里帰り出産の準備に必要なこと5つと注意点

女性にとって、「どこで出産するか」は大きな問題です。自宅の近くで産むのか、実家に戻って出産するのか、それによって事前に行うべき準備は大きく変わってきます。そこで今回は、はじめて出産する妊婦さんに向けて、里帰り出産でやっておくべきポイントと注意点を5つ、まとめました。

里帰り出産をする?しない?

どこで産むかは大きな問題です

女性にとって、「どこで出産するか」は大きな問題です。自宅の近くで産むのか、実家に戻って出産するのか、それによって事前に行うべき準備は大きく変わってきます。

妊娠~出産を経ると、女性の体には変化が訪れます。それは体型の面だけでなく、免疫が下がり、体力が衰えたりという、切実な変化も関係してきます。

特に、はじめての出産を迎える妊婦さんは、産後、自分の体のケアもそこそこに、慣れない赤ちゃんのお世話をするわけですから、不安があるのはなおさらでしょう。そこで、実家に帰って出産をする「里帰り出産」を考えている人も多いはずです。

里帰り出産のメリットとデメリットは?

しかし里帰り出産には、両親に育児を手伝ってもらえて産後の体を休ませることができるというメリットがある一方、長距離の移動や産後しばらくはパパが赤ちゃんと会う機会が少ないため、父性が芽生えにくい、といったデメリットがあります。

そうしたメリットとデメリットを考慮した結果、里帰り出産を決めたとしても、出産までにやっておくべきことはまだまだあるのです。
そこで今回は初めて出産する妊婦さんに向けて、里帰り出産でやっておくべきポイントを5つご紹介します。



里帰り出産の準備(1) 病院を決める

里帰り出産を決めたら、まずやるべきことは、分娩(出産)する病院選びです。できれば、妊娠初期のうちに、転院先となる病院を決めておきましょう。
里帰り出産先の病院を決める際、以下のような情報が参考になります。

インターネットの口コミ

まずは実家近くの産院を片っ端から調べていきましょう。病院名で検索し、どんな評価があるのかチェックしてみるとよいでしょう。

地元にいる同級生や友人による評価

実際に地元で出産した友人の体験談は、何よりも参考になります。何をもって「よい産院」と考えるかは人それぞれですが、病院選びの有力な情報になるはずです。

母親の知人からの情報

意外と頼りになるのが、母親の友人・知人ネットワークです。「娘さんが○○病院で出産した」という知り合いがいるはずなので、母親経由で産院の評判を聞いておきましょう。

病院へ事前の問い合わせも忘れずに

こうした情報を参考にしたり、自分の求める出産スタイルが実現できるかをチェックしたりしながら、里帰りした時、どの病院で出産するか、いくつか候補を決めておきましょう。

ただし、すべての病院が里帰り出産を受け入れているとは限りません。必ず事前に問い合わせ、

・里帰り出産を受け入れているか
・受け入れている場合、いつ頃までに転院すればよいか
・そのほか、事前に準備しておくことはあるか

といったことを、転院先の病院に確認しておく必要があります。この時の病院側の対応も、産院選びの重要なポイントになるはずです。

そのうえで、最終的に第1~第3希望くらいまで候補を絞り込んだら、次のステップに移ります。

里帰り出産の準備(2) 分娩予約をする

里帰り出産の第2ステップは「分娩予約」です。
以前は、「分娩予約は妊娠20週を目処に」と言われていましたが、今は分娩できる産院そのものの数が少なくなっています。さらに都市部が中心ではありますが、予約の集中する人気の産院があるため、分娩予約は早ければ早いほうがよいとされています。

