前駆陣痛はいつから?始まりの兆候や痛み、出産の流れを解説

前駆陣痛とは、出産間近になると感じることのあるおなかの張りや痛みのことです。その定義を聞いたことはあっても、これって前駆陣痛?痛みはどんなものなの?すぐ出産になるの?といった疑問もたくさんありあすよね。今回は、この前駆陣痛の痛み方や起こる時期、注意点や陣痛から出産の流れを詳しく解説します。

陣痛っていつからくるもの?

陣痛には2種類あります

臨月に入ると、「いつ陣痛が来てもおかしくない」、「そろそろ陣痛がくるのかな?」とソワソワする妊婦さんも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが生まれる前に起こる陣痛には、実は種類が2つあることをご存知ですか?
「え?陣痛が来たらもう赤ちゃんが生まれるっていうことじゃないの?」と思うかもしれませんが、すぐにお産にはつながらない陣痛もあるのです。
まずは、陣痛にはどんなものがあるのかを知っておきましょう。

前駆陣痛とは

前駆陣痛(ぜんくじんつう)とは、本格的な陣痛の前に起こる、不定期な子宮の収縮や、それに伴うおなかの痛みのことです。
5分から10分間隔で規則的にお腹が張ることもありますが、痛みは本陣痛より弱いことが多く、いつの間にかおさまってしまいます。
また、前駆陣痛は「偽陣痛」とも呼ばれ、出産につながる分娩陣痛とは区別されています。
とはいえ、前駆陣痛が起こることによって、子宮口が柔らかくなったり、赤ちゃんが下に降りてきたりしているという意見もあるようです。このように前駆陣痛は、お産が近いことのサインでもあるため、本陣痛の前触れとしてとらえるといいでしょう。

本陣痛とは

「本陣痛」は「分娩陣痛」とも称され、分娩がはじまってから分娩が終わるまでに起こる、母体の外に赤ちゃんを送り出すための子宮の収縮と痛みのことをいいます。
陣痛は常に痛みを感じるのではなく、痛みを感じる陣痛発作と痛みがおさまる陣痛間欠の繰り返しです。
分娩初期の痛みは短く弱いものですが、お産が進むにつれて痛みは耐えられないほど強くなり、さらに陣痛の間隔は短くなっていきます。



前駆陣痛はいつからくるの?

前駆陣痛の特徴を知ったところで気になるのは、前駆陣痛がくる時期。妊娠期間のどのあたりで前駆陣痛が起こりやすいのか知っておけば、きっと心構えもできるはずです。
実際に前駆陣痛がくるのは、いつ頃からなのでしょうか。

臨月ごろから前駆陣痛を体験する妊婦さんが多い

前駆陣痛の時期に関しては、明確な定義があるわけではないので一概には言えませんが、おおむね臨月に入ったあたりから起こることが多いようです。
臨月といえば妊娠36週から39週のことを指し、特に36週は正産期ではないものの、正産期と同じくらいおなかの赤ちゃんが成長してきている時期。
この時期から前駆陣痛が始まるということは、ママの体だけでなく、赤ちゃんの方の準備も整ってきているということなのかもしれませんね。

▼妊娠36週頃の母胎の様子や臨月に関してはこちらの記事もご覧くださいね

妊娠36週からは、出産の兆候を把握するため、妊婦健診が1週間に1回の頻度になります。また赤ちゃんが下がってきていると感じたり、下半身に圧迫感や痛みを感じやすい時期です。それでは妊娠36週にママの体に起こる変化や、赤ちゃんの様子をママたちの声を交えながら見ていきましょう。 予定日まであと少し!もうすぐ赤ちゃんに会える楽しみと、少しずつ変わってきた体調に対する不安が入り混じった時期でもある臨月。でも臨月って正式にはいつからのことを言うの?臨月になったらどんな風に過ごしたらいいの?など様々な疑問や悩みも増えると思います。出産までリラックスして過ごせるように少しでも不安や悩みを解決しましょう。

臨月前に前駆陣痛があったという妊婦さんも

上で「前駆陣痛は臨月に入ったあたりから起こることが多い」とお伝えしましたが、もちろん個人差もあります。
人によっては、妊娠33週・34週・35週など、臨月に入る前に前駆陣痛と思われる痛みを感じることがあるそう。
また、前駆陣痛を体験したことがないという人もいるようです。
(臨月や正産期前の前駆陣痛に関しては、下の項目にて詳しく解説しているので、そちらをご覧くださいね。)

前駆陣痛には気づけるもの?

