乳腺の気になるしこりの原因は?授乳期と年代別に多い病気を解説!

母乳育児をしていると経験しがちなおっぱいのトラブル。その中でも代表的なのが乳腺にできるしこりです。「眠れないほど痛い」「もしかして乳がん?」などと心配になる方も多いのでは?ここでは乳腺のしこりについて授乳中によくある原因や予防法、授乳中以外で胸のしこりが起こる病気などをご紹介します。

授乳期の乳腺にしこりができる病気とは

ほとんどが乳腺炎で乳がんの可能性は低い

授乳中の乳腺のしこり、ほとんどの場合は乳腺炎が原因です。「しこり=乳がん」と考えることも多いですが、授乳中に突然できるしこりの場合乳がんの可能性はほとんどないと言われています。出産が多い年代の20代から30代は乳がんの発生率が低いことと、乳がん初期のしこりは無症状で痛みを感じることが少ないためです。授乳中の乳腺炎は乳汁うっ滞、非感染性炎症、急性細菌性感染症の3つに分類されます。

乳汁うっ滞
母乳が軽く詰まって乳腺が炎症を起こした状態。全身症状はなく自然と改善することも多い。
非感染性炎症
乳汁うっ滞がひどくなった状態。しこりや痛み、おっぱいの赤み、微熱などの症状が出る。
急性細菌性感染症
乳首の傷から細菌が入り腫れた状態で膿がたまっている場合もある。強い痛みを感じ高熱が出ることが多い。

また、妊娠中や授乳中、わきの下にしこりができて痛む場合は副乳が乳腺炎を起こしている可能性もあります。副乳とは退化せずに残った乳房で全女性の5%が持っていると言われています。生理前や妊娠、授乳時に張って大きくなって気づくことが多いようです。副乳から母乳が出る人もいますが乳首がないことも多く、出口がないので母乳がたまってしまい痛みを感じることもあります。

このように授乳中の乳腺のしこりには心配いらないものが多いですが、症状が続いて気になる場合は医師に相談したほうがよいでしょう。



乳腺炎でしこりができる原因5つ

授乳中に起こる乳腺のしこりは乳腺炎の場合が多いとお伝えしましたが、何が原因で乳腺の炎症が起きてしまうのでしょうか。乳腺炎になる可能性のある主な原因を5つご紹介します。

1.作られる母乳の量が赤ちゃんが吸う量より多い

乳腺炎になるのは母乳が多く作られ過ぎているのが一番の原因です。赤ちゃんが母乳をうまく吸えない時、吸い残された母乳はおっぱいの中に残ります。この古い母乳のせいで乳腺が詰まりしこりができ痛みや炎症を引き起こしてしまうのです。

赤ちゃんが上手に吸えない原因としては、赤ちゃんの吸う力が弱い、乳首が陥没していて吸いにくいなどの理由が考えられます。また、授乳間隔が開くのも乳腺がつまる原因です。卒乳後でもしばらくの間は母乳が作られるので軽い乳腺炎になるケースもあります。

2.乳首に傷がある

乳首にできた傷から細菌が入り乳腺で細菌性の炎症を引き起こす可能性もあります。授乳を続けていると乳首が切れて痛くなることも多いですが、傷の手当てを怠ると細菌が入って炎症を起こし乳腺に膿が溜まってしまいます。乳房の激しい痛みのほかに発熱やだるさなど全身症状が出ることも。細菌性の炎症なのに「母乳がつまっているのだろう」と自己判断してマッサージをし、さらに悪化する場合もあるので要注意です。

治療は抗生剤の投与をし、それでも治らなければ切開して膿を出したり感染した乳腺を取り去るための手術を行います。手術となれば入院ですし、通院もしなければならずママにとって大きな負担となります。

3.授乳の姿勢がいつも同じ

授乳の姿勢がいつも同じなのも乳腺炎にかかりやすくなります。搾乳すると母乳が何本の線に分かれて出ますよね。母乳の出口の穴は何か所かあるのですが、授乳時の赤ちゃんの抱き方によってはたくさん吸われる乳腺とあまり吸われず母乳が残る乳腺が出てきます。

母乳が残りやすい乳腺が決まってくるため詰まってしまい、同じような場所にしこりができやすくなるのです。

4.偏った食生活

授乳中の偏った食生活は母乳をドロドロにしてしまいます。赤ちゃんへおっぱいをあげている時期ってどうしてもお腹がすくんですよね。それに母乳育児をしていると太りにくいので、妊娠中に我慢していた脂っこい食事や甘いお菓子を食べたくなる方もいるのではないでしょうか。

母乳は血液から作られるので何を食べたかによって母乳の質も変わります。偏った食生活では母乳に含まれる栄養分も変わってしまうため乳腺に詰まりやすくなってしまうのです。そんな母乳では赤ちゃんにとってもあまり良くなさそうですよね。

5.水分の摂取量が足りない

授乳中にママの水分摂取量が足りない場合も乳腺炎を引き起こす可能性があります。生後7日目の赤ちゃんが一回の授乳で飲む量は80mlほど。

成長するにつれて一度に飲む量も増えていくのでかなりの水分が母乳として出ていくことは一目瞭然。夏場に汗をかいて血液がドロドロになるように、母乳に含まれる水分も足りなくなるため乳腺炎になりやすくなってしまうのです。

授乳中に乳腺のしこりができたときの対処法2つ

授乳中はいつでも乳腺炎になる可能性がありますが、特につらい症状が出るのは新生児期や卒乳・断乳時です。新生児期は初産の場合、ママも授乳に慣れていませんし生まれたばかりの赤ちゃんもおっぱいを吸うのが上手ではありません。

