乳腺炎の原因や症状、対策方法、治療法を解説

授乳中のよくあるトラブルの一つに「乳腺炎」があります。痛みや熱などの辛さを伴う乳腺炎、出産前には経験がないだけに、「どうしてこんなにつらいの?」と思う方も多いと思います。今回は乳腺炎の原因や対処法をまとめました。「もしかして今、乳腺炎にかかっているのかな…?」とお悩みの方も、判断の手助けになること請け合いです。

乳腺炎とは?

ひとくくりに「乳腺炎」と称することが多いですが、実は乳腺炎には3種類のタイプがあります。1つ目は乳腺に母乳が詰まっている「急性うっ滞乳腺炎」、2つ目は乳腺に細菌が入って炎症を起こしている「化膿性乳腺炎」、そして3つ目は「慢性乳腺炎」です。
この3つの乳腺炎、おっぱいの痛みや症状は似ていますが、炎症を起こしている原因が違うので対処法も異なります。
では、具体的に「乳腺炎」について解説していきましょう。

急性うっ滞乳腺炎 ~乳腺に母乳が詰まって炎症~

長い時間乳腺の中に母乳がたまって停滞すると、母乳の中には含まれている脂分が徐々に固まり、乳管を詰まらせてしまうことがあります。詰まった乳管の部分が栓となり、その付近に乳汁が溜まってしまうと、乳腺が圧迫されて炎症を起こしてしまいます。これが、「急性うっ滞乳腺炎」です。
初産などで乳管が細くて繊細なママや、母乳の分泌が過剰で赤ちゃんが飲み残してしまう場合によくおきます。

炎症が起きている部分はしこりになり熱を持っているので、すぐに患部は特定できると思います。程度の軽いものなら、詰まりを取り除けばすぐに症状はおさまりますが、ひどくなると発熱したり、全身のだるさを感じることもあります。

化膿性乳腺炎 ~乳腺に細菌が入って化膿~

「化膿性乳腺炎」は、細菌が乳腺に入り乳管が炎症を起こすことをいいます。
健康なおっぱいで授乳しているのなら、乳腺内に細菌が入ることはまずないのですが、乳頭に傷がある場合は要注意です。その傷口から赤ちゃんの口の中にいる常在菌が入りこみ、乳腺が細菌感染することがあります。
母乳に混じって膿が排出されたり、全身の震えや悪寒を感じることも珍しくありません。一般的には「急性うっ滞乳腺炎」に比べて症状が重く、高熱が出る方もかなり多いです。

「化膿性乳腺炎」で細菌感染している部分に乳汁が溜まり、「急性うっ滞乳腺炎」を併発する場合もありますので、一概にどちらと判断付けるのは難しいことも。とはいえ、乳腺炎の原因の根っこは、どちらの乳腺炎のケースも「ママの食事」と「生活スタイル」に関係がありそうですね。

 慢性乳腺炎~未婚の女性でも起こりうる~

「急性うっ滞乳腺炎」や「化膿性乳腺炎」ほど激しい症状ではありませんが、慢性的に乳腺炎を繰り返す「慢性乳腺炎」というものもあります。
 症状としては乳房が赤くなる、熱を持つ、腫れる、痛みを持つ、しこりができる…など、ほかの乳腺炎と似たような感じなのですが、授乳に関係なくおこることもありますので、未婚の女性でも注意が必要です。
 慢性乳腺炎の治療は、乳腺炎の根本的な原因を取り除くことです。
膿の塊やしこりがある場合は外科手術で取り除いたり、炎症がひどい場合は抗生剤が処方されることもあります。いずれにしても乳腺炎が習慣になっている可能性が高いので、きちんと医師の診察を受け、適切な治療をすることが大切です。

 慢性乳腺炎は授乳が原因で起こるとは限らない病気なので、今回の記事の対処法では解決しない場合もあります。本記事では「急性うっ滞乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」を中心にご説明したいと思いますのでご了承ください。



乳腺炎の原因は?

