接種スケジュール管理アプリです。気になる機能は、子供の予防接種の管理だけではなく、今月摂取が可能なワクチンを一覧表示してくれるので摂取の漏れの心配がありません。
また、摂取推奨時期も教えてくれます。アプリだと機種変更の際にデータが引き継げないのでは?と不安になるものですが、その点は「バックアップ機能」がありますので安心して頂けそうです。

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dacco:スマホのサイトで予防接種の管理ができるサービス

アプリではなく、スマホからアクセスして利用できる予防接種専門のスケジュール管理サービスです。子供の誕生日を入力するだけで、理想的とされる予防接種のスケジュールを作成することができます。また、摂取予約日をカレンダーに登録すると次回の摂取予定日を再計算してくれますので、子供の摂取状況に合わせたスケジュール管理をすることができます。

公式サイトはこちら

Googleカレンダー:スケジュール管理の定番

もし、色んなデバイス(パソコンやスマートフォン)を使っていて、Googleアカウントを持っているのでしたらGoogleカレンダーを利用するのも一つの手です。
紙のスケジュール帳とは異なり長期の予定を入力することもできますし、設定次第では事前に通知を受けることができます。

クラウドですので、データの引継ぎなどの心配もいりません。アプリでもWEBからでも利用することができます。

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紙で管理をしたい場合

アプリやWEBサービスでスケジュール管理ができるなんて、とても良い時代ですね。様々なデジタルの管理方法がある一方で「やっぱり私は紙(手帳など)で管理したい!」という方もいらっしゃるでしょう。

そんな時は母子手帳に予防接種スケジュール表を作成して折りたたんで忍ばせておくと一目でわかりますし、安心です。予防接種スケジュール表には、「日本の定期/任意予防接種スケジュール」を参照に、予防接種の種類や回数などの枠を作成し、摂取予定年月や実際に受けた日付などを記入していきます。
予防接種には母子手帳が必要なので、このスケジュール表を母子手帳に忍ばせておくと予定と実際の記録、両方が管理できます。

スマートフォンをお持ちで無かったり、アプリやWEBサービスの利用に苦手意識や抵抗感を感じる人はこのように紙で管理しても良いですね。

日本の小児における予防接種スケジュール
リンク先の「日本の定期/任意予防接種スケジュール」で見ることができます。

子供の健康だけでなく、命や将来を脅かす日本脳炎を予防しましょう!

日本脳炎に感染すると、高い確率で命を落とすばかりでなく、子供の場合後遺症も残ってしまう事があります。日本脳炎の症状が発症してしまうと、治療法は熱や痙攣などの管理や、対症療法しかありません。また、発症した段階で脳に影響が及んでいる状況で、壊された脳細胞を修復する技術はまだ医学にはありません。
日本脳炎は、名前は知られていてもその病気の怖さを知る人は意外と少ない事でしょう。

発症したら対症療法しかない日本脳炎で重要なのは、日本脳炎の発症を予防することです。蚊が媒介する病気だから蚊に刺されないようにするのは勿論、予防接種を受けてしっかりと日本脳炎に備えてください。

日本脳炎は子供の健康だけでなく、命そのものや輝かしい将来をも奪う可能性がある病気です。しっかりと知識を身につけて、日本脳炎を予防しましょう。