日本脳炎の予防接種のスケジュールとは?同時接種できるワクチンはあるの?

一般には3歳から接種可能な日本脳炎の予防接種。実はこれまでに様々な物議を醸したワクチンでもあります。2009年に登場した新型ワクチン、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?一期予防接種、二期予防接種のスケジュールもあわせて、日本脳炎の予防接種についてご紹介します。今一度確認も兼ねてチェックしてみませんか?

日本脳炎とは?

あまり耳にしない病名日本脳炎

皆さんは、日本脳炎という病気をご存知でしょうか?お子様のいらっしゃる方は、予防接種のスケジュールを管理するときに初めて耳にするという方も多いかもしれません。

今から50年以上前、1970年以前には数千人の死亡者を出した恐ろしい脳炎です。今では予防接種の定期接種により日本国内の患者数も減少し、多い年でも10名前後です。

3歳になると定期接種の必要が出てきます。愛するわが子のためにも、予防接種を打つ前に、日本脳炎のこと、日本脳炎ワクチンのことを知っておくことが大切です。

日本脳炎の感染経路

日本脳炎は、国内では水田などに生息すると言われるコガタアカイエカが媒介することで感染が広がります。主に豚を増幅動物とし、豚の血液中に発生したウィルスを蚊が吸うことで、人への感染源となります。

人から人への感染はありません。すなわち、日本脳炎に感染している人の血をコガタアカイエカが吸い、そのコガタアカイエカが他の人の血を吸っても、日本脳炎が感染することはないということです。あくまで、増幅動物を通してのみ感染が認められるのですね。

従って、養豚場や水田の多い地域は、比較的注意が必要になりそうですね。

日本脳炎の潜伏期間

日本脳炎を引き起こすウィルスを、日本脳炎ウィルスと呼びますがアルボウィルスと分類されることもあります。

日本脳炎ウイルスを保有した豚の血をコガタアカイエカが吸い、そのコガタアカイエカが人で吸血を行ったときに感染します。

潜伏期間は、6~16日の間で、突然高熱を出すことで感染を認識することになります。その後2~3日で頭痛、嘔吐、痙攣などの身体的な症状を発症し、更には意識障害へと進行していきます。

日本脳炎感染からの発症率

実は、日本脳炎は感染したとしても発症するのは100人~1000に1人と言われています。
感染しても多くの人は、日本脳炎に対する抗体を体内で作ることが出来るので発症せず自然治癒するそうです。

しかし、日本脳炎を発症し脳への炎症が認められた場合、20~40%の患者が死に至ると言われています。死亡に至らなかった場合でも約50%の方に、歩行障害や知能障害など重篤な後遺症が見られるそうです。

現在は日本脳炎の予防接種が広まりつつあること、蚊の減少、生活区における豚の減少によって、日本脳炎患者は減少傾向にありますが、死亡に至るリスクや重篤な後遺症を考えると予防接種をすることが重要となります。

日本脳炎 |厚生労働省
日本脳炎について紹介しています。 こちらを参考にしました

日本脳炎の恐ろしい症状

日本脳炎ウィルスに感染し、日本脳炎を発症した場合はどのような症状が起こるのでしょうか。

一般に日本脳炎を発症すると、数日間38度~40度の高熱を出すことが多いそうです。また、頭痛、悪寒、食欲不振、嘔吐、下痢など風邪と間違うような症状を発症します。子供の場合は、下痢と腹痛が大きな特徴になることも多いそうです。

更に、脳炎を引き起こしている最中は、何を見ても眩しく感じるようになる、意識がなくなる、筋肉が硬くなる、瞳が震える、手足の麻痺、痙攣などの症状が見られることも。成人の痙攣は少ないようですが、子供の場合痙攣が特徴的な症状となります。

高確率で残る日本脳炎による後遺症

日本脳炎を発症したものの命に別条はないという症例は多いようです。しかし、子供や高齢者は特に重度の障害が残る確率が高いと言われています。

障害は歩行障害や知能障害の他、パーキンソン病のような症状、痙攣、精神の発達遅滞、身体の麻痺などがあるようです。発症後の死亡率は20~40%。しかし、生存者のうち約半数にこれらの後遺症が見られます。
患者数が減った現在も、この病気の恐ろしさは侮れません。

