友だちってなんだろう?親子で考えるきっかけをくれる「友だち絵本」

「親」や「兄弟」とちがって、「友だち」の定義は大人でも難しいですよね。いつも遊んでいたら、友だち?ケンカをしても仲直りできたら、友だち?よく分からないからこそ、大人だって悩んでしまいます。そんなむずかしいテーマを扱った「友だち絵本」には種類がいっぱい!そしてそれぞれしっかりしたメッセージを子どもたちに伝えてくれます。

「ほんとうの友だちって、いいよ!」 作者の想いやメッセージがつまった、友だち絵本

「友だち」って難しいですよね。人それぞれ考え方が違うからこそ、悩みの対象となりやすい存在といえます。

「わたしよりあの子の方が好きなのかな」「ぼくはもっといっしょにあそびたいのに」「あの子とは友だちじゃない!」「きらいだけど、なかなおりしたから好き」。

いっしょにいると楽しいからこそ、こんな複雑な気持ちになるのがお友だち関係。
そして、幼い子たちにとっては、うまく対処できないほど大きな問題です。

日頃から、「友だちってなに?」と考えるきっかけをくれるメッセージ性たっぷりの絵本を親子で読んでみませんか。楽しく読みながら、知らず知らずのうちに、友だちとの付き合い方、はたまた人とのコミュニケーションの取り方が学べます。

「どんな付き合い方だって正解はない」。そう分かるだけで、子どもたちも、そしてママもホッとできそうです。



友だち絵本ってどんな時に使う?

ママが教えにくい「友だちとは?」を伝えてくれる絵本

ママだって人間関係ではまだまだ修業中だったりします。数字やひらがなを教えるみたいに、「友だちとはこう付き合うのよ」なんてはっきりと子どもに伝えられません。

友だち絵本は、書き手自身が悩んだことがテーマになっていることが多く、それを絵と言葉で一所懸命に表現しています。
だからこそ、絵本から伝わってくるメッセージには心をうたれるものがあります。幼児のやわらかい心に「友だちとはこう付き合えばいいんだな」ということを優しく楽しく伝えてくれます。
ママといっしょに読むことで、親子で考え、「悲しい時はがまんしなくていいんだね」と話し合うことができます。

「友だち絵本」の選び方

定義が難しいからこそ、数多くの「友だち絵本」が存在します。それぞれちがった角度から「友だちとは?」のテーマに切り込んでいます。

「お友だちとうまくいっていないみたい」「仲良しさんがなかなか作れないみたい」。
もし、我が子にそんな様子が見られたら、そのテーマにそった絵本をさりげなく読んであげましょう。新しい角度で物事を見られるきっかけとなるかもしれません。
また、日ごろから友だち絵本を読んであげると、「人に親切にするってこういうこと」と感覚的に学べ、実生活でも活かさせるようになります。

今回は、「友だちになるきっかけ」「仲良しってこういうこと」「ケンカをした時は」「友だちってすばらしい」というテーマにわけて、おすすめ絵本を紹介していきます。
読み終わった後は、心が自由になれる絵本ばかりですよ。

「友だちになるきっかけ」を教えてくれる絵本

1、ともだちや:キツネくんの深刻な悩みが心にせまる 最後は心がほっこり

ともだちや
◇内田 麟太郎 (著), 降矢 なな (イラスト)
◇出版社: 偕成社; 2版 (1998/01) 寂しがり屋のキツネは 「ともだちや」を始めることを思いついた。でも、商売はなかなかうまくいかない。そんな時、「トランプの あいてを しろ」と声をかけてきたのはオオカミ。トランプの後にキツネがお代を請求すると、オオカミは「ともだちからお金をとるのか」と目をとがらせた...。

「ともだちや」という商売を始めたら、友だちができるのではないかと思うキツネ。キツネの不器用さに共感してしまう子も多いのではないでしょうか。お金を払わなくても、無理して相手につきあわなくても、築ける関係を「友だち」と呼ぶんだということをこの本は教えてくれます。
楽しく読み進めて、最後は「よかったね、キツネ」と言いたくなるほろっとした終わり方です。
◇3,4才から

