化学的流産の症状や原因、確率など気になることを徹底解説!

「妊娠検査薬で陽性が出たのに生理が来た」それは化学的流産かも知れません。化学的流産とは着床前後に受精卵の発育が止まり、胎のうを確認する前に生理の様な出血が起こることです。気付いていないだけで実は多くの人が経験しているんですよ。そんな化学的流産の原因、症状、発生する確率など気になることを徹底解説します。

化学的流産(化学流産)とは?

化学的流産(化学流産)とは、受精卵が子宮内膜に着床を始めたあと、超音波検査で胎のうを確認する前に発育が止まり、生理の様な出血が起こることです。わかりやすく言うと「妊娠検査薬で陽性が出たのに数日後に生理が始まる」ことです。

化学的流産(化学流産)の症状

化学的流産には次のような兆候や症状があります。いずれも個人差はあります。

【出血の仕方】
受精卵の着床に備えて子宮内膜が厚くフカフカになるため、通常の生理とは出血の仕方や時期が異なります。
・生理の開始日が遅れる
・通常の生理に比べて量が多い
・通常の生理に比べてどろっとした血がでる
・レバー状の血の塊が出る
・親指の先ほどの白い塊が出る

【痛み】
厚くなった子宮内膜がはがれるため、通常の生理よりも強い痛みを感じる方もいます。
・生理痛が重い
・腰が痛い
・子宮がグリグリされるような痛み
・下腹部がチクチクする

【妊娠初期症状がなくなる】
妊娠初期症状があった場合はその症状がなくなることから、化学的流産に気付くこともあります。
・胃がムカムカしていたのがなくなる
・吐き気や食欲不振がなくなる
・少しの匂いにも敏感になっていたが大丈夫になった
・頭痛がなくなった
・微熱がなくなった

【体が冷える】
妊娠を維持するために分泌されていたプロゲステロン(黄体ホルモン)の働きが弱まり、高温期から低温期に変わるため体が冷えるように感じます。その結果、基礎体温も下がります。

また妊娠検査薬の陽性反応で、陽性の線が薄かったり時間が経過してから線が出たりする場合は化学的流産になる恐れがあるので、数日後にもう一度妊娠検査薬による検査を行ってください。

化学的流産(化学流産)の原因

化学的流産が起こる原因のほとんどが受精卵の染色体異常です。母体側に原因がないため防ぐことはできません。また全ての流産の約80%が受精卵の染色体異常が原因と言われています。流産の時期が妊娠初期であればあるほど、その原因は受精卵の染色体異常によるものが多くなります。化学的流産は最も初期に起こる流産です。

まれに化学的流産の原因が母体側にある場合もあります。化学的流産を何度も繰り返す場合は産婦人科を受診してください。

受精卵の染色体異常はなぜ起こる?

46本の染色体 受精卵で染色体異常が起こらなければ流産を防げることになりますが、染色体異常は防ぐことはできません。年齢因子のない健康な男女においても、受精する卵子の約25%、精子の約10%に染色体異常があります。さらに受精するときに約8%で染色体異常が発生するため、受精卵の約40%で染色体異常が起こると言われています。
染色体異常の受精卵の多くは発育途中で成長が止まってしまい、結果流産となります。染色体異常の受精卵の半分(全受精卵の約15%)は着床できずに通常の生理となります。これは着床すらしないので妊娠検査薬には反応しません。残りの約25%の染色体異常の受精卵のうち、着床を始めた後、胎のうが見える前に発育が止まる場合が約15%で、この約15%が化学的流産となります。
※着床を始めなければ妊娠検査薬は陽性になりません。

残りの10%の染色体異常の受精卵もほとんどが出産前に発育が止まり、流産や子宮内胎児死亡となります。結果、染色体異常を持って生まれてくれる赤ちゃんは約0.6%と言われています。

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化学的流産(化学流産)の確率は約18%

以上のように、化学的流産は全ての受精卵のうち約15%で起こると言われています。しかし、この確率の分母には妊娠検査薬で陽性が出る前の受精卵(約15%)も含まれます。この約15%を除いた受精卵を分母として、着床がはじまった(hCGの分泌が始まった)のに化学的流産になる確率を算出すると約18%となります。
※受精卵で染色体異常が起こる確率、染色体異常を持つ受精卵の発育が止まる時期に関しては書籍、サイトによって多少のばらつきがあります。

なぜ化学的流産(化学流産)に気付くのか?

