プラノバールの効果と副作用・正しい飲み方について

月経異常や妊娠を希望している人に対して処方されることが多いプラノバール。正しい飲み方をすれば生理不順の改善に役立ち、不妊症や更年期障害、生理日の調整や避妊等にも応用できる大変便利なお薬です。ここではその効果や気になる副作用、飲み方や不妊治療との関係についてご紹介いたします。

プラノバールとは?

プラノバールは2種類の女性ホルモンを合成して作られた配合錠

プラノバール配合錠とは、黄体ホルモン(プロゲステロン)を合成して作られた「ノルゲストレル」と、卵胞ホルモン(エストロゲン)を合成して作られた「エチニルエストラジオール」という、2つの合成ホルモンを配合して作られたお薬です。

本来、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)は体内で生成されるものですが、不足したりホルモンのバランスが崩れることで、月経異常や機能性出血、不妊症や更年期障害などさまざまな病気を引き起こします。プラノバールを飲むことによって、不足していた2つの女性ホルモンを補い、これら女性特有の病気に関連した諸症状を、改善することを目的としています。

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プラノバールの効果は飲み方によって多様に変化する

プラノバールには様々な効果があると言われています。ここではその効果についてご説明いたします。

○月経中~数週間飲み続けることで人工的に排卵を抑制し、体を「排卵後から生理前」の状態に維持する
○卵巣や子宮が休まり生理が軽くなる、機能性出血を改善する
○服用を中止すると生理が起こるため、月経周期を調整・改善できる。これを利用し旅行等のイベントと重ならないよう生理をコントロールできる
○受精しても子宮内膜を剥がし着床しにくくするので、望まない妊娠の緊急避妊薬(アフターピル)として使える
○体外受精の場合、採卵前にのむことで質の良い卵子に成長させたり、採卵後の内服で受精卵の着床を助ける効果がある

このように、内服するタイミングによって効果が変化する薬なので、病院で処方される際は、内服の目的をしっかり確認することをおすすめします。そして用法・用量(薬の使い方)をきちんと守ることが大切です。

ピルの種類:プラノバールは”中用量”ピル

プラノバールは一般的に「ピル」と呼ばれていますが、ピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)の配合量によって4種類に分かれています。

○超低用量ピル:エストロゲン量が30μg(マイクログラム)以下のもので、低用量ピルより更に低量
○低用量ピル:エストロゲン量が30~40μg以下のもので、おもに避妊目的に処方される
○中用量ピル:エストロゲン量が50μg以下でおもに治療目的に使われ、プラノバールはこれに該当する
○高用量ピル:エストロゲンの量が非常に多く50μgを超えるものをいう。副作用が出やすいためよほどひどい症状でない限り、中用量または低用量ピルが使われる事が多い。

経口避妊薬は1960年代にアメリカで認可されたのが始まりですが、当時日本では避妊薬としてピルの使用が認められておらず、中用量ピルを転用して避妊薬として用いていたそうです。避妊目的の低用量ピルが認可されたのは1999年で、意外と浅い歴史なのです。

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プラノバールって保険がきくの?

プラノバールに対し、健康保険が適応されるケースとされないケースがあるのをご存知でしょうか?適応されるのは、月経異常や不妊などなんらかの「治療目的」で使用する場合です。逆に「避妊目的や生理日調節のため」に使用する場合、病気の治療ではないため保険がきかないことが多いようです。

まれに、「避妊や生理日調整目的なのに保険がきいた!」という話を聞きますが、この場合はおそらく医師が、何らかの病名を無理やりつけている可能性が高いです。避妊や生理日の移動は病気ではないので、自由(自費)診療の扱いとなり、保険は適応されず全額負担になるのが一般的です。

ただし、例外的にレイプなど性暴力被害をうけてしまった場合は、緊急避妊薬(アフターピル)として公費援助が受けられます。援助金に関しては、警察の介入のもと申請することになるようです。また低用量ピルも、避妊薬として認可されているため、基本的に保険はきかないことが多いです。



何のための薬?どんな時に飲むの?