なかなか友人が作れない、と身の上相談する大人も沢山いますが、大人が読んでも「目から鱗」のほんわか童話。
「私なんて・・・」とか、「嫌われたらどうしよう」とか、余計なこと一切考えないで、「ともだちになろう!」と言えばいいんですよね。
このシリーズは大好きで、たまたま小学生に接する時期があり、紙人形劇にして発表しました(内田先生、もちろんお金は取ってません。悪しからず)。降矢さんの絵も、迫力満点で、好きです。
さらには、一昨年、地元で内田先生を招いての講演会があり、有意義なひとときを過ごさせていただきました。
子供のころ、辛い経験をされたとのこと。だからこそ、こんな温かいお話を生み出せるのですね。
今後は孫に、全部、読み聞かせたいと思ってます。

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2、とん ことり:可愛い音とともにポストに届いたのは...「友だちになろう」の気もちがこもったプレゼント

とん ことり (こどものとも傑作集)
◇筒井 頼子 (著), 林 明子 (イラスト)
◇出版社: 福音館書店 (1989/2/10) 引っ越してきたばかりのかなえと、新しい友だちとの出会いが、かなえの家のポストに届く不思議な“郵便”の謎を通して、描かれます。

「とん ことり」は、ポストに郵便が投函される音。すみれ、たんぽぽ、手紙が次々と届きます。でも、玄関の外には誰もいない...。
郵便を通して心を通わせていく2人。最後のページで、いっしょに自転車に乗った2人の笑顔がすばらしいです。
新しい土地では誰だって不安。大人も子どもも、読むとホッと心が温まり嬉しい気もちになります。
お友だちになりたい、でもはずかしい。そんな可愛い幼心がつまった一冊です。

引越しをしてきてひとちぼっちのかなえがお友達と出会うまでのお話ですが、なんともいえないあたたかい読後感です。
ラストの子どもたちの表情の絵が素敵です。
そして、絵本って何度も読み返すことが普通だと思うのですが、この本はちょっとした「ウォーリーを探せ!」モドキが楽しめますよ。。。
「あ、この子ここに・・!」幼い子どもは大喜びで、親も子も楽しめます。

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「仲良しってこういうこと!」 小さな子にしっかり伝えてくれる絵本

3、ふたりは ともだち:癇癪おこしても、相手に恥をかかせちゃっても、友情は変わらない

ふたりはともだち (ミセスこどもの本)
◇アーノルド・ローベル (著), 三木 卓 (翻訳)
◇出版社: 文化出版局 (1972/11/10) 仲よしのがまくんとかえるくんが織りなすユーモラスな友情物語を5編収録。友だちっていいな。

かえるが苦手という子でも、愛着がわくこの2匹。かえるの表情はどこか人間味あふれているので、感情移入しやすいのかもしれません。
2人の会話や行動が、「良い子ちゃん」ではないので、大人が読んでも肩の力が抜ける名作です。やさしい言葉なので、読み聞かせにも最適。ムリをしなくても、友だちは友だち!
◇4才から

がまくんもかえるくんも、とても自然体で、拗ねてみたり、甘えてみたり、理屈をこねたり…。こうした姿は実に人間臭く、ふたりは間違いなく絵本の中で「生きている」のだと感じます。アーノルド・ローベルの絵本に共通するユーモラスで温かい世界は、こうしたキャラクターの気どらない人間臭さからきているのかもしれません。

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4、みんなともだち:ずっといっしょに過ごした仲間は、学校に行ってもともだち

みんなともだち (ピーマン村の絵本たち)
◇中川 ひろたか (著), 村上 康成 (イラスト)
◇出版社: 童心社 (1998/1/1) いっしょにいるのがあたりまえだった。みんなでうたをうたった みんなでえをかいた みんなでおさんぽをした 園でともだちいっぱいできて、けんかもしたけど楽しいことがたくさんあった。卒園しても、すごしたじかんはずっとたからもの。

幼稚園での思い出が走馬灯のようにかけめぐる内容です。字が少ないので、ひらがなを読み始めた子なら一人でも読めます。色使いがきれい&素朴なイラストが子どもの心に残ります。
卒園のプレゼントや、引っ越してしまうお友だちへのギフトとしてもおすすめ。
◇4~6才

この本を娘に差し出した時の第一声が
「なんで、わかったの?」
つまりは、私の欲しい絵本がどうしてわかったのかという事のよう。

保育園にあって、大好きな本。
お家に無いね・・・と、ぼそっと独り言を言っていた娘。
母は聞き逃しませんでした。
年長さんになったら、我が家の絵本棚に仲間入りさせようと思っていたのです。
娘も母も大好きな絵本です。