 乳腺炎の原因は、「急性うっ滞乳腺炎」も「化膿性乳腺炎」でも根っこの部分は同じです。ママの食事と生活スタイルが、少なからずおっぱいに負担を与えている時に、乳腺炎が起こりやすくなります。ではどんな食事と生活スタイルが乳腺炎を引き起こしやすくなってしまうのでしょうか。

1.脂肪分が多いこってりとした食事

母乳はママの食べたものから作られます。揚げ物などの脂っこい料理をたっぷり食べた後は、どうしても濁って脂分の多い母乳になってしまいます。
脂分の多い母乳は味が悪くなるだけではなく、固まってすぐに乳管を詰まらせてしまう可能性があります。乳管が詰まると母乳が排出できず、乳腺が炎症を起こすことも。これが乳腺炎の原因です。

特に未発達で細い乳腺の第一子のママなどは、経産婦さんよりずっと詰まりやすくなっているので注意したほうがいいかもしれません。
授乳中はなるべく脂っこい料理は避け、あっさりとした和食中心の食事にするとサラサラの母乳をキープすることが出来ます。赤ちゃんの分まで栄養をつけなくちゃと、たくさん食べてしまいがちな時期ですが、少し食事の内容には気を配ると安心です。

2.母乳の飲み残しをそのままにしてある

一日に何度もある授乳ですが、赤ちゃんは毎回同じ量を飲んでくれるわけではありません。中にはほんの少ししか飲まず、母乳の飲み残しがおっぱいの中にたまっている場合もあると思います。

「片方のおっぱいを飲ませただけで赤ちゃんが寝てしまった。」
「いつも同じ側のおっぱいから飲ませる癖があり、片方を飲み残すことが多い。」
こういったことに心当たりのある方は、ちょっと気を付けたほうがいいかもしれません。
面倒だからと、母乳の飲み残しをそのままおっぱいの中にためておくと、乳腺内で固まり乳腺炎の原因になることもあります。
授乳後に明らかに飲み残しがあり、片方のおっぱいだけ重い感じがするときは、一度軽く搾乳しておくとトラブルを避けることが出来ます。

3.生活リズムが狂っている

生活リズムが狂うことも、乳腺炎を引き起こす可能性があります。
産後はどうしてもホルモンバランスが崩れやすく、体調が安定しないこともある上に、どうしても夜間の授乳や赤ちゃんのお世話などで睡眠不足が続く時期です。
体調の不安定さを回避するためにも、なるべく朝は同じ時間に起き、夜ふかしもしないような生活リズムに立て直していけるといいですね。忙しいとは思いますが、しっかり休んで疲れをためないようにしましょう。

4.ブラジャーがキツイ

母乳を分泌する乳腺は、妊娠中だけではなく産後も発達を続けることがよくあります。
サイズが変わっていることに気づかず、きついブラジャーで乳腺をしめつけていると、母乳がうっ滞して乳腺炎を引き起こすことがあります。
授乳中のバストには強い締め付けは不要です。バストを支えるクーパー靱帯が伸びない程度に支えてくれるブラジャーであれば、あとは優しく包む機能があれば十分です。
授乳期はスタイルを気にするよりも、デリケートなバストを優しく包むことを主眼に置いてブラジャー選びができるといいですね。

5.水分が足りない

赤ちゃんが飲む母乳は、新生児でも一日約1リットル。生後2ヶ月から離乳食が始まる前の生後5ヶ月くらいでは、1.2リットル以上飲む赤ちゃんも少なくありません。
ママはそれ以上の水分を毎日補給していかないと、あっという間に水分不足に陥ってしまいます。

「水分不足になるかもしれないけど、乳腺炎とは関係ないじゃない?」とお思いの方も多いと思います。しかし、乳腺炎とママの水分不足には密接な関係があると言われています。