1.月経困難症、月経周期異常、過多月経など月経に異常があるとき

プラノバールは前述したとおり、服用することで体を強制的に排卵後から生理前の状態にし、服用を中止すると、自然に生理を起こさせることができます。この働きを利用し、月経周期をコントロールしたり、改善することができます。ここではよくある月経異常について、ご説明します。

1.月経困難症
…日常生活に支障があり、治療が必要なほど重度の生理痛があること。一般的な生理痛と区別し、原因によって機能性と器質性にわけられる。プラノバールを服用することで、卵巣や子宮が休まり生理が軽くなると言われている

2.月経周期異常
○稀発(きはつ)月経:月経周期が39日以上長く続くこと。排卵がある場合とない場合がある
○頻発(ひんぱつ)月経:周期が24日以内と短いこと。排卵がある場合とない場合がある
○無月経:前回の月経から3ヶ月以上たっても月経がないこと
○不整周期月経:月経が正常な周期でなく、さらに稀発(きはつ)月経と頻発(ひんぱつ)月経が交互またはバラバラくること。思春期・更年期・産後や授乳中に多い
 
3.過多月経
…経血量が異常に多いことをいい、原因によって機能性と器質性にわけられる。過少月経はこの逆をいう

4.月経期間にまつわる異常
○過長月経:月経期間が8日以上と長いこと。月経不順で月経期間が長い場合、無排卵性月経の可能性が高い
○過短月経:月経期間が2日以内と短いこと。子宮の発育不全・子宮内膜の癒着などが原因となりやすい

このように月経異常にまつわる疾患は多いのですが、プラノバールを内服することで、人工的に正しい月経周期を生み出し、リズムをとりもどすことができると言われています。

2.卵巣機能不全による不妊症のとき

プラノバールは不妊治療において、女性ホルモンを補うことで卵巣機能を正常な状態に戻す効果があります(補充療法) 。例えば排卵はあるけれど黄体ホルモン(プロゲステロン)がうまく出ず、高温期が持続しない場合は、黄体期維持のために排卵日にタイミングをもった後、翌日から飲むことがあります。また卵胞ホルモン(エストロゲン)がうまく出ず、子宮内膜が薄い場合も、内膜を厚くし受精卵を着床しやすくする目的で処方されます。

他にも体外受精の分野では、採卵前にプラノバールを内服することで質の良い卵子に成長させたり、排卵後に飲むことで子宮内膜を維持し、受精卵が着床しやすい環境を作ります。

中には、「避妊に使う薬なのに飲んでも大丈夫?」と不安に思われる方もいるようですが、前述したように飲むタイミングによって効果が異なる薬なので、医師の指示通りに飲んでいれば問題ありません。内服に不安や疑問があるときは、遠慮せず主治医に相談することをおすすめします。

3.旅行などで月経周期をコントロールしたいとき

プラノバールは生理前・または生理中から数週間飲み続けることで、生理を早めたり遅らせたりすることができます。この作用を利用して、旅行等のイベントと重ならないよう生理をコントロールすることができます。

例えば月経を早めたい場合、個人差がありますが、おおよそ生理3~5日目から生理が始まってもよい日の約3日前までの間、1日1錠プラノバールを飲み続けることが多いです。逆に遅らせたい場合は、これも多少差がありますが、生理予定日の5日前から生理が始まってよい日までプラノバールか黄体ホルモン(ノアルテン)剤を、1日1錠服飲み続けることが多いです。

ただ、月経周期移動ができるのは大変便利ですが、プラノバールには副作用もあるので注意が必要です。黄体ホルモン(ノアルテン)剤は比較的副作用が少ないので、もし合わないと思ったら我慢せず自分にあったピルを処方してもらいましょう。

4.子宮内膜症があるとき

子宮内膜症は月経困難症や不妊の原因になると言われており、妊娠をのぞむ人にとって注意すべき病気です。子宮内膜症とは、本来、子宮内にしかないはずの子宮内膜が、子宮以外の場所にできる病気です。生理周期になると、卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きによって増殖と剥離(はくり)を繰り返しますが、うまく体外に出せず、悪化すると腹膜炎や癒着(ゆちゃく)、卵管閉塞になることもあります。

この治療法の一つに、卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きを抑えてしまう「ホルモン療法」があります。これは「偽妊娠療法」ともいい、卵胞ホルモン(エストロゲン)のほかに黄体ホルモン(プロゲステロン)を投与して、妊娠中と同じような状態にする方法です。副作用の個人差があるので、他のホルモン剤を処方される場合もあります。

