1回の流産や中絶、その後の出産に影響は?

このたび、わずか1回でも流産や中絶があると、その後の妊娠や出産で陣痛誘発剤や器具を用いて陣痛を誘発する「分娩誘導」、出産後に一緒に出てくるべき胎盤が残ってしまう「胎盤遺残」、帝王切開のリスクが30%ほど高くなると分かった。イスラエルのラビン医療センターを含む研究グループが、赤ちゃんの医療も含めた産婦人科全般の国際誌ジャーナル・オブ・マターナル/フィータル&ネオナタル・メディシン誌オンライン版…

初めて出産する人を調べた

流産や中絶を数回経験した女性は、その後の妊娠や出産で合併症のリスクが少し高くなると従来報告されている。妊娠初期の膣出血や胎盤関連の合併症に加えて、早産や赤ちゃんの低出生体重のリスクもあるため、そのような女性は普通、特に気をつけるように助言される。研究グループは、大学の付属病院であるラビン医療センターで5年間にわたる初めての出産約1万5000件を分析して流産や中絶の影響を調べている。妊娠や出産に伴う合併症や問題のリスクについて、過去に妊娠早期(13週以内)の流産や中絶を1回経験していた1500人(10%)と、経験していない他の妊婦で比べた。初めての出産に絞って調べているのはポイントで、意外と従来はその点が甘かったようだ。



出産の周りでは差があり

その結果、1回の流産や中絶があったグループで妊娠糖尿病が若干多かった(6%と4.4%)以外、妊娠合併症に関して両グループに差はなかった。1回の流産や中絶があると、分娩誘導の確率が30%、帝王切開が40%、胎盤遺残が30%高くなった。1回の流産や中絶があったグループで、人工中絶と流産の間には、流産だった女性の方が胎盤遺残のリスクが高くなった以外には差はなかった。

ほかの要素に注目を

研究グループは、女性が1回の流産や中絶を経験することは一般的で、ほとんどの場合、後の妊娠には何の影響も及ぼさず、今回見られたリスク増加も軽度と指摘。妊娠や出産のリスクを評価する際には他の要素を注目すると良いと説明している。 ▼関連記事



文献情報

A Single Interrupted Pregnancy May Impact Later Deliveries, New TAU Research Finds

Weblog (Medicine & Health) – American Friends of Tel Aviv University
Hiersch L et al. The association between previous single first trimester abortion and pregnancy outcome in nulliparous women. J Matern Fetal Neonatal Med. 2015 Jun 4:1-5. [Epub ahead of print]

The association between previous single first trimester abortion and pregnancy outcome in nulliparous women. – PubMed – NCBI
J Matern Fetal Neonatal Med. 2015 Jun 8:1-5. [Epub ahead of print]