ロタウイルスの予防接種について知りたい!打てる期間が決まってるの?

ロタウイルスの予防接種は現在、任意接種になっているので「接種した方がいいの?」と悩まれるママも多いのでは?ではロタウイルスとは一体どのような病気なのでしょうか。かかった際の症状やその予防方法、予防接種の必要性について迫ってみたいと思います。

ロタウイルス感染症が心配

皆さん一度は「ロタウイルス」の名前を聞いたことがあるのでは?周りでかかった方が居たり、母子手帳の予防接種欄に書いてあることからも、よく耳にされる病気なのではないでしょうか。

そんなロタウイルスの予防接種は現在「任意接種」に分類されているため、接種するかどうか悩まれるママも多いと思います。

では、ロタウイルスとは一体どのような病気なのでしょうか。かかった場合の症状や、予防接種の必要性について今一度確認してみましょう。



ロタウイルス感染症ってどんな病気?

誰もが5歳までには経験する病気

ロタウイルスは、一言で言うと「乳幼児に多く起こるウイルス性の胃腸炎」です。

免疫力の少ない乳幼児の6ヶ月~2歳位までがもっともかかりやすく、誰もが5歳までには必ずと言っていいほど経験する病気です。
胃腸炎の原因になるウイルスは他にも沢山の種類がありますが、もっとも重症になりやすいのがロタウイルスによる胃腸炎だと言われています。
また、感染力が非常に高いため、かかる頻度も高く、乳幼児における冬の時期の急性な嘔吐や下痢は、8割がロタウイルスの仕業だと言われています。

秋冬に流行し、白っぽい下痢や嘔吐が特徴

ロタウイルスは、水のような多量の下痢便が特徴で、便の色が白っぽくなることから、白色便性下痢とも言われます。また秋から冬にかけて多く発生するため、冬季下痢症とも呼ばれ、他にも、激しい嘔吐を伴うことがあるため、嘔吐下痢症、小児仮性コレラ、白痢など、呼ばれ方は様々です。

ロタウイルスに感染すると、2~4日の潜伏期間の後、水のような下痢や嘔吐が繰り返し起こります。発熱を伴う場合もあり、回復には約1週間ほどかかります。
下痢や嘔吐を繰り返すため重い脱水症状になる場合も多く、入院による治療が必要になるケースも少なくありません。
合併症として、けいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などが起こることがあり、最悪の場合死に至るとても恐ろしいウイルスです。

ロタウイルス感染症の特徴は?

ロタウイルス感染症の特徴は、突然激しい下痢や嘔吐が症状として現れる事です。また、便は米のとぎ汁のように白く、酸っぱいにおいがする水様性のものが何度も出ることも。
発熱を伴う場合もあり、また、ぐったりしたり、けいれんを起こすこともあります。

重症になりやすいの?

ロタウイルスの嘔吐や下痢症状は、同じような症状であるノロウイルスより強いとされ、特に乳幼児は重症化しやすいため注意が必要です。
根本的な治療法がないため、ウイルスが体外に排出されるまで胃腸炎の症状が続く事になり、体の小さな赤ちゃんはすぐに脱水症状になってしまいます。

脱水になり点滴をしても、重症で死亡する場合があります。日本では毎年80万人が外来を受診し、8万人が入院、その中でも約10人が死亡しているそうです。
脱水症だけでなく、繰り返すけいれんや脳炎、重い腎障害など重い合併症も起こします。

医療法人あきもとこどもクリニック | ロタウィルス胃腸炎のこと
※こちらを参考とさせていただきました。



何が原因でなるの?

ロタウイルスの感染経路は、ヒトからヒトへの経口感染です。
ロタウイルスに汚染された飲料や食物を摂取して感染した人が、下痢や嘔吐の症状に見舞われた際、その吐しゃ物や便に触れた人へ二次感染を起こします。

また、吐しゃ物の付いた服や床は、普通に洗濯、清掃をしただけではロタウイルスを除去する事ができないため、乾くと宙に舞って二次感染を起こします。

予防はできないの?