痛みが強ければ必ずと言っていいほど気づく

前駆陣痛と言っても、人によっては睡眠に差しつかえる程に痛みが強いものです。その場合は前駆陣痛がきていることに気付けるでしょう。
反対に、お腹が張る程度の痛みだったり、痛みに強い妊婦さんだったりすると、指摘されるまで前駆陣痛だと気づかないこともあります。

出産してから思い出して気づくことも

本格的な陣痛を体験して、出産した後になってから、「もしかしてあの痛みは前駆陣痛だったの?」と気づくママも少なくないようです。
前駆陣痛と本陣痛の痛みの強さは大きく異なりますが、痛みを感じる場所や痛みの感じ方など、似通っている部分もあります。本物の陣痛を体験したからこそ気づくこともあるのかもしれませんね。



前駆陣痛の痛みってどんな痛み?

前駆陣痛とひと口に言っても、痛み方は人によって違うことがあります。
こちらでは、それぞれどのような痛みを感じるのかを見ていきましょう。

生理痛のような痛み

前駆陣痛の痛みによく例えられるのが、生理痛です。
生理痛を感じたことのない方はわかりにくいかもしれませんが、生理痛の痛みには、

・おなかがどーんと重い感じ
・おなかのあたりがじわじわ痛い
・腰のあたりがずしんと痛い

などが挙げられます。
生理痛も子宮が収縮する痛みなので、前駆陣痛の痛みと生理痛が似ているのも納得ですね。

おなかを下したときのような痛み

下痢をしているときのような、おなかを内側からぎゅーっと押さえつけられるような痛みや、突き刺すような鋭い痛みを感じるという妊婦さんもいます。
はじめは「おなかの調子が悪いのかな?」と思ってトイレに行ってみても、特に下痢というわけではないので、「これが前駆陣痛なのね!」と気づく妊婦さんも少なくないようです。

また、下痢をしたときに痛む腸は、体の中で脳の次に神経細胞が多く、痛みにもとても敏感な器官。さらに子宮とも近いところにある器官なので、子宮の収縮の影響を受けやすいのかもしれませんね。

おなかの張り

前駆陣痛も本陣痛と同様に、子宮が収縮することによって起こるので、おなかの張りを感じることもあります。
人によってはあまり痛みはなく、不定期なおなかの張りだけを感じるのだとか。
実際におなかが張っているときに、おなかのあたりを触ってみると、石のようにギュッと固くなっていることが感じ取れるでしょう。
また、おなかの張りを言葉で表現すると、おなかが「キューッ」もしくは「ギューッ」と縮まっているような、押さえつけられているような感覚なのだそうです。

腰の痛み

前駆陣痛の症状として、腰に痛みが出ることもあるようです。
生理痛や本陣痛のときも、おなかよりも腰の痛みを感じるという人がいますよね。それと同じように、腰のあたりがズシーンと重い感じがしたり、じわーっと痛みが広がるような感じがするそうです。

眠れないほどの痛みを感じることも

前駆陣痛は夜に起こることが多いと言われています。
よって、就寝前や就寝中に痛みの強い前駆陣痛がくると、なかなか眠れなくて困ってしまうという妊婦さんも少なくないようです。
とはいえやはり前駆陣痛は本陣痛とは全く異なるものなので、いつの間にか眠ってしまった、朝になったらおなかの痛みも張りも全くなくなってしまった、というのもよくあること。
また、前駆陣痛が気になって眠れないまま、その日のうちに本格的な陣痛が来てしまうと、「このままでお産は乗り切れるの?」、「難産になってしまったらどうしよう!」と体力的にも精神的にも不安になってしまいますよね。
前駆陣痛があった日に赤ちゃんが生まれたというママもいるので、体力を温存するためにも、できるだけ体を休めて、睡眠がとれるといいですね。
もちろん、あまりにも気になってどうしようもないときや、以下の「こんな場合はすぐに受診を」の項目に記載されていることに当てはまる場合は、夜中であってもすぐに医師に連絡、または受診してくださいね。