もしママが水分不足の時に赤ちゃんに母乳を飲ませようと思っても、成分を薄める水分が足りないため、濃い母乳しか出すことが出来ません。
適度な水分の母乳に比べ、濃い母乳はヨーグルトの様に固まりやすく、乳腺を詰まらせやすいもの。乳腺炎を引き起こす原因にもなりかねません。
乳腺炎を防ぐためにものどが渇いたなと感じたら、こまめに水分が補給できるといいですね。

6.乳頭が硬く、伸びにくい

乳頭が避けやすいおっぱいも、乳腺炎になりやすいもの。裂けた傷口から細菌が入り乳腺内で化膿する「化膿性乳腺炎」を引き起こしかねません。
乳頭の形状によっては割けたり切れたりすることが多いこともありますが、ある程度は乳頭マッサージで改善していくことが出来ます。柔らかく伸びやすい乳頭を目指して、乳頭マッサージを習慣にしていけるといいですね。

7.母乳が美味しくない

意外と知られていないのですが、ママが毎日出している母乳にもかなり味の差があります。
コッテリしたものを食べた後はコッテリした母乳が、アッサリしたものを食べた後はあっさりした母乳が…というように、母乳の味はママの食事によって日々刻々と味を変化させていきます。
もし美味しくない母乳だと赤ちゃんは飲むのを嫌がって、乳頭を噛んだり身をよじらせたりしてアピールすることがあります。その赤ちゃんの噛みつきで、乳頭が裂けてしまうママも多いもの。傷口から細菌が入り乳腺炎になることもありますので、ちょっと気を付けておきたいですね。
「なんだか嫌そうにおっぱいを飲んでいるな」と感じたら、ママの食べたものを思い返してみてください。脂分の多い料理や刺激物を含んだ料理を口にしていたのなら、母乳の味がイマイチなのが原因かもしれません。赤ちゃんはちょっとした味の差でも感じ取れるので、ママの食事をもう一度考え直してみるといいかもしれませんね。

これって乳腺炎?その症状は?

乳房の赤みや痛み

 赤ちゃんがおっぱいを飲んでいる授乳期。その期間は人によって違いますが、半年から二年間程度だと思います。その期間に乳房の一部が赤くなり、触るとチクチクしたり、ズキっとした痛みを感じるなら、それはもしかしたら乳腺炎になっているかもしれません。
 乳腺炎は「乳腺の炎症」ですから、文字通り乳腺の一部が炎症を起こしています。炎症を起こしている個所の皮膚が赤みを帯び、そっと触れただけでもズキズキ、チクチクとした痛みを感じる方が多いものです。ただ、これだけの症状だと打ち身などの外的要因にも当てはまるので注意してください。以下の症状にもいくつか当てはまるのなら、乳腺炎の可能性は高まります。

患部に熱がある

 赤みや痛みがある部分をそっと触ってみてください。患部が熱く、熱を持っているなら、それはやはり乳腺が炎症を起こしている可能性が高いと言われています。
患部に熱があるということは炎症が進んでいると考えられますから、少し冷やしてあげましょう。痛みが和らぐと思います。
といっても、氷などでいきなり冷たくキーンと冷やすのでは、乳腺を痛めてしまう危険もあります。保冷剤をタオルでくるんでそっと冷やす、サトイモ湿布など自然由来の湿布を使うなど、保冷力の穏やかなもので冷やすことをおすすめします。

しこりがある

患部に触った時に、ゴロっとしたしこりが出来ている場合もあります。
乳腺炎のしこりは、乳管が詰まり母乳が溜まっている時にできるもので、「急性うっ滞乳腺炎」の場合に起こりやすい現象です。しこりの部分はどうしても気になりますが、強く押したりもんだりすると乳腺を痛めてしまうことがありますので気を付けましょう。

