三種混合って何に効果があるの?予防する病気と予防接種の受け方を教えます

予防接種のなかでも、接種回数が多く、スケジュールが把握しづらい「三種混合ワクチン」についてまとめました。予防する病気や副作用、予定通り受けられなかった場合の対応のほか、今話題の四種混合ワクチンへの切り替え方法についても詳しく解説していきます。

三種混合ワクチンについて知りたい!

早い時期から始まる予防接種です

赤ちゃんを出産したママにとって、数ある重要なタスクのうちのひとつが、予防接種ですよね。しかも、スケジュールがとても複雑で、把握するのが大変。
そんな予防接種のなかでも、三種混合はとても早い時期から始まります。出産後慌ただしく赤ちゃんのお世話をし、やっと新生児期を超えたと思ったころに始まるので、いったいどんなワクチンなのか、よく分からず受けるママもいるかもしれません。

とは言っても、大切な赤ちゃんの体に入るものですから、できれば詳しく知りたいですよね。ここに三種混合についての情報をまとめましたので、ぜひ読んでみてくださいね!



三種混合って何のワクチン?

危険な病気から小児を守ります

三種混合ワクチンは、別名「DPTワクチン」とも呼ばれています。DPTは予防の対象となる病名の頭文字をとった名前です。その病気とは、以下の3つです。

・ジフテリア(Diphtheria)
・百日せき(Pertussis)
・破傷風(Tetanus)

この3つの病原体に対する混合ワクチンを、三種混合ワクチンと言います。

この中でも、百日せきは根絶が難しく、いまだに日本で年間1万人くらいかかっている病気です。抵抗力の弱い赤ちゃんがかかると、重症化し、最悪の場合死に至ることもあるため、なるべく早く摂取するよう推奨されています。

それぞれどんな病気なの?

ジフテリア

ジフテリア菌の飛沫感染で、鼻や口に入って発症します。かつては症例の多い疾患でしたが、現在日本での感染者数は年間0~1人です。

・症状
喉の強い炎症や、咳、高熱などがあります。菌が放出する毒素が心臓や筋肉の神経に作用すると、眼球や横隔膜の麻痺、呼吸困難、心不全といった重篤な症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることがあります。
一般の死亡率は10%程度と言われています。ただし、乳幼児の場合は更に死亡率が上がることが予想されます。

・予防接種の効果
予防接種により、ジフテリアにかかるリスクを約95%減らすと言われています。

百日せき

百日咳菌の飛沫感染によって起こります。感染力の強い病原菌で、日本でも年間1万人程度罹患していると言われています。

・症状
最初は鼻水と咳といった、普通の風邪の症状から始まります。そのうち咳が止まらなくなり、10秒以上続くことがあります。呼吸ができないため顔を真っ赤にして咳をし、咳の後に急に息を吸い込むので、笛のような音を鳴らすこともあります。

特に乳幼児の場合は、呼吸不全でチアノーゼ(全身が紫色に変化する症状)や痙攣をおこすことがあります。また、窒息や肺炎、脳炎などの、重い合併症を引き起こすことがあり、最悪の場合死に至ります。一般の死亡率は0.2%で、乳幼児の場合は0.6%と言われています。

・予防接種の効果
予防接種により、罹患のリスクを80~85%軽減できると言われています。

破傷風

土の中の破傷風菌によって起こる病気です。死亡率が高い病気で、以前は乳幼児にも見られましたが、最近は30歳以上を中心に患者が発生しています。

・症状
最初は菌の毒素が咬む筋肉に作用し、口が開きにくくなったり、顎が疲れるといった症状が出ます。次第に歩行困難、排尿や排便障害も現れます。重症化すると体が硬く強張り、後弓反張と呼ばれる重い痙攣を起こすことがあります。日光や音の刺激でも体が強張り、呼吸ができなくなることで死に至ることもあります。

破傷風は死亡率が50%を超える恐ろしい病気です。身近な土の中にも病原体が潜んでいる可能性があり、予防接種が推奨されています。

・予防接種の効果
予防接種により、100%近い十分な抗体を得ると言われています。 【参考サイト】

感染症情報 |厚生労働省
感染症情報について紹介しています。

予防接種情報|国立感染症研究所
ワクチンで予防可能な疾患の詳細な情報を提供しています。



誰もが受けなければいけないの?

