フェマーラの効果とは?副作用や薬価について詳しく解説

フェマーラは乳がんの薬として開発されたものですが、保険外で排卵誘発剤として使われることがあります。効果や副作用、薬価について詳しく解説しました。

フェマーラはどんな治療に使う?

一般名はレトロゾール、乳がんの薬として開発

フェマーラは、一般名をレトロゾールというノバルティスファーマ株式会社の製品です。

通常は乳がん治療に使われるお薬です。薬の作用や効果は、簡単にいうとエストロゲン(卵胞ホルモン)が作られるのを邪魔をします。

エストロゲンは乳がんの細胞を増やしてしまうのですが、このホルモンの生成が抑制されることで乳がんの細胞が増えるのを抑えられるのです。

不妊治療では排卵誘発剤として使用

このエストロゲンの生成を抑制する働きを生かして、排卵誘発剤として使うことがあります。

海外では他の排卵誘発剤よりも高い効果が得られるとしてフェマーラを不妊治療に使う場合が多いのですが、日本ではまだ認可されておらず、保険外での使用になっています。

そのために、同意書などたくさんの書類にサインをしなければならなかったり、薬代が高額になってしまうという欠点があります。

どんな効果がある?

自然の生理:排卵前にエストロゲンが減少する

エストロゲンというのは、別名卵胞ホルモンといい、卵子の前の段階の卵胞を育てる働きと、受精卵の着床を助けます。

一回の生理で20~30個くらいの卵胞が育つんですね。エストロゲンは生理のあと、卵胞の成長を助けるために増加します。その後排卵直前に減少していきます。すると今度は「エストロゲンが減った」という信号をうけて、ゴナトロピンと呼ばれるホルモンが増加します。

この刺激を受けて、育っていた卵胞のうち、エストロゲンの減少しても生き延びることが出来、一番成長しているたった一つの卵子が排卵されるのです。

フェマーラはエストロゲン生成阻害する=自然の排卵前と同じ状況を作る

フェマーラはエストロゲンが作られる過程の邪魔をするので、体内のエストロゲンの量が減ります。

これが、自然の排卵の前と同じ状況になるため、ゴナトロピンが分泌され、排卵が起こる、という原理です。成熟した卵子が排卵され、そこで精子と出会うことができれば、妊娠成立となります。

卵胞が体内で成長していることが条件。卵胞の成長を促すことはできない

このようにフェマーラが不妊治療に効果を表すのは体内で卵胞が成長していることが条件となります。

しっかり成長した卵胞があれば、その排卵を誘発しますが、排卵数を増やすことはできません。体内で卵胞は成長しているけれども、排卵に何らかの問題がある場合に、効果が期待できます。

卵巣過剰刺激症候群の人にも使える

卵胞を直接刺激するタイプの排卵誘発剤(クロミッドなど)の副作用として、卵胞が過剰に刺激されてしまい、卵巣が腫れあがってしまう卵巣過剰刺激症候群を引き起こしてしまうことがあります。

フェマーラは卵胞を直接刺激しないので、このタイプの排卵誘発剤が体に合わず卵巣過剰刺激症候群を起こしてしまった人や、起こしやすいと予測される人にも使うことができます。

頸管粘膜を減少させたり、子宮内膜を薄くしない

クロミッドなどにみられる頸管粘膜を減少させたり、子宮内膜を薄くする副作用がありません。

他の排卵誘発剤に比べると早く体から排出される

クロミッドなどの排卵誘発剤は半減期(体内での薬の量が半分になるまでの時間)が約5日~3週間ととても長いのに比べて、フェマーラは45時間~70時間と短いので、副作用が出にくいといえます。

副作用はある?服用の際気をつけることは?