発熱や悪寒

乳腺炎は、乳房だけの症状だけではおさまらないこともあります。
乳房に痛みがある中で、咳や鼻水などの風邪症状が全くないのに突然高熱が出たのならば、乳腺炎が原因の熱かもしれません。熱が出る前に震えが止まらなかったり悪寒がはしることもあるので、風邪やインフルエンザの高熱と勘違いしてしまう方も多いのですが、うかつに薬を服用するのは授乳中にはあまりおすすめできません。乳腺炎の熱なら炎症を鎮めれば自然と下がりますので、炎症を鎮める対処を第一に考えられるといいですね。

黄色い母乳のようなものがでてくる

化膿性乳腺炎の場合は、乳腺の中にたまった膿が排乳口から出てくることがあります。
パッと見は初乳のような黄色い母乳が染み出してくるので、母乳パットや授乳ブラジャーが汚れて気づく方が多いようです。母乳と違って膿は母乳パットにもかさぶたのように張り付くので、見た目にもわかりやすくすぐに気づくのではないでしょうか。



乳腺炎と乳がんの違いとは?

 乳房の痛みやしこりを見つけると、まず女性が一番心配になるのが「乳がん」ですよね。
乳腺炎は「乳腺の炎症」なので一時的な炎症ですが、乳がんは「乳房内の悪性腫瘍」ですからほおっておくと全身に転移することもあり得ます。同じようなしこりでも乳がんならその後の体に与える影響はずいぶんと違ってきますから、十分に注意しておきたいですね。

 最近は、有名な女性タレントが乳がんであることをカミングアウトして話題になりました。そのためか、乳がんの認知度がますます上がったように感じます。ですので、授乳中の女性がしこりをみつけると「乳腺炎」より先に「乳がん」を疑ってしまうのも無理はありません。
 でも、基本的には授乳中は乳がんになりにくいと言われているので、過剰に心配する必要はありません。ただ、ごくまれに授乳中でも乳がんを発症することがあるので、授乳中でも年に一度くらいは検診を受けチェックしておくことをおすすめします。

 では、乳房の痛みやしこりがあるときに、乳腺炎と乳がんを見分ける方法をお教えしましょう。

乳腺炎と乳がんの見分け方

触ってみて、痛いかどうか

授乳中、「あれ?昨日までなかったはずのところに、いきなりしこりが出来てる。」といった経験はありませんか。
これって乳がんかも…と不安になる前に、自分でチェックをしてみましょう。

一番簡単のは、しこりが出来て数日程度の時に、しこり付近をそっと触れてみることです。がんが進行していくと痛みを感じることがありますが、初期の乳がんのしこりならたいていの場合痛くありません。「ギャッ!」と思わず声が出てしまうくらいに激痛が走るなら、それは乳腺炎と判断していいかもしれません。

とはいえ「もしかしたら、がんが進行していて痛むのではないかしら?」と不安になる方もいらっしゃると思います。もし自分では判断できない場合は、婦人科や乳腺外来などで医師にチェックしてもらいましょう。

しこりの境目があるかないか

乳腺炎は、乳腺の中に乳汁や膿が溜まって起きる炎症です。そのしこりの中身は溜まっている液体なので、指で触るとまるで膨らんだ水風船を乳房に入れられたように、ボコっとした異物感を感じると思います。
ですが乳がんは細胞が悪性化していく病気です。細胞単位で病変していくため、しこりの境目部分では健康な細胞と病変した細胞が入り混じり、「どこからどこまでがしこり」という境目がわかりづらくなってしまいます。
しこりの部分を触ってみて境目がわかるかどうかをチェックするのも、乳腺炎と乳がんを判断するチェックポイントになります。

しこりを指で押すと移動するかどうか

 乳腺炎のしこりは液体の塊ですから、指で押すと乳房内で位置を変えることが出来ます。その移動性を利用して乳房マッサージを施せば、しこり内にたまった液体を絞り出すこともできるくらいですから、割と動きやすいのは納得していただけると思います。
 ですが乳がんのしこりはそうはいきません。細胞自体が病変しているのですから、押しても動かず、ずっと同じ位置にとどまっています。また、乳腺炎のしこりのように中身が液体ではなく、細胞自体が固くなってしまっているので、しこりに弾力がなく石のようにゴツゴツした硬さがあります。

