両親の想い、医師の涙…小さな命を繋ぐNICUとは?【ドラマ『コウノドリ』第9話徹底解説】

いよいよ第9話を迎えたドラマ「コウノドリ」。今回はNICUという特殊な場所にスポットをあて、そこに入院する赤ちゃんとその家族、そしてそれを支える新生児科医の姿が描かれていました。第10話で最終話を迎える予定のコウノドリ。今回も是非、一緒にドラマの内容をおさらいしてみましょう。

第9話「燃え尽きて…病院を去るとき」

今回は99%シリアス!

第9話は、ほとんどギャグがないシリアスな回でしたね!四宮と新井、2人の医者としての信念と葛藤…そしてそれぞれの道が描かれていました。

毎回流れるタイトルのタイミングも、随分早かったですね。そのおかげで、じっくりとストーリーに集中することができました。なんだかいつもより長く感じる1時間でした。

いつも気丈で美しい、新生児科医・新井が見せる意外な弱さに驚いた人も多いのではないでしょうか。原作でストーリーを知っている筆者も、山口紗弥加さんの演技に引き込まれてハラハラしてしまいました。

それでは今回も、ドラマのハイライトや名シーン・名台詞を一緒に振り返っていきましょう!



ドラマ名シーン・名台詞まとめ

可愛く飾り付けられた部屋とは裏腹に、悲しい瞬間が訪れて…

6歳のお誕生日のお祝いのために飾り付けられた病室で、つぼみちゃんはそっと息を引き取りました。先週のお話では肺炎の症状がおさまって持ち直していたので「もしかしたら最終話で、原作とは違う結末があるかも!つぼみちゃん、目を覚ますのかも!」と勝手な期待をしていた筆者でしたが…残念な結果になってしまいました。

つぼみちゃんのお父さんと四宮の対面シーンも、お互いに感情をあらわにした6年前と、頭を下げるだけで言葉を交わすこともなかった現在の対比が印象的でした。

きっと、6年前よりも現在の方が、お互いに言いたいことはたくさんあったのではないでしょうか。

「6年間も放っておいて、どういう気持で引き取っていくんですかね…」

下屋の言葉ももっともですが、きっとつぼみちゃんのお父さんにも、深い葛藤があったのではないでしょうか。現在NICUに入院中の森口さん夫婦にも、それは言えるかもしれません。

つぼみちゃんのお父さんはタイムリミットを迎えてしまいました。森口さんは、赤ちゃんに会う決心が出来ると良いな、と思います。

いつも通りに振る舞おうとする四宮が痛々しい

下屋に厳しく注意したり、医局でも(牛乳片手に)クールに無表情を貫く四宮ですが、周りのみんなはそんな四宮を心配しながら見守るしかできません…。

「ポキっと折れないと良いんだけど…」

という小松。いっそ感情的になってくれれば、と思うシーンでした。

順調そうな相沢さんにほっとする

不妊治療で体外受精を成功させ、現在9週の相沢さん。今回は赤ちゃんの心拍が確認できて、エコーにも二頭身の赤ちゃんが写っていました。ぴこぴこ動く心臓が可愛かったです!

今回相沢さんは「出生前診断」について鴻鳥に相談していました。羊水検査や血液検査で行われる出生前診断について、高齢出産の妊婦さんは一度は迷ったことがあるのではないでしょうか。

そんな相沢さんに「悩むことを後ろめたく思わなくていい」と鴻鳥は言います。

出生前診断の結果が悪い=中絶、と決めるのではなく、それを知ることで出来る準備もある、と言っていましたね。これには目から鱗の思いでした。

切迫早産妊婦の受け入れ要請、満床のNICUが下した選択とは

23週1日の切迫早産妊婦の受け入れ要請があったNICU。満床のため、受け入れることが出来ない状況でしたが、新井は「西山さんのゆうた君に出てもらおう」と言います。

転院の話を今橋から持ちかけられ、うなる西山さん…。自分だったら…と考えて、胸がいっぱいで頭がぐるぐるして、涙がこぼれてしまいました。

「今度はウチらが、その赤ちゃんの命、つなぐ番っすね!」

そう言って自分の命より大切な我が子の命を守る場所を、他の人のために開けてあげようとする西山さん。すごいです。「前の人も自分たちのために開けてくれた」その思いがあったとしても、実際そんな場面に立たされたら、私だったら譲ることができるかどうか…自信がありません。

ちなみにこのシーンで新井が言う「バックトランスファー」とは、逆搬送のこと。西山さんとゆうた君が救急車で別の病院に移動していくシーンがそれにあたります。

早産児の出産シーン、臍帯を切ったところを見ましたか?

