アトピー性皮膚炎の原因は?新しい治療薬はできる?

アトピー性皮膚炎は、かゆみや湿疹を伴う皮膚の炎症だ。以前は子どもの病気であるとされ、18歳までに治癒する人が多かったが、最近では大人になってもアトピー性皮膚炎が治らない人が多いという。アトピー性皮膚炎についても、研究が次々と報告されている。Medエッジの記事を振り返ってみたい。

皮膚用クリームの副作用を減らす意外な薬

アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)のような皮膚病の治療には、コルチコステロイドベースの皮膚病用クリームが使われることがある。しかし、軽い灼熱感や皮膚の萎縮という副作用が起こる。高血圧の薬「スピノラクトン」とコルチコステロイドを塗り薬として一緒に使うと副作用が減ったという報告が出ている(意外にも高血圧の薬、皮膚病用のクリーム薬の副作用を減らす方法を参照)。 今後、さらに検証して有効性や安全性が確認されるならば実用化されるかもしれない。



さまざまな炎症を引き起こす「エーテル脂質」

アトピー性皮膚炎の原因はまだはっきりしていない。しかし、エーテル脂質、かゆみ遺伝子、メモリーT細胞の3つは今後、アトピー性皮膚炎の治療薬につながるかもしれない。ひとつめの「エーテル脂質」と呼ばれる脂質は、関節炎や白血病など、さまざまな炎症を起こしているのではないかとみられている(諸悪の根源か「エーテル脂質」、関節炎や白血病の新たな治療戦略も、炎症を抑え込む?!を参照)。 このエーテル脂質を作らせないようにする薬は、アトピー性皮膚炎にも効果を発揮するかもしれないという。

慢性の「かゆみ」に関わる遺伝子

また、アトピー性皮膚炎の症状といえばかゆみだが、かゆみを促進する遺伝子が報告された。 この遺伝子を抑え込むと、アトピー性皮膚炎の発症を軽くできるのではないかと考えられている(慢性のかゆみに悩む人に朗報、かゆみを促進する遺伝子を発見を参照)。



皮膚を守る「メモリーT細胞」の暴走?

皮膚を守る細胞にも、アトピーの原因が見えてきている。 米国の研究グループの報告によれば、皮膚を守る、4種類の「メモリーT細胞」という細胞の正体が分かってきたという(アトピー性皮膚炎や乾癬の解決にもつながるか?皮膚守るのは4種の「メモリーT細胞」、数は200億個を参照)。 メモリーT細胞は異物から体を守る免疫を担い、皮膚を守る一方で、過剰になると皮膚の病気であるアトピー性皮膚炎や乾癬といった病気にも関係するという。

悪いことばかりではない!?

アトピー性皮膚炎があると逆に良いこともあるのかもしれない。 アトピー性皮膚炎のほか、ぜんそくや花粉症も含めたアレルギーの人は、大腸がんの発症や死亡率は減るという(アトピー性皮膚炎だと大腸がんが減る、ぜんそくや花粉症なども悪いばかりではないを参照)。アレルギーだと膵臓がんが少ないという研究報告もあるという(アレルギーのある人は膵臓がんになりにくいと判明、果物と葉酸でも防げるを参照)。 どのような関係があるのかははっきりしていないが、免疫システムと関連があるかもしれないという。