▼前駆陣痛の痛みの和らげ方に関してはこちらをご覧くださいね

赤ちゃんに会えるのもあと少し。前駆陣痛は嬉しい兆候ですが、長く続くと辛いですよね。前駆陣痛で眠れない妊婦さんへ、痛みがある時の和らげ方をまとめました。

前駆陣痛とおしるしの関係とは

おしるしってどんなもの?

「おしるし」は、医学用語では「産徴」といい、出産が近づく頃におこる少量の出血のことです。

原因とは

赤ちゃんが生まれる日が近くなってくると、子宮頸管が少しずつ開いてきたり、子宮が収縮したりします。それによってはがれた卵膜が、おりものと混ざって外に出てくるのです。

血液の色と量とは

血液の色は褐色や茶色、薄いピンク色だったという妊婦さんが多いようですが、鮮血だったという方もいます。
血液の量には個人差があり、ショーツに少しつく程度だったり、人によっては生理のはじまりや終わり頃のような出血で、生理ナプキンが必要になったりもするそうです。 また、おしるしがあってから出産までの時間は人によって大きく異なります。
出血量が多い・出血が続く・血のかたまりがどんどん出てくるという場合は速やかな受診が必要ですが、そうでなければあわてずに様子を見るということになるようです。

前駆陣痛とおしるしはともにお産が近いことのサイン

上でご説明したように、おしるしは出産が近いことのサインです。
前駆陣痛も赤ちゃんが生まれる前のサインの1つなので、同じ時期に前駆陣痛とおしるしが起こることもあるでしょう。
また、子宮の収縮によって起こることでもあるので、前駆陣痛がきた後におしるしが起こることもあり得るかもしれませんね。

前駆陣痛がきてもおしるしがないこともある

前駆陣痛がきたからといって必ずしもおしるしがあるわけではありません。
前駆陣痛に関してもいえることですが、おしるしがあるかどうかにも個人差があります。
ちなみに筆者は前駆陣痛がなかった1人目のときも、前駆陣痛があった2人目のときもおしるしはありませんでした。「おしるしを体験したことがない」という方は決して少なくはないので、おしるしがないと不安に思う必要はありません。

▼おしるしに関してはこちらの記事もご覧ください

お腹大きくなり臨月に入るとそろそろ出産。そのサインのひとつが「おしるし」です。育児書ではおしるしから出産が始まるような記載も見られますが、いったいどんなものなのでしょうか。おしるしっていつ?どんなもの?どうすれば?といった妊婦さんの疑問を解説しましょう。

前駆陣痛と本陣痛の違いとは?

痛みが不規則なうちは本陣痛ではないでしょう

前駆陣痛と本陣痛の大きな違いは、痛みが規則的かどうかです。

◆前駆陣痛は不規則な痛み
前駆陣痛の大きな特徴は、痛みが不規則でずっとは続かないことです。本陣痛のように痛みとお休みの繰り返しにはなりますが、痛みの間隔はバラバラになります。

◆本陣痛は規則的な痛み
本陣痛は痛みの間隔がほぼ均一です。多少の誤差はありますが、はじめは15分から20分間隔で、痛みはそれほど強くありません。しかし時間が進むにつれて痛みの間隔は10分ほどになり、痛みの間隔が短くなるのに比例して痛み自体も増していきます。