日本脳炎に有効的な治療法はありません

日本脳炎は発症すると、今のところ有効な治療法は無いとされ、対症療法と呼ばれる症状を緩和する治療法が施行されます。高熱を緩和する、痙攣を管理するなどの対症療法が主な治療になります。

日本脳炎を発症した患者の約20%~40%は死に至るというデータもあります。更に、生存者の約半数以上は脳に何らかの障害が残っています。
発症した時点で脳へのウィルス感染が及んでいることが多く、脳細胞をウィルスが破壊していくため、脳に何らかの後遺症が残る事例がとても多いということです。

後遺症は、パーキンソン病という足が思うように動かなくなる病気と良く似た症状が出ることが多いそうです。その他、慢性的な痙攣や麻痺など身体的な障害、精神発達の遅れや精神障害などの精神的な障害が後遺症として報告されています。

発症すれば治療法のない恐ろしい病気、それが日本脳炎です。生涯蚊に刺されないようにすることはとても難しいので、予防は日本脳炎ワクチンによる予防接種で行うほかありませんね。

最近の国内における発生状況

日本では1966年に2000人を超える日本脳炎患者を出しましたが、それ以降は減少傾向にあるようです。

1992年以降、日本脳炎の発生数は毎年10名以下で、そのほとんどが高齢者ということです。ここ数年の日本脳炎発生数は、2004年に5名、翌年に7名、次いで7名、10名、3名、3名、2010年に4名、翌年に9名、次いで2名、7名、2名です。

これらの発生状況を目にすると、日本脳炎の発症率はとても低いと言えます。しかし、2005年から2009年まで従来型ワクチンの使用が差し控えられていたため、予防接種を受けていない世代がいることになります。この世代の方々が予防接種の機会を逃したことにより、発症率が上がるのでは?と危惧されています。

発生は西日本に集中しているという特徴もあるそうです。これは、養豚場の数や蚊の発生が多い地域であることも関係しているそうです。

地域別に見た国内の日本脳炎患者数

国内の日本脳炎患者数は、2000年~2009年4月で、九州地方19名、中国地方17名、中部地方7名、四国地方4名、近畿地方・関東地方それぞれ3名です。
このことから分かるように、日本国内においては西日本を中心に患者が多いようです。これは、日本脳炎を媒介するコガタアカイエカの生息数や気温などの違いによるものだと考えられます。

北海道における日本脳炎予防

予防接種法3条第2項で定められる予防接種を行う必要がないと認められる区域として指定されているのが北海道です。コガタアカイエカの生息や気温によるものが理由です。

日本全国で日本脳炎の定期予防接種が受けられると思っていたのですが、違うようです。同じ日本にいながら、定期予防接種の内容が違うということについては、少し疑問を感じてしまいますね。

北海道に住む方は、日本脳炎予防接種は任意接種となるようです。公費予防接種が受けられるかどうかなどの詳しいことは、地域の自治体に確認してみてくださいね。



日本脳炎の予防接種はいつ受けるの?

予防接種のスケジュールを立てましょう

現在、日本脳炎予防の1期接種は、3歳~4歳の期間内に2回。2回目の接種後1年をあけて追加接種を1回行うというように決められています。
そして2期接種は、9歳~10歳の期間内です。

初めの2回を初回接種と呼び、追加接種と合わせた3回接種で基礎免疫がついたと判断されるようです。1回だけではほとんど免疫がついていないことが多いので、理想的な接種間隔を空けて接種することが重要です。

何故3歳以降に受けるのかと言うと、3歳未満は接種可能なワクチン量が3歳以降の約半数になってしまうためです。量が少ないということは抗体をつける力が弱まるので、通常量を摂取するために3歳以降の接種が推奨されます。

このように決められた年齢や回数があるため、ママやパパは母子健康手帳などを参考にしながら予防接種スケジュールを組む必要がありますね。

予防接種の積極的勧奨の差し控え期間

日本脳炎の予防接種は、過去に様々な物議を醸しましたね。

実は今から10年前の2005年に、当時使用されていた従来型日本脳炎ワクチンによって急性散在性脳脊髄炎を引き起こす可能性がないことを否定できず、予防接種の積極的な勧奨は差し控えられていました。その期間は2005年~2009年の約4年間。

