妊活の必須アイテム、排卵日チェッカー。排卵日を予測できるとても便利な妊活アイテムですが、実は間違った知識を持って使ってしまっていることも多いのがこの排卵日チェッカー。今回は排卵日チェッカーの正しい使い方、排卵日チェッカーを上手に活用する方法について学んでいきましょう。
排卵日チェッカーとは
排卵を一番確実に知るのはやはり産婦人科にこまめに通って実際に医師に卵巣や卵胞(卵子の赤ちゃん)などの状態を見てもらうこと。
でも、混んでいることの多い産婦人科にそう頻繁に通うことは簡単なことではありません。
そこで便利なのが自宅で簡単に使える排卵日チェッカー。排卵日チェッカーとは妊娠検査薬のように尿をかけることで簡単に結果を知ることができる検査キットのことです。
ただ、妊娠検査薬と違い、排卵日チェッカーは一回の検査では結果はわかりません。
何日か続けて行うことで初めて結果を知ることができるもので、その検査結果の読み方も妊娠検査薬よりもちょっと複雑です。
排卵日チェッカーの仕組み
排卵日チェッカーは、尿中に含まれるホルモンの上昇を検知して反応します。
そのホルモンは黄体形成ホルモン(LH)と呼ばれるもの。これは脳から出ているホルモンで、このホルモンが卵巣で育った卵子の排卵を起こしています。
排卵日を知る仕組みはちょっと複雑なので、順を追ってお話ししていきたいと思います。
LHサージとはなんだろう?
排卵について調べていると良く出てくるのが「LHサージ」という言葉。
こういった専門用語が出てくるとなんだかわかりにくいように感じてしまうこともありますね。
卵巣の中にはたくさんの卵子の赤ちゃんが眠っています。
その一つが成長し、成長した卵子となって排卵できるようになると、その卵子からたくさんのエストロゲンという女性ホルモンが出てきます。
それを察知した脳が今度は卵巣から排卵させるべく、先ほどの黄体形成ホルモン(LH)を大量に出します。そのLHが急激かつ大量に出ているときのことを「LHサージ」と呼びます。
排卵はLHサージの開始からおよろ36時間後
成長した卵子から出たエストロゲンが脳に「卵子の準備ができましたよ」と伝えると、今度は脳から卵巣に「それでは排卵してください」と出てくる黄体形成ホルモン(LH)。
それが出始めた36時間後ほど経ったところで実際の排卵が起こります。個人差もあります。
ということは、そのLHが上がってきたところを知ることができれば排卵に合わせて性行為を持つことができる、というのは容易に想像ができますね。
そのLHの上昇のタイミングをつかむためのアイテムがこの排卵日チェッカーです。
排卵日チェッカーを使い始めるタイミングは?
妊娠検査薬のように妊娠が成立すればホルモンが出続けるので遅れても検査ができるものと違い、検査する時期が大切な排卵日チェッカー。
早すぎても反応しませんし、遅すぎればまた反応しません。では一体いつ検査を始めればいいのでしょうか。
生理周期が規則的な場合
あまりずれずに生理がくる場合には周期に合わせて予測し、検査開始日を決めていきます。
開始日は検査薬の種類や入っている本数で多少変わってきます。大まかに次回生理予定日から17日前あたり、から始めると効果的に排卵日チェッカーを使うことができます。
ただ、生理が急にずれることは誰にでもあることですから、タイミングについても絶対というものはありません。
生理周期が不規則な場合
この場合には周期からだけでは難しいので、基礎体温を測るなど、別の手段と組み合わせることが必要になります。
ただ基礎体温は排卵が起こる前後で起こるもの。高温に上がってから検査をするのでは遅いということになります。
周期が不規則な場合には5日分のものよりは7日分の排卵日チェッカーを使うなどで検査する期間自身を長めにとったほうがいいかもしれません。
排卵日チェッカーの注意点
排卵日チェッカーというと、排卵日を教えてくれるもの、という印象を持つ人は少なくありません。実は排卵日チェッカーを使う上で知っておかなければいけないポイントがいくつかあります。
排卵日チェッカーは排卵を約束するものではない