接種を受ける「努力」が求められています

三種混合ワクチンの予防接種は、必ず受けなくてはならないものではありません。
予防接種法第9条は次のように謳っています。

前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(第六条第三項に係るものを除く。)を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

出典:

law.e-gov.go.jp
つまり親に求められていることは、予防接種を受ける「努力」です。従って、受けさせなかったり、受けるのを忘れてしまっても、ペナルティがあるわけではありません。
しかし、罹患した場合の重症化防止や、他者への蔓延を防ぐという点をよく考え、接種するかどうかを慎重に決めるべきでしょう。

三種混合に副作用はあるの?

多くの副作用は軽いものです

三種混合ワクチンの接種によって起こる副作用のうち、多くは軽い局所反応です。具体的には、接種したところが赤くなったり、腫れたり、かゆくなったりします。また、1%程度の低い確率で発熱することがあります。ほとんどの副作用は数日で自然に収まるでしょう。

1ヵ月以上しこりが残ることも

接種した場所にしこりが残ることがあります。これは、三種混合ワクチンに含まれるアルミニウムが原因と言われています。しこりは1~数ヶ月で自然に消えますが、次回接種時には残っていることがあるため、通常は左右交互の腕(または脚)に摂取するようにしています。どちら側に摂取したかを母子手帳に記録するのは、このためなんですね。

三種混合の接種時期と接種間隔を知りたい

三種混合は接種回数が多く、他のワクチン接種も同時期に推奨されているため、スケジュール管理が難しいワクチンです。推奨されている期間に受けられるよう、時期や接種間隔をしっかり把握しておきたいですね。

三種混合ワクチンは何回打つの?

三種混合ワクチンは、1期に初回と追加、2期に百日せきを抜いた二種混合を摂取します。
なお、1期初回は3回接種し、追加は1回、2期も1回です。三種混合は合計5回も摂取する、とても回数の多い予防接種なのです。

推奨される接種時期は?

予防接種法により定められている三種混合ワクチンの接種対象年齢は、生後3ヵ月から7歳6ヵ月(2期は11~13歳)です。この期間内であれば、無料で接種を受けることができます。
さらに、病気の特徴から最も接種に最適な時期として、標準接種年齢が定められており、なるべくその期間に接種を受けることが推奨されています。
三種混合ワクチンの標準接種年齢と回数は、次の通りです。

・1期初回:生後3ヵ月から1歳までの間に3回
・1期追加:初回接種3回終了後12~18ヶ月後に1回
・2期:11~12歳で1回

必要な接種間隔は?

確実に効果を得るために、初回の1回と2回の間、2回と3回の間に、20~56日の間隔を置くことが、標準的な接種スケジュールとされています。
初回接種3回目と1期追加までの間隔は、6ヵ月以上置くこととされていますが、前述の通り12~18ヶ月の間隔を空ける方が標準的なスケジュールです。

効率的に受けるためには

接種時期と接種間隔だけでも混乱しそうですが、同時期に他の予防接種を受ける必要があるため、更にスケジュールは複雑さを増していきます。効率的に接種スケジュールをこなすには、どうしたら良いでしょうか。

多くのママたちの頭を悩ませるのは、ワクチンごとに、次のワクチンを接種できるまでの間隔が、異なることではないでしょうか。
ワクチンには、「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。次の予防接種までの間隔は、次回接種が別種類のワクチンの場合、生ワクチンで4週間(中27日)、不活化ワクチンで1週間(中6日)以上とされています。