その間に予防接種を控えた方が多いため、現在はその方々の救済措置がとられているようです。救済措置とは、公費予防接種を受けられるようにした国の措置です。

日本脳炎予防接種を逃しているかもしれない世代

予防接種の積極的勧奨の差し控えが行われていた4年間に予防接種対象年齢だったお子様たちが、日本脳炎の予防接種を逃していることが考えられます。
予防接種を逃している可能性のある年齢は以下の通りです。この年齢以外にも予防接種を逃している可能性はありますので、今一度お子様の予防接種の有無をご確認ください。

◆2015年現在、小学校3年生~4年生のお子様◆1期接種の回数が不足している可能性あり。
◆2015年現在、小学校5年生~中学校2年生のお子様◆1期接種を受けていない、回数不足の可能性あり。救済措置にて案内あり。
◆2015年現在、中学校3年生~19歳のお子様◆2期接種を受けていない可能性あり。

そして2009年6月から新ワクチンが開始され、1期のお子様を対象とした新型の日本脳炎ワクチン接種を、積極的に推奨するようになりました。2010年には、2期接種に対し新型ワクチンの使用が認められました。

初回接種(2回)の間隔は6日~28日です

1期接種の場合、まずは3歳~4歳に2回の接種を行わなくてはなりません。1回目の接種から2回目の接種までは6日~28日の期間を空けて行います。

これはあくまで理想的な間隔です。この間に必ず受けなくてはいけないという決まりはありません。しかし、免疫は間を空けすぎると不利になることもあるため、出来るだけこの間隔内に2回目の接種を行ってくださいね。

また子供は様々な病気を貰いやすく、発熱もしやすいですよね。発熱などの症状があるときに予防接種を受けようとすると、病院側から断られることもあります。
よって、3歳~4歳までに2回の接種をするためには、3歳になってすぐの予防接種が安心ですよね。

また、前項でもお話したように蚊を媒介する病気なので、夏になる前に接種しておくと予防として効果的かもしれません。もちろん、夏前に限らず1年中予防接種をすることは出来ますよ。

追加接種の間隔は約1年間です

3歳~4歳までに2回の予防接種を終え、追加接種はその後概ね1年の間隔を空けなくてはなりません。
例えば、3歳1ヶ月に初回を打ち、3歳2ヶ月に2回目の接種を行った場合、4歳2ヶ月には追加接種を受けることが出来るということですね。

こちらも約1年間というだけで、病院によっては9ヶ月経てば打てるところ、1年半経っても打てるところ、様々です。しかし、効果的な免疫アップを狙う場合は1年前後の接種がおすすめですよ。

日本脳炎の一般的な予防接種間隔はこの通りです。しっかり年齢や間隔をメモして予防接種スケジュールを組んでみてくださいね。

他の予防接種と同時に受けられるの?

同時接種可能なワクチンもあります

以前に、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種でお子様がお亡くなりになった事故が起き、予防接種の同時接種が問題視された時期がありますよね。このニュースをきっかけに、多くのママやパパが同時接種への抵抗を感じたのではないでしょうか?

しかし実は後の調査で、同時接種と死亡との因果関係は証明されませんでした。しかし、同時接種=危険というイメージばかりが瞬く間に広がり、同時接種を控え単独接種を希望する保護者の方が増えたようです。

同時接種は早めの予防を可能にし、お子様やママが無理のない予防接種スケジュールを組むことが出来る、効率的な方法のひとつです。日本脳炎に限らず、多くのワクチンが同時接種可能と言われています。

但しもちろん、単独接種を行うことでお子様が何のワクチンによってアレルギー症状・副作用を強く発症したか分かるようになるため、ご心配な方は今まで通り単独接種をされても良いでしょう。

予防接種は、重篤な病や後遺症を発症しないために行うものですよね。ワクチンによっては、予防の効果があらわれるまで日数の掛かるものもあります。接種可能な年齢・月齢に達したら、出来る限り早めの予防接種を行うようにしたいものです。



日本脳炎ワクチンに副作用はあるのか?