排卵日チェッカーという名前から陽性に出れば排卵する、と思われがちですが、実際には排卵チェッカーで陽性になっても必ず排卵が起こるというわけではありません。
排卵日チェッカーはあくまでも、黄体形成ホルモン(LH)の上昇に反応しているだけ、なのです。
排卵日チェッカー陽性=排卵日ではない
先ほどの排卵日チェッカーの反応する仕組みからもわかるように、排卵日チェッカーが陽性=排卵日というように排卵日を特定することはできません。
LHサージが始まって大体17時間程度でピークになり、36時間程度で排卵が起こります。つまり何日かは検査薬で陽性に出ることになりますから、ピンポイントで排卵日を知ることができないということは仕組みを知るとよくわかります。
排卵日チェッカーには偽陽性と偽陰性がある
こういった検査薬はやはり完璧とは言えません。
尿を使っているこの検査薬の場合、やはり尿の濃さであったり、検査のやり方、または何らかの理由で反応が出ない、などの理由から、本来は陽性なのに陰性に、逆に本来は陰性なのに陽性に出ることが残念ながらあります。
排卵日チェッカーはあくまで補助手段として使いましょう
とても便利な排卵日チェッカーですが、これらのことを踏まえると、排卵日チェッカーはあくまで排卵日を予測するうえでの補助手段、としてとらえておく必要がありそうです。
排卵日チェッカーと合わせて使いたい予測方法
ここまでで総合とすると、排卵日を予測するのには排卵日チェッカーだけでは十分ではない可能性がある、ということがわかってきました。
では、排卵日チェッカーを効率よく上手に使うにはどうしたらいいでしょうか。それには他の排卵日予測と組み合わせていく必要があります。
基礎体温を測る
実は基礎体温から知ることのできる情報は排卵だけではありません。妊娠するのには排卵することがまず必要ですが、妊娠を維持することも勿論大事です。
基礎体温は低温高温の二層に分かれます。高温になる前後数日で排卵が起こるとされていますが、やはり基礎体温からでは確実な排卵日の特定はできません。
ですが基礎体温からおおよその周期を知ることができるので、排卵日チェッカーを使い始める時期を決めるのにも役立ちます。
ポイントは「基礎体温で高温がきちんと10日以上続いていること」を確認すること。これをチェックすることで、妊娠維持に問題ないホルモンの分泌があるか?を大まかに知ることができます。
子宮頚管粘液検査(おりものの状態の変化から排卵時期を知る方法)
子宮頚管粘液、つまりおりものの状態の変化から排卵時期を知る方法です。おりものは生理周期に合わせて変化します。排卵時期のおりものは透明で粘り気のあるもの。
綿棒などを膣の奥に入れ、円を描きながらおりものを採取して引き抜いてみると、排卵期には透明で10㎝程度伸びる粘り気のあるおりものがついてきます。自宅でできる、安価で簡単な検査の一つです。
最近は唾液で検査できるキットもあります
排卵日チェッカーで問題になるのは、検査薬の購入価格。
一個一個がそれなりの値段ですし、毎周期使うとなると出費は案外重みます。使う時期がずれて陰性になった場合にはずっと使い続けてしまうなど、非効率的な面も多いです。
この唾液で検査するタイプのものは半永久的に繰り返し使えること、が最大のメリットです。ただ尿をかけるタイプのものよりも判定がやや難しいところが難点。
尿をかけるタイプ同様、やはり偽陽性や偽陰性があるということもデメリットです。
排卵日チェッカーを上手に活用しよう
受診せずに自宅でできる、簡単、でとても便利な排卵日チェッカー。
前述したように、必ずしも完璧な検査結果を得られるものとは限りませんが、排卵という体内で起こっている不思議な現象を客観的にとらえる手助けをしてくれる、という意味ではやはりとても有用なものです。
他のホルモン同様、黄体形成ホルモンにも個人差はありますから、排卵日チェッカー単独でもうまくタイミングが取れる人もいれば、他の手段をあわせて使わないとなかなかという人もいます。
自分の体や周期に合わせて合うタイプの排卵日チェッカーを選び、他の方法と上手に組み合わせながら妊活を頑張っていきたいですね。