痛みが徐々に増してくる場合は本陣痛の可能性も

前駆陣痛と本陣痛のもう一つの違いは、痛みの強さ。前駆陣痛の場合は、痛みの強さがまちまちですが、本陣痛の場合は痛みがどんどん強くなってくるものです。
痛みの間隔が不定期だったとしても、時間がたつにつれて痛みが強くなってくるならば、本陣痛である可能性があります。また、前駆陣痛がそのまま本陣痛につながることもあるそうです。
もし「前回の痛みよりも強くなっているな」と感じたら、お産につながる陣痛であるかもしれないことを頭に入れて、陣痛の間隔を測っておくようにするといいでしょう。

こんな場合はすぐに受診を

前駆陣痛の痛みや張りだと思っていたら、実は本陣痛などの別のものだった、ということもあるようです。そういったときに適切な処置を受けるためにも、以下のようなことが起こった際には、すぐに受診しましょう。
産婦人科は数が少なく混雑しているところが多いこともあり、受診をためらってしまう妊婦さんも少なくありません。けれど、何よりも大切なのは赤ちゃんと妊婦さんの安全なので、早めの受診を心がけてくださいね。

痛みの間隔が規則的になってくる

上の「前駆陣痛と本陣痛の違いとは?」でもお話ししたように、前駆陣痛は不規則なものです。しかし、はじめは痛みの間隔がバラバラでも、そのまま本陣痛につながれば痛みは規則的になっていきます。
そうなれば赤ちゃんに会えるまであと少し。しっかりと時間の間隔を計り、いつでも産院に行けるように、痛みの合間に入院準備グッズの最終確認もしておきましょう。そして痛みの間隔が産院で決められた時間になったら、産院に連絡してくださいね。

破水したとき

前駆陣痛だけでなく、破水をしたら必ず病院に連絡しましょう。
破水はお産が近いというだけでなく、細菌に感染したり、赤ちゃんに酸素や栄養分が届かなくなってしまったりすることがあります。

痛みの間隔がない

痛みのない時間がなく、常に痛みが続いている場合は、次のような重篤なトラブルのおそれがあるので注意が必要です。

【常位胎盤早期剥離】

「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」とは、おなかの中に赤ちゃんがいる間に、正しい位置にあったはずの胎盤が、子宮の内側の壁から剥がれてしまうこと、または剥がれてしまった状態のことです。
すべての分娩のうち、0.5パーセントから1.3パーセントに見られ、妊娠32週以降に発症することが多いとされています。

◆母体と胎児ともに命に危険が及ぶこともある
おなかの中の赤ちゃんは、胎盤を通じて母体から酸素や栄養を受け取っています。そのため、胎盤が剥がれると、赤ちゃんへの酸素の供給もできなくなってしまい、死に至る場合や、命が助かっても脳に重篤な障害が残る場合があります。
それだけでなく、母体の方も出血多量などで死に至るおそれがあり、大変危険な状態です。胎盤が剥がれている面が多ければ多い程、出血が増えて命の危険も増すので、早急に治療や管理をしなければなりません。

◆常位胎盤早期剥離の経験や妊娠高血圧症候群が危険因子に
常位胎盤早期剥離の既往があったり、妊娠高血圧症候群になっていたりすると、常位胎盤早期剥離を発症しやすいと言われています。
その他にも、喫煙や腹部への衝撃によって引き起こされることもあるので、喫煙は避け、妊娠中の体の管理に気を配ることも大切です。

【子宮破裂】

子宮破裂とは、分娩の際に起こる子宮の裂傷のことをいいます。
何らかの原因で子宮が傷つくことにより、激しい腹痛や出血があり、母子ともに危険な状態に陥ってしまうのです。

◆胎児死亡率はは80パーセント
残念ながら子宮破裂が起こった場合の予後は芳しくありません。
赤ちゃんが亡くなる確率は8割で、母体の死亡率は1~2パーセントと言われています。

◆母体の負傷や外回転術が原因になることも
子宮破裂は、帝王切開の経験がある妊婦さんの発症確率はわずかに上がるものの、自然分娩の際に起こることはめったにありません。
また、交通事故などの強い衝撃や、逆子の矯正のための外回転術などによって引き起こされることがあると言われています。
(外回転術で子宮破裂が起こる可能性があるとはいっても、それはごくまれです。さらに外回転術は、すぐに帝王切開などの処置ができるように準備した上で行われるので、心配し過ぎないでくださいね。)