そんな重症化すると命の危険にさらされてしまうロタウイルス、小さな赤ちゃんがかかってしまっては心配ですよね。
それを予防するためには、ロタウイルスの感染元と言われている牡蠣などの二枚貝の生食を出来るだけ控える事や、外出先から帰ってきたら必ず手洗い・うがいをすることが有効です。

しかし、ロタウイルスは手洗いや消毒だけでは防ぎきれません。どのような衛生状態にあるかに関係なく、世界中のこどもに胃腸炎を起こすウイルスがロタウイルスなのです。

ロタウィルスは環境に強く、乾いた場所でも数日間生きることが出来ます。また石けんや消毒用アルコールにも強いため、塩素系漂白剤や哺乳瓶用の消毒液などでしっかり消毒しなければ死滅しません。
さらに、胃腸炎の症状がおさまった後も約1週間は、何兆個ものウィルスが便中に排出されているといわれていますので、保育所などでひとたびロタウイルスが発生すると、すぐに蔓延してしまう可能性が非常に高いのです。

ワクチンによる予防が効果的

非常に感染力が強く環境にも強いロタウイルスですが、根本的な治療法がないために、ワクチンによる予防が重要です。

母子手帳では、ロタウイルスは「任意接種」に分類されているので、受けなくても良いの?と思われる方も多いかと思いますが、予防接種を受けると、ロタウイルスにかかっても、重症化することを約90%防ぐことが出来ると言われています。
WHO(世界保健機関)では、ロタウイルスワクチンを子どもが接種する最重要ワクチンのひとつに位置付けていることからも、任意接種ですが受けておいた方が良いワクチンの一つだということが分かりますね。

ロタウイルスには多くの種類(型)があり、5歳頃までに少なくとも1回以上はかかりますが、その後も何回かかかることで免疫を獲得していくため、2回以上かかると重症化する可能性は低くなります。
つまり、弱毒化したロタウイルスを接種することで、免疫を獲得し、その後感染しても胃腸炎の症状を軽く抑えることが可能になるのです。

ワクチンの種類は2種類ある

ロタウィルスのワクチンには「ロタリックス」と「ロタテック」の2種類があります。これらのワクチンは、他の予防接種と違い「生ワクチンを経口接種(口に含んで接種)する」ことが特徴です。
また、ロタリックスとロタテックは、種類により接種スケジュールが異なりますので、注意が必要です。初回に受けたワクチンを必要回数接種しなければならず、途中でワクチンを変更することはできません。

いずれのワクチンも生後6週から接種でき、4週間隔で2回または3回接種します。接種できる期間が短いので、初回接種をできれば生後2か月の誕生日、遅くとも生後3か月半過ぎ(生後14週6日)までに受けるようにかかりつけ医と相談しましょう。

ロタリックス(2回接種)

ロタリックスは、2011年11月に日本で発売したワクチンです。
一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化した経口生ワクチンで、甘いシロップ状に仕上げてあります。
ワクチンは、チューブ式の小さな容器に1回分が入っており、それを赤ちゃんに飲ませて接種します。
入っているのは1種類のウイルスのみですが、交差免疫(タイプの似ているほかのウイルスにも防御反応を示すこと)によってほかの種類のロタウイルスにも有効であることが分かっています。

4週間隔で2回接種します。遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を受け、生後24週(168日)までに接種を完了します。※生後24週以降は接種することができません。

ロタテック(3回接種)

ロタテックは、2012年7月に日本で発売されたワクチンです。
流行して重症化しやすいウイルスを含む、5種類のロタウイルスを弱毒化した経口生ワクチンで、甘いシロップ状に仕上げてあります。
ワクチンは、チューブ式の小さな容器に1回分が入っており、それを赤ちゃんに飲ませて接種します。

4週間隔で3回接種します。遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目を受け、生後32週(224日)までに接種を完了します。生後32週以降は接種することができません。

同時接種はできる?

早く免疫をつけ、危険な病気から赤ちゃんを確実に守るためには、同時接種は欠かすことの出来ないものです。同時接種が安全であることは、世界の何億以上の子どもたちが受けてきていることからも、世界の常識であり、日本でも確認されています。

ロタウイルスワクチンは飲むタイプの生ワクチンのため、接種後に4週間以上間隔をあけなければ次のワクチンを接種できません。0歳児期は他にも接種すべきワクチンが集中していますので、他のワクチンの最適な接種時期を邪魔しないよう、同時接種で受けることが重要です。
生後2ヶ月になったらすぐにヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンなどと同時接種で受けることをおすすめします。

予防接種はいつからいつまでに打てばいい?