今までこのドラマ「コウノドリ」では何度も臍帯(へその緒)を切るシーンがうつされました。今回ももちろん、そのシーンがあったのですが…。

切られたへその緒から出る血液の量がとても少なかったのに気が付きましたか?へその緒もとても細かったですね。

このシーンを見てはじめて「へその緒って、最初からあの太さじゃないんだ!?」と思い至りました。調べてみると最終的な太さも人それぞれなようです。へその緒の異常などによる胎児発育不全などもあるようで、人間の身体って本当に不思議だな…と改めて感じました。

「じゃあ!なんで助けたんですか…!」

「大丈夫じゃないんでしょ…?正直、厳しいんでしょ…?」

「じゃあ、なんのために…?」

これ、母親は中々言えない台詞だよなあ、と思って聞いていました。実際「ほぼ助からないなら最初から助けないで欲しい」という気持ちもこういった局面ではあるのではないでしょうか。

最初から死産だったなら、こんなに悲しい思いもつらい思いもしなかった。そんな風に思うこともあるかもしれません。

それでも母親は、1%でも助かる可能性があるなら、やっぱり助けて欲しいという気持ちのほうが強くなってしまう生き物な気がします。

けれど父親はそうじゃなくて、もちろん赤ちゃんは可愛いし助かって欲しい。だけど自分の愛する妻のことも傷つけたくない、守りたい。そういう気持ちが強いのではないでしょうか。守る範囲が違う、とでも言いましょうか…。

医療技術が発達して「助けられる命」は年々増えてきています。けれどその命の意味をどうとらえるかは、自分自身やそれを支える家族によって違ってくるように思います。難しい問題ですね。

お久しぶりだね!加瀬先生!

相変わらずアイスを食べている加瀬…久し振りの登場です。

「しねぇよ、後悔なんて!命を助けることだけ考える、それが医者だろ?」

「助かる可能性が1%でもあれば…俺は絶対に助けるね」

なんてかっこ良くて潔い台詞!惚れ惚れしてしまいます。患者に責められて落ち込んでいた新井も、この言葉に少し救われていました。

「小泉さんは、普通のお母さんです」

「それから、お子さんも、普通の赤ちゃんです」

鴻鳥の慈愛の表情から紡がれる、母親を癒やす言葉の数々…素晴らしいです。小松も隣で、優しい表情をしていましたね。

こんな風にケアしてくれるお医者さんがいる病院なら、何人でも産みにいきたいと思ってしまいます。

逃げるように仕事に行ってしまうご主人…

嬉しそうに赤ちゃんの名付けを話す小泉さんですが、ご主人は

「名前つけたら、もしものとき余計つらいんじゃないか」

といって逃げるように仕事に行ってしまいます。悲しそうな小泉さん。筆者も見ていて「冷たいなあ…」と思ってしまいました。

だけど本当は冷たいのではなく、受け入れるための時間が足りないだけなのかな、と考え直しました。母親は出産を終えて入院している間は、赤ちゃんのことだけに集中できます。けれど父親はこのドラマのように仕事もしなければいけないし、入院中の妻の身体の心配だってしているはずです。

赤ちゃんのことだけを考えていられるわけではないんですよね。

「男ってどうしようもないなあ」なんて良く聞きますが、男の人だって結構大変なんですよね。もう少し主人に優しくしよう!…できる限り。

シングルファーザーの永井さん、仕事との両立が難しい状態に…

やり手営業マンの永井さん、お客さんからの評価も高いようですが、どうしても育児との両立が難しくなってきているようでした。

「シングルマザー以上にシングルファーザーは大変」という話をよく耳にしますが、これは男性の方が仕事に妥協をしにくいからという面もあるのではないでしょうか。

女性でも、このドラマの永井さんのように営業職でプレゼンや外回りが多く、時間の都合をつけにくい業種の場合、両立はとても難しいように思います。

第10話では、新たな決断をする永井さん…。最終話まで、目が離せないですね!