分娩予約を早めにしたほうがよいというのは、里帰り出産でも同じことです。分娩を希望する病院を決めたら、できるだけ早く予約を入れましょう。

予約の際は、分娩予約金が必要です。金額は産院によって異なりますので、こちらも事前に確認しておきましょう。

これまで通っていた病院にも連絡を

分娩予約が済んだら、いま検診で通っている病院にも、里帰り出産をする旨を伝えることを忘れずに。
里帰り出産で転院する際には、検診をしてもらっている病院の医師に紹介状を書いてもらう必要があります。紹介状がないと里帰り出産ができなくなるので、気をつけてください。



里帰り出産の準備(3) 里帰りする時期を決める

里帰りをいつすればよいのか?
里帰り出産を考えている妊婦さんにとっては、悩ましい問題といえるでしょう。一般的には、遅くとも妊娠35週まで、里帰り先が遠方の場合は34週までに、実家に戻っておくのがよいとされています。

妊娠34~35週というと、会社勤めの妊婦さんであれば産休に入ってすぐの時期。「産休に入る直前まで仕事の引き継ぎでバタバタしていて、里帰りの準備なんて全然できていない!無理!」と思ってしまうかもしれませんが、これもやはり、早めの移動をおすすめします。

病院とのコミュニケーションはしっかりと

というのも、里帰り出産では、分娩を予定している転院先の病院とコミュニケーション不足が問題になることがあるからです。

どんなに経過が順調でも、何があるかわからないのがお産です。そのため、出産が始まる前に、最低でも一度は転院先の病院で検診を受けて、母体や胎児の状態を確認してもらうとともに、医師やスタッフとコミュニケーションをとっておくことが大切です。
臨月に入ってからの転院は、転院先で一度も診察を受けないうちに出産になってしまう危険性があるのでNGです。

なお、産院によってはこれまでの検診のデータを提示しても、転院先で再度検査が必要になり、検診代が多くかかることもあります。覚えておくとよいでしょう。

里帰り出産の準備(4) 移動手段を考える

どのような移動手段で里帰りをするのかも、事前に考えておく必要があります。
電車やバスですぐに帰れる近距離の場合は心配が少ないですが、大きなお腹を抱えての長距離移動は、体に思いがけない負担がかかるもの。「いつもと同じで大丈夫よ」と安易に考えず、どういった手段で移動するのがよいか、家族で話し合っておきましょう。

それでは主な移動手段と、妊婦さんが乗る際の注意点をご紹介します。

飛行機で移動する場合

妊婦さんが1人で飛行機に乗れるのは、出産予定日の29日前まで(ただし、航空会社によって異なります。詳しくは事前に確認しておきましょう)。予定日の28日前以降の搭乗には、診断書や医師の同意書の提出が必要です。さらに、14日前を過ぎると、医師の同伴が必要になるのが一般的です。

それ以前の週数であっても、妊娠中に飛行機に乗る時は必ずかかりつけの医師に相談してください。

妊娠中の飛行機で注意したい4つのこと

また飛行機の中では、以下の4点に注意しておきましょう。

1. 乾燥する飛行機内で脱水症状にならないよう、水分補給をする

2. 感染症にかからないよう、マスクを着用する

3. 妊婦さんはお産に向けて血液が固まりやすくなっているので、姿勢を変えたり足を動かしたりして、長時間同じ姿勢をとらないよう注意する

4.気圧が低くなることでお腹が張りやすくなり、吐き気をもよおすこともあるので、搭乗前は消化のよい食事をする

なお、搭乗時に金属探知機をくぐることは、赤ちゃんへの影響はないのでご安心を。

新幹線で移動する場合

飛行機は心配…では地上を走る新幹線ならOKかと言うと、必ずしもそうではありません。何があるかわからないのが妊娠、出産です。

新幹線は、体に感じる振動が少ないこともあり、比較的負担のない移動手段と言えますが、それでも長時間の移動になることは変わりありません。飛行機で移動する時と同様、同じ姿勢を取り続けないように、姿勢を変えたりトイレに立ってみたり、工夫をしましょう。また、温度に合わせて調整できるよう、脱ぎ着しやすい服装にしておくのもおすすめです。