日本脳炎ワクチンにも副作用はあります

皆さんご存知のように、多くの薬やワクチンには効果の高さに比例するように副作用がありますよね。日本脳炎ワクチンにも副作用はあります。

従来型のワクチンが使用されていた2004年、女子中学生が従来型ワクチンを接種後に重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を発症しました。この因果関係については未だにはっきりしていませんが、因果関係が無いという証明も出来ませんでした。

これを重く見た厚生労働省が日本脳炎予防接種の積極的勧奨の差し控えを呼びかけたのが2005年です。その後新たな日本脳炎ワクチンが開発されました。

2006年に誕生した新型ワクチンは数々の臨床試験を経て、2009年6月に市場へのワクチン供給を開始。そして2010年には従来型ワクチンの完全中止が決まり、新型ワクチンの積極的勧奨は再開されたのです。

従来型ワクチンに比べ、新型ワクチンは副作用が少ないと言われています。しかし先述した通り、副作用は存在します。お子様を持つすべての父母が心配する、副作用の内容とはどのようなものでしょうか。

発熱・頭痛・倦怠感

1期初回(2回)の日本脳炎ワクチン接種で約3%の方が、発熱の副作用を発症するようです。更に、追加接種では約8%の方が発熱の症状を訴えているそうです。

その他、比較的多い副作用で、頭痛、倦怠感など風邪のような症状が報告されているようです。お子様の場合は不機嫌になったりなかなか寝付けなかったりするためママは大変ですが、微熱や少々の不機嫌は様子を見てみましょう。

熱が急に上がることで起こり得る熱性けいれんに繋がることもあります。接種後はいつも以上に体調の変化を観察することが大切ですよ。

症状が激しく心配な場合は、迷わず掛かりつけの医師に報告してくださいね。

咳・鼻水が出る

発熱と並んで多い副作用は、咳・鼻水です。一見、風邪と間違えやすい症状ではありますが、予防接種後にこれらの症状があった場合は副作用であることも考えられます。

多くはしばらくすると自然に症状が治癒されることが多いようです。心配な場合は、掛かりつけ医の判断を煽っても良いでしょう。

注射部位が腫れる・赤くなる

副作用として注射部位が腫れたり、赤くなることは10人に1人の割合で起こります。日本脳炎ワクチンの副作用の中では比較的多いようです。特に、2回目、3回目の接種に多いそうですよ。これは、以前に接種したときに免疫がつき、その免疫が反応したのではないかと考えられています。

よって、患部を弄ったり掻いたりせずにしばらく様子を見てみましょう。炎症を起こし膿などが出た場合は受診が必要になりますが、多くは翌日にすっかり引いていることが多いようなのでご安心ください。症状が心配な場合は、自己判断で薬などを塗らず医療機関に足を運んでくださいね。

重大な副作用:ショック・アナフィラキシー様症状を発症

重大な副作用として注意したいのが、アナフィラキシーのような症状を含むショック症状です。ショック症状と言っても症状は様々で、原因も予防接種によるものであると判断することは難しいことも多いようです。

症状としては、急激な血圧低下に伴った失神、意識低下・消失、チアノーゼ、呼吸困難、嘔吐、動悸、息切れなどの症状があります。
その他、皮膚に見られる症状としては、蕁麻疹、痒み、顔面紅潮、血管浮腫、全身発赤などです。
また、自身で自覚できる症状として、耳鳴り、悪寒、口内の違和感、眩暈などが挙げられます。

これらの症状が起こった場合は、速やかに医師へ報告し対応を仰いでくださいね。緊急の場合は救急車を呼ぶなど、状況に応じた冷静な対応が求められます。

重大な副作用:急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の症状

予防接種の後に上記に挙げた副作用が確認された場合、しっかりとその後の状態を確認しなくてはなりません。と言うのも、この後に続いて急性散在性脳脊髄炎の症状が出た場合は緊急に医療機関へ連絡が必要であるからです。

急性散在性脳脊髄炎とは、ウイルス感染後やワクチン接種後に生じるアレルギー性の脱髄疾患ですが、またの名を予防接種後ADEMといいます。予防接種後ADEMは、ワクチン接種後2~15日以内に突然起こると言われています。

頭痛や悪心などの髄膜刺激症状、片麻痺、四肢麻痺、失語、運動失調、昏睡などが急性散在性脳髄膜炎の症状です。
この副作用の可能性が考えられるワクチンは、日本脳炎だけでなく、麻疹、種痘、インフルエンザ、百日咳、ジフテリア、破傷風、ムンプスなどがあります。
これまでに報告された予防接種後ADEMの発生は、平成6年度~平成20年度までの15年間に22件です。