子宮内膜症は黄体ホルモン(プロゲステロン)によって抑えられているため、これが多く配合されているプラノバールを飲むことで、進行を抑えるのに役立つと言われています。

5.避妊したいとき

プラノバールは排卵をおさえる働きがあるので、これを利用し生理日をずらす避妊薬としても使うことができます。もともと、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)は、排卵が起こったあとも体内に高濃度で存在しますが、妊娠するとこれらのホルモンはそのまま高濃度で体内に維持され、妊娠の継続に役立ちます。そして妊娠しなければ、この2つのホルモン濃度は減少し、生理が起こります。

プラノバールを一定期間飲み続けると、黄体ホルモンが補充され体内に高濃度で存在することになるため、脳は排卵後の状態(妊娠状態)であると勘違いを起こします。その結果、「卵胞が育たない=排卵しない」となり避妊できるわけです。これは後に述べる、緊急避妊薬(アフターピル)としての働きにも関係してきます。

避妊効果とは

通常のピルとして服用した場合、避妊失敗率(妊娠率)はほぼ0%

プラノバールは通常のピルとして使う方法と、緊急避妊薬(アフターピル)として使う2つの方法があります。通常のピルとして飲んでいる場合は、最強の避妊薬といえるので99.8%妊娠はしないとされています。緊急避妊薬(アフターピル)として飲んだ場合の回避率は、報告にばらつきがあるものの約75%程度の確率で妊娠は回避できるようです。

一般的に、長期的な服用は体への負担が心配なので、避妊を望む場合は「低用量ピル」を処方されます。低用量ピルを正しく服用した場合も、避妊失敗率(妊娠率)は0.3%と高く、たまに飲み忘れたりしたとしても8%と言われています。どちらも決して100%ではないですが、他の避妊方法よりかなり確実であると言えます。

「緊急避妊法」は望まない妊娠を避けるために有効な方法

「緊急避妊法」という言葉をご存知でしょうか?これについては、一般的に知らない女性も多いようです。これは例えば性行為後に、コンドームが破れたり外れたりして避妊に失敗したことに気づいたときや、性被害をうけてしまった場合に、望まない妊娠を避けるための非常に有効な方法です。

中にはあわててドラッグストアに買いに行く方もいるようですが、医師の処方箋が必要なので、ドラッグストアや薬局で手に入れることはできません。このような事態になった場合は、1分でも早く産婦人科を受診する必要があります。緊急避妊法による避妊率は先に述べたとおり非常に高いので、内服方法や注意点についてぜひ知っていただけたらと思います。

緊急避妊薬(アフターピル)には2つの方法がある

緊急避妊薬(アフターピル)には、プラノバールを使ったヤッペ(Yuzpe)法と、レボノルゲストレル(商品名ノルレボ)を使ったLNG法があります。LNG法は避妊効果が高い上、ノルレボには黄体ホルモン(プロゲステロン)のみが含まれているため、吐き気などの副作用が大変少なくてすみます。この点から、現在はLNG法が主流となっているようです。

どちらのピルも、性行為から72時間以内の服用が好ましいですが、LNG法は120時間以内であれば効果が期待でき、服用回数は1回ですみます。プラノバールはその作用を利用して、アフターピルとして「代用」しているのですが、ノルレボはきちんと「緊急避妊薬」として認可された薬です。またノルレボの避妊効果は、プラノバールと同じ程度であると言われています。

緊急避妊薬(アフターピル)としてのプラノバールの働き

プラノバールは緊急避妊薬(アフターピル)として、おもに着床を阻害することによって避妊できると考えられています。通常、受精は排卵直後に卵管内で起こり、その後約1週間をかけて子宮内へ到達し、子宮内膜に着床(=妊娠)します。ですから受精から着床までの間にアフターピルを服用することで、子宮内膜が受精卵を受け入れられない状態を人工的に作り出すことができるのです。このような方法をヤッペ法と言います。

ただし排卵期前に服用した場合は、その周期の排卵を止める(または遅らせる)可能性がある、との報告があります。そこでヤッペ法を行ったあとも、次の生理が来るまではまだ妊娠する可能性があること、服用後には不正出血を起こすことがあることなども覚えておきましょう。

プラノバールを緊急避妊薬(アフターピル)として飲む方法

繰り返しになりますが、緊急避妊薬であるアフターピルは、避妊に失敗したと気づいたり妊娠の可能性があると判断した時点で、すぐに産婦人科を受診する必要があります。プラノバールは、緊急避妊薬として高い効果がありますが、内服するタイミングが遅くなるほど、妊娠率は高くなってしまいます。