何かあった時に途中下車しても大丈夫なくらい、余裕を持ったスケジュールで里帰りをしましょう。

自家用車で移動する場合

中には、パパの運転する車で里帰りする、という人もいるでしょう。自家用車の場合は、公共交通機関と違い、体調に合わせてスケジュールを変更しやすいというメリットがあります。あらかじめ休憩可能なポイントをチェックしておき、体調に応じて休憩の回数を調整しましょう。

「大きなお腹でシートベルトを締めるのがつらい」と感じる人は、マタニティシートベルトを用意してみては? マタニティシートベルトは、お腹にベルトが直接かかって苦しくならないよう、ベルトの位置を調節できるマタニティグッズ。車での移動が多い人は、持っていたほうがよいかもしれません。

マタニティー シートベルト日本育児 マタニティーシートベルト
座席のベルトに固定するクッションタイプで取り付けが楽です。 そのほか、リアシートがフルフラットになる車種であれば、前もって横になれる準備をしておくのもおすすめです。
ちなみに、妊婦さん自身が車を運転することは禁止されていないものの、長時間となると体への負担が心配されますので、できれば避けたほうがよいでしょう。

なお、いずれの移動手段の場合も、出発の直前に具合が悪くなったら無理して出発せず、体調のよい日にあらためて予定し直す余裕を持っておきましょう。

里帰り出産の準備(5) 夫にお願いすることをまとめる

里帰り出産ではママが家をあける期間が長くなるため、自宅にいるパパにお願いすることも自然と多くなってきます。まずは、出生届をはじめとした各種届出の提出についてまとめました。

里帰り出産で、パパが担当したほうがよい届け出関連

●出生届
 └赤ちゃんが産まれた日を含めて14日以内に提出する必要があります。「出生届を提出したことで、父親になった自覚が出た」という声が多いので、産後しばらく父子の関係が希薄になりがちな里帰り出産では特にパパに頼むことをおすすめします。

●児童手当の申請
 └こちらも出生から15日以内という期限があります。出生届とは異なり、居住する市区町村に届け出なければならないので、里帰り出産の場合はパパにしかできない仕事です。

●健康保険への加入申請
 └生まれた赤ちゃんをパパとママ、どちらの健康保険に加入させるか決めたら、加入の手続きをします。出生~1ヵ月検診を受けるまでに加入しておく必要がありますが、なるべく早く手続きしておいたほうがよいでしょう。
国民健康保険の場合は市区町村役場の担当窓口に、会社勤めの場合は、勤め先の健康保険担当窓口に、それぞれ申請します。

●乳幼児医療費助成の申請
 └赤ちゃんの健康保険加入の手続きが完了したら、乳幼児医療費助成の申請手続きを行う必要があります。窓口は市区町村役場です。
そのほか、ママも会社勤めをしている場合は出産手当金や育児休業給付金の申請が出産の際、健康保険が適応される処置を施された人は高額医療費の申請ができます。
こちらもママの産後の状況によっては、パパに申請を代行してもらうこともあるでしょう。

里帰り出産で、パパに伝えておきたい家の中関連のこと

届け出をお願いする以外に、掃除、洗濯、ごみ出しといった家の中のことも、パパがスムーズにできるよう伝えておきましょう。

●病院やお互いの実家、会社など、連絡先のリストを託しておく
 └基本的過ぎて意外に忘れがちですが、病院やお互いの実家、会社など、出産の際に連絡が必要になりそうな場所は、まとめてリストにしておきましょう。いざという時に連絡がつかない!と焦ることがなくなるはずです。

●ごみ出しの日を掲示しておく
 └ごみ出しの日の把握は重要です。可燃、不燃、リサイクルごみの曜日をわかりやすく掲示しておきましょう。

●ストックしている日用品の置き場所を伝えておく
 └ごみ袋、洗濯洗剤、掃除用洗剤、シャンプーやリンスの詰め替え、歯磨き粉のストックなど、普段の生活で使うアイテムの置き場所を伝えておきましょう。こうした日用品の場所は、わかっているようで意外とわからないものです。