子宮破裂と聞くと、その字面のインパクトの強さから、必要以上に不安になってしまう妊婦さんもいるかもしれませんが、その頻度は決して高くはありません。
しかし、あまりにも強い腹痛の場合には、子宮破裂が疑われることもまれにあるようです。

【子宮内胎児死亡】

「子宮内胎児死亡」とは、おなかの中で赤ちゃんが亡くなってしまうことです。
妊婦さんにとってはあまり考えたくないことですが、子宮内胎児死亡の症状の1つとして腹痛が挙げられます。

◆妊娠10ヶ月あたりで起こることが多い
子宮内胎児死亡の多くは臨月で発症すると言われています。
そのままの状態でいると、母体も危険な状態になることがあるため、できるだけ早く赤ちゃんを外に出す処置が必要です。

◆原因はわからないことも
子宮内胎児死亡の原因のほとんどは、胎児の先天的なもの・胎盤・臍帯にあると言われています。
また、原因がはっきりしていないことも多く、母体に原因があることは少ないようです。

胎動がない

臨月ごろになると赤ちゃんが大きくなってきて、胎動も少なくなってくると聞くこともありますが、全くなくなることはありません。
特に、少し前まで元気だった赤ちゃんが、痛みがくるとともに動かなくなる場合は、上の項目で述べたような常位胎盤早期剥離や子宮内胎児死亡のおそれがあります。
もし「これって前駆陣痛?」と思うような痛みがあった場合は、赤ちゃんの胎動も気にかけてみてくださいね。

出血がある

おなかの痛みや張りとともに、出血がある際にも注意が必要です。
少量の出血であればおしるしの可能性が高いですが、出血量が足を伝ってどんどん垂れてくるほど多かったり、血のかたまりが出てくる場合は、おなかの中の赤ちゃんに何らかの異常が起きていることもあります。
こういったときには迷わずすぐに受診しましょう。

陣痛から出産までの流れは?

分娩第1期

分娩第1期は、出産において、陣痛がはじまってから子宮口が全開(10cm)になるまでの間のことです。
この場合の陣痛とは、規則的で周期が10分以内(1時間に6回以上)で、赤ちゃんが外に出てくるまで続くもののことをいいます。

◆時間は個人差が大きい

分娩第1期に要する時間は人によって大きく違い、10時間程度で済む人もいれば、30時間近くかかる人も。
基本的には初産婦で10時間から12時間、経産婦で4時間から6時間と言われています。(もちろん例外が多々あり、1人目よりも2人目の方が時間がかかるという方も少なくありません。)
また、分娩第1期に入ってから初産婦は30時間以上、経産婦は15時間以上赤ちゃんが生まれないと遷延分娩と判断されます。お産が長引いてもそのまま自然に任せる場合もありますが、陣痛促進剤が投与される場合も。これに関しては医師によっても判断が分かれるところのようです。

◆子宮口が開けば陣痛の間隔も短くなる

お産が進んで子宮口が開いてくると、陣痛が強くなるだけでなく、周期も短くなります。
平均的には、下記のとおりとされています。

・4~6cm…3分
・7~8cm…2分30秒
・9~10cm…2分

赤ちゃんを産むためには子宮口が10cmまで開いている必要があるため、分娩第1期の時点ではいきむことができません。
よって、子宮口が5cmを超えるころになると、妊婦さんは痛みだけでなく、いきみたいという感覚と戦うことになります。
このつらさは「下痢をしたいのに出せない感じ」と例えられることもあり、赤ちゃんを外に押し出す分娩第2期よりしんどかったと感じる人も多いようです。

分娩第2期

子宮口が全開になり、赤ちゃんが外に出てくるまでの間が分娩第2期です。
初産婦では1時間から2時間程度、経産婦では30分から1時間程度かかるとされています。
この間に赤ちゃんは産道の中で4度回旋。
産婦さんはおなかと会陰の痛みに耐えながら赤ちゃんを外に送り出し、赤ちゃんは全身の痛みに耐えながら外に出てくるのです。
なお、このときに赤ちゃんがなかなか出てこないと、鉗子分娩や吸引分娩などが行われることもあります。