乳腺炎と乳がんではしこりの触感にも差がありますが、どうしても素人では判断が付きかねる場合もあると思います。そんな時は自己判断せずに、医師に診てもらい検査を受けるのが一番確実です。乳房の状態に不安を抱えているなら、一人で悩まず受診することをおすすめします。
赤ちゃんもいてなかなか病院に行くのが難しいこともあると思いますが、ママの体が健康でなくては赤ちゃんだって困っちゃいます。祖母やパパ、仲の良いママ友に頼んだり、一時保育を利用するなどして、上手に時間を作るようにしてくださいね。

乳腺炎はどうしたら治る?

しこりがある程度の場合

乳腺炎になると、「悪いおっぱいを飲ませるなんてかわいそう」と、乳腺炎になっている乳房で授乳することをためらうママもいますが、これでは乳腺炎がますます悪化します。
治療のために大切なのは、普段通り授乳を続けることです。そのまま乳腺炎になっているおっぱいも飲ませて構いません。たくさんある乳腺の一部が炎症を起こしているだけなので、ほかの乳腺がしっかりいい母乳を出してくれます。

それから、食べ物や飲み物にも気を付けましょう。
炎症を起こしているときは母乳の分泌を少し抑えたいため、飲みすぎ、食べすぎは禁物です。普段より控えめの食事量にし、油ものや乳製品、お餅などの乳管を詰まらせる可能性のある食べ物は避けましょう。
飲み物をがぶ飲みするとその分母乳を分泌してしまう可能性もあります。ジュースなどの甘い飲み物は避け、水かお茶を普段より少なめに飲むようにすると安心です。 それだけのケアでは治らない場合は、詰まっている母乳を絞り出すと一気に症状が緩和されると思います。
 自分で搾乳できるならそれで十分ですが、なかなか自分ではうまくできないという方もいると思います。そんな時は産院の母乳外来や、助産院などを受診して、おっぱいマッサージの手技を受けてみてはいかがでしょうか。自分ではどうしても絞り切れなかった詰まった母乳が、プロの手技を受けると一気に絞り出せるという場合もあります。辛くなってから病院を探すのは大変なので、普段から母乳ケアをしてくれる病院などをいくつかピックアップしておくと安心ですね。

痛みや熱がある場合

痛みや熱が出るということは乳腺の炎症が進んでいるということですので、もう少ししっかりと治療しなくては治りにくいものです。
「しこりがある程度の場合」のケアを全部行っても熱が下がらなかったり痛みが治まらなかったりしてつらい時は、病院で薬を処方してもらうのも一つの手です。

婦人科などで乳腺炎と診断されると、授乳中でも使える抗生剤や解熱鎮痛剤、消炎剤などを処方してもらえると思います。授乳中はどうしても薬を飲むことに抵抗があるかもしれませんが、ママがつらい時期に一時的に薬に頼るのは、赤ちゃんのためにも必要なことです。乳腺炎をしっかり治して、母乳をあげるようにしましょう。

乳腺炎にならないようにするには?

1.脂分の多い料理を避ける

乳腺炎の一番の原因は食事です。脂分が多い食事は乳管を詰まらせ、乳腺炎を引き起こす可能性があります。
乳腺炎の予防には、脂分の多い肉や魚を控え、脂分のすくない肉や魚、もしくは植物性のたんぱく質で代用しましょう。
具体的には、牛肉、豚肉、鶏もも、サバ、マグロのトロ、トロサーモンなどの食材をできるだけ料理から排除して、代わりに鶏むねやササミ、白身魚や豆類などで代用するのがおすすめです。今までの味付けをベースにして、食材だけをあっさりしたものに切り替えるだけなので、それほど違和感を感じず食べることが出来ると思います。
食事制限と硬く考えず、少し日々の生活で気を付けていくだけでかなり脂分を押さえることが出来ます。

