マタニティハラスメント(マタハラ)で悩んだら。解決するための3つの方法

「職場に妊娠を報告したら異動になった」「退職を勧告された」…そんな話をよく聞きませんか?妊娠や出産を理由に、不本意な処遇をうけるのは「マタニティハラスメント」といって立派な法律違反です。この「マタハラ」には、どのように立ち向かえばいいのでしょうか。マタハラとはどういうものかを正しく知って、対策を講じておきましょう。

“マタニティハラスメント”ってなに?

妊娠出産に対する、いじめや嫌がらせです

最近よく聞く「マタニティハラスメント」。実は漠然としか理解していないかたもいらっしゃいますよね。
マタニティハラスメントとは、「妊娠出産を理由に解雇されたり、職場で精神的や肉体的な嫌がらせを受けること」を言います。
妊娠したことによるいじめ、嫌がらせと考えていただければ、イメージしやすいでしょうか。

職場側としましては、あなたが妊娠したことで貴重な戦力が失われるわけです。
それが産休の間の一時的なものだとしても、同じこと。代わりの人員を用意しなくてはいけなかったり、その分の仕事が同僚に割り振られたりと、職場にとってはあまりありがたい話ではありませんよね。
職場ではあなたの妊娠を「迷惑」に感じ、露骨に嫌な顔をされることもあるかもしれません。それがマタニティハラスメントの始まりです。



具体的な被害はどんなこと?

では、具体的にどのようなことをされたら、「マタニティハラスメント」と言えるのでしょうか。
マタニティハラスメントの行為は、大きく3つに分けられます

身体的な苦痛を強いられるもの

労働基準法には「妊娠中の仕事内容が身体的に辛く、軽い業務に変えてほしいと妊婦さんが申し出た場合は、職場側は必ずそれに応じなくてはいけない」、という内容の項目があります。(労働基準法第65条第3項)

妊娠しているのをわかっているのに、無理に重いものを持たされるような仕事をさせたり、妊婦さんの目の前でタバコを吸うような「身体的に苦痛を強いられる行為」は、マタニティハラスメントの代表です。
このような体質の職場は、「妊婦さんが仕事を断れない雰囲気」を醸し出していることも多々あります。辛い仕事を断ることができず、妊娠中に無理をしてしまい、おなかの赤ちゃんに影響を与えてしまうという話もよく聞きますよ。

職場側が「妊娠は病気じゃない」という言葉をはき違えて、妊婦に配慮のない扱いをしているのなら、それはマタハラと言えるでしょう。

心理的に苦痛を強いるもの

「この忙しいのに妊娠したなんて、迷惑だよね」「さっさと辞めてもらえないかな」というような言葉による嫌がらせも、マタニティハラスメントの一種です。
女性側からすれば、せっかくの妊娠を卑下されるは心理的に苦痛ですし、職場に行くのも辛く感じることでしょう。
上司のイヤミも度を超すとマタハラと捉えましょう。ストレスから妊娠に影響が出る場合もありますので、体調には十分注意して。

”産休を取らせない””解雇”などの、不利益な扱いをうけること

マタハラの中には、妊娠を理由に解雇したり、正社員からパートに格下げした、という例もあります。
また「うちでは産休はとれないから」と言って、産休や育休を取らせずに上司が退職を迫る、という話もよく聞きます。

妊娠を理由に妊婦さんが不利益な扱いを受けるのも、れっきとしたマタハラの一つです。

泣き寝入りが多いのが特徴

職場で不利になることを恐れ、無理を重ねて体調を崩すことも

責任感の強い女性や、キャリア志向の妊婦さんの中には、「休んだら退職に追い込まれてしまう」、「自分の地位を失ってしまう」という不安から、妊娠中でも激務を続ける場合があります。

もし、このせいで流産や切迫流産に追い込まれても、今の法律で救済することは難しく、泣き寝入りすることが多いのが実情です。
労働環境さえ良ければ、救える命もあるかもしれません。悲しい結果になる前に、マタハラとはしっかりと対処していきましょう。



定義の難しさも原因の一つ

これってマタハラ?上司と妊婦さんの温度差が問題

実はマタニティハラスメントの定義というのはとても難しいものです。
上司は全く悪意がなくても、妊婦さんが不快だったり辛い思いをすることはありますよね。
「マタハラ」という言葉の存在すら知らない上司も、割と多くいるものです。

こっちは被害者と思っていても、上司は何が悪かったのすら気づいていない…。
この温度差がマタハラの根本の問題なのかもしれません。

どうすればマタハラに対処できる?

男女雇用機会均等法は、正社員のみならず非正社員でも、妊娠や出産を理由にした解雇や雇い止めを禁止しています。
マタハラはれっきとした法律違反。いろいろな手を使って、きちんと上司に知らしめましょう。

出産経験のある先輩や上司に相談

つらいマタハラに遭った場合は、まず出産経験のある先輩や上司に相談してみましょう。
男性にはわからないつらさも、妊娠出産を経た女性ならわかってくれるかもしれません。
今後どのように対処していったらいいかも踏まえて、アドバイスをもらえるといいですね。

産科医に診断書を書いてもらう

社内では解決できないようなら、産科医から「妊婦なので業務内容には配慮すること」をいう意味合いの診断書を書いてもらいましょう。
母子手帳についている、「母性管理指導事項連絡カード」が役に立ちます。これに記載してもらい会社に提出すれば、重い業務にドクターストップをかけることができますよ。

相談ダイヤルに電話

それでもダメなら、社外の相談窓口に相談してみるのはいかがでしょうか。
厚生労働省では、マタハラに関する悩み相談や質問に答える窓口を用意してくれています。
相談は無料なので、気軽に電話してみましょう。

連合なんでも労働相談ダイヤル
0120-154-052
▽連合なんでも相談ダイヤルは、こちらのサイト(pdf)を参考にさせていただきました。

働くみんなのマタハラ手帳―日本労働組合総連合会(連合)―

体調優先しつつ、マタハラに負けずに戦おう!

女性が第一子を妊娠した場合、半数以上が退職していると言われています。
もちろん子育てに専念したい、という方が多いのでしょうが、中には寿退社が当たり前だった世代の上司によるマタハラで、退職せざるをえなかった方もいるかもしれません。

雇用の平等を揺るがすマタハラは、れっきとした法律違反です。もしその職場で働き続けたいのであれば、周囲を巻き込んででも職場と戦いましょう。
ただ、交渉事は心身ともに負担がかかることなので、体調には十分注意して無理はしないように心がけてくださいね。