妊娠検査薬を使用しなければ、生理が遅れていつもより重いと感じるだけです。化学的流産に気付くのは妊娠を心待ちにして生理予定日頃に検査をしてしまうからです。だからこそ生理が来たときの喪失感は大きいですよね。以下では、妊娠検査薬の仕組みや化学的流産の時期など、化学的流産についてもう少し詳しく解説します。

妊娠検査薬で陽性になる仕組み

化学的流産に気付く一番の要因は妊娠検査薬で陽性が出ることです。妊娠検査薬は尿に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の濃度で妊娠を判定しています。hCGは着床と同時に分泌され始め、妊娠日数に比例して増加します。妊娠期間中はhCGが分泌され続けますが、最も分泌量が多くなるのは妊娠3ヶ月頃です。

【妊娠週数とhCG分泌量】
(妊娠1ヶ月)
・妊娠2週:0.2IU/L
・妊娠3週:20〜50IU/L
(妊娠2ヶ月)
・妊娠4週:50〜200IU/L
・妊娠5週:200〜1000IU/L
・妊娠6週:1000〜6400IU/L
・妊娠7週:4000〜12800IU/L
(妊娠3ヶ月)
・妊娠8週:4000〜256000IU/L
・妊娠9〜10週:8000〜256000IU/L
・妊娠11週:12800〜64000IU/L

ほとんどの妊娠検査薬ではhCGが50IU/L以上で陽性になりますが、精度がいいものは50IU/L以下でも反応して薄い線が出ることがあります。hCGが25IU/Lで陽性となる妊娠検査薬もあります。

妊娠検査薬は生理予定日1週間後がベスト

hCGが50IU/Lを超えるのは妊娠3週目の終わり頃(つまり生理予定日頃)です。しかしhCGが分泌され始めてから尿中に排出されるまでに2〜3日かかることや、尿の水分量が多いとhCGが薄まることも考えられますので、生理予定日に必ずhCGが50IU/Lを超えるわけではありません。
hCGの分泌量から考えると生理予定日頃に妊娠検査薬を使用しても妊娠の判定ができますが、妊娠検査薬の説明書には「生理予定日の1週間後から」と書かれています。これは誤った判定が出るのを防ぐためです。生理予定日の1週間後つまり妊娠5週目は胎のうが確認できる時期です。化学的流産が起こる場合、この時期には妊娠検査薬の陽性反応はなくなります。
生理予定日頃に陽性反応が出て、その後胎のうが確認できればいいですが、化学的流産という結果になることも考えられます。一度陽性反応が出た後の生理はとてもショックなことなので、なるべく悲しい想いをしたくない方は妊娠検査薬の説明書にある通り、生理予定日1週間後に検査することをお勧めします。
でも赤ちゃんを待ち望んでいる方は排卵日から指折り数えて、生理予定日が過ぎてくれるのを待っているんですよね。1日でも生理予定日が遅れたら「もしかして?」と期待して、ぬか喜びになるかも知れないとわかっていながら妊娠検査薬を使ってしまう。生理が遅れてモヤモヤする!早く妊娠を知りたい!という方は生理予定日に検査してみるのもいいですね。

hCGが25IU/Lで陽性となる妊娠検査薬では「生理予定日から検査可能」と書かれています。購入時に氏名、住所、電話番号を記入する必要があり、50IU/Lで陽性となるものより高額です。妊娠検査薬の使用時期については、以下の記事も参考にしてください。 女性にとって生理予定日前後はドキドキそわそわする時期ですよね。ご存知の通り、妊娠検査薬は妊娠したかどうかを一番早く知ることができる検査ツールです。妊活中の方も、「妊娠したかも?」と不安を抱える方も、知っておきたい妊娠検査薬の基礎知識とおすすめの妊娠検査薬8選をご案内いたします。 妊娠したいと思っている方にとって、妊娠したかどうかはいち早く知りたいもの。市販の妊娠検査薬を使用すれば、妊娠しているのかどうかを簡単に確認することができますが、より正確な情報を得るためにはタイミングが重要です。妊娠検査薬を使う時期や使用方法についてお話しましょう。

化学的流産(化学流産)の時期

化学的流産となる可能性のある時期は、着床開始から胎のうが確認されるまでです。超音波検査で胎のうが確認できるのは妊娠5週頃(5w0d〜5w6d)と言われているので、6週目以降になれば化学的流産の可能性は低くなります。

【受精から胎のう確認までの流れ】
・受精卵が子宮に到達するまで:5〜6日
・子宮に到達したあと着床開始まで:1〜2日
・着床開始から完了まで:6〜7日 排卵・受精が行われた日を妊娠2週目(2w0d)とすると、受精卵が子宮に到達し子宮内膜への着床を始めるのが受精後6〜8日(2w6d〜3w1d)になります。受精卵の着床が始まるとhCGの分泌も始まります。着床が始まってからが完了するまでに6〜7日かかるので、着床が成立するのは妊娠3週目の終わり(3w5d〜4w1d)つまり生理予定日頃となります。
この頃には尿中のhCGの量が50IU/Lを超えるので、妊娠検査薬による妊娠判定が可能となります。胎のうが確認できるのが妊娠5週目なので、化学的流産の可能性があるは妊娠3週〜5週(3w3d〜5w6d)までと言うことになります。
※妊娠2週目初日を「2w0d」と表記します。2w6dの翌日は3w0dとなります。