そして、中絶する作用があるわけではないので、着床してしまうとまったく効果が得られなくなります。緊急避妊(アフターピル)としてプラノバールを飲む場合、次の用法・用量を説明されます。

○性交渉から72時間以内に1回2錠のむ(できるだけ早く飲む)
○その12時間後にさらに1回2錠のむ

たとえ受精していても、プラノバールには子宮内膜を剥がし着床しにくくする働きがあるので、着床(=妊娠成立)する前に、早めに受診し内服することが大切です。ちなみにこの場合は、自由(自費)診療となるため、健康保険は適用されず全て自己負担となります。その際は基本的に健康保険証は不要ですが、提出を求める病院も中にはあるようなので、念のため持参していくとよいでしょう。



副作用は?吐き気はでる?

初めて飲む場合、消化器症状(吐き気・嘔吐)が起こりやすい

プラノバールの副作用としてもっとも多いのは、吐き気・嘔吐(おうと)です。原因として、人工的に体内へ女性ホルモンを補充するため、一時的に過剰反応を起こしたり女性ホルモンのバランスが崩れるためと考えられています。

吐き気・嘔吐は2~3日でおさまることが多いですが、飲み続けられないほどつらい場合は、我慢せず主治医に相談しましょう。副作用に対し、制吐剤(吐き気止め)などを処方してもらえることが多いです。しかしそれでも吐き気がおさまらない場合は、服用を中止し薬を変えるなど、なんらかの対策をとってもらえます。勝手に中断するのはよくないので、すぐに診察に行けない場合は電話で医師の指示を仰ぐなどし、独断で薬をやめないようにしてくださいね。

重大な副作用:血栓ができやすくなる

プラノバールには、命にかかわる重篤な副作用もあります。この薬を使用する上で一番のリスクは「血栓症」といわれています。一般的に、ピルに含まれる2つのホルモンのうち、卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が多いほど、血液が凝固しやすく血栓症のリスクは高くなると言われています。

プラノバールに含まれるエチニルエストラジオール(エストロゲン剤)は、不正子宮出血を軽減する作用がありますが、血栓症のリスクが高くなる傾向が報告されています。血栓症になることは非常にまれではありますが、リスクを理解した上で服用することは大切です。

ちなみに血栓症とは簡単にいうと、「血管内で血液が塊(かたまり)を作って血管をふさぎ、それより先の血流が少なくなる状態」を言います。生じる部位はさまざまで、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。万が一、以下のような症状がみられたら、すぐに医師の診察を受けましょう。

○手足とくにふくらはぎの痛み・はれ・むくみ・しびれ
○突然の息切れ・息苦しさ、胸の痛み
○急に視力が落ちる、視野が欠ける、目が痛む
○頭痛、片側のまひ、うまく話せない、意識が薄れる

とくに喫煙は血管を細くする作用があるので、血栓症を引き起こしやすく絶対に厳禁!と言われています。処方時は医師から喫煙の有無を確認され、喫煙者は処方してもらえないのが一般的です。服用を考えている方は自分の身を守るためにも、必ず禁煙をしましょう。

また脱水や疲労、長時間飛行や車中泊などで長時間体を動かせないなどの状態が続くことで、血栓症のリスクが高まる可能性があります。プラノバール内服中は、これらを意識して水分を多目にとったり、できるだけ体(特に足)を動かすようにしましょう。長期に服用している場合は、定期的に血液検査や婦人科検診などを受けていれば安心ですね。

妊娠初期症状に似た症状が起こりやすい

プラノバールは上記のような症状のほかにも、いくつかの副作用が確認されています。排卵(生理)を止めて擬似的に体を妊娠状態にするという特性から、個人差はありますが妊娠初期時のような症状があらわれる方も多いようです。

○胸が張る、乳房痛
○微熱が続き風邪のような症状
○おりものが増える
○頭痛、体がだるい、眠気
○食欲不振、便秘、下痢、腹痛
○少量の不正出血

これらの症状が起こりやすいとされていますが、体が慣れてくるとたいてい軽快してくるので、過剰に心配しないようにしましょう。また不正出血は、飲み忘れたときにも起こりやすいので注意が必要です。個人差があるので、すべての症状が当てはまるとは限りませんが、頭の片隅に置いておきましょう。

