テレビコマーシャルが未成年の飲酒に影響を与えている、有力医学誌で報告

未成年の大量飲酒のきっかけとして、テレビコマーシャルが大きな影響を与えているという結果が出てきた。米国ニューハンプシャー州ガイゼル医学大学の研究グループが、国際的医学誌の小児科版、ジャマ(JAMA)ペディアトリックス誌で2015年1月19日に報告したもの。

飲酒の3段階で分析

研究グループは、若い年齢層での飲酒について、3つの段階に分けて、どの段階をどのように踏んできたかを判定した。1段階目は初めての飲酒したタイミング。次の2段階目は、初めての大酒を飲んだタイミング。最後は、「アルコール摂取障害判定テスト」という病的な飲酒の判定テストで、従来4点未満で問題のなかった人が初めて危険なレベルの飲酒傾向に変化したタイミング。テレビコマーシャルの受容度と比較した。テレビコマーシャルの受容度は、2011年に放映されたテレビコマーシャル351本からランダムに選択した20本について質問。コマーシャルを見て飲みたくなったを1点、ブランド名を正しく言えるを2点とした。その上で、飲酒傾向との関係を分析した。



危険度は統計学的に意味のある差

その結果、未成年で大量飲酒に移行するきっかけとして、コマーシャルが影響していた。未成年も含めて、アルコールのテレビコマーシャルを見た割合は、15?23歳のどの世代も23%から26%の間で、若い方が低い傾向があった。未成年で危険な飲酒へと近づく人の割合は、15?17歳の若者が初めての大酒に移行するのは29%、危険なレベルの飲み方に移行するのは18%。18?20歳では、初めての大酒が29%、危険なレベルの飲み方が19%とそれぞれの年齢層もほぼ同じ。アルコールのコマーシャルの受容度が高い場合、初めての飲酒に移行する危険度は1.69倍、初めての大酒に移行する危険度は1.38倍、危険なレベルの飲み方に移行する危険度は1.49倍だった。統計学的に意味のある差だった。

自主規制は失敗

比較のために調べたファーストフードのコマーシャルの受容度と、飲酒とは関係がなかった。研究グループは「業界の自主規制は失敗に終わっている」と指摘する。日本はどうだろうか。



文献情報

Tanski SE et al.Cued Recall of Alcohol Advertising on Television and Underage Drinking Behavior.JAMA Pediatr. 2015 Jan 19 [Epub ahead of print]

Cued recall of alcohol advertising on television and underage drinking behavior. – PubMed – NCBI
JAMA Pediatr. 2015 Mar;169(3):264-71. doi: 10.1001/jamapediatrics.2014.3345. Research Support, N.I.H., Extramural