今週の癒やしコーナー「船越先生のギャグ」

「肥満(非難)轟々…」のギャグにも癒やされましたが、

「産科の先生がぽっちゃりっていうときって、大概、結構な肥満なんですよね…」

と苦笑いするシーンにもくすっときました。

無意識に小児病棟へ向かう四宮

つぼみちゃんが亡くなったにも関わらず、無意識に小児病棟へ向かう四宮。はっと気づいた後の「馬鹿か…俺は…」みたいな表情が切なかったです。

つらい過去を思い出してしまうつぼみちゃん。けれど四宮にとってつぼみちゃんに会いに行くことは、悲しみや贖罪だけではなく、どこかに希望や喜びもあったように感じます。

だってあんなに優しい顔で、絵本を読んであげていたんですから…。

段々危うくなっていく新井にハラハラする

陽介君を助けたいという思いが強すぎて、段々と危うい雰囲気になっていく新井にハラハラした人も多いのではないでしょうか。

陽介君の容体が急変したときも、自分に言い聞かせるように「大丈夫…だいじょうぶ…」と繰り返していました。見ている方が不安になってくるような切迫した声でした。

「陽介…ママだよ、ごめんねぇ…」

もう手術ができないと悟り、陽介くんを保育器から出す今橋。このときはじめて、小泉さんは我が子をその手に抱いたのです。

「陽介、ごめんね、ありがとう、よくがんばったね」

たくさんの言葉をかける小泉さんの横で、表情のないご主人でしたが、陽介くんを覗き込みながらはじめて我が子の名前を呼びます。

「ようすけ…」

その次の瞬間のご主人の表情で、思い切りもらい泣きしてしまいました(無論この前の段階から泣いていたのですが、更に「ドバーッ!」っという感じで涙が…)。名前を呼ぶことではじめて、その子を失ってしまう実感を得たのでしょうか…。

そして、たくさんたくさん頑張った陽介君は、お父さんとお母さんのあったかい手の中で、2人に見つめられながら天国へ登って行きました。

「つぼみちゃんはずっと一人だった…6年間ずっと」

もうね、このシーンもずるいですよね。前の陽介君が亡くなるシーンの余韻も冷めぬうちに!ですよ。四宮が「つぼみちゃんは…」って語り始める声が既に震えているのがもう…!

「つぼみ、よくがんばったな…ってほめてやって欲しかった…」

「つぼみちゃん…治してあげたかった…!」

そういって泣く四宮を抱きしめてあげたかった…!

お父さんは会いに来てくれなかったけれど、こんなに思ってくれる人がいて、毎日会いに来てくれて…きっとつぼみちゃんは幸せだったんじゃないかな、と勝手に思っています。

新井の彼氏がいい人過ぎる

新井の彼氏、いつもいいところでオンコールに邪魔されるのに、まったく嫌な顔をしませんね。今回なんてあきらかにプロポーズ中だというのに、笑顔で「返事は、あとでいいから」と言って送り出してくれる器の大きさ!

この後のシーンで、挿管ができず「ごめんなさい…ごめんなさい…」と謝り続ける新井ですが、こんなに優しい人がそばにいてくれるなら、きっといつか立ち直って病院に戻ってくる日があるんじゃないかな、と期待してしまいます。

優しい彼氏(もしかしたらご主人になるかも?)に支えられて、心の傷を癒やして欲しいですね。

院長のジオラマが完成間近!

院長がちまちまと作っていたジオラマ、なんだかもうすぐ完成しそうでした。最終話ではその全貌を見ることができるのでしょうか?