●洗濯機、食洗機、掃除機など、生活家電の使い方を教えておく
 └どこに洗剤を入れたらいいのか、どこを押せばいいのか、使い慣れていないパパの場合、生活家電の使い方自体がわからないこともしばしば。面倒でも、基本的な使い方を事前にひと通り教えてあげてください。

こまめな連絡でパパに父性を芽生えさせる

里帰りをしている間、パパとの連絡はできるだけマメに取っておきましょう。
出産は、予定通りに始まってはくれません。すぐに駆けつけられる距離ではない里帰り先の場合、パパが出産に立ち会えないこともあるからです。

また、最初にも言いましたが、里帰り出産では産後、パパとママが離れて生活するので、産後の体を抱えて慣れない育児に対応するママの大変な姿をパパが見ることができません。そのため、パパが育児の大変さを理解しにくいというケースも多々あるようです。
加えて、赤ちゃんの顔を見る機会が少なく、父性が芽生えにくいといったこともあるでしょう。

こうした事態を避けるためにも里帰り中は赤ちゃんの写真をマメに送ったり、電話やメールの頻度を増やしたりして、パパとの連絡を密にしておくのがよいでしょう。

里帰り出産をしたママ、しなかったママの本音

「里帰り出産をする」と決めていたものの、こうしてみると意外とやることが多くて、本当にできるかどうかが心配になってきた…というママもいるかもしれません。

そこで最後に、里帰り出産をしたママとしなかったママに話を聞き、それぞれのコメントをまとめました。コメントを見て、印象に残った言葉のほうを選ぶというのもひとつの手ですね。

里帰り出産をした派のママの本音

“2人の子どもがいますが、2人とも九州へ里帰り出産をしました。夫は比較的時間が自由になる職業なので、出産の前後には休みを取って、九州に来ていました。1人目の時は、出産日が予定日よりかなり遅くなり、一旦帰ってまた来よう…と帰りの電車に夫が乗った途端、陣痛が来て出産が始まったという、コントみたいな状態でしたが(夫はちゃんと間に合いました)、それも今ではいい思い出です(笑)。”
(東京都 C・Sさん/36歳・主婦)

“里帰り出産をしましたが、今住んでいるところと実家が近いので、あまり「里帰りをした」という感じはありませんでした。夫も、仕事が早く終わった日や週末ごとに私の実家に来ていたので、コミュニケーション不足もありませんでした。ただし、家に帰った時は、その荒れっぷりにびっくりしましたけど…。”
(埼玉県 T・Mさん/27歳・会社員)

里帰り出産をしなかった派のママの本音

“夫が全然家事をしない人なのと、実家に帰って出産する場合、医療面で不安があったので、里帰り出産は最初から考えていませんでした。何かあった時でも、今住んでいる場所のほうが、設備も医師も揃っているので、助かる確率が高いと思ったからです。産後は、1週間くらい実家から母親が来て手伝ってくれましたが、母も仕事があるのでそれ以上は難しく、あとはレトルト食品を多用するなどでなんとかしのぎました。でも、早いうちから夫がいろいろ手伝ってくれていたので、かえってよかった気がしています。”
(東京都 N・Yさん/35歳・フリーランス)

“1人目は里帰り出産をしましたが、2人目の時は上の子の幼稚園があったので、里帰りせずに出産することにしました。2人目ということで夫も慣れていたようで手伝ってくれて、産後の経過も特に問題なく、順調でした。育児の大変をわかってもらえるという意味では、里帰りしない出産もアリだと思います。”
(千葉県 K・Mさん/32歳・主婦)
ちなみに、ママと赤ちゃんは1ヵ月検診が終わった後であれば、自宅に戻ることができます。

里帰り出産をするにしてもしないにしても、紹介した内容を参考に十分な準備をして、出産に臨みましょう!