副作用はどんな薬にもつきもので個人差があります

ここまで副作用についてくわしくお話してきましたが、気にしすぎて神経質になったり、これをおそれて初めから飲まないというのは、少し違います。もともとどのお薬にも副作用の可能性というのはあり、副作用が強く出る人もいれば、ほとんどでない人もいます。つまり個人差が大きいものなのです。

例えばストレス性の頭痛、腹痛など、別の病気の症状でもすぐピルのせいにして、「やっぱりピルってこわい」とおびえる方もいます。もし副作用について気になることがあれば、些細なことでも相談し、薬への不安をなくすことが大切ですね。

処方される前に知っておきたい注意点

アレルギー体質や服用中の薬がある場合、必ず医師に伝えましょう

プラノバールはホルモンバランスを整え、多くの症状を改善できる便利な薬ですが、安易に使用するのは危険です。特にもともと持病を持っていて現在も服用中の薬があったり、アレルギー体質だったりする場合、飲み合わせが悪くて服用できなかったり、作用が弱まってしまうケースもあります。

なので、持病(既往歴)やアレルギーがある場合は、診察時にすべて主治医に伝えるようにしましょう。もし持病があるのに診察時に伝え忘れ、そのまま処方されてしまった場合は、念のため主治医に確認してから飲むようにした方が安心です。妊娠中、もしくはその可能性のある方もその旨伝えてださいね。

次のような場合、ピルを飲むのはやめて他の方法で対応することが多いです

○体重の多い方
○喫煙する方
○血栓症にかかったことがある、又は現在かかっている方
○血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、心筋梗塞にかかっている、またはかかったことがある方
○卵胞ホルモンによって悪化する、乳がんや子宮がんがある方

飲み合わせが悪い、または不正出血の発現率が高まる可能性がある薬

○結核の薬:リファジン
○てんかんの薬:フェノバールやヒダントール、アレビアチン、テグレトール
○各種抗生物質、抗エイズウイルス薬
○健康食品:セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)

作用増強をもたらす薬

○抗真菌薬:ジフルカン、ブイフェンド
○解熱鎮痛薬:アセトアミノフェン

併用薬の作用が弱くなってしまう薬

○各種血糖降下薬
○子宮内膜症治療薬:スプレキュア
○抗てんかん薬:ラミクタール
○解熱鎮痛薬のアセトアミノフェン
○鎮痛薬のモルヒネ:MSコンチン

併用薬の作用が増強する薬

○プレドニゾロン(プレドニン)など各種副腎皮質ホルモン
○三環系抗うつ薬
○パーキンソン病治療薬:エフピー
○免疫抑制薬:サンディミュン、ネオーラル
○喘息治療薬:テオドール
○胃炎・胃潰瘍治療薬:オメプラール、オメプラゾン

プラノバールは太るって本当?

太る原因は「食欲増進」と「むくみ」

プラノバールを飲むことで太ってしまった!という話をよく耳にします。これはプラノバールに含まれるホルモンの血中濃度が高くなるためで、これには食欲が増進したり、水分を体に蓄えようとする働きがあります。もともと生理前って、体重が増えたりむくんだりする人は多いですよね。だからいわば正常な反応で、きちんと薬に反応している結果とも言えます。

体重は2~3Kgの増加が多いようですが、何年も飲み続けている場合は、それ以上の増加もみられ個人差があるようです。薬をやめれば元には戻りますが、治療上止められない場合は以下のような点に注意しましょう。

○塩分の多い食べ物を控える
○お醤油の代わりにお酢やレモン汁やをかけたり、濃い味のものは食べないようにする
○軽い運動を続ける
○下半身浴をする
○足のリンパマッサージをする

これらはむくみに対しても効果的です。たまにむくみを気にして水分を控える方がいるようですが、これは誤りと言われています。水分を極端に減らすことは脱水につながりますし、副作用として通常より血栓症になりやすい点も考えると、水分を制限することはおすすめできません。

正しい飲み方、服用法、飲み忘れたときの対処法

正しい飲み方、服用法について

プラノバールは治療目的によって飲み方が変わるので、飲み間違いや飲み忘れに注意が必要です。どの目的でも1日1回、決められた用量を決められた時間に飲むのが基本です。

たとえば、月経異常や子宮内膜症などの場合は、生理5日目を初日として1日1錠を約3週間近く飲み続け、次の1週間は休薬する、というように一定期間継続して服用するように説明されます。また機能性子宮出血の場合は、1日1錠を7~10日間連続して服用します。 飲み方や服用日数は、治療の目的や個人の症状によって医師が調整するため、しっかり指示を守って服用しましょう。

飲み忘れた時はどうしたらいい?