分娩第3期

分娩第3期は、赤ちゃんが外に出てきてから胎盤が排出されるまで。
そう、赤ちゃんが生まれたら出産が終わる、ということではなく、胎盤が外に出てくるまでが分娩なのです。
赤ちゃんを外に送り出した後、子宮は徐々に縮小し、後産陣痛と呼ばれる約5分間隔の弱い痛みがはじまります。
この子宮の排出にかかる時間は、20分から30分以内とされ、初産婦と経産婦に大きな差はほとんどありません。

分娩時に会陰裂傷や会陰切開があった場合は、胎盤の排出が完了した後に傷を縫合し、その後は2時間ほど絶対安静となります。
経産婦の場合はこの時点で後陣痛が始まることも珍しくありません。
(筆者も2人目出産の際は、分娩完了直後、分娩台の上に仰向けに寝転んだままの状態で後陣痛がはじまりました。「先生!まだ陣痛続いてるんですけど!すごく痛いです!」と言って、まだ生まれたばかりの赤ちゃんの処置をしていた助産師さんたちに爆笑されたことを覚えています…。
「さすが経産婦さんは子宮の収縮が早いわね!」ということらしいですよ。)

これで出産は完了!楽しみにしていた、待ち遠しかった赤ちゃんとの生活がスタートします。

前駆陣痛は初産婦と経産婦で違う?

基本的に大きな違いはない

初産婦と経産婦で前駆陣痛に違いがあるというデータは、今のところありません。
また、やはり個人差も大きいため、「1人目は前駆陣痛がなかったけれど、2人目はあった」、「1人目も2人目も前駆陣痛はなかった」など、それぞれ違います。

経産婦の方が前駆陣痛を感じやすい傾向がありそう

初産婦と経産婦の違いははっきりしないとする一方で、「経産婦の方が前駆陣痛が起こりやすいのでは?」という意見も耳にします。
何故そのようなことが起こるのでしょうか?
1つ考えられる要因としては、陣痛の経験の差が挙げられるでしょう。
2人目以降の妊娠の場合、前回の出産の経験のおかげで、陣痛の痛みがどんなものであるかを体験して理解しています。
よく、「お産の痛みなんてすぐに忘れてしまう」とも言われますが、痛みのつらさは忘れてしまったとしても、「体のこのあたりが痛かった」、「押さえつけられるような痛みがあった」といった痛みの場所や間隔は案外覚えているものです。
特に2人目以降の出産は、1人目のときよりも早まることが多いと言われていることもあり、陣痛の痛みに敏感になっている経産婦の方も少なくありません。
また、経産婦は前駆陣痛だと思うような痛み方でも、初産婦はただの一時的なおなかの張りや胎動だと勘違いしてしまうということもあるようです。
こうしたことから、経産婦の方が前駆陣痛の痛みに気づきやすいという傾向があるのかもしれませんね。

前駆陣痛がきたと思ったのに痛みがなくなった時

前駆陣痛が即お産につながるわけではない

「前駆陣痛がきていたのに痛みが突然なくなってしまった」、「もうすぐ赤ちゃんが生まれるのでは?」と慌ててしまうこともあるかもしれません。
けれど、前駆陣痛がきたからといってすぐに出産になるというわけではないのです。
それだけでなく、前駆陣痛は何度も繰り返すことも多いので、いつの間にか痛みが消え去ってしまうのはよくあること。
前駆陣痛の痛みがなくなったとしても、あまり心配する必要はなさそうです。
とはいえ、やはり前駆陣痛は出産が近いことのサインでもあるので、近々本陣痛が来るかも知れないな、と心の準備もしておきましょう。
もちろん、上の「こんな場合はすぐに受診を」でご紹介したようなことがあれば、すぐに受診してくださいね。

正産期より前に前駆陣痛がくることはある?