そしてやっぱり、ちょっと未婚なことを気にしている様子の小松。「新井先生こそ仲間だと思ってたのに…」と新井に婚約者がいることに驚いていました。小松にも誰かいい人が見つかるといいのに!

漫画との違い

つぼみちゃんが亡くなるのは、口唇口蓋裂のお話のとき

原作でつぼみちゃんが亡くなるのは、口唇口蓋裂のお話のときです。土屋さんに「妊婦にはもっと優しくしてください!」と言われ「あはっ!」と笑うシーンで終了するお話なので、つぼみちゃんを失いはしたけれど、また前を向いて歩いて行く四宮を感じられる構成でした。

今回は新生児科医の新井と四宮、それぞれの道が描かれたため明るい最後ではありませんでしたが、それでも四宮は前を向いて進んでいましたね。

コウノドリ(6) (モーニング KC)

原作で登場した大原さんが、ドラマでは登場しない

原作で西山さんは、大原さんという胎児発育不全で赤ちゃんを出産した女性を励まし、共に赤ちゃんの成長を願う女性として登場しました。

ただし西山さん自身もNICUに入院中の赤ちゃんがいる設定や、次の赤ちゃんのために保育器をあけてあげる決断をするのは同じでした。

また、西山さんの赤ちゃんの性別も、原作では女の子で名前は「ユウナ」ちゃんでした。

コウノドリ(7) (モーニング KC)

「室温ってもっとあがらないかな?」は、原作では新井の台詞

ドラマでは鴻鳥が言っていましたね。

早産児の分娩で室温を上げるのは、ドラマでも説明されていましたが赤ちゃんの皮膚がとても薄いためです。外気にさらされるだけで体温が奪われてしまうため、サウナのような状態の中で分娩が行われるそうです。

ドラマの今橋先生はいつも優しい

新井に「休みなさい」というシーン、原作ではちょっと怖い表情をする今橋ですが、ドラマではいつも優しさがにじみ出る表情をしていました。

大森南朋さんの今橋は、いい意味で原作とは違う雰囲気を持っているような気がします。



命に触れる現場で働く医師たち

今回は妊婦や赤ちゃんよりも「働く人」にスポットがあてられた回でした。医療の現場で働く産科医や新生児科医はもちろん、シングルファーザーとして働く人にもフォーカスしていました。

どんなかたちであれ働くということは大変なことですが、命に触れる現場で働くことは想像以上に大変なことだと思います。技術的な面はもちろんですが、精神面での疲労度というのは他の職業に比べて非常に厳しいものがあるのではないでしょうか。

ドラマのある回で下屋が「産科医は唯一、命が産まれる現場に立ち会える」と言っていました。それくらい医者という職業は「命が失われる」現場に立ち会うことが多いのでしょう。

それでもなお、それぞれの信念を持ってその職業を全うしてくれている人たちのおかげで、私たちの生活は成り立っています。

次回はそんな強い信念を持ったペルソナ総合病院の面々が、死戦期帝王切開術に挑みます。予告ではスタッフが一同に介していました。森口さんや永井さんの決断も気になるところ…!

いよいよ最終回の次回、12月18日(金)まで待ちきれません!

見逃した人は「TBS FREE」か「TVer」でドラマを視聴できます

最初にお伝えしたとおり、放送後1週間以内は「TBS FREE」や「TVer」で何度でも放送を見直すことができます。
なお配信期間は放送終了後から1週間となっていますので、注意してくださいね。

※第9話は2015年12月18日(金)21時59分まで

TBS FREE

TVer

コウノドリ関連記事まとめはこちら

コウノドリ徹底解説記事まとめ。漫画・テレビドラマで話題沸騰中!|cuta [キュータ]
現在テレビドラマ化され人気の「コウノドリ」。雑誌『モーニング』で連載されている、人気産科医療漫画なのをご存知でしょうか?そんな『コウノドリ』のテレビドラマ放送に合わせて、ドラマのあらすじ、Twitterでの感想などを徹底解説しています!まだ観ていないという方も、チェックして予習してみましょう!

cuta.jp