化学的流産(化学流産)は流産ではなく生理

化学的流産と言いますが、医学的には流産ではなく通常の生理として扱われます。尿を用いた化学的な検査で妊娠反応が確認できたけれど、超音波検査では妊娠が確認できない状態を「生化学的妊娠」と呼び、その後に起こる出血つまり生理を化学的流産、化学流産と呼びます。
医学的には、超音波検査で子宮内に胎のうが確認できたときに妊娠と判断されます。超音波検査で胎のうが確認できるようになるのは妊娠5週頃ですが、個人差があるので妊娠5週目に産婦人科を受診しても「胎のうが見えない」と言われることもあります。

病院に行った方がいいの?

化学的流産は生理として扱われるので病院に行く必要はありません。稽留流産や不全流産のように子宮内に子宮内膜や受精卵が残っている場合は手術する必要がありますが、化学的流産では生理と同様に体外に排出されることがほとんどです。いつまでも出血や腹痛が続く場合は子宮外妊娠の可能性もあるので産婦人科を受診してください。

化学的流産(化学流産)を乗り越えて

初期流産や後期流産、流産に伴う手術を行った場合は医師から「次の妊娠まで期間を開けるように」と言われますが、化学的流産の場合はどうなのでしょうか?また繰り返すことはあるのでしょうか?化学的流産に関する心配事についてまとめました。

化学的流産(化学流産)後の妊娠

化学的流産の後は妊娠しやすい妊娠しにくいと言うことはありません。流産ではなく生理ですので、妊娠しやすいかどうかは通常の生理と同じと考えてください。生理がいつもより重く出血がダラダラと続くなどして次の排卵が遅れる人もいますが、何周期も続くことではないのでリラックスして過ごしてください。

化学的流産(化学流産)は繰り返すの?

化学的流産は偶発的に起こることなので、何度も経験する人もいます。防ぎようがないので、繰り返す場合も不運が重なったとしか言えません。でも化学的流産が起こるということは、排卵されている!受精できる!着床できる!と言うことなので、妊娠に向けて自信が持てますね。もし化学的妊娠を何度も繰り返す場合は不育症などの母体側の要因も考えられるので、産婦人科を受診することをお勧めします。

化学的流産(化学流産)を経験した方の声

多くの方が化学的妊娠を経験しています。

次の妊娠に向けて

化学的流産は流産ではないと言われても、自分のお腹の中で一度は育ち始めた生命が消えてしまったことは悲しいとしか言えません。受精卵の問題とはわかっていても、自分に原因があったのではないか?もっと栄養を摂ればよかったのでは?と自分を責めることもあります。そんな後悔を次の妊娠への希望に変えて、妊娠力を高めてみませんか。妊娠しやすい体を作るために、次の記事も参考にしてください。 赤ちゃんを授かるためにあれやこれやと努力している女性も、“そろそろ欲しいかも…”と思いはじめた女性も、注目。「妊活」をするうえで気にしなければいけないのは“排卵日”だけではありません。まずは基本の健康管理から始めることが大切です。今回は、今すぐ取り入れたい「妊娠力をあげる生活習慣」をご紹介。 “子宮内膜”と聞いてもピンと来る人は少ないかもしれません。けれど、妊娠したいのになかなか妊娠できない…と感じたとき、最初に疑うべきは子宮内膜なんです!子宮内膜の厚さは、妊娠率や出生率と大きく関係しています。妊活するなら、まずは子宮内膜のことをきちんと勉強しておきましょう♪ 「赤ちゃんがほしい」と思っている人にとっては気になる基礎体温の変化。妊娠すると、基礎体温はどのように変化するのでしょうか。記録した基礎体温から、排卵日や妊娠の可能性を探ることができるかもしれません。今回は、妊娠初期の基礎体温の変化をグラフでご紹介します。 妊娠前からの適度な運動や栄養バランスの良い食事などは、安産にも産後にも良い影響を与えてくれます。赤ちゃんを迎えるために、また赤ちゃんをベストな環境で育むために、妊娠しやすい体作りを始めましょう。

化学的流産(化学流産)は妊娠できるということ

化学的流産は赤ちゃんを待ち望んでいる人ほど、気付いてしまうことです。医学的には「流産」でなくても、妊娠検査薬で見た「陽性」のラインを思い出すとやはり落ち込まずにはいられません。化学的流産の捉え方は人それぞれですが、精神的なストレスが大きいことは確かです。でも排卵があること受精できたこと着床できたことに間違いはないので、次への希望にもなります。
化学的流産を経験して悲しい気持ちでこの記事を読んでくださったあなたに、一日も早くコウノトリが訪れることを願っています。

▼化学的流産に関する記事

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