但し、日本脳炎ワクチンと急性散在性脳脊髄炎の因果関係ははっきりしていないのが現状です。また、急性散在性脳脊髄炎の引き金となる要因は様々あるとされ、ワクチンのみが原因であると断定はできないようです。

しかし、急性散在性脳髄膜炎は死亡率も高く、重篤な後遺症が残りやすい病気です。ワクチン接種後に、発熱が続く、酷い頭痛がする、意識が混濁する、目が見えにくい、手足が動きにくい、歩きにくい、感覚が鈍いなどの症状が現れた場合は直ちに医師・薬剤師に連絡してください。

重大な副作用:痙攣が起こる

重大な副作用のひとつに痙攣があります。痙攣とは、全身の筋肉がぴくぴくと動くことで、失神や意識低下を招くこともあります。自分の意志とは関係なく筋肉が動く不随現象が起きることも。

周囲は驚き慌ててしまうでしょうが、痙攣が起きたらまず時間を確認し、痙攣の続いた時間を覚えておいてください。また、その痙攣がどんな痙攣であるか観察します。左右対称の痙攣であるか、痙攣しているのはどこか、目の向きはどちらを向いているかを観察しましょう。

そして、吐いたものが起動に詰まらないよう平らな場所で横向きに寝かせます。舌を噛まないようにと口内にタオルや割り箸を入れる方が多いようですが、窒息や口内の傷に繋がるため絶対に口の中には物を入れないようにしてください。
痙攣が収まっても身体をゆすったり、大声で呼びかけたりせず、状況に応じて救急車や自家用車で医療機関を受診してくださいね。

重大な副作用:脳炎・脳症の症状を発症

ワクチンが直接的な原因で起こっているかどうかは定かではありませんが、まれに日本脳炎ワクチン接種後に脳炎、脳症の症状を発症した事例があるようです。

症状としては、発熱、痙攣、意識障害が最も多く、次いで言語障害、記憶障害、昏睡などの症状もあるようです。吐き気、嘔吐も脳炎、脳症の初期症状であることもあるため、いつもと様子が違うな…と不安を感じた場合は、掛かりつけの医師などへ報告し、対応を仰いでくださいね。

脳炎、脳症が認められた場合の治療ですが、まずは入院して安静にした上で輸液を行います。そして、脳内の圧力を下げる治療を行い、ウィルスに効果のある薬や脳の機能を整える薬を使用し治療します。
痙攣や意識が続くことで脳に負担が掛かり、死に至ること、重篤な後遺症が残ることもあります。後遺症として二次性のてんかんになることもあるそうです。

日本脳炎ワクチンの副作用による脳炎、脳症は心配ですが、ワクチンを打たなかったことによる日本脳炎発症時も脳炎、脳症を引き起こします。どちらも確立としては低いのですが0ではないため、どちらを選択するかは個人の判断が分かれるようです。

血小板減少性紫斑病の皮膚・粘膜症状

前項で挙げた副作用の他に、血小板減少性紫斑病が見られることがあるそうです。これは、皮膚や粘膜などに出血、紫斑、青あざなどが現れ、気付くことが出来ます。
歯茎からの出血、鼻血、黒い便、血尿などの症状が現れた場合も注意が必要なので、医療機関を受診してください。

日本脳炎ワクチンのみならず、様々な薬剤やワクチンで起こり得る副作用があります。これは、その薬剤やワクチンの何らかの成分によってもたらされるものです。重大な副作用となることもありますが、多くは数時間、数日で消失する一過性のものであることが多いようです。

しかし、ワクチン接種後はいつも以上に様子を観察することが重要です。重大な副作用であるか、一過性のものであるかは、医師でさえ判断がつかないものです。身近にいる私達親が注意深く観察することで早期発見できるものもあるはずです。

日本脳炎ワクチン接種後の死亡例は?

日本脳炎ワクチンと死亡との因果関係ははっきりしていません

パソコンやスマートフォンが広く普及し、様々な情報がインターネット上で錯綜する昨今、「日本脳炎ワクチンは殺人ワクチンだ」、「日本脳炎ワクチンは打たなくても良い」などの心を揺るがす見出しを至るところで目にするようになりました。

何が本当で、何が嘘か…情報社会と呼ばれる現在、何を信じれば良いか分からなくなること、多いですよね。愛する我が子への予防接種、親なら誰もが副作用のリスクに頭を悩ませます。事実、日本脳炎ワクチン接種後、死亡に至ったケースがあるため、その迷いや不安は大きなものとなるはずです。

しかし、2009年に新型ワクチンが定期予防接種となって以降、千万回以上のワクチン使用がある中で死亡例はたったの二件であることにお気付きでしょうか?また、その二件とも、日本脳炎ワクチンと死亡との因果関係ははっきりとしていません。多くの医師が、「日本脳炎ワクチンが原因ではない」という見解を示しているそうです。
更に、現在でも世界各国で日本脳炎発症後に死亡するケースが後を絶ちません。国内でも、日本脳炎死亡者数が0になることはなく、むやみに安心できないのが実情です。

日本脳炎予防接種の料金は?

日本脳炎は基本的に無料で受けられる定期接種です

日本脳炎は、定期接種なので公費予防接種を受けることが出来ます。前項で挙げた期間(1期:3~4歳、追加1年後、2期:9~10歳)の中であれば、無料で受けることが出来ます。

また、日本脳炎予防接種の積極的勧奨が差し控えられた2005~2009年に、一般的な接種年齢に当たり予防接種を逃してしまった世代に向けた救済措置が現在も拡大しています。救済措置の対象となることで、公費予防接種が可能です。

中には、2005年~2009年の日本脳炎ワクチン積極的勧奨の差し控え期間に、ワクチン接種を差し控えたお子様が救済措置の対象になっていないケースもあります。
この方たちに関しては、公費予防接種を受けることが出来ず、自費負担…ということもあるようです。

その場合、費用は病院や地域にもよりますが約5000円~8000円になります。
予防接種を逃してしまったお子様が、現在公費予防接種を受けられる対象であるかどうかは、お住まいの役所にてご確認くださいね。

海外に行くときは受けた方が良い?

渡航先により接種の必要があります

海外へ渡航する予定のある方は、日本脳炎の予防接種を受けることをおすすめします。何故なら、日本国内よりも海外のほうが、日本脳炎の元となるコガタアカイエカの生息が多く認められるためです。

注意すべき地域は、東アジア、東南アジア、南アジアといったアジアモンスーン地帯です。

世界で見ると毎年約四万人以上が日本脳炎を発症し、約一万人以上が死亡していると言われています。一命をとりとめた患者でも重篤な後遺症が残ったケースは毎年約九千件にものぼるそうです。

海外渡航を考えている方の予防対策

東アジア、東南アジア、南アジアといったアジアモンスーン地帯へ渡航する場合は基礎免疫にプラスして追加接種を受けることが重要です。

基礎免疫とは、初回接種と追加接種、計3回の予防接種のことです。これらを幼少期に受けた方でも、海外渡航前に追加接種を受けることで更なる安心を得ることが出来るでしょう。

特に北海道など、日本脳炎の定期予防接種が行われていない地域に住んでいた方は、基礎免疫すらついていないこともありますので、今一度ワクチン接種の有無を確認してみましょう。
また、最低でも海外渡航の1週間前に免疫をつけることが重要です。これが最も効果的かつ唯一の予防策になります。

日本脳炎の予防接種を迷っている方へ

日本脳炎のワクチンは他のワクチン同様に命を守るワクチンです

「子供は西日本に住むこともないし、海外渡航もさせないので日本脳炎予防接種は受けない」
副作用のリスクを重く見て決断するママの気持ち、きっと子を愛する親なら誰しもが理解できるはずです。しかし、お子様が成長し自立した後、海外渡航や西日本への引っ越しをしないと誰が断言できるでしょうか。

いつか巣立っていく子供のために、私達親は今、どのように予防接種に対し考えるべきでしょう。
どちらが正解と断定できる事柄ではありませんが、ひとつ言えるのは、日本脳炎ワクチンも他のワクチン同様、命を守るワクチンとして研究されたものであると言うことです。
どのように家族の命を守るべきか、これは保護者に委ねられます。難しい問題ではありますが、目を背けずに考えることが大切なのかもしれませんね。