2.刺激物は避ける

食べたものはそのまま母乳の一部になります。少しくらいならと使ってしまう唐辛子やわさびなどの香辛料も、そのまま母乳の原料です。刺激物である香辛料などを多用すると、母乳の味に影響を与える可能性があります。
味が変化した母乳は、赤ちゃんが嫌がって飲まず、飲み残しの原因にもなりえます。キムチやカレーなど、刺激物がたっぷりの料理は美味しいものですが、赤ちゃんのために授乳中は食べすぎないよう気を付けましょう。

母乳に刺激物の成分が混じると、母乳自体の味を変えてしまうだけではなく、デリケートな乳腺を刺激してしまうこともあります。乳腺炎に限らず母乳トラブルの原因になりますから、刺激物の使用はごく少量にとどめておくようにしましょう。

3.良質な水分をしっかりと摂る

食べ物だけではなく、飲み物にも注意は必要です。
授乳中にアルコールやカフェインを避けるのは良く知られていることですが、糖分や塩分が多い清涼飲料水をたくさん飲むのはあまりお勧めできません。
清涼飲料水に含まれている糖分や塩分は、想像している以上に多いものです。サイダーやコーラなどの炭酸飲料だと、500mlのペットボトルに5gのスティックシュガー6〜8本程度の砂糖が含まれているとも言います。そんなに糖分が高いものを毎日ゴクゴク飲んでいたのでは、母乳も甘ったるくしつこい味になると言われています。
もし飲むのなら、ノンカフェインの麦茶やほうじ茶、もしくはミネラルウオーター(軟水のもの)がいいでしょう。母乳の分泌量以上の水分を取らなくては、水分不足でドロドロの母乳に変質する可能性もあります。母乳の質を保ち、詰まりからくる乳腺炎を防ぐためにも、毎日良質な水分をたくさん摂るように心がけてくださいね。

3.飲み残しは絞っておく

あっさりとした食事をとり、しっかり良質な飲み物を飲んでいたとしても、母乳が飲み残されてしまう場合はあります。
ママの分泌が良く、赤ちゃんが小食だった場合には、片方のおっぱいを飲ませただけでもおなかがいっぱいで寝てしまうこともあるでしょう。そんな時どうケアしているかが、乳腺炎になるかならないかの分かれ道。こんなときこそできるだけ飲み残しはしぼり、おっぱいがパンパンになってしこり化する前に、排出しておきましょう。

4.授乳の仕方を変えてみる

毎回の授乳では、赤ちゃんをどんな姿勢で抱っこして行っていますか?
オーソドックスな横抱きで授乳している方がほとんどだと思いますが、これではいつも同じ個所の乳腺からしか飲ませていないことになります。

あらゆる向きのあらゆる乳腺をまんべんなく使うためには、赤ちゃんをいろいろな向きにかえて抱っこして授乳してみましょう。
例えば赤ちゃんをラグビーボールの様に小脇に抱える「フットボール抱き」。赤ちゃんをママに向かい合わせてまっすぐ立たせて授乳する「縦抱き」など、いろいろな姿勢で飲ませることを意識すると、母乳が溜まる箇所が減ってくると思います。

5.睡眠をとる

ストレスや心身の疲れが乳腺炎を引き起こす場合もあります。
授乳中はどうしても夜間赤ちゃんのお世話をすることが多く、睡眠不足になりがちの時期。慣れない赤ちゃんのお世話もあり、ストレスと疲れがたまりやすいので、意識して睡眠時間を確保し、睡眠をとるように心がけてみてくださいね。
睡眠不足は乳腺炎だけではなく、母乳分泌を妨げることもあります。しっかりと睡眠をとって授乳トラブルを予防しましょうね。