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5、だるまちゃんとてんぐちゃん:友だちのことを認め、いっしょに喜び合えるのっていいな

だるまちゃんとてんぐちゃん(こどものとも絵本)
◇加古 里子 (著)
◇出版社: 福音館書店 (1967/11/20) 長い鼻とかうちわとか、てんぐちゃんの持っているものを何でも欲しがるだるまちゃん。お父さんが出してくれたものに納得いかないので、自分で工夫して手に入れました。てんぐちゃんは「いいね~」とほめてくれます。

人の物が欲しくなってしまうのは、子どもにはよくあることです。その気もちを素直に出せて、家族が認めてくれて、自分で創意工夫して手に入れる...。そして特にすばらしいのは、まねされたてんぐちゃんが、「だるまちゃんのが一番いい」と喜んでくれるところです。
子どもにとっての「嬉しい」がいっぱい詰まった本。
◇読んであげるなら:3才から
◇自分で読むなら:小学低学年から

ないものねだりのだるまちゃんに対して家族が優しく対応しているところや、色々と工夫して同じようなものを身に着けるだるまちゃん、満足そうなだるまちゃんと一緒に喜ぶてんぐちゃん。みんなが暖かくてほのぼのしてて、すごくほほえましい。息子も気に入ってくれて何度も読んでと持ってきます。

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「ケンカをした時は、どうしたらいいの?」 ケンカになる時の気もちと仲直りのコツを教えてくれる絵本

6、おひさまとおつきさまのけんか:けんかって仕方をまちがえると、たいへん!

おひさまとおつきさまのけんか
◇せな けいこ (著)
◇出版社: ポプラ社 (2003/07) ある日、おつきさまののぼってくるのが少し遅れた。待っていたおひさまは怒ってどなりつけた。「遅いじゃないか!」おつきさまも謝る気がなくなって、「おひさまはいばりすぎだ!」...。

お日さまとお月さまのケンカ、ということで、小さな子にも楽しめるモチーフです。世の中が真っ暗になって、動物たちが泣いている様子に、子どもたちも「戦争ってしちゃだめ!」と強く感じるはず。
きっかけは、言い方だったり言うタイミングだったりささいなことなのに...大人もいっしょに考えさせられる絵本です。
◇幼児~小学初級向

3歳の息子に「せんそうってなあに?」と聞かれ絵本で答えたいと思い探したところこの本にたどり着きました。
ケンカが戦争になること、戦争で泣く人がいること、シンプルだけど深い本です。

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7、きみなんかだいきらいさ:いやだけど、仲良くしたい。そんな複雑な子ども心をしっかり表現

きみなんかだいきらいさ (センダックの絵本)
◇ジャニス・メイ・ユードリー (著), モーリス・センダック (イラスト), 小玉 知子 (翻訳)
◇出版社: 冨山房 (1975/5/24) いつも仲良しの友だちと今日は大げんか。もう口なんかきいてやるもんか、と思ったけれど、やっぱり気になって仕方がない。つい声をかけちゃう...。

一番近くにいるからこそ、嫌なところもしっかり分かる。イライラするけど、やっぱり遊びたい。
現実では、そばで見ている親がハラハラしそうですが、不器用な行動を取りながら、大人になっていくんですね。
どのページも男の子の気もちが一行のみ。子ども心が読者にきちんと伝わる構成になっています。
ほほえましく愛おしい二人組です。
◇読んであげるなら:4、5才から
◇自分で読むなら:小学校低学年向き

とっても仲良しの男の子2人はケンカをしちゃいます。
いやなところばかり思い浮かべて 「キライ!!!」 という気持ちは膨らむけど、
楽しい事も沢山あったなぁ…なんていういい思いでも沢山。

最後は意地を張っていないで、いつもの通りに接する事が出来たら、
           仲直り
友達っていいな、と思えるお話です。
センダックさんのシンプルな絵も良かったです。

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「友だちってすばらしい!」 そんな気もちでいっぱいになる絵本

8、あおくんときいろちゃん:友だちと交流できる喜びは格別!

あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本)
◇レオ・レオーニ (著), 藤田 圭雄 (翻訳)
◇出版社: 至光社 (1984/01) あおくんときいろくんが活き活きと動き回ります。いっしょにいる喜びから、緑色になります。

違うもの同士が交流する喜び、その喜びを共有する嬉しさ。まーるい形のあおくんときいろくんが、表情や動きを持って小さな子たちに伝えてくれます。大人になってからも忘れ難い一冊!というほど印象に残る絵本です。
「青と黄色を混ぜたら緑になるんだ」という衝撃的な発見を、この絵本でする子も多いかもしれませんね。
◇2才から

0歳児からこの絵本を読み聞かせているが、飽きる様子がない。あおちゃん と きいろちゃん と色とりどりの仲間達が動く気回るとカラフルな世界が生まれる。
その色彩の移り変わりが楽しいのであろう。言葉がある程度わかるようになればなお楽しい。実際の世の中もいろんな人がいて、それぞれに美しいんだよ。みんな違うからきれいなんだね。

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9、おおきな おおきな おいも:友だちとなら、こんなことだってできちゃう!

おおきなおおきなおいも―鶴巻幼稚園・市村久子の教育実践による (福音館創作童話シリーズ)
◇赤羽 末吉 (著)
◇出版社: 福音館書店 (1972/10/1) 雨で芋ほり遠足が延期に。子どもたちは、紙をつなげて、とんでもなく大きなさつまいを描いた。それを船にして、怪獣にして...最後はもちろん食べるんです。

大きなおいもに小さな子どもたちの対比が可愛らしい。芋ほり遠足には行けなかったけれど、想像力を働かせてお空にまで飛んでいっちゃう!子どもたちの力ってすごいなあ!いっしょにどこまでも行けるなんていいなあ、とうらやましくなってしまいます。
さつまいもの良さ&おいしさを心ゆくまで味わえる一冊。
「さつまいもの色が記憶に残っている」というママも多い、ロングセラーです。
◇読んであげるなら:4才から
◇自分で読むなら:小学低学年から

10、しんせつなともだち:しっとり落ち着いた絵柄で、人の優しさを伝えてくれる

しんせつなともだち(こどものとも絵本)
◇方 軼羣 (著), 村山 知義 (イラスト), 君島 久子 (翻訳)
◇出版社: 福音館書店 (1987/1/20) 食べる物のない雪のある日。1つのかぶが、うさぎからろばへ、ろばからやぎへと、友達を思いやる心をのせて家から家へと届けられていきます。家にもどったうさぎに、嬉しい驚きが...。

ぐるぐる絵本(お話がぐるっと回って元に戻る)は数多くあれど、「人にしてもらうのは嬉しい。そして、してあげるのはもっと嬉しい」ということがこんなに伝わってくる絵本はそうそうありません。
しかも、外は雪がこんこんとふりしきっている。その中を「友だちがこまっているだろう」とわざわざ出向いて届けるのですから、中途半端な優しさではないことが分かります。
こんな世界だったらいいなあ!と幼心にも感じられる内容となっています。落ち着いた&奥深い色彩の絵も魅力です。
◇読んであげるなら:3才から
◇自分で読むなら:小学低学年から

娘が気に入っているポイントは、その「淡々としたところ」ところのようです。
「おおかみの7ひきのこやぎ」や「3びきのくま」などを怖がる娘には、このくらいな話が
安心して聞いていられるようです。
また、絵が素敵で良いんです。
もうじき3歳ですが、この1年間にずいぶんたくさん読みました。
ちょっと怖がりなというか感受性豊かなお子さんにはおすすめです。

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友だち絵本に関するみんなの声

「小さな子たちが幸せでいられますように」 作者の願いがこめられた、友だち絵本

友だちとケンカしてもいい 嫌いになってもいい いろんな友だちがいていい

我が子が簡単に友だちを作れるタイプだったらいいのですが、なかなか親の思う通りにはいきませんね。
しかし、「あの子はいいな~」と傍目から見て思える元気な子でも、人間関係でつまづいたり悩んだりしているものです。しっかりしている子だって経験値はみんなといっしょ。

そう、「器用な子ども」なんていません! 
だからこそ、絵本から教わることもたくさん。

「友だち絵本」というカテゴリーはないのですが、作者が「友だちができない、どうやってつきあえばいいか分からない子の手助けになれば」と心をこめて作った絵本をまとめてご紹介しました。
作者自身が人間関係で悩んだり、そこから得たことを形にしているので、想いあふれる絵本となっています。

もちろん、数多く読みきかせる絵本の中の一冊として、親子で気軽に楽しめるものばかり。
子ども心のどこかで「そっか、こうすればいいんだね」と感じ取ることができたら、また一歩、新しい世界へふみだすきっかけとなることでしょう。