母乳が作られるのにうまく出ていかないので乳腺炎となりしこりができる原因となってしまいます。また、卒乳・断乳時もおっぱいが吸われなくなるので胸の張りやしこりに悩まされることに。ここでは妊娠中に乳腺のしこりができたときやしこりが痛むときの対処法を2つご紹介します。

1.軽症ならお風呂でマッサージする

軽い乳腺炎なら乳腺にできたしこりの部分を温めながらマッサージするのもしこり解消に効果的です。この2つを同時に行えるのが入浴時。お風呂に入って温まったときに軽くマッサージしたあとに授乳や搾乳をしてみて。詰まっていた母乳が出てしこりが解消されやすくなりますよ。

2.痛みが強いならしこりの部分を冷やす

痛みが強く熱を持っている場合は冷やすと楽になります。乳腺炎が軽い場合はマッサージして母乳を出せばつまりが取れることもありますが、痛いとマッサージするのも苦しいですよね。小さめの保冷剤を布にくるんでわきに挟むと炎症がおさまり少し楽になります。しこりの熱が取れたところでマッサージと搾乳をすれば母乳のつまりも解消されるでしょう。



授乳中の乳腺のしこりの予防法3つ

乳腺にしこりができる原因は乳腺が細い場合もありますが、食生活の改善や母乳の吸わせ方を気をつけるだけでも乳腺のしこりを予防することができます。しこりができる乳腺炎を予防する具体的な方法についてご紹介します。

1.食事内容に気をつける

乳腺炎は普段の食生活の偏りが主な原因と言われています。妊娠中に我慢していた分甘いものをたくさん食べたり、母乳育児中は太らないからと高カロリーのものばかり食べていませんか?偏った食生活では母乳がドロドロになりつまりやすい原因となってしまいます。乳腺のしこりを予防する食べ方のポイントは以下の通りです。

・和食をベースに野菜を多めに食べるよう心がける
・甘いものや脂っぽいものは控える
・水分を多めに取るよう心がける。白湯やハーブティーなど温かい飲み物も効果的

しこりができている場合、食生活には特に気をつけましょう。

2.色々なポーズで授乳する

いつも同じ抱き方で授乳してはいませんか?乳腺は360度張り巡らされているため、同じポーズでばかり授乳していると母乳が排出されない乳腺も出てきます。その結果、乳腺に母乳がたまりしこりとなる場合も!横抱き、縦抱き、添い乳など様々な姿勢で授乳して乳腺炎を予防しましょう。

3.搾乳のやりすぎはNG

母乳がたまるのも乳腺炎になりやすいですがしぼり過ぎるのもかえって逆効果です。もともと母乳分泌が多い人が搾乳をやりすぎると、さらに母乳が作られしこりや張りの原因となってしまうのです。生後3か月ごろには赤ちゃんとママのリズムが合ってきて、母乳が余ってしまう状況は改善されてきます。それまでは赤ちゃんへの授乳を基本とし、搾乳は乳腺にしこりがあるときや張って痛いときに行う程度にしましょう。

また、断乳や卒乳するときには一日一回の搾乳にとどめ、間隔をだんだん伸ばしていけば自然と母乳が止まるでしょう。断乳するときには軽くしぼって出したほうが、次回の出産時に初乳が出やすくなるとも言われています。

他に乳腺にしこりができる病気とは?

乳腺にしこりができる病気は乳腺炎のほかにも色々あり、年齢によって疑われる病気も変わってきます。ここでは代表的な3つの病気について好発年齢も交えてご紹介します。

乳腺繊維腺腫

10代から20代といった若い世代に多い病気で触ると弾力のあるしこりを感じます。良性の腫瘍で経過観察となることも多く、大きくなった腫瘍は手術で取り除きます。

乳腺症

30代から50代に多く、乳腺のしこりの他にも痛みや張りなど様々な症状が特徴の病気です。症状は生理周期によっても変化することがあり、年齢によるホルモンバランスの変化が原因と考えられています。乳がんが増えてくる年齢と重なるのでしっかり検査して乳がんとの判別を行うことが大事です。乳腺症の場合はほどんどが経過観察で症状がひどければホルモン剤の投与を行う場合もあります。

乳がん

言わずとしれた悪性腫瘍でしこりや皮膚のひきつれ、乳頭から分泌物が出るのが主な症状です。かかりやすい年齢は40代から60代、自覚症状が無くても自治体での検診で発見される場合もあります。乳がんは内臓にできるがんと違いセルフチェックで発見しやすいのも特徴。生理後一週間目など胸の張りがない時期に鏡の前でチェックしてみるとよいでしょう。 乳がんが女性にとって一番身近な癌であることを知っていますか?日本の癌の罹患者数は年々増加していますが、検診の受診率はまだまだ低いのが現状です。乳がんの早期発見のためには検診や自分の身体の変化に敏感になることがとても大切です。乳がんがどんな病気なのか症状や検診の方法についてまとめてみました。

食事や睡眠を整えて乳腺のしこりを予防しよう

筆者も授乳中の乳腺炎に悩まされた経験があります。出産後の早い時期、乳腺にしこりができ眠れないほどの痛みと発熱に悩まされました。看護師さんにマッサージを受けたのですがこれも本当に痛くて辛かったです。そのうち赤ちゃんがたくさん飲んでくれるようになったのでしこりに悩まされることはなくなりましたが卒乳時にも軽い乳腺炎になりかけました。周りのママに聞いても新生児期と卒乳時に症状を感じる人が多いようでした。

授乳中の乳腺炎や怖い乳がんを予防するためには食生活や睡眠を整えて免疫力を高めるのが大事です。家事や子育て、仕事と忙しい毎日ですが体調管理を心がけ元気な毎日を過ごしましょう!