つらい不妊治療もポジティブに乗り切るマインドセット

不妊治療の目的で何らかの検査や治療を受けたカップルの割合が6組に1組と言われる現在。「子どもを欲しい」と望んでも治療が必要になる状況は他人事ではないかもしれません。不妊治療は精神的、経済的、肉体的に負担が大きくどうしてもネガティブになりがちですが、できるだけポジティブに乗り切れるマインドセット=考え方をご紹介します。

不妊治療をポジティブに考えて欲しい理由

不妊治療は頻繁な通院、服薬、痛い注射、高い治療費、仕事との両立、夫との考え方の違い、周囲に理解してもらえないetc…ストレスの原因をあげればキリがありません。でも、「不妊治療って何のためにしてるの?」って根本に戻って考えたとき、皆さんが共通してあげられるのは「子どもを授かりたい」ということですよね。ストレスでいっぱいの身体では、子どもが宿りたくても宿れません。よく「不妊治療を何年もやっていたけど出来ず、やめた途端に自然妊娠で授かった」という話を聞きます。これは、ストレスが不妊治療の最大の敵だという証拠ではないでしょうか。不妊治療のストレスをできるだけ軽減させるマインドセット=考え方をご紹介させていただきます。

不妊治療中におちいりがちなネガティブ要素

不妊治療中に「なんでこんなに辛いのか」と悩まれる人も多いかと思いますが、きっと同じことで悩んでいるのはあなただけではありません。ここでは、不妊治療中におちいりやすい不安や悩みをあげてみます。自分と同じ思いをしている人がたくさんいると知るだけでも、気持ちが少しラクになるかもしれません。

妊婦さん、赤ちゃんを連れた人を見るのが辛くなる

不妊治療を始める前までは子どもが大好きだったのに、不妊治療を進めるうちに段々赤ちゃんを連れたお母さんや妊婦さんを見るのが辛くなった、という人は結構多いと思います。同年代の友達や知り合いがどんどん妊娠・出産していくと、「自分だけ子どもができない…」と焦ったり暗い気持ちになりますよね。また、出産した友達を心から祝福できなかったりして、「自分は性格が悪くなってしまったのか…」と悲観してしまうかもしれません。気持ちが辛いときは、無理をして友達の赤ちゃんに会いに行ったりしなくても大丈夫。「体調が悪いから」「風邪をひいて赤ちゃんにうつすと悪いから」と、時には自分のココロを守るための嘘も必要です。

インターネットの情報に振り回される

インターネットで“不妊治療”について検索すると、たくさんの経験談や不妊治療に関する情報を得られます。でも、それが一概に良いことばかりではありません。治療の内容や経過は人によって異なるので、ネットにある情報が必ずしも自分の状況に当てはまるわけではないからです。心配なことや、わからないことがあると調べたくなるのは自然のことですが、「これを飲んだら妊娠した」とか「不妊治療に効くサプリ」など怪しいサイトも多くあるのでご注意くださいね。

周りの人に相談できず孤立してしまう

日本における不妊治療の患者数がこれだけ増えてきているにもかかわらず、周囲の理解度・認知度は低いままです。相談できる人がいなくて悩みを一人で抱えてしまい、孤立した状態で苦しんでいる人も少なくありません。実際に不妊治療を経験した人じゃないとわからない辛さや、不妊という悩みの内容も、相談しづらい状況を作り上げている要因だといえます。
そんな時は無理に周囲に相談相手を見つけようとせず、各都道府県に配置されている不妊専門相談センターのカウンセラーや、通われている病院・クリニックに不妊カウンセラーがいればその方に相談されるといいですよ。

不妊専門相談センター事業の概要|厚生労働省
不妊専門相談センター事業の概要について紹介しています。

職場の人に伝えられずに悩む

不妊治療をしていると頻繁に病院に通わなければならなかったり、薬の副作用で体調が優れなかったり気分が落ち込むことが多々あります。一言、職場の人に通院していることを伝えて理解を得られるように試みてください。あえて“不妊治療”というキーワードを出さなくても、“婦人科の治療”などと言えば察してくれる人も多いと思います。何も言わずに、休みがちになったり、体調が優れないために仕事中も暗い顔をしていると逆に心配されてしまいますよ。

不妊うつになる

薬の影響でイライラしたり、精神が不安定になったりすることがあります。さらに、先の見えない不妊治療を長期間続けているとうつ状態におちいる危険性があることを指摘されています。

不妊治療を少しでも楽にするマインドセット

「何回まで、何年まで、予算いくらまで」最初から「期限」を設けよう

不妊治療はやめ時が一番難しいと言われています。回数を重ねるごとに「次こそは…」と期待が膨らみ気づけば何年も経っていたり、治療費に貯金を使い果たしてしまった、という方も少なくありません。治療を始める前に夫婦で「期限」を設定することをおすすめします。
期限は「(体外受精や顕微授精など)3回やって駄目だったらやめる」「3年頑張ってもダメならやめる」とか「予算150万円使い切ったらやめる」など具体的な数字を設定すると、その時がきたときに諦めがつけやすいです。既に治療を始められてる方も、これから改めて期限を設定してみてはいかがでしょうか。「期限」を設定することで、先が見えない状況よりも気持ちが楽になりますよ。

一番大切なのは、今生きている自分自身、そしてパートナーだということ

不妊治療が原因でうつ病を発症してしまったり、パートナーと意見が合わず離婚にまで発展してしまうケースも少なくありません。今一度「一番大切なのは何か?」と自分自身に聞いてみてください。一番大切なのは、今を生きている「自分達」ではないでしょうか?今いない「子ども」に重きを置きすぎて、今を生きている自分達の幸せがないがしろになっていませんか?人間は「欲しい」と強く願えば願うほど、叶えられなかったときの落胆・失望は大きくなります。不妊治療でも自然妊娠でも子どもは「授かりもの」です。「できるときはできる、できないときはできない」のが現実です。今あるもの、健康な自分の身体や大切なパートナーに目を向けて、願望のレベルを少し落とせばきっと気持ちが楽になるはずです。

世の中には親を必要としている命がたくさんある、という事実

子どもを望むのに得られない夫婦がいるのと同じく、親を必要としているのに親に恵まれない赤ちゃんや子どもがこの世の中にはたくさんいます。日本ではまだまだ認知度が低いですが、不妊治療でトライしたけれど実子には恵まれなかった場合に、里子・養子を考えるのは一つの道です。愛情を必要とする一つの命を「育てる」という行為は実子でも養子でも同じですよね。

ハッピーゆりかごプロジェクト~特別養子縁組の普及をめざして~ |

里親制度等について|厚生労働省
里親制度等についてについて紹介しています。

不妊治療が辛いと感じている方に

不妊治療は先が見えないからこそ精神的にとても辛いです。ならば自分で「期限」を設けてみる。「一番大切なもの」について考えてみる。「不妊治療の先」の選択肢について今から考えてみる。そうすることで気持ちがスッと楽になり、力を抜いて不妊治療と向きあえるのではないか、そんなことを筆者自身の経験から書かせていただきました。

どんなに理解のある旦那さまが側で支えてくれたとしても、不妊治療を通して肉体的に精神的に一番ダメージを受けるのは女性です。ご自分の身体とココロを一番最優先にしてあげてください。疲れたらちょっと治療をお休みして旅行に出かける、美味しいものを食べに行くなど、なんでもいいです。頑張った自分にご褒美をたくさんあげてくださいね。