正産期とは

そもそも正産期とは何のことをいうのでしょう。
正産期は、妊娠37週0日から41週6日までの期間のことで、出産予定日の3週間前から2週間後までを示しています。
よく臨月と混同されることもありますが、臨月は妊娠36週0日から39週6日、つまり妊娠10ヶ月のこと。
正産期とは少しズレがあることを覚えておきましょう。

37週より前に前駆陣痛がきた場合

◆36週あたりで前駆陣痛がくることもある
臨月に入ったあたりから前駆陣痛が増えるということなので、妊娠36週で前駆陣痛が起こるのはよくあることです。
このころであれば、赤ちゃんの体もほとんど完成してきています。
とは言っても、妊娠36週での出産は早産になってしまうので、おなかの痛み方や胎動には、常に気を配りましょう。

◆35週以前の張りは切迫早産のおそれも
35週あたりや、それよりも前に前駆陣痛と思われる痛みがあるときは、切迫早産が疑われることもあるので、以下の点に注意しましょう。

・痛みが規則的になってきていないか
・ねばねばしたおりものが突然増えていないか
・破水をしていないか
・出血をしていないか

前駆陣痛とお腹の張りの違いとは

おなかが張ってきたときに、ただの一時的なものなのか、それとも前駆陣痛の張りなのかと迷ってしまう妊婦さんもいるのではないでしょうか。

◆前駆陣痛は痛みと痛みの間にお休みがある
前駆陣痛は、不規則ではありますが、必ずおなかの張りや痛みの周期があります。

◆前駆陣痛の張りの時間は短め
前駆陣痛の張りは長時間持続しません。個人差はありますが、張りや痛みが続く時間は、20秒から1分という方が多いようです。

◆おなかの張りが長時間続く場合は受診を
上であげたような前駆陣痛の特徴に当てはまらず、おなかの張りがずっと続くようであれば、しばらく安静にしてみてください。
それでもおさまらない場合は、できるだけ早く産院で診てもらいましょう。

みんなの体験談

前駆陣痛だってこんなに痛い!

個人差が大きい前駆陣痛ですが、どうしようもなく痛いこともあるそう。
それだけ痛いと、本陣痛に耐えられるのかと不安になってしまいますよね。

痛みより張りがメインでくることも

実は筆者も2人目の前駆陣痛はこのタイプでした。
ほとんど痛くないけれど、若干規則的だから前駆陣痛かしら?という程度。
ちょうどNSTをしていたときにこの張りがきて、看護師さんに前駆陣痛だと告げられて、やっと確信を得られたのでした。

1人目と2人目でも違いがある

同じ妊婦さんでも、前駆陣痛はそのときによって大きく異なります。
妊娠するたびに新しい発見がありそうですね。

早くから前駆陣痛がくることも

臨月前に前駆陣痛がくることも珍しくありません。
赤ちゃんも、早くママに会いたくて会いたくてたまらないのかもしれませんよ。

前駆陣痛だと思っていたら切迫早産だった

正産期よりも前のおなかの張りに切迫早産が隠れていることも。
やはり早めの受診が大切です。

前駆陣痛がきても落ち着いて行動できるように準備しておきましょう

前駆陣痛は出産が近いことのサインというだけあって、突然起こります。前駆陣痛がどんなものであるかを知っていないと、驚いてしまうものですよね。
けれど、前駆陣痛があったからといって今すぐお産がはじまるというわけではありません。繰り返しになってしまいますが、前駆陣痛はあくまでも出産の前触れ。「出産のときの痛みはこんな感じでくるのね」とシミュレーションするような感覚で、冷静に受け止めるといいでしょう。
また、陣痛の種類や間隔、痛み方や和らげ方などの対処法を知らなかった場合は、突然のおなかの痛みや張りにパニックになってしまうかもしれません。
そうならないためにも、お産の前の兆候や、出産の流れなどをよく調べて心の準備をしておけるといいですね。

さて、赤ちゃんに会えるまであと少しです。ぜひcutaの記事を参考にして、リラックスしてお産に臨んでくださいね。みなさんのお産が素敵なものになりますように。