乳腺炎が悪化した場合

乳房膿瘍

乳腺炎が悪化すると、乳房膿瘍という状態になることがあります。
患部の皮膚が熟れた桃のように赤黒く腫れあがり、触れなくても常にズキンズキンと強い痛みに襲われます。高熱が出ることもあり、ママにとっては非常につらい状態です。

乳房膿瘍の治療法とは

乳房膿瘍になると、皮膚を切開する手術をして膿を出したり、入院して点滴や抗生剤による治療をしなくてはいけない場合もあります。通院で済む場合でも、しばらくは治療のために病院に通わねばいけませんし、程度によっては授乳を諦めなくてはいけない場合も出てきます。

乳腺炎で詰まった母乳を絞る手技は保険適用外として実費を払わなくてはいけないのですが、乳房膿瘍は病気として保険診療が適用されます。ただ、乳房膿瘍の治療は乳腺を切開するなど、治療方法の選択によっては今後の授乳に影響が出る可能性もあります。信頼できる医師を見つけて、しっかり相談してから治療を受けるようにしましょう。

薬を服用している場合の授乳は?

では、乳腺炎の治療で薬が処方された場合、授乳はどうすればいいのでしょうか。
基本的には乳腺炎の薬を処方する場合は、授乳期の赤ちゃんがいることが前提としてあるので、授乳が続けられるような薬や漢方が処方されることが多いと思います。ただどうしても授乳期には禁忌の薬もあるかもしれません。医師に相談のうえ、授乳の判断をするようにしてくださいね。

もし授乳をしながら薬を飲むのであれば、なるべく授乳直後に薬を服用するようにすると次の授乳まである程度時間があきます。母乳への薬の影響が気になる方は試してみるのも良いかもしれません。でも、思っていたよりも早く赤ちゃんが起きてしまった…など、予定通りにいかないこともあると思います。あまりシビアに考えずとも、授乳中でも飲むことが出来る薬なら赤ちゃんへの影響は気にしなくても大丈夫。「なるべく授乳直後に服薬」程度の気持ちだけで十分だと思います。

乳腺炎の体験談

乳腺炎での突然の発熱は、想像以上に辛いもの。
ストレスとチョコレートの脂肪分、それに授乳間隔が空きすぎた、という3つの原因が重なったのが原因だったんでしょうね。 乳腺炎の高熱は、インフルエンザ並みに辛いという声もあります。
そんな中、赤ちゃんのお世話をしなくてはいけないママはつらいですよね。
パパやおばあちゃまなど、お手伝いを頼めるならぜひお願いして、ゆっくり休養しましょう。 大人で40度はつらいですね。死ぬかと思うのも無理はないかも。 乳腺炎を治すために母乳マッサージを受けると、かなり痛みがあることもあります。
でも赤ちゃんのためにもママのためにも、詰まりはとらなくてはいけません。がんばれ、ママ! 乳腺炎になったあとに、改めて食事の大切さに気付くママが多いかと思います。乳腺炎予防にはバランスの良い食事が不可欠です。たまにはお菓子もいいけど、ほどほどにしましょう。

原因がわかれば、乳腺炎は防げる

乳腺炎は母乳育児を頑張るママなら、ほとんどみんなが経験するトラブル。あなただけが辛い思いをしているわけではありません。四人の子育てをしてきた筆者も、何度となく乳腺炎を繰り返してきました。
でも、乳腺炎の原因がわかって、生活スタイルに気を付けて過ごすことが出来れば、乳腺炎はかなりの確率で防ぐことが出来ます。今までの生活を振り返って、どこがネックになって乳腺炎が起きてしまったのかを思い返してみて下さい。

 でも乳腺炎にかかってしまったときは、ママの休息が必要になってきている時期なのだと思います。乳腺炎は、今まで頑張って母乳育児をしてきたママの疲れがたまってきた証拠です。健康でヘルシーな生活を心がけながらも、赤ちゃんのためにも自分のためにもたまにはゆっくり休むようにしましょう。