軽い副作用がほとんど

副作用が起きる頻度は比較的高いですが、ほとんどは軽いものです。顔や体のほてり、頭痛、眠気、めまい、吐き気、などです。

長期間服用することで、骨密度が低下して骨がもろくなってしまうことがありますが、排卵誘発を目的で使用する場合は長期間続けて服用することはないので、可能性としてはかなり低いといえます。念のため、定期的に骨密度をチェックします。

以下のような症状が見られたら要注意

非常にまれですが、以下の重い副作用が出る場合があります。その初期症状をあげますので、そのような症状が現れたらすぐに医師に相談しましょう。

◆血栓・塞栓症(血液が詰まりやすくなる)
手足の痛み・はれ・むくみ・しびれ、息切れ、胸の痛み、何かしらの視力への障害、頭痛、うまく話せない、意識が薄れるなど

◆狭心症、心筋梗塞、心不全
胸の痛み、息苦しさ、むくみ、など

◆肝臓の重い症状
疲れやすい、食欲がない、発熱、発疹・かゆみ、黄疸(白目や肌が黄色くなる)など

◆中毒性表皮壊死症、多形紅斑
発疹、かゆみ、皮がむける、ただれ、水膨れなど

車の運転や注意力を要する作業は避けましょう

まれに眠気やめまいを起こしてしまったり、目の見え方に異常をきたすことがありますので、服用中は車の運転や高い所での作業など、注意力を要する作業は避けるようにしましょう。

海外で赤ちゃんに奇形の報告も。:自然に妊娠した場合と差はない

フェマーラの添付文書には海外で胎児に奇形の報告があった、とかいてあります。

ネットで調べていても、このような情報に行きあたることがあり、不安に思って調べていてこのサイトにいらした方もいらっしゃるかと思います。

しかし、この情報は誤りで、フェマーラを飲んで奇形が発生する頻度は、服用していない自然妊娠の場合と変わりがないことがわかってきました。

妊婦に禁忌。重い肝臓病・腎臓病のある人には慎重に

妊娠している場合は飲むことができません。しかし、排卵目的で使う場合の服用法では排卵された卵子には影響がないといえます。詳しくは後述しますね。

重い肝臓病や腎臓病がある場合には検査をしながら慎重に投与します。

飲み合わせの悪い薬あり:他に薬を飲んでいることを必ず医師に伝える

一緒に飲むと、効果が強く出てしまったり、逆に効果を弱めてしまう薬がありますので、他に薬を飲んでいる場合には必ず医師に伝えましょう。

服用の期間は?毎日飲むの?

生理周期に合わせて3~5日服用

保険外の薬であるため、決まった飲み方はなく、医師によって少し服用法が異なることがあります。

生理の2~3日目から3~5日服用します。排卵は次の生理の14日前ごろに起こるので、28日周期だとすると生理初日から14日目。

フェマーラは服用から長くても3日で半減期を迎えるので(生理8日目)排卵する卵子には影響がないと考えられています。

薬価どのくらい?

1錠674.1円と高額

フェマーラの薬価は1錠674.1円です。

1周期で2022円~3371円が薬代だけでかかることになります。治療が長く続くと負担になりますね。

同じ成分で、フェマーラの特許が切れたあとに開発されたジェネリック医薬品が「レトロゾール錠」という名前で各社からでています。これは1錠292.6円ですので約半額の薬代ですみます。

どちらを使うかは担当の先生とも相談して決めるといいですね。

フェマーラのメリットとデメリットを理解して服用を

フェマーラは排卵誘発剤として使うことが日本では認められていないために、薬の服用は自己責任、ということになってしまいます。

沢山の書類にサインをしないといけなかったりして、不安にかられる方もいらっしゃると思います。

フェマーラは海外では広く排卵誘発目的で使われており、効果が高いといわれています。薬のメリットとデメリットをよく検討し、納得して治療を開始できるとよいですね。フェマーラという薬を知る助けになれば幸いです。

参考サイト

妊活外来へようこそ!

参考図書

治療薬マニュアル 2015
*2016年2月1日現在の価格です。