飲み忘れないように注意していても、仕事や家事が忙しかったり、ついうっかり忘れてしまったり…なんてこともあるかもしれません。プラノバールは低用量ピルほどシビアな扱いではないので、継続して飲んでいる場合、1日飲み忘れたからといってすぐに生理になってしまうことはありません。注意点をまとめると、次の通りになります。

○飲み忘れに気づいた時点で1回飲む。もし次の服用時間に近ければ無理に飲まず、次の服用から継続的に飲み始める(1回分飛ばす)
○副作用のリスクを高めるので、飲み忘れたからといって2回分を一気に飲んではいけない
○2~3日以上飲み忘れた場合、早い人では生理がくることがあるので医師に相談するのが無難

また飲み忘れを防ぐ方法として、以下の方法がおススメです。
○プラノバールが処方されたら、飲み方や飲む時間を忘れないようにメモる
○多忙な時でも飲み忘れを防ぐため、毎日飲んだ時間をカレンダーやスマホなどに記録する
○スマホでアラームをかけておく

飲み忘れがないのが一番ですが、そうならないため日頃から予防対策を行い、もし忘れた場合もあわてず正しく飲みましょう。

服用後の生理はいつ来る?

プラノバールをやめれば生理はもどります

治療や月経日移動のためにプラノバールを飲み続けている場合、通常その間の生理は起こりませんが、そのあとまたきちんと生理は再開するのか?妊娠するのに問題はないのか?と不安になる方もいると思います。

プラノバールを飲んでいる間は、排卵は起こらないため生理もこないのですが、服用を中止すると血中のホルモン値が減少し、再度排卵が起こるためちゃんと生理になります。また不妊治療に使われるお薬でもあるので、その後の妊娠にも特に問題ありません。

経血が起こるまで個人差はありますが、薬の服用を中止してから約2~5日後に生理が来ることが多いようです。ただし中には1週間以上かかる場合もあるので、あくまで目安としてお考えくださいね。

緊急避妊法でプラノバールを飲んだ場合、3日後~3週間以内に消退出血がおこる

プラノバールを緊急避妊薬(アフターピル)として服用した場合、避妊が本当に成功したのかどうかは、非常に気になることだと思います。通常はアフターピルを飲んだ後、3日~3週間以内に経血(消退出血)があれば、避妊は成功したといえます。この場合のプラノバールの目的は、間隔をあけず多量に飲むことで一時的にホルモン血中濃度を高くし、子宮内膜をはがし着床できないようにすることです。「出血=内膜がはがれ妊娠できない状態にした」と言えるので、この消退出血は量に関係なく、出血があれば緊急避妊に成功したといえます。

しかし、ごくわずかな確率で「着床出血」という受精卵が子宮内膜にくっつき(着床)、妊娠が成立した時に少量の出血が起こることがあると言われています。非常に稀なケースではありますが、緊急避妊法は100%ではないのも事実です。もし消退出血が非常に少なかったり、月経予定日を過ぎても生理が来ない場合は、念のため性交渉から3週間以降に市販の妊娠検査薬で確認することをおすすめします。

▼着床出血についてはこちら

生理以外での出血は、女性なら誰でも不安を感じてしまいますよね。特に妊活中の方にとって、生理予定日付近の出血は「また生理か…」とがっくりしてしまうものです。でもちょっと待って、その出血、着床出血かもしれません。着床出血とは何か、生理との違いは何かをまとめました。

用法・用量を正しく守り、定期健診を受けましょう

プラノバールはさまざまな女性特有の疾患に対し、その人にあった用法・用量で処方される、いわば女性の味方のようなお薬です。飲み方さえきちんと守っていれば、望ましい効果を発揮してくれる薬なので、主治医の指示をただしく守って飲みましょう。

個人的には予期せぬ妊娠の低年齢化が進んでいる昨今、望まない妊娠を避け自分自身を守るためにも、学校や家庭で緊急避妊薬(アフターピル)についての正しい知識を、大人だけでなく子ども達にもうまく伝えていけたらいいな、と思います。

定期健診などのアフターケアも忘れずに受けて気になることがあれば相談し、薬と上手に付き合っていけたらいいですね。