では、予防接種はいつからいつまでに打つのがベストなのでしょうか?

他の予防接種と違い、ロタウイルスの予防接種は接種可能な期間が厳密に定められており、それを超えてしまうと接種が出来なくなってしまうので注意が必要です。

また、ロタリックスとロタテックでは接種する回数と期間が違いますので、改めて確認してみましょう。

ロタリックスの場合

生後6週~24週の間に、接種間隔を4週間以上あけて2回接種をしてください。
なるべく1回目の接種は生後6~12週にしたほうが安全とされています。 遅くとも生後24週までには接種を完了させてください。

・1回目は生後6週以降、20週までに
・2回目は生後10週以降、24週までに

ロタテックの場合

生後6週~32週の間に、接種間隔を4週間以上あけて3回経口接種してください。
なるべく1回目の接種は生後6~12週にしたほうが安全とされています。 遅くとも生後32週までには接種を完了させてください。

・1回目は生後6週以降、24週までに
・2回目は生後10週以降、28週までに
・3回目は生後14週以降、32週までに

どうして打てる期間が決まっているの?

ロタウイルスの予防接種は、打てる期間が決められていますが、一体何故なのでしょうか。
それは腸重積症という副反応の発生を最小限にするためです。

腸重積症とは

腸重積症とは、その名の通り腸が腸の中にもぐり込んでしまう病気です。生後6ヶ月~2歳ぐらいの乳幼児に見られる場合が多く、放っておくと腸組織の壊死を起こしますので、この病気は大急ぎで治療を始めなければなりません。

病気の発見が早ければ、もぐり込んだ部分を押し出すことができますが、発症から24時間以上経過してしまうと、開腹手術をすることになります。手術では、もぐり込んでいる腸を引き出すだけですむ場合と、壊死を起こしている部分を切除してつなぎ合わせる場合があります。

予防接種後の注意点

ロタリックス、ロタテックの副反応について

ワクチンを接種した後、ウイルスに対して身体が何らかの反応を示すことがありますが、通常は数日程度で治ります。
主な副反応として、ぐずり、下痢、咳・鼻水などが多く、その他に発熱、食欲不振、嘔吐などが報告されているようです。

接種後、高熱やけいれんなどの異常な症状が出たときは、速やかにかかりつけ医の診察を受けるようにしてください。

腸重積の症状に注意

前の章でも書きましたが、最も注意すべき副反応は「腸重積症」です。どちらのワクチンでも、ごくまれに服用後に腸重積症を発症する場合がありますので、服用後約2週間はその初期症状に注意してください。

接種後に下記のような症状がみられた場合は、腸重積症の可能性が高いですので、速やかにかかりつけ医の診察を受けるようにしてくださいね。

・ぐったりする
・ぐずりが多く、不機嫌、泣きを周期的に繰り返す
・顔色が悪い
・何度も嘔吐する
・お腹が張る
・イチゴジャムの様な粘血便が出る

おむつ替えの後は手を洗いましょう

ロタウイルスの予防接種は「生ワクチン」を投与しますので、投与後1週間程度は生きたロタウイルスが便中に出てくる可能性があります。
この排泄されたロタウイルスに触れても、胃腸炎に感染する可能性は低いことが確認されていますが、念のため、おむつ交換後に手洗いをするなど注意をしてください。

しっかりと予防接種スケジュールを立てましょう

生後2ヶ月を過ぎると、様々な予防接種を受けることが可能になりますが、生ワクチンの場合4週間以上間隔を空けなければならなかったりと、接種スケジュールがなかなかタイトになってしまいます。
そんな中、赤ちゃんが病気をしたりすると、治るまで接種が延期になったり、あらかじめ立てていたスケジュールも狂ってしまうことが多いです。

ロタウイルスの予防接種は任意接種ですが、子どものウイルス性胃腸炎のなかでもとりわけ重症になりやすく、脳症の発生も多いので、ぜひ受けるようにしましょう。
先ほども述べましたが、ロタウイルスの予防接種は打てる期間が決まっており、その期間も短いので、受けると決めたら早めにかかりつけ医に相談しながら、スケジュールを立てていくことをオススメします。

大事な赤ちゃんの命にかかわることですので、接種漏れになってしまったということがないよう、ママが中心となってしっかり管理し、確実に進めていってくださいね。