つまり、生ワクチンと不活化ワクチンを両方接種する場合、不活化ワクチンを先に受ければ、1週間後に生ワクチンを受けることができます。しかし、生ワクチンを先に受けた場合、不活化ワクチンは4週間後まで受けられないことになります。これでは、両方の免疫を獲得するまでに、時間がかかってしまいますよね。

例えば、BCG(生ワクチン)と三種混合(不活化ワクチン)は接種時期が重なります。この場合は、三種混合の初回を先に受けたほうが、効率的と言えるでしょう。

なお、国立感染症研究所のホームページから、効率的に予防接種を受けるためのスケジュール案をダウンロードすることができます。とても参考になりますよ。

予防接種スケジュール案はこちら
日本で少し前まで嫌厭されていた同時接種も、最近では積極的に行う小児科医が増えてきました。同時接種は予防接種スケジュールを簡単にするだけでなく、早く免疫をつけるという本来の目的に沿った方法です。
医師の判断によっては、生ワクチンと不活化ワクチンの同時接種もできますので、スムーズな接種を目指す方は、ぜひ医師に相談してみてくださいね。

もし予定通り摂取できなかったらどうする?

所定の回数を接種することが大切です

予防接種のスケジュールを予め決めていても、赤ちゃんの体調が優れなかったり、突発的な予定が入ったりして接種できず、予定通りに進まないこともありますよね。もし予定通りに進まず、三種混合の標準接種年齢を超えてしまっても、最初からやり直すことはしないようです。所定の回数を接種し、基礎免疫をつけることが大切なんですね。

また、BCGは生後5~8ヶ月に接種することが望ましく、1歳を超えると公費での接種ができなくなるため、スケジュールが予定通りに進まない場合は、BCGを優先して接種するよう勧められることもあります。

なお、標準接種年齢を超えても、法で定められた接種対象年齢を超えていなければ、公費で接種することができます。

受け忘れてしまった場合はどうする?

接種対象年齢を超えたら医師に相談

煩雑な予防接種のスケジュール。ついうっかり受け忘れてしまうなんてこと、絶対ないとは言い切れませんよね。実際、子供が小学校6年生になって、2期接種の案内が届いたときに、初めて1期の接種漏れに気づくママもいるそうです。

もし大幅にスケジュールが遅れてしまい、接種対象年齢を超えてしまった場合は、かかりつけ医に速やかに相談しましょう。なお、接種対象年齢を超えてしまった場合は、自費負担での接種となります。

接種対象年齢を超えた場合、どこまで接種が済んでいるかによって対応は異なります。あくまで医師の判断によりますが、一般的には次のような対応となります。

1、1期の接種を全く受けていない場合
2、1期初回の1回目まで接種済みの場合
3、1期初回の2回目まで接種済みの場合
4、1期初回の3回目まで接種済みで、1期追加を受けていない場合

1、2の場合は、三種混合ワクチンを所定の間隔を空けて2回接種し、12~18ヶ月後に追加接種します。
3の場合は、初回接種は終了したとみなし、接種漏れに気づいた時点で追加接種を行います。
4の場合は、基礎免疫はできていると判断され、定められた年齢で2期の接種を受けます。

既に2期の接種対象年齢も超えている場合は、かかりつけ医に相談し、接種スケジュールを組んでもらってください。いずれの病気も今後罹患する可能性があります。特に破傷風は、死亡率がとても高い病気です。
子供の命を守るためにも、接種漏れに気付いたら、早く接種を受けられるよう、速やかに医師に相談しましょう。

三種混合ワクチンが販売終了になったってホント?

在庫が無くなり次第接種も終了します

三種混合ワクチンの販売が終了したと、平成26年12月に厚生労働省から発表がありました。既に導入されている四種混合ワクチンへの切り替えが進んでおり、三種混合ワクチンは、在庫が無くなり次第、接種も終了となります。

四種混合ワクチンとは、従来の三種混合ワクチンに、ポリオワクチンを加えたもので、平成24年に初めて導入されました。

ここで問題になるのが、既に三種混合ワクチンを接種しているが、1期追加まで完了していないケースです。また、ポリオワクチンの接種履歴によっても、四種混合への切り替えが難しいことがあります。
三種混合ワクチンの販売が終了となった今、どのような対応が必要でしょうか。次の「三種混合が打てない場合はどうする?」で詳しく解説します。

三種混合が打てない場合はどうする?

三種混合ワクチンを取り寄せることも

三種混合ワクチンの販売が終了したため、医療機関が三種混合ワクチンを入手するのが困難な状況になっています。三種混合ワクチンが必要な子供へ多く在庫を回せるようにするには、個々の予防接種の進捗状況により今後の接種スケジュールを細かく分類し、可能な限り四種混合ワクチンへ切り替える必要があります。

また、場合によっては四種混合ワクチンへ切り替えられない、または残りの回の一部で四種混合を使うことができないといった理由で、引き続き三種混合ワクチンが必要なこともあります。

三種混合ワクチンが必要にもかかわらず、医療機関に在庫が無く、接種できない場合は、医療機関から厚生労働省を通じて、三種混合ワクチンを取り寄せる必要があります。取り寄せには数週間かかることがあり、免疫の獲得が遅れる恐れがあるので、早めに医療機関へ予約するようにしましょう。

四種混合への切り替えの可否やタイミングは?

四種混合ワクチンへ切り替える可否やタイミングを決めるには、次の3点が判断の鍵となります。

1、四種混合ワクチンの接種時期や接種間隔、回数は、三種混合ワクチンと同じです。

2、四種混合ワクチンには、不活化ポリオワクチンが入っています。不活化ポリオワクチンは、接種回数の合計がトータル5回を超えないようにする必要があります。この点が四種混合への切り替えを困難にしている要因と言えるでしょう。

3、不活化ポリオワクチン導入前に、既に生ポリオワクチンを1回接種している場合、2回目以降は不活化ポリオワクチンを3回接種することになっています。また、既に生ポリオワクチンを2回接種している場合は、不活化ポリオワクチンの追加接種は不要ですが、三種混合ワクチンの接種が完了しておらず、かつ三種混合ワクチンの入手が困難な場合は、代わりに四種混合ワクチンを使用することができます。

以上を踏まえて、不活化ポリオワクチンの接種が5回以上にならないよう、接種スケジュールを組む必要があります。

例)
・三種混合の接種は一度も受けていないが、不活化ポリオワクチンの接種を3回受けている。
→不活化ポリオワクチンは合計4回まで接種できるため、四種混合を1回だけ受けることができます。まずは三種混合を3回受け、追加接種で四種混合へ切り替えます。

・三種混合の接種を2回、生ポリオワクチンの接種を1回、不活化ポリオワクチンの接種を2回受けている。
→ポリオ自体の接種は残り1回の不活化ポリオワクチンで終了となりますが、三種混合を2回しか受けていないので、1期初回3回目と1期追加は四種混合を受けることになります。ポリオの接種が1回多いですが、不活化ポリオワクチンのトータルの接種回数が4回以内であれば大丈夫です。

・三種混合の接種は受けていないが、不活化ポリオワクチンの接種は4回受けている。
→これ以上不活化ポリオワクチンを接種できないため、四種混合への切り替えはできません。

・三種混合を4回受けていて、不活化ポリオワクチンを2回受けている。
→ジフテリア、百日せき、破傷風の1期接種は完了しています。不活化ポリオワクチンのみ、単独であと2回接種します。

不安があったら医師に相談しましょう

三種混合ワクチンの接種スケジュールは、四種混合ワクチンへの切り替え時期であるため、大変混乱しています。分かりづらいことがたくさんあり、記事を書いている筆者ですら、書きながら考え込むことが度々ありました。

また、三種混合は長期にわたって5回も接種するワクチンです。途中どんなトラブルがあっても、最終的には確実に接種が完了できるよう、不安があれば医師のアドバイスを仰ぎ、